レノボ ThinkPad P17 の実機レビュー

更新日:2020年12月5日
CPU Xeon W-10885M
Xeon W-10855M
Core i9-10980HK
Core i9-10885H
Core i7-10875H
Core i7-10750H
Core i5-10400H
GPU Quadro RTX 5000
Quadro RTX 4000
Quadro RTX 3000
Quadro T2000
Quadro T1000
メモリ 最大 128GB
ストレージ M.2 PCIe SSD x2
液晶サイズ 17.3インチ
液晶種類 FHD IPS
4K IPS
質量 約3.5kg
バッテリー 最大 約16.6時間
(94Wh)
WWAN LTE対応
価格[税込] 27万円台~
本格的な17.3型クワークステーション

ThinkPad P17は、17.3型の大型液晶を搭載した、本格的なワークステーションです。

最大だと、ノート型のワークステーションとしてはトップクラスの処理性能となる、Xeon W-10885M+Quadro RTX 5000という構成が可能です。それ以外にも、HシリーズのCoreプロセッサーや、Quadro Tシリーズ、大容量メモリやストレージ、RAID構成、4K液晶、LTE搭載といった構成も選択でき、用途に合ったスペック構成を選択できます。

デスクトップ型よりも移動がしやすいものの、大画面+ハイスペック構成が可能なワークステーションなので、サイズはかなり大きめです。モビリティを重視しない、高い性能と、作業のしやすさを求める、業務用ワークステーションだと思います。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-10875H、Quadro RTX 3000、16GBメモリ

 

目次

お忙しい方は、「ThinkPad P17の特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad P17の特徴

17.3型の本格ワークステーション

ThinkPad P17は、最大でXeon-W10885M、Quadro RTX 5000、128GBメモリ、4TB PCIe SSDという構成が可能な、ノート型のワークステーションです。最高構成だと、100万円(税込)を超える高額製品です。

ISV認証を取得しており、製造・建築などの設計、4K・8K・VRや3DCGなどのクリエイター、CAD、CAE解析など業務用ソフトを使用する方に適しています。

業務用の本格的なワークステーション

 

Core i5からXeonまで選べるCPU

ThinkPad P17では、Core i5-10400HからXeon W-10885Mの7種類のCPUから選択することができます。

下のグラフでは、一部ではありますが、ThinkPad P17で選択できるCPUの性能を比較しています。ワークステーションとしての使用を考えると、Core i7-10875H以上ぐらいの高めの処理性能を備えたCPUがおすすめです。

CINEBENCH R20
~ CPU性能の比較 ~
Ryzen 9 4900HS 4250
Xeon W-10885M 3992
Ryzen 7 4800H 3944
Core i9-10980HK 3860
Core i7-10875H 3557
Ryzen 5 4600H 3260
Core i7-10850H 2995
Core i7-10750H 2965
Ryzen 7 4700U 2908
Core i7-10710U 2211
Ryzen 5 4500U 2180
Core i5-10300H 2113
Core i7-1165G7 1923
Core i5-1135G7 1922
Ryzen 3 4300U 1637
Core i7-1065G7 1484
Core i5-1035G4 1464
Core i7-10510U 1459
Core i5-10210U 1418
Core i3-1115G4 1098
 :本製品で選択できるプロセッサー

 

グラフィックスにはQuadro搭載

ThinkPad P17は、外部グラフィックスとしてQuadro Tシリーズ、もしくはQuadro RTXシリーズを搭載します。

なお、nVIDIAでは、4Kビデオ編集や、写真・グラフィックスデザインなどの用途であればQuadro Tシリーズ、3Dアニメーション、モーショングラフィックス、6Kビデオ編集用途にはQuadro RTXシリーズがすすめられています。

 

作業がしやすい17.3型液晶搭載

ThinkPad P17は、ノート型としてはかなり大きめの17.3型液晶を搭載しています。そのため、外部ディスプレイを接続せずに、単体でも快適に作業ができます。

液晶の選択肢は、FHD IPS 非光沢 300nitと、UHD IPS 非光沢 500nitの2種類です。

UHD液晶はファクトリー・カラー・キャリブレーションに対応しており、より正確な色表現が可能です。色にこだわる必要があるクリエイティブな作業であれば、UHD液晶を選択するといいでしょう。

 

外部ディスプレイへの10bit表示が可能

ノート型PCの場合、外部グラフィックスを搭載していても、iGPU経由でディスプレイとつながり、10bit出力ができないものが多いです。

一方、ThinkPad P17は、MUXedという構成になっているようで、外部ディスプレイを使用する場合、外部ディスプレイはdGPUと接続されます。また、UEFIでdGPUだけを使うという設定も可能でした。

そのため、10bit表示が可能な外部ディスプレイを接続し、設定を行うならば、Photoshopなど対応したソフトでの10bit表示が可能となります。

外部ディスプレイは外部GPUに直結
10bit出力が可能

 

