レノボ Yoga Slim 750の実機レビュー

更新日:2020年9月28日
CPU Ryzen 5 4500U
メモリ 8GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 14インチ
液晶種類 FHD 広視野角 非光沢
質量 約1.36kg
バッテリー 約20.4時間
価格[税別] 11万円台
他とは違う上質なノートパソコン

Yoga Slim 750は、全体的に品質が高いノートパソコンです。

メタル素材の高級感あるボディに、広めの色域の液晶を搭載し、さらにスピーカー音もよくなっています。

特にバッテリー駆動時間が長く、多くのケースで1日もつのではないかと思います。

なお、本製品は、メーカー直販モデルはなく、店頭向けのモデルのみとなっています。

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 4500U、8GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Yoga Slim 750の特徴」のみお読みください。

 

Yoga Slim 750の特徴

かなり長いバッテリー駆動時間

Yoga Slim 750を使ってもっとも驚いたのが、バッテリー駆動時間です。約60.7Whの大容量バッテリーを搭載し、バッテリー駆動時間が非常に長い製品です。メーカー公表値では約20.4時間、負荷が高めのPCMark 8 Work バッテリーライフテストでも約13時間17分です。仕事で1日使ってもバッテリー切れにならないでしょう。

 

視野角広めのIPSパネルを搭載

同社には、もっと価格の安いIdeaPad Slim 550という製品がありますが、この製品と決定的に違う点は、ディスプレイの色域でしょう。IdeaPad Slim 550のsRGBカバー率は60.2%であったのに対し、Yoga Slim 750のsRGBカバー率は99.9%でした(いずれも当サイト計測値)。

画像や映像の色の再現性がよくなり、綺麗に表示できます。

本製品は色域が広い

 

なお、IdeaPad Slim 550との他の相違点としては、Yoga Slim 750のほうが、スピーカー音が良い、メタルボディである、軽い、バッテリー駆動時間が長いといった点が挙げられます。

 

持ち運びもできる軽さ

Yoga Slim 750の質量は、約1.36kg(メーカー仕様値)となっています。持ち運び用に特化したモバイルノートPCほど軽くはありませんが、十分、持ち運べる範囲の重さです。

持ち運べる軽さ

 

残念なポイント

Yoga Slim 750の人によっては残念に感じるポイントとしては、メモリがオンボードであるという点です。色域が広めなので、RAW現像などに使いたいところですが、搭載されている8GBのメモリだと、ちょっと容量不足です。スロット式であれば自分でメモリを増設できたのですが、それもできません。

他には、指紋認証に対応していない点、Thunderbolt 3に対応していない点が挙げられます。

 

ディスプレイのチェック

Yoga Slim 750のディスプレイのチェックです。パネルは、「AUO B140HAN06.8」でした。

色域・視野角ともに広く見やすいディスプレイです。ただ、気にならない人が多いかと思いますが、若干ギラつき(キラキラ光って見える現象)を感じます。最大輝度は、当サイトの計測では373cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99.9%、sRGB比は105.8%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線をすると、どの色も1:1の直線的で、揃っており、自然な発色であることが分かりますす。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ややギラつきを感じますが、気にならない方がほとんどだと思います。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Yoga Slim 750のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18.5mmで、キーストロークは約1.5mmとなっています。ノートPCとしては標準的な数値です。「Backspace」キー、「¥」キーなどは小さく、ややタイプミスしやすいですが、全体的に見て普通の打ちやすさのキーボードではないかと思います。

タッチパッドも普通の使いやすさです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Yoga Slim 750のパフォーマンスのチェックです。

CPU

まずは、定番のCINEBENCH R20のスコアを確認します。

Ryzen 5 4500Uを搭載しており、比較的高いパフォーマンスです。一般ユーザーが使うには十分な性能です。

CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 4500U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 4900HS 4250
Ryzen 7 4800H 3944
Core i9-10980HK 3860
Core i7-10875H 3557
Core i9-10885H 3516
Ryzen 5 4600H 3260
Ryzen 7 Pro 4750U 3197
Core i7-10750H 2965
Ryzen 7 4700U 2908
Ryzen 5 Pro 4650U 2424
Core i7-10710U 2211
Ryzen 5 4500U 2180
2065
Core i5-10300H 2113
Ryzen 3 4300U 1637
Core i7-1065G7 1484
Core i7-10510U 1459
Core i5-1035G1 1424
Core i5-10210U 1418
Core i3-1005G1 948
Core i3-10110U 913
Pentium Gold 5405U 516
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、ソフトウェアエンコード実行時の処理時間を確認します。この処理はCPU使用率が全コアほぼ100%に達します。CINEBENCH R20と違い処理時間が長いので、CPUの電力やクロックの推移が確認しやすいです。

