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レノボ ThinkPad T470sの実機レビュー
メインとモバイル兼用PC
ThinkPad T470sは、操作性が良く、画面大きく、メインPCとしても使用できる14型モバイルノートパソコンです。
新モデルでは、第7世代インテルCPUを搭載し、さらにLTEにも対応しました。
また、使えるドックがたくさん用意されており、ウルトラドックなどを利用すれば、パソコンを上からガシャっと挿すだけで、外付け液晶、外付け光学ドライブ、有線LANなどを一度につなぐことができ、さらにパソコンの充電も可能です。
ThinkPad X1 Carbon 2017よりは納期が早く、価格も安いです。
公式サイト:
レノボ 公式サイト
※レビュー機は、当サイトでの購入品です
目次
1 ThinkPad T470s の基本スペック | 2 特徴1 - 作業を快適に行える |
3 特徴2 - LTEモジュール選択可能 | 4 特徴3 - 豊富なドックを利用可能 |
5 特徴4 - 底面カバーを開けやすい | 6 ThinkPad T470sとT460sの違い |
7 液晶ディスプレイのチェック | 8 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
9 パフォーマンスのチェック | 10 質量のチェック |
11 バッテリー駆動時間のチェック | 12 カードリーダー/ライターのチェック |
13 静音性のチェック | 14 パーツの温度のチェック |
15 表面温度のチェック | 16 消費電力のチェック |
17 外観のチェック | 18 まとめ |
ThinkPad T470sの基本スペック
ThinkPad T470sの基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2017年3月8日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Uシリーズの第7世代インテルCPUを選択可能です。本機はCore i5-7200です。 |
グラフィックカード インテルHDグラフィックス 620(CPU内蔵)です。 |
液晶ディスプレイ 14.0型ワイド、非光沢、IPS液晶です。FHD、FHDタッチ、WQHDから選択可能です。 |
メモリ PC4-17000 DDR4のメモリで、最大24GBです。2枚のうち1枚はオンボードです。 |
M.2 SSD SATA SSDまたはPCIe-NVMe SSDを選択できます。本機は128GB SATA SSDです。 |
光学ドライブ 内蔵していません。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で最大約11.1時間(JEITA2.0)です。 |
その他 薄さは16.9-18.8mm、質量は約1.32kg~となっています。 |
特徴1 - 作業を快適に行える
本製品は、モバイルノートパソコンとしては、作業を非常に快適に行える製品です。
打ちやすいキーボードに、マウスが無くても操作しやすいトラックポイントを搭載。また、モバイルノートPCとしては大きな14型ワイドの液晶を搭載し、視野角も良いです(ただし色域はやや狭いです)。静音性も高く、動作音が気にならずに作業をすることができます。
このように操作性が良く、画面も大きく、メインのノートパソコンとしても十分使用できるPCです。
同じ14型ノートのThinkPad X1 Carbonよりもやや重いですが、(同構成なら)ThinkPad T470sのほうが安価です。
作業を快適に行える
特徴2 - LTEモジュール選択可能
ThinkPad T470sは、LTE(WWAN)モジュールを選択することが可能です。
格安SIMを使えば月々数百円で、モバイルデータ通信可能です。なお、SIMサイズはmicro SIMです。購入するときに、間違えて他のサイズのSIMを選ばないようにしましょう。
LTE対応(SIMサイズはmicro SIM)
格安SIMカードを挿入し、ThinkPad T470sとiPhone 7との速度を比較してみました。回線が空いているAM10時頃と、非常に混み合って速度が低下するPM0時頃の速度を計測してみましたが、ThinkPad T470sはiPhone 7とほぼ変わらない速度が出ていました。速度面では問題ないでしょう。
ThinkPad T470s | iPhone 7 | |
---|---|---|
AM10時頃 | 25.05Mbps | 25.08Mbps |
PM0時頃(正午頃) | 0.69Mbps | 0.77Mbps |
やや気になったのは、スリープ復帰後にLTE接続が完了するまでの時間が約40秒かかったことです。ThinkPad X270と同様に、LTEに接続するまでにやや時間がかかりました。
特徴3 - 豊富なドックを利用可能
ThinkPad T470sは、たくさんの種類のドックを利用可能です。
ThinkPad T470sで使えるドックは主に次の3種類に分けられます。
その1:USBで接続するドック
1種類目は、USBで接続するドックです。ポート数はやや少なめですが、価格が安く手軽に利用できます。なお、似たような製品にThinkPad OneLinkドックというものがありますが、ThinkPad T470sは対応していません。
ThinkPad USB 3.0 Dock(現在非売品)
その2:底面コネクタに接続するドック
2種類目は、ThinkPad T470sを上からガシャっとセットするだけのドックです。セットすれば、パソコンに電力供給されるため、別途ACアダプターを接続する必要もありません。ポート数も多くおすすめです。
ThinkPad ウルトラドック - 90W
その3:ワイヤレスで接続するドック
3種類目は、ワイヤレスで接続するThinkPad WiGig ドックです。ドックにある程度近づくだけで、ワイヤレスで周辺機器に接続可能です。ただし、パソコンへの電力供給はできないため、ACアダプターは別途接続する必要があります。また、WiGig対応のCPUは限られ、さらにLTEモジュールとは排他になります。
ThinkPad WiGig ドック
特徴4 - 底面カバーを開けやすい
地味なメリットですが、ThinkPad T470sは底面カバーを開けやすいです。
最近のモバイルノートPCは、底面カバーが開けにくい製品が多いですが、本製品は外すネジが少なく、爪のひっかかりがほとんどなく(ネジを外すと爪が勝手に外れていくようなイメージ)、底面カバーを開けられます。メモリやストレージの換装が行いやすいですし、メンテナンスも楽です。
はずすネジは5つ
ツメが外れやすく底面カバーを開けやすい
ただし、せっかく底面カバーが簡単に外せるのに、内蔵バッテリーはCRU (ユーザーによる交換可能部品) でないのが残念です。バッテリーが劣化した場合は、メーカーに送って交換してもらう必要があります。
ThinkPad T470sとT460sの違い
新モデルのThinkPad T470sと、旧モデルのThinkPad T460sの違いです。
性能面についての主な違いは、ThinkPad T470sが第7世代のインテルCPUになった点と、LTEに対応した点です。