4つのメモリスロットを搭載

ThinkPad P17は、メモリスロットを4つ備えており、最大128GBのメモリを搭載することができます。Xeonプロセッサー選択時であれば、ECCメモリも選択可能です。

自己責任とはなりますが、購入後に自分でメモリの増設も行えると思います。

 

最大4TBのストレージを選択可能

ThinkPad P17には、2つのM.2スロットが用意されており、最大4TBのストレージ構成が可能となっています。

また、カスタマイズでRAID0やRAID1の構成を選択することもできます。ちなみに、RAID0はより高速な読み書き速度が特徴となっており、RAID1は耐障害性の高い構成となっています。なお、RAID1構成を選択した場合は、最大のストレージ容量は2TBとなります。

RAID構成も選択可能

 

LTEに対応

ThinkPad P17は、LTE対応を選択することができます。搭載するのは、Fibocom L860-GL LTE CAT16です。ThinkPad X1 Carbon Gen 8などで搭載可能なモジュールと同じで、国内の主要なバンドを網羅しています。

持ち運びに適したワークステーションではありませんが、現場を転々とする場合でも、ネット接続を確保しやすい、というメリットがあります。

 

かなり大きめのボディ

ThinkPad P17は、17.3型の液晶を搭載し、パワフルなスペック構成が可能なワークステーションなので、ボディサイズはかなり大きいです。

下の画像でサイズ比較を行っていますが、15.6型のThinkPad X1 Extremeが子どものように見えます。もちろん、デスクトップ型のワークステーションよりは、移動はしやすいですが、とにかくノート型としてはかなりの大きさなので、持ち運びやすさを考える方には適していません。

ディスプレイベゼルの幅も上下左右共に太く、無骨なイメージです。

一方、MIL-SPECのテストをクリアしており、現場や工場などの過酷な環境でも使用できる、高い信頼性と耐久性を備えています。

左:ThinkPad P17 右:ThinkPad X1 Extreme

 

ディスプレイのチェック

ThinkPad P17のディスプレイは、フルHD IPS液晶と、UHD IPS液晶の2種類から選択することができます。ここでは、フルHD IPSディスプレイの特徴について記載したいと思います。

フルHD IPSディスプレイ

フルHD IPSディスプレイの各種テスト結果です。パネルは、「LP173WF4-SPF7」でした。

色域はやや広めですが、用途によっては物足りないと思います。最大輝度は、当サイトの計測では300cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は87.9%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤と青がわずかですが強めに発色しているようです。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはほとんど感じません。

画面拡大

非光沢ディスプレイなので、画面への映り込みは抑えられています。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度を下げても、フリッカーは確認されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad P17のキーボードのチェックです。

15.6型のThinkPadシリーズに搭載されるのと同じ、フルサイズキーボードを搭載しています。キーピッチは十分ですし、キーストロークも実測で約2mm弱と深めです。キートップも大きく湾曲しており、打ちやすいです。

ただし、エンターキーの左側のキーサイズが小さくなっている点はやや残念です。横幅に余裕があるので、このキーも大きくしてほしいところでした。

標準的な4列テンキーも付いており、テンキーをショートカットキーに利用するクリエイティブソフトも使用しやすいです。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しており、暗い場所でも作業しやすいです。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

 

Core i7-10875Hの詳細

まず、今回搭載されているCore i7-10875Hの設定内容を確認すると、ご覧のようになっています。

HWiNFOによる表示内容

 

CPU

本製品では、第10世代のHシリーズCoreプロセッサー、もしくはXeonプロセッサーを選択できます。予算と作業内容に合わせて、適したCPUを選択するといいでしょう。

今回は、ノートPC用プロセッサーとしては高めの処理性能である、Core i7-10875Hを搭載していました。

CINEBENCH R23のスコアは以下の通りです。CINEBENCH R23では、マルチコアテスト、シングルコアテスト共に最低10分間は処理を行うので、長時間負荷をかけたときのパフォーマンスを確認することができます。

同じCore i7-10875Hを搭載した他機種で測定したスコアよりも高いスコアでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-10875H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-10900K
[デスクトップ用]
16414
Core i7-10875H 10369
7849
Ryzen 7 4700U 6499
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4000
Core i7-1065G7 3965
Core i3-1115G4 2454
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1165G7 1447
Core i9-10900K
[デスクトップ用]
1384
Core i7-10875H 1306
1240
Core i5-1135G7 1294
Core i3-1115G4 1265
Ryzen 7 4700U 1214
Ryzen 5 4500U 1142
Core i7-1065G7 1126
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

グラフィックス

ThinkPad P17は、外部グラフィックスとして、Quadroシリーズを搭載します。選択できるのは、RTX 5000、RTX 4000、RTX3000、T2000、T1000です。

