レノボ ThinkBook 13s Gen2 の実機レビュー

更新日:2020年12月17日
CPU Core i5-1135G7
Core i7-1165G7
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 13.3型
液晶種類 1920x1200 IPS 非光沢
2560x1600 IPS 非光沢
質量 約1.26kg
バッテリー 最大 約18.7時間(56Wh)
価格[税込] 8万円台~
画面比16:10の低価格モバイルノート

ThinkBook 13s Gen2は、画面比16:10で、仕事がしやすいモバイルノートです。

液晶の色域(色を表現できる範囲)も広いので、画像などを色鮮やかに表示できます。

また、16:10のディスプレイを搭載しているノートPCとしては、価格が非常に安いです。

加えて、CPU冷却ファンを2つ搭載しており、問題ないCPU温度に保ちつつ、高いパフォーマンスを出すことが可能です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i5-1135G7、16GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「ThinkBook 13s Gen2の特徴」のみお読みください。

 

ThinkBook 13s Gen2 の特徴

仕事にも趣味にも便利な16:10の画面比

ThinkBook 13s Gen2の大きな特徴は、割と安い製品でありながら、アスペクト比16:10の液晶を搭載している点でしょう。16:9の一般的な液晶よりも、縦方向に少し広くなっているので、WebページやWord文書などが見やすく、仕事がしやすいです。

解像度は、1920x1200です。発表時は2560x1600も選択できるとリリースノートに記載されていましたが、現在のところ1920x1200しか選べません。

アスペクト比16:10の液晶

 

色域も比較的広く、当サイトの計測値では、sRGBカバー率 98.8%でした。Webページに掲載するための画像編集やRAW現像などの用途にも使用できます。ブログを書いたりしている方にもいいでしょう。

色域も比較的広く、画像編集用途にも使用可能

 

ダブルファンで安定動作

ThinkBook 13s Gen2は、13インチクラスの小さいボディでありながら、CPU冷却ファンを2つ搭載しています。詳細は後述しますが、問題ないCPU温度を保ったまま、高いベンチマークスコアが出ます。また、長時間高めの負荷をかけても、パフォーマンスの低下が少ないです。

デュアルCPU冷却ファン

 

リーズナブルなビジネス用モバイルノートPC

価格もリーズナブルで、Core i5のモデルなら税別7万円台から購入することができます。

同じ1920x1200のディスプレイを選択できるデルのXPS 13 (9310)と比較すると、かなり安いです(下表)。

XPS 13 (9310)は、より解像度の高いディスプレイや、大容量メモリを選択できる点、またデザインが美しい点などのアドバンテージがあるものの、そこそこのスペックで良く、デザイン性にそこまでこだわらないなら、リーズナブルに入手できるThinkBook 13s Gen2もいい選択肢になるのではないかと思います。

ライバル機種との価格比較
  ThinkBook 13s Gen2 XPS 13 (9310)
画像
CPU Core i7-1165G7
メモリ 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
液晶種類 1920x1200
質量 約1.26kg 約1.2kg
バッテリー 56Wh 52Wh
価格[税別] 115,920円 162,384円

 

長めのバッテリー駆動時間

ThinkBook 13s Gen2は、56Whのバッテリーを搭載しています。これは、13型のモバイルノートPCとしては大きめの容量です。使い方にもよりますが、1日バッテリーが持つケースが多いと思います。当サイトで計測したバッテリー駆動時間は後述します。

バッテリー容量

 

180度開くヒンジ

ThinkBook 13s Gen2は、下の画像のように、ディスプレイ面は180度開きます。対面する相手に資料を見せることなどができ便利です。また、インフラ系のエンジニアなど、お客様先で作業をするときに、ノートPCを床に置いて使うこともあるかと思いますが、そんなときでも画面が見やすいです。

180度開くヒンジ

 

シャッター付きカメラ

ThinkBook 13s Gen2のWebカメラには、物理的にカメラをカバーするThinkShutterを備えています。カメラを使用するとき以外はシャッターを閉めておくことで、カメラ経由で意図せずに自分の姿を他の人に見られる、という心配がありません。

