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レノボ ThinkPad T470sの実機レビュー

更新日:2017年3月10日
ThinkPad T470s

メインとモバイル兼用PC

ThinkPad T470sは、操作性が良く、画面大きく、メインPCとしても使用できる14型モバイルノートパソコンです。

新モデルでは、第7世代インテルCPUを搭載し、さらにLTEにも対応しました。

また、使えるドックがたくさん用意されており、ウルトラドックなどを利用すれば、パソコンを上からガシャっと挿すだけで、外付け液晶、外付け光学ドライブ、有線LANなどを一度につなぐことができ、さらにパソコンの充電も可能です。

ThinkPad X1 Carbon 2017よりは納期が早く、価格も安いです。

公式サイト:
レノボ 公式サイト


※レビュー機は、当サイトでの購入品です

目次

ThinkPad T470sの基本スペック

ThinkPad T470sの基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2017年3月8日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。

CPU
Uシリーズの第7世代インテルCPUを選択可能です。本機はCore i5-7200です。
グラフィックカード
インテルHDグラフィックス 620(CPU内蔵)です。
液晶ディスプレイ
14.0型ワイド、非光沢IPS液晶です。FHDFHDタッチWQHDから選択可能です。
メモリ
PC4-17000 DDR4のメモリで、最大24GBです。2枚のうち1枚はオンボードです。
M.2 SSD
SATA SSDまたはPCIe-NVMe SSDを選択できます。本機は128GB SATA SSDです。
光学ドライブ
内蔵していません。
 
バッテリー駆動時間
メーカー公表値で最大約11.1時間(JEITA2.0)です。
その他
薄さは16.9-18.8mm、質量は約1.32kg~となっています。

特徴1 - 作業を快適に行える

本製品は、モバイルノートパソコンとしては、作業を非常に快適に行える製品です。

打ちやすいキーボードに、マウスが無くても操作しやすいトラックポイントを搭載。また、モバイルノートPCとしては大きな14型ワイドの液晶を搭載し、視野角も良いです(ただし色域はやや狭いです)。静音性も高く、動作音が気にならずに作業をすることができます。

このように操作性が良く、画面も大きく、メインのノートパソコンとしても十分使用できるPCです。

同じ14型ノートのThinkPad X1 Carbonよりもやや重いですが、(同構成なら)ThinkPad T470sのほうが安価です。


作業を快適に行える

特徴2 - LTEモジュール選択可能

ThinkPad T470sは、LTE(WWAN)モジュールを選択することが可能です。

格安SIMを使えば月々数百円で、モバイルデータ通信可能です。なお、SIMサイズはmicro SIMです。購入するときに、間違えて他のサイズのSIMを選ばないようにしましょう。


LTE対応(SIMサイズはmicro SIM)

 

格安SIMカードを挿入し、ThinkPad T470sとiPhone 7との速度を比較してみました。回線が空いているAM10時頃と、非常に混み合って速度が低下するPM0時頃の速度を計測してみましたが、ThinkPad T470sはiPhone 7とほぼ変わらない速度が出ていました。速度面では問題ないでしょう。

ダウンロード速度の比較
  ThinkPad T470s iPhone 7
AM10時頃 25.05Mbps 25.08Mbps
PM0時頃(正午頃) 0.69Mbps 0.77Mbps
※両機種ともIIJmioのSIMを用い、同じ場所から計測

 

やや気になったのは、スリープ復帰後にLTE接続が完了するまでの時間が約40秒かかったことです。ThinkPad X270と同様に、LTEに接続するまでにやや時間がかかりました。

特徴3 - 豊富なドックを利用可能

ThinkPad T470sは、たくさんの種類のドックを利用可能です。

ThinkPad T470sで使えるドックは主に次の3種類に分けられます。

その1:USBで接続するドック

1種類目は、USBで接続するドックです。ポート数はやや少なめですが、価格が安く手軽に利用できます。なお、似たような製品にThinkPad OneLinkドックというものがありますが、ThinkPad T470sは対応していません。


ThinkPad USB 3.0 Dock(現在非売品)

その2:底面コネクタに接続するドック

2種類目は、ThinkPad T470sを上からガシャっとセットするだけのドックです。セットすれば、パソコンに電力供給されるため、別途ACアダプターを接続する必要もありません。ポート数も多くおすすめです。



ThinkPad ウルトラドック - 90W

その3:ワイヤレスで接続するドック

3種類目は、ワイヤレスで接続するThinkPad WiGig ドックです。ドックにある程度近づくだけで、ワイヤレスで周辺機器に接続可能です。ただし、パソコンへの電力供給はできないため、ACアダプターは別途接続する必要があります。また、WiGig対応のCPUは限られ、さらにLTEモジュールとは排他になります。



ThinkPad WiGig ドック

特徴4 - 底面カバーを開けやすい

地味なメリットですが、ThinkPad T470sは底面カバーを開けやすいです。

最近のモバイルノートPCは、底面カバーが開けにくい製品が多いですが、本製品は外すネジが少なく、爪のひっかかりがほとんどなく(ネジを外すと爪が勝手に外れていくようなイメージ)、底面カバーを開けられます。メモリやストレージの換装が行いやすいですし、メンテナンスも楽です。


はずすネジは5つ


ツメが外れやすく底面カバーを開けやすい

 