他のGPUの結果と比較すると、Quadro系のGPUが得意とするソフトがはっきりします。群を抜いたスコアとなっているソフトを使用する場合は、Quadro系GPUを搭載するメリットがあると思います。

SPECviewperf 13
~ グラフィックス性能の評価 ~
3dsmax-06(1900x1060
RTX 2080 193.5
RTX 2070 173.89
Quadro RTX 3000 153.54
GTX 1660Ti 139.33
RTX 2060 124.69
GTX 1650 92.59
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
86.4
Quadro P2000 63.62
catia-05(1900x1060
Quadro RTX 3000 215.71
RTX 2080 142.92
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
120.26
RTX 2070 105.97
Quadro P2000 95.54
GTX 1660Ti 88.36
RTX 2060 88.3
GTX 1650 57.23
creo-02(1900x1060
Quadro RTX 3000 191.78
RTX 2080 183.42
RTX 2070 158.22
GTX 1660Ti 122.83
RTX 2060 118.69
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
95.15
Quadro P2000 80.21
GTX 1650 78.29
energy-02(1900x1060
Quadro RTX 3000 30.34
RTX 2080 22.53
RTX 2070 20.48
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
17.13
RTX 2060 14.49
Quadro P2000 11.49
GTX 1660Ti 10.27
GTX 1650 6.26
maya-05(1900x1060
RTX 2080 228.52
RTX 2070 197.62
Quadro RTX 3000 182.32
GTX 1660Ti 169.99
RTX 2060 140.03
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
124.66
GTX 1650 104.66
Quadro P2000 87.38
medical-02(1900x1060
Quadro RTX 3000 78.04
RTX 2080 61.16
RTX 2070 50.24
GTX 1660Ti 39.37
RTX 2060 37.96
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
30.45
GTX 1650 23.98
Quadro P2000 19.76
showcase-02(1900x1060
RTX 2080 121.12
RTX 2070 107.96
Quadro RTX 3000 81.12
RTX 2060 76.02
GTX 1660Ti 74.84
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
59.93
GTX 1650 41.78
Quadro P2000 29.48
snx-03(1900x1060
Quadro RTX 3000 224.61
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
155.6
Quadro P2000 114.06
RTX 2080 20.54
RTX 2070 14.99
GTX 1660Ti 14.5
RTX 2060 13.93
GTX 1650 11.32
sw-04(1900x1060
Quadro RTX 3000 124.88
Quadro P2000 96.66
Radeon Pro 5500M
[MacBook Pro 16]
95.44
RTX 2080 78.85
RTX 2070 78.62
GTX 1660Ti 65.39
RTX 2060 60.89
GTX 1650 52.51
※Composite Scoreを比較
SPECviewperf 2020
~ グラフィックス性能の評価 ~

最新のSPECviewperf 2020での計測も行いました。まだ他のグラフィックスで計測したことがないため、今回は比較のグラフは掲載していません。

 

Quadro RTX 3000は、ゲームプレイに適したGPUではないので、3DMark Time Spyのスコアはあまり伸びません。それでも、GeForce RTX 2060とGTX 1660Tiの間ぐらいのスコアはありました。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~

Quadro RTX 3000
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 2080Ti
12388
デスクトップ用
RTX 2080 SUPER
10674
デスクトップ用
RTX 2070 SUPER
9583
RTX 2080 9456
RTX 2070
SUPER
8322
RTX 2080
Max-Q
8068
RTX 2070 7778
RTX 2070 SUPER Max-Q 7425
RTX 2080
SUPER Max-Q
7302
RTX 2070
Max-Q
7216
RTX 2060 6163
Quadro RTX 3000 5773
GTX 1660Ti 5682
RTX 2060 Max-Q 5676
GTX 1660Ti Max-Q 5084
Radeon RX 5500M 4342
GTX 1650Ti 3700
GTX 1650 3463
 :本製品で選択できるGPU
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

GPU-Zで確認したQuadro RTX 3000の情報は次の通りです。標準的な設定になっています。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

メモリ

メモリはDDR4-2933で、4つのメモリスロットを備えています。速度はご覧の通りで高速です。

Passmark Performance Test 10.0 - MEMORY MARK
~ メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ

 

ストレージ

レビュー機のストレージは、PCIe-NVMe SSDで、比較的高速でした。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 1500 ~ 3600
2763
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

標準サイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

比較的高速です。現像作業自体も快適です。

Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
81秒
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-1065G7
16GBメモリ
99秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

高速です。4K動画の編集自体も快適です。

Core i9-10980HK
RTX 2080 Super Max-Q
4分18秒
Core i7-10750H
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i7-10875H
Quadro RTX 3000
5分09秒
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8GB
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
17分33秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
20分00秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
DaVinci Resolve Studio 17 Betaによる書き出し時間