なお、IRカメラは搭載していないので、顔認証でのログインはできません。

ThinkShutter付きカメラ

 

ワンタッチで、スリープ解除&ログイン

ThinkBook 13s Gen2は、指紋認証装置を搭載しています。電源ボタンと一体になっているため、ボタンを1度押し込むことで、スリープ解除とWindowsへのログインが一度に行えます。

ただ、押し込まなくても"軽くタッチ"するだけで、スリープ解除&ログインができるかと思ったのですが、それは出来ませんでした。ボタンをタッチするのではなく、ボタンを押す必要があります。

電源兼指紋認証装置

 

やや残念な点

ThinkBook 13s Gen2の残念な点は、SDカードスロットが無いところです。比較的広い色域のディスプレイを搭載しているので、RAW現像などの用途にも使用できますが、SDカードが無いため、データの受け渡しをするときにクラウドを利用したり、SDカードアダプターを使ったりする必要があります。

また、ThinkBook 13s Gen2は、ThinkシリーズのノートPCですが、ThinkPad特有の打ちやすいキーボードとは異なっていますし、トラックポイントもありません。

LTEにも非対応です。

質量は、約1.26kgと重いわけではありませんが、最近は1kgを切るモバイルノートが増えているので、軽い部類には入りません。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックです。画面比も16:10で、WebページやOffice文書が見やすいです。
動画鑑賞 ディスプレイの表示が綺麗で、スペックも十分です。
RAW現像
画像編集
色域が比較的広いので、Web掲載用のRAW現像や画像編集にも使えるでしょう。特にこの機種は「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすると処理が非常に高速になるので、割と快適に使えると思います。ただし、Adobe RGB 100%ほどの色域はないため、印刷用途の編集には向いていません。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集なら出来ると思います。ただし、4K動画など本格的な編集をするなら、もう少し高めのスペックがいいと思います。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。

 

ディスプレイのチェック

ThinkBook 13s Gen2のディスプレイのチェックです。パネルは、「M133NW4J R0」でした。

16:10のアスペクト比で、色域も比較的広く、一般ユーザーにとってはとても見やすい液晶だと思います。最大輝度は、当サイトの計測では364cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は98.8%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線をすると、やや中間部が暗めの設定ですが、どの色も比較的直線的で揃っています。自然な発色で見やすいです。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはあまり感じません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)は、輝度を低くしても発生していませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkBook 13s Gen2のキーボードは普通の打ちやすさです。

キーピッチは横:19mm、縦:18mmと十分ですが、キーストロークは約1.1mmと浅めです(いずれも当サイトの計測値)。

EnterキーやBackspaceキーが、他のキーと一緒の枠にあり、サイズも他のPCよりやや小さくなってます。

タッチパッドの操作性は普通です。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkBook 13s Gen2のパフォーマンスのチェックです。

ThinkBook 13s Gen2は、電源スマート設定により、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」の他に、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」、省電力動作になる「バッテリー省電力」といったモードを選ぶことが可能です。

電源スマート設定

 

今回、Core i5-1135G7を搭載していますが、デフォルト時と、エクストリーム・パフォーマンス時のPL1は、次のようになっています。ここでは、この2つのモードの各種ベンチマークスコアを確認していきます。

デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス

 

CPU

ThinkBook 13s Gen2のCPUにはTiger Lakeこと第11世代Coreプロセッサーを搭載しています。

今回、 Core i5-1135G7を搭載していますが、エクストリーム・パフォーマンスのモードにすると、非常にベンチマークスコアが高かったです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i5-1135G7
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i7-10875H 10369
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i5-1135G7 5239 [エクストリーム・パフォ]
4000
3113 [デフォルト]
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i7-1065G7 3965
Core i3-1115G4 2454
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1165G7 1447
Core i5-1135G7 1356 [エクストリーム・パフォ]
1294
1271 [デフォルト]
Core i7-10875H 1306
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1265
Ryzen 7 4700U 1214
Ryzen 5 4500U 1142
Core i7-1065G7 1126
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移を確認します。

