※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ IdeaPad Gaming 350iの実機レビュー

CPU | Core i7-10750H Core i5-10300H |
---|---|
GPU | GTX 1650Ti GTX 1650 |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD + HDD |
液晶 | 15.6型 FHD IPS 120Hz |
質量 | 約2.2kg |
バッテリー | 約8.8時間 |
価格[税込] | 11万円台~ |
IdeaPad Gaming 350iは、GeForce GTX 1650Tiなどのグラフィックスを搭載したエントリー向けのゲーミングノートPCです。
エントリー向けといっても、120Hzの高リフレッシュレート液晶を搭載しています。フォートナイトのような軽いゲームなら、グラフィック品質をやや下げることで、120fps近く出すことができ、120Hz液晶でプレイすることで、ゲームを有利に進められます。
またデザインが、一般的なノートパソコンに近いので、家族にゲームPCを買ったと悟られる心配がありません。
こちらは量販店モデルとなっており、以下のような店で販売されております。
販売店(ビックカメラ)
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-10750H、GeForce GTX 1650Ti、16GBメモリ、256GB PCIe SSD + 1TB HDD
目次
お忙しい方は、「IdeaPad Gaming 350iの特徴」のみお読みください。
IdeaPad Gaming 350iの特徴
エントリー向けゲーミングノート
IdeaPad Gaming 350iは、12万円台から購入できるエントリー向けゲーミングノートPCです。ゲームはするけどそこまでお金をかけたくない、カジュアルにゲームをしたいといった方におすすめです。

120Hz液晶に対応
IdeaPad Gaming 350iは、価格は安いですが、120Hz駆動の液晶ディスプレイを搭載しています。60fpsの液晶とと比べると、1秒間に2倍のフレーム(静止画)を表示するため、動きを速く認知することができます。
また、キーボードが押されてから液晶に反映されるまでの時間が短く、キーボードおよび液晶を含むPC全体の遅延が少なくなっています。
これらのことから、流行りのフォートナイトやApexなどのバトルロワイヤルゲームで、他の一般的なノートPCよりも、有利にプレイすることができるでしょう。

各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に動きます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 映像は見やすく、スペックも十分です。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | CPUなどの処理性能は申し分ありませんが、色域が狭いので、画像編集向きのPCではありません。外部ディスプレイに接続するならいいでしょう。 |
動画編集 | ○ | 性能面では問題ないでしょう。ただし、液晶の色域が狭いので、色調整までする方には適しません。書き出しを早く終わらせたいなら、より性能の高いグラフィックスを搭載したモデルがいいでしょう。 |
ゲーム | ○ | エントリー向けではあるものの外部グラフィックスを搭載し、120Hz液晶も備えており、重くないゲームなら快適でしょう。ただし、重いゲームの場合は、ややスペック不足になることもあると思います。 |
ゲームベンチマーク
ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。今回は、GeForce GTX 1650Tiで計測したスコアを掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。
重いゲームの場合は、グラフィック品質をやや下げる必要があるでしょう。中程度の重さのゲームなら、最も高いグラフィック品質でも60fpsを超えてきます。ただ、120Hzの恩恵を受けるには、120fps近いフレームレートを出す必要がありますが、このフレームレートを出せるゲームは限られてくると思います。
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 軽量品質 | 7358 / 73 fps |
標準品質 | 5575 / 55 fps | |
高品質 | 4178 / 41 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 標準(ノート) | 16164 / 123 fps |
高(ノート) | 14199 / 98 fps | |
最高品質 | 10587 / 71 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 非常に低い | 146 fps |
中 | 100 fps | |
ウルトラ | 71 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 高設定 | 69 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
フォートナイト
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 低設定 | 264 fps |
高設定 | 107 fps | |
最高設定 | 78 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
||
---|---|---|
1920x1080 | 最高品質 | 19711(すごく快適) |
※表示しているのは平均フレームレートです
※グラフは、ノート用グラフィックスのみで比較しています
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
遅延は少ないですが、色域がやや狭いです。最大輝度は、当サイトの計測では282cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
色域は狭いです。当サイトの計測で、sRGBカバー率は63.0%でした。

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃っており、素直な発色になっていることが分かります。

視野角は広いです。

画素形状です。ギラつきはほとんどありません。

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

正確な確認方法ではありませんが、輝度を下げてもフリッカーは確認できませんでした。

※カメラのシャッタースピードを1/2000秒にして撮影したときの画面
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約31msでした。計測毎にばらつきがあるので、3回計測した平均値を求めています。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、本製品の遅延は少ないと思います。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、普通のノートPCは60Hz液晶で2フレーム前くらいまで残像が表示されているのに対し、本製品は120Hzの液晶で、2~3フレーム前の残像が表示されていました。本製品の液晶は、普通のノートPCの液晶より、2倍のフレームが表示されているため、残像はやや少ないと思います。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
IdeaPad Gaming 350iのキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18.5mmです。キーストロークは約1.8mmです。いずれも十分な数値で、キートップは湾曲しており、キーは押しやすいと思います。また、矢印キーが異常に大きく、押しやすくなっています。ただし、1つの枠に複数のキーが入っている箇所があり、ややかっこ悪く、一部のキーは小さめになっています。特に、「Backspace」キーを押すときに、誤って「\」も押してしまいやすいです。
タッチパッドの操作性は普通です。


キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
本製品は、下図のようにサーマル・モードが設定できるようになっています。ここでは、「パフォーマンス・モード」と「バランス・モード」で計測したベンチマークスコアを掲載します。

CPU
最新の第10世代Coreプロセッサーを搭載しており、今までゲーミングノートによく搭載されてきたCore i7-9750Hよりも高い性能です。
また、「パフォーマンス・モード」と「バランス・モード」で、スコアはほとんど変わりませんでした。
~ CPU性能の評価 ~


※[パフォーマンス・モード]、[バランス・モード]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスについては、エントリー向けのGeForce GTX 1650、GTX 1650Tiを搭載できます。
こちらも、「パフォーマンス・モード」と「バランス・モード」で、スコアはほとんど変わりませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~


※[パフォーマンス・モード]、[バランス・モード]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
※いずれもノートPC用のグラフィックスです
GPU-Zで確認したGeForce GTX 1650Tiの情報は次の通りです。標準的な性能かと思います。

ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。なお、ここでは、いずれも[パフォーマンス・モード]で計測しています。
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※※[レビュー機で計測]と書かれたもの以外は、他のPCで計測した代表値です
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたもの以外は、他のPCで計測した代表値です
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 13分29秒 |
QSVでエンコード (※2) | 2分48秒 |
NVENCでエンコード (※3) | 54秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

質量のチェック
質量は標準的です。
質量 | |
PC本体 | 2.143kg |
ACアダプター | 571g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量をフリーソフトで確認すると、約45Whでした。ゲーミングノートPCとしてはやや少なめです。
バッテリー駆動時間は下の通りで、やや短いです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 約 8.8時間 |
(2) 動画再生時 | 5時間37分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | ー |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | ー |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時は普通ですが、高い負荷をかけたときの騒音値は高めです。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fpsに制限(標準品質(デスク)、1920x1080)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(最高品質、1920x1080)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
エンコード時のCPU温度の詳細
エンコード時は、80~90℃台で推移しており、高めの温度です。

FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。80℃台まで上昇しておりやや高めですが、ギリギリ問題ないかと思います。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード面は熱くなりますが、パームレスト部分はそんなに熱くはなりません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
一般向けのノートPCと比較すると、高い消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
IdeaPad Gaming 350iの外観のチェックです。
一般的なノートパソコンとあまり変わらないようなデザインですが、ブルーに光るキーボードバックライトが、ゲーミングノートらしさを出しています。

天板は、端が少し斜めになっており、かっこいいです。

スピーカーは側面と底面の間の斜めになっているところに配置されています。音質は普通で、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

背面の排気口に、ヒンジが被さっているので、放熱を妨げそうです。

インターフェースは次のようになっています。主要なポートは揃っていますが、SDカードスロットはありません。


液晶が開く最大の角度はこちらです。

底面の画像です。

ACアダプターは、135Wとなっています。サイズもやや大きいです。

まとめ
以上がIdeaPad Gaming 350iのレビューです。
エントリークラスのゲーミングノートで、価格が抑えられています。ゲームをするけど、それほど画質にはこだわらない方、予算があまり出せない方、たまにしかプレイしない方などにおすすめの製品です。
エントリー向け製品ではありますが、液晶は120Hzに対応しており、フォートナイトなどの負荷の軽いゲームであれば、ややグラフィック品質を下げることで、高いフレームレートでヌルヌルとした映像でプレイできると思います。遅延も少なく、バトルロワイヤルゲームなどでは有利に働くでしょう。
ただし、エントリーモデルだけあり、上位機種のLegion 550i 15と比べると、放熱性、静音性、液晶の鮮やかさなど見劣りする部分があります。このあたりは、多少妥協して使う必要があるでしょう。
120Hzに対応したエントリー向けゲーミングノート
IdeaPad Gaming 350i

特徴
- 価格が安いエントリーモデル
- 120Hzの高リフレッシュレート対応
- 最新の第10世代Coreプロセッサーを搭載
こんなあなたに
- 予算を抑えたい方
- 仕事メインで使い、たまにゲームもする方
- 価格11万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ

レノボのパソコンの一覧ページです。売れ筋のThinkPadや、コストパフォーマンスの高いideapadなど掲載し、おすすめのPCも書き込んでいます。

約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。