エンコード時間は比較的短いです。TDP 15Wのプロセッサーですが、最初は20W前後で推移し、その後12Wくらいまで落ちています。それに伴いCPUクロックも落ちるような推移を見せています。

TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Ryzen 7 4800H 11分00秒
Core i9-10980HK 11分11秒
Core i7-10875H 11分54秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分43秒
Ryzen 3 4300U 25分22秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i5-10210U 28分53秒
Core i3-10110U 42分20秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
x265のソフトウェアエンコーダーを使用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ソフトウェアエンコード時のCPU電力
ソフトウェアエンコード時のCPUクロック

 

メモリ

メモリは LPDDR4Xのデュアルチャネルです。

本製品のメモリ

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 1500 ~ 3600
3481
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しています。カード挿入後の出っ張りはややあります。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大275MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

Ryzen 5 4500Uのその他のベンチマークについては、下のリンク先をご覧ください。他の機種で計測したスコアではありますが、ほぼ変わらないので参考になると思います。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。Thunderbolt 3には対応していませんが、PowerDelivery、映像出力には対応しています。充電については、5V充電器は使えませんでしたが、18W以上の充電器なら使えました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
65W ZHOULX充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower充電器
18W cheero充電器
5V充電器 ※2 5V/2.4A ANKER充電器 ×
5V/2.4A AUKEY充電器 ×
モニター
※3
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、YCbCr444で出力できていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

Yoga Slim 750の質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.36kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同じです。外出先へも持ち運べる質量だと思います。ただし、ThinkPad X1 CarbonASUS ExpertBook B9といったモバイルに特化したノートPCと比べると重いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.340kg
ACアダプター+電源ケーブル 332g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Yoga Slim 750のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量をフリーソフトで確認すると約60.7Whと大容量です。

バッテリー駆動時間は下の通りで、かなり長い駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約 20.4時間
(2) PCMark 10 Modern Office 18時間59分
(3) 動画再生時 16時間34分
(4) PCMark 8 Work 13時間17分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

バッテリー駆動時のCINEBENCH R20のスコアです。なお、バッテリー残量はほぼ100%あるときに計測しています。バッテリー駆動時でも、電源に繋いでいるときと変わらないスコアが出ています。

バッテリー駆動時のCINEBENCH R20
バッテリー駆動時のスコア
電源接続時との比較
Ryzen 5 4500U 2065
2096
 :電源接続時のスコア
 :バッテリー駆動時のスコア

 

1時間あたりの充電割合は76%で、速い充電速度だと思います。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
76%(約46Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。

静音性のチェック

Yoga Slim 750の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。高めの負荷がかかっても、比較的低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

前半は80℃台まで上がりますが、後半は60℃台に落ち着いています。問題ない温度です。

x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

全体的に低めの温度です。不快に感じることは少ないと思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

TDP 15Wの製品であるため、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Yoga Slim 750の外観のチェックです。

メタル素材のボディで高級感があります。カラーは「オーキッド」という紫系の独特のカラーです。

 

天板の画像です。

 

スピーカーはキーボードの左右にあります。音質をノートPC基準で採点すると、10点満点で6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

WebカメラおよびIRカメラを搭載しており、顔認証に対応しています。ただし、指紋認証には対応していません。

 

ボディは薄いです。

 

側面のポート類です。主要なものは揃っていると思います。

 

液晶は、約180度開くことができます。

 

底面はフラットです。

 

ACアダプターは65W、電源ケーブルは太いです。

 

まとめ

以上が、Yoga Slim 750のレビューです。

実際に使ってみて印象的だったのは、バッテリー駆動時間の長さです。負荷が高めのPCMark 8 Work バッテリーライフテストで約13時間17分というのはかなり長く、バッテリー状態でノートパソコンを使うことが多い方におすすめです。

5~6万円のノートパソコンと比較すると、液晶の色域が広く、スピーカー音も比較的良く、ボディの材質も高級で、全体的にグレードが高くなっています。少し品質のいいノートパソコンを持ちたい方にもいいでしょう。

残念なのはメモリが8GBであることです。一般ユーザーであれば、8GBでも十分ですが、色域の広さを活かし、クリエイティブな作業もしようと思った場合、8GBではやや物足りないです。オンボードなので、換装もできません。

 

安いモデルとは違う上質なノートパソコン

Yoga Slim 750

特徴

  • バッテリー駆動時間が長い
  • 液晶の色域が広い
  • デザインもいい

こんなあなたに

  • バッテリー状態でよく使う方
  • 少しグレードの高いノートパソコンが欲しい方
  • 価格11万円台[税別]~
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