エクストリーム・パフォーマンスの場合、徐々にCPU電力は下がるものの、高めの数値で推移しており、最終的に落ち着いたときも23Wと高めのCPU電力です。また、CPU温度もターボブースト時を除けば、89℃以下で推移しており、最終的に落ち着いたときは68℃です。問題のない温度だと思います。

  • CPU電力
  • CPUクロック
  • CPU温度
Prime95で負荷をかけたときのCPU電力
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPUクロック
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPU温度
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行

 

メモリ

メモリはLPDDR4Xで速度はご覧の通りで、十分な速さです。

Passmark Performance Test 10.0 - MEMORY MARK
~ メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ

 

グラフィックス

3dMark Night Raidのスコアを下に掲載します。Core i5-1135G7としては、今まで計測した中で、一番高いスコアです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i5-1135G7(デフォルト)
Core i5-1135G7(エクストリーム・パフォーマンス)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1050 25325
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
19340 [デフォルト]
19309 [エクストリーム・パフォ]
14551
GeForce MX330 16714
Radeon Graphics
(Ryzen 9 4900HS)
16322
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
15677
GeForce MX250 15406
Radeon Graphics
(Ryzen 7 Pro 4750U)
14302
Radeon Graphics
(Ryzen 7 4700U)
13861
Radeon Graphics
(Ryzen 5 4500U)
12126
Intel UHD
(Core i3-1115G4)
11487
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
11084
Radeon Vega 8
(Ryzen 5 3500U)
10014
Radeon Graphics
(Ryzen 3 4300U)
9800
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
9188
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
Intel UHD 620
(Core i5-8265U)
5274
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

次に3Dmark Wild Life STress Testを実行したときのフレームレートの安定性を確認します。このテストでは、Wild Lifeのテストを20回ループしていますが、ほとんどフレームレートは落ちていません。また、スコア自体も高く優秀です。ダブルファンの効果があるようです。

3DMark Wild Life Stress Test
~ グラフィックス性能が時間と共に落ちていかないかの評価 ~
Core i5-1135G7

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。PCIe SSDにしてはそれほど速くありませんが、実用上は十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 1500 ~ 3600
2187
SATA-AHCI SSD 550
HDD 140
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。なお、ここでは「エクストリーム・パフォーマンス」のモードで実行した結果を掲載しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Core i5-1135G7にしては速いです。ややファン音がうるさくなるときもありますが、現像処理自体も快適でした。

Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i5-1135G7
16GBメモリ
77秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒 (MacBook Pro 13 M1)
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Core i5-1135G7にしては速いです。ただそれでも4K/30pの約10分の動画の書き出しに14分以上かかっています。FHD/30pの約10分の動画なら4分を切る時間だったので、そこまで待たされません。編集作業自体もFHD動画であれば、(プロレベルの凝ったことをしなければ)快適に使えていました。

Core i9-10980HK
RTX 2080 Super Max-Q
4分18秒
Core i7-10750H
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8GB
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
14分21秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
17分33秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
20分00秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作確認結果です。

Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPort出力に対応しており、以下の試した機器は全て使用することが出来ました。18Wと30Wの充電器については、警告は出るものの充電自体は可能でした。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器
18W cheero充電器
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※ 低速の充電ケーブルであるという警告が表示されるが充電は可能

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、RGBで出力できていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

ThinkBook 13s Gen2の質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.26kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同様です。最近のモバイルノートは1kg以下のものが増えてきているので、決して軽い部類には入りませんが、重いわけでもなく、持ち歩ける範囲の質量だと思います。

ACアダプターは重いので、持ち歩くなら別途Power Delivery対応の充電器を用意するとよいでしょう。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.262kg
ACアダプター+電源ケーブル 328g

 