ただし、せっかく底面カバーが簡単に外せるのに、内蔵バッテリーはCRU (ユーザーによる交換可能部品) でないのが残念です。バッテリーが劣化した場合は、メーカーに送って交換してもらう必要があります。

ThinkPad T470sとT460sの違い

新モデルのThinkPad T470sと、旧モデルのThinkPad T460sの違いです。

性能面についての主な違いは、ThinkPad T470sが第7世代のインテルCPUになった点と、LTEに対応した点です。

ThinkPad T470sとT460sの性能比較
  ThinkPad T470s ThinkPad T460s
CPU 第7世代インテルCPU 第6世代インテルCPU
LTE 対応 非対応

 

外観面では、ThinkPad T470sは、T460sであったMini DisplayPortが無くなり、その代わりUSB Type-C/Thunderbolt3ポートが追加されました。またファンクションキーの配列もやや異なります。それ以外はほぼ違いはありません。


正面(ほぼ同じ)


キーボード&パームレスト(ほぼ同じ)


左側面(ほぼ同じ)


右側面(T470sはUSB Type-Cポートを追加)


底面(吸気口の形や位置がやや異なる程度の違い)


ファンクションキーの配列はやや異なる(詳細は後述

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

本製品は、以下の液晶を選択できます。

 (1)14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)
 (2)14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080) マルチ・タッチパネル
 (3)14.0型WQHD IPS液晶 (2560×1440)

今回は、(1)の液晶の特性について紹介します。(2)と(3)については、T460sと同じパネルを使用している可能性が高いため、ThinkPad T460s(液晶のチェック)のページを参考にして下さい。

14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)

今回、搭載されていたパネルは「AUO B140HAN02.4」でした。なお、ThinkPadは複数メーカーから部品を調達しており、必ず同じパネルが搭載されるわけではないという点は、ご了承ください。

最大輝度は、当サイトによる計測では274cd/m2でした。

視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色も割と直線的で、比較的自然な発色であることが分かります。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は狭いです。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状です。ギラつきはそれほど感じません。


 

非光沢であるため映り込みは少ないです。

画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

当サイトの計測で、キーピッチは19x19mm、キーストロークは約2mmと十分な数値です(正確にはキーピッチは19.05mm、キーストロークは約1.8mmだそうです)。キートップは指にフィットするように湾曲しており、底も柔らかく、非常にタイピングしやすいキーボードです。


キーボード全体図


キーの拡大図1


キーの拡大図2


キーの拡大図3

 

F12のキーは、ユーザー定義キーとなっており、アプリケーションやファイルを開いたり、Webサイトを開いたり、設定したキー入力を行ったりすることが可能です。


F12のキーはユーザー定義キー


F12は、指定したアプリを起動したり、キー入力を行ったりすることが可能

 

今回選択していませんが、バックライトキーボードも選択可能です。


バックライトキーボード搭載(T460sの画像)

 

トラックポイントおよびタッチパッドも操作しやすいです。


トラックポイント&タッチパッド

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPUの選び方

本製品は、「Uシリーズ」のCoreプロセッサーを搭載しており、モバイルノートPCとしては標準的な性能です。下図にThinkPad T470sで選択できるCPUを掲載します。


CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ストレージの選び方

以下のストレージを選択可能です。


ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ThinkPad T470sで計測したベンチマーク

以下、本機でのベンチマークスコアです。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i5-7200U
3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i5-7200U
x265でエンコード (※1) 45分36秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 4分18秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

128GB SATA SSD(SanDisk SD8SN8U128G1001)

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカー仕様表を確認すると、「約1.32kg~」となっています。タッチ液晶、LTE、指紋センサー、追加メモリの有無などによって重量が変わってきます。

本製品は、オンボードの他にメモリを1枚追加し、LTEモジュールも搭載しているため、やや重くなっており、1.385kgでした(下図参照)。最近のモバイルノートPCとしてはやや重いですが、室内での使用が主な方や、車で持ち運ぶような方であれば、全然苦にならない重さだと思います。


質量の実測結果

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

ThinkPad T470sのバッテリーは2種類搭載されており、メーカー仕様表を確認すると、フロント・バッテリーが23.5Wh、リア・バッテリーが26Whとなっており、合計49.5Whとなります。

なお、実機を確認したところ、リア・バッテリーのバッテリー容量は27Whでした。今回のロットがたまたまこのバッテリーだったのかもしれませんが、T460sの実機よりも1Wh増えていました。

T470sとT460sに搭載されていたリア・バッテリー

 

当サイトの計測によるバッテリー駆動時間は下表の通りです。比較的長い駆動時間です。

CPUが第7世代になったとはいえ、旧モデルのThinkPad T460s"タッチパネル液晶モデル""WQHD液晶モデル"よりも、かなり駆動時間が長かったです。やはり、タッチパネル液晶モデルやWQHD液晶モデルは電力を食うようです。バッテリー駆動時間を重視するなら非タッチモデルのフルHD液晶がおすすめです。

バッテリー駆動時間
  FHD(1920x1080)液晶
Core i5-7200U
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※1 6時間03分
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※2 8時間09分
動画再生時 ※3 9時間04分
※画面輝度を約120cd/m2に調整して計測
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行

※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

カード挿入後の出っ張りはほぼありません。


micro SDカードスロット挿入後の画像

 

速度は普通です。


SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)

 

 

 


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