計測機種が少ないですが、4K/30p、10分の動画を5分近くで書き出し出来ているので速いと思います。

Core i7-10875H
Quadro RTX 3000
4分53秒
Core i7-10875H
GeForce GTX 1650Ti
6分53秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8G
7分11秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 8分27秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7 17分35秒
Ryzen 7 4700U 33分05秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、H.264、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
※ 旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※ 旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※ MacBookシリーズはバージョンが17.1Betaで、その他は17.0Betaを使用
※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

こちらも非常に高速です。

x265によるソフトウェアエンコード
Core i7-10875H 10分44秒
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Ryzen 3 4300U 25分22秒
Core i5-1135G7 26分03秒
Core i7-1065G7 28分26秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i3-10110U 42分20秒
Core i3-8130U 45分24秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

Blender Benchmarkによるレンダリング時間

ここでは6種類のプロジェクトのレンダリング時間を測定し、合計したものをスコアとして比較しています。
ベンチマークのレンダリング速度は、そこそこです。ランキングでも上位16%なので、十分使えるレベルです。ソフト側の問題かもしれませんが、Cyclesでのレンダリングは、CPU+GPUよりも、GPUのみでのレンダリングの方が速い場合がありました。GPUのみでレンダリングを行う場合は、パフォーマンスのタイル設定を512pxなど、大きめに設定した方がよいようです。
ただし、あえて高価なQuadroを搭載するメリットは感じられませんでした。Blender目的であれば、GeForce RTX系のGPUの方がコスパが高くおすすめです。

Blender Benchmark
Xeon W-10885M
RTX 2080 Max-Q
10分56秒
Core i7-10875H
RTX 2060
15分13秒
Core i7-10875H
Quadro RTX 3000
15分38秒
Core i7-10750H
GTX 1660Ti
27分11秒
OptiXでの実行したときの結果
OptiXでの実行したときのランキング

 

静音性、温度のチェック

静音性については、アイドル時はほぼ音は聞こえません。ただし、高い負荷をかけたときは約46dBと高めの動作音になります。

表面温度については、高めの負荷をかけるとやや熱いですが、PC本体が分厚いこともあり、非常に熱いというわけでもありません。

CPU使用率が100%になるCPU温度は次の通りで、100℃に達しており、非常に高いです。

エンコード時のCPU温度

 

外観のチェック

ThinkPad P17の外観のチェックです。

写真では伝わりにくいですが、実際に見ると、とにかく大きいです。

 

天板の画像です。

 

スピーカーはキーボード部の上部に配置されています。スピーカー音は普通で、ノートPC基準で採点すると、10点満点で5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

ウェブカメラには、ThinkShutterが付いており、物理的にカバーすることができます。IRカメラも搭載しているので、Windows Helloの顔認証でのログインが可能です。

 

指紋センサーを標準搭載しており、指紋認証でのログインができます。

 

本体は、25~33.25mmとかなり厚みがあります。

 

ThinkPad P17の側面・背面の画像です。

インターフェイスとしては、USB 3.1 x3、USB-C 3.1 x3(うち2ポートはThunderbolt 3対応)、HDMI、SDカードリーダー、LAN、SIMトレイを備えています。インターフェイスの種類と数は十分です。

電源やLANポートなどが背面に配置されており、ケーブル類が邪魔になりにくいです。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。メモリへのアクセスがしやすくなっています。

 

ACアダプターは230Wです。スリムタイプですが、それでもサイズは大きめです。なお、構成によっては170Wアダプターが同梱されます。

 

まとめ

ThinkPad P17は、17.3型の大画面を搭載し、本格的なスペック構成が可能なノート型のワークステーションです。

CPUはCore i5-10400H~Xeon W-10885M、GPUはQuadro T1000~Quadro RTX 5000と、選択できる幅が広いです。その他にも、4K液晶、大容量のメモリとストレージ、RAID構成、LTE搭載など、作業環境と使用するソフトに合った構成を選択できます。

特に、Quadroを必要とするクリエイティブなソフトを使用する環境での導入に適しています。

ただ、今回のチェックでは、CPU使用率が100%の時のCPU温度が100%に達していました。高負荷の処理を長時間行う場合は、やや不安を感じます。

ボディは大きく、重いですが、デスクトップ型よりも移動はしやすいです。工場や現場などの、移動する必要がある場所での使用に適したワークステーションです。

Xeon+Quadro RTXを搭載可能な本格派の17.3型ワークステーション

ThinkPad P17

特徴

  • Xeon + Quadro RTXの構成が選択可能
  • 4K、大容量メモリ、RAID、LTEなど多彩な構成が可能
  • 外部ディスプレイへの10bit出力が可能

こんなあなたに

  • Quadroを必須とするアプリケーションを使用する方
  • 会社や工場で導入するワークステーションとして
  • 価格27万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

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