バッテリー駆動時間のチェック

ThinkBook 13s Gen2のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は約56Whと大きい容量です。仕様値ではCore i7だと最大約15.7時間、Core i5だと最大約18.7時間のバッテリー駆動時間となっています。

バッテリー駆動時間は下の通りで、比較的長い駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約18.7時間
(2) PCMark 10 Modern Office 11時間58分
(3) 動画再生時 10時間58分
(4) PCMark 8 Work 5時間01分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。モバイルノートに多い45Wではなく、65WのACアダプターが搭載されていることもあり、充電速度は速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
74%(約41Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。

静音性のチェック

ThinkBook 13s Gen2の動作音(静音性)のチェック結果です。

他のノートPCと比較して、同程度、もしくはやや高めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から4番目:同上

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

デフォルトのモードであれば、最初のターボブースト時を除けば、50℃台で推移しており低めの温度です。

エクストリーム・パフォーマンスのモードにしても、CPUクロックが高めに推移しているときは80℃台で推移していますが、落ち着いてからは60℃台で推移しているため、問題ない温度です。

安心して使えると思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

デフォルトのモードなら低めの温度です。エクストリーム・パフォーマンスのモードにしても、パームレスト部分の温度はそれほど上がらないので快適に使えます。裏面は一部熱くなりますが、こんなものでしょう。13インチクラスのノートPCとしてはそこまで熱くないほうです。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサーを搭載しているため、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkBook 13s Gen2の外観のチェックです。

 

天板はデュアルトーンとなっており、デザイン的にも優れています。仕事先で取り出しても、恥ずかしくないデザインだと思います。

 

スピーカーは底面の左右の端にあります。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

ボディは薄型です。

 

コンパクトなモバイルPCの中には、USB-Cポートしかない機種も増えてきていますが、USBメモリでデータを渡そうとすると、アダプターが必要になるなど、ちょっと不便なこともあるものです。

ThinkBook 13s Gen2は、USB3.1 x2、HDMI出力、USB-C(Thunderbolt 4、PowerDelivery、DisplayPort対応)という構成で、標準的なポート類は揃っているので、安心です。

ただ、SDカードリーダーを備えていないのは、少し残念です。

 

前述の通り、ヒンジは約180度開きます。

 

底面の画像です。

 

底面カバーを外すには、T5トルクスドライバーが必要です。CPU冷却ファンは2つです。メモリはオンボードなので換装することはできません。

 

Type 2242のM.2 SSDが搭載されていましたが、Type 2280のSSDへも換装できそうです。

 

ACアダプターは65Wです。サイズは大きめで、電源ケーブルも太いです。

 

まとめ

以上がThinkBook 13s Gen2のレビューです。

アスペクト比16:10のディスプレイを搭載しており、通常の16:9のディスプレイよりもWebページやWord文書、Excelファイルなどが見やすく、仕事がしやすいです。ディスプレイの色域も比較的広く、RAW現像などの用途にも使えます。

16:10のディスプレイを搭載した他のモバイルノートは価格が高いものが多いですが、本製品は7万円台から購入することが可能で、非常に安いです。

冷却ファンを2つ搭載していることで、そこまで軽くはありませんが、その代わり、冷却性能は高く、Core i5-1135G7にしては高いパフォーマンスが出ており、また温度も問題ない範囲でした。

LTEには対応していない点、SDカードスロットがない点は妥協する必要があります。

 

画面比16:10の低価格モバイルノート

ThinkBook 13s Gen2

特徴

  • アスペクト比16:10、sRGB 約100%液晶を搭載
  • 価格が比較的安い
  • ダブルCPUファンで高いパフォーマンス・安定動作

こんなあなたに

  • 安くてもしっかり使えるモバイルノートが欲しい方
  • 画面が見やすいモバイルノートが欲しい方
  • ライトなクリエイティブ作業も行いたい方
  • 価格8万円台(税込)~
  • 一言低価格帯PCの中では優秀
公式サイトはこちら

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