ThinkPad T470s | ThinkPad T460s | |
---|---|---|
CPU | 第7世代インテルCPU | 第6世代インテルCPU |
LTE | 対応 | 非対応 |
外観面では、ThinkPad T470sは、T460sであったMini DisplayPortが無くなり、その代わりUSB Type-C/Thunderbolt3ポートが追加されました。またファンクションキーの配列もやや異なります。それ以外はほぼ違いはありません。
正面(ほぼ同じ)
キーボード&パームレスト(ほぼ同じ)
左側面(ほぼ同じ)
右側面(T470sはUSB Type-Cポートを追加)
底面(吸気口の形や位置がやや異なる程度の違い)
ファンクションキーの配列はやや異なる(詳細は後述)
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
本製品は、以下の液晶を選択できます。
(1)14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)
(2)14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080) マルチ・タッチパネル
(3)14.0型WQHD IPS液晶 (2560×1440)
今回は、(1)の液晶の特性について紹介します。(2)と(3)については、T460sと同じパネルを使用している可能性が高いため、ThinkPad T460s(液晶のチェック)のページを参考にして下さい。
14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)
今回、搭載されていたパネルは「AUO B140HAN02.4」でした。なお、ThinkPadは複数メーカーから部品を調達しており、必ず同じパネルが搭載されるわけではないという点は、ご了承ください。
最大輝度は、当サイトによる計測では274cd/m2でした。
視野角は、IPSパネルを搭載しているため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色も割と直線的で、比較的自然な発色であることが分かります。
色域は狭いです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状です。ギラつきはそれほど感じません。
非光沢であるため映り込みは少ないです。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
当サイトの計測で、キーピッチは19x19mm、キーストロークは約2mmと十分な数値です(正確にはキーピッチは19.05mm、キーストロークは約1.8mmだそうです)。キートップは指にフィットするように湾曲しており、底も柔らかく、非常にタイピングしやすいキーボードです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーの拡大図3
F12のキーは、ユーザー定義キーとなっており、アプリケーションやファイルを開いたり、Webサイトを開いたり、設定したキー入力を行ったりすることが可能です。
F12のキーはユーザー定義キー
F12は、指定したアプリを起動したり、キー入力を行ったりすることが可能
今回選択していませんが、バックライトキーボードも選択可能です。
バックライトキーボード搭載(T460sの画像)
トラックポイントおよびタッチパッドも操作しやすいです。
トラックポイント&タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPUの選び方
本製品は、「Uシリーズ」のCoreプロセッサーを搭載しており、モバイルノートPCとしては標準的な性能です。下図にThinkPad T470sで選択できるCPUを掲載します。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージの選び方
以下のストレージを選択可能です。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ThinkPad T470sで計測したベンチマーク
以下、本機でのベンチマークスコアです。
(CPU性能の評価)
Core i5-7200U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7200U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 45分36秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 4分18秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
128GB SATA SSD(SanDisk SD8SN8U128G1001)
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカー仕様表を確認すると、「約1.32kg~」となっています。タッチ液晶、LTE、指紋センサー、追加メモリの有無などによって重量が変わってきます。
本製品は、オンボードの他にメモリを1枚追加し、LTEモジュールも搭載しているため、やや重くなっており、1.385kgでした(下図参照)。最近のモバイルノートPCとしてはやや重いですが、室内での使用が主な方や、車で持ち運ぶような方であれば、全然苦にならない重さだと思います。
質量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
ThinkPad T470sのバッテリーは2種類搭載されており、メーカー仕様表を確認すると、フロント・バッテリーが23.5Wh、リア・バッテリーが26Whとなっており、合計49.5Whとなります。
なお、実機を確認したところ、リア・バッテリーのバッテリー容量は27Whでした。今回のロットがたまたまこのバッテリーだったのかもしれませんが、T460sの実機よりも1Wh増えていました。
当サイトの計測によるバッテリー駆動時間は下表の通りです。比較的長い駆動時間です。
CPUが第7世代になったとはいえ、旧モデルのThinkPad T460sの"タッチパネル液晶モデル"や"WQHD液晶モデル"よりも、かなり駆動時間が長かったです。やはり、タッチパネル液晶モデルやWQHD液晶モデルは電力を食うようです。バッテリー駆動時間を重視するなら非タッチモデルのフルHD液晶がおすすめです。
FHD(1920x1080)液晶 Core i5-7200U |
|
---|---|
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※1 | 6時間03分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※2 | 8時間09分 |
動画再生時 ※3 | 9時間04分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
カード挿入後の出っ張りはほぼありません。
micro SDカードスロット挿入後の画像
速度は普通です。
SDカードのベンチマーク(UHS-Ⅰのカードで測定)