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レノボ ThinkPad E570の実機レビュー
テンキーも搭載した打ちやすいキーボード
ThinkPad E570は、操作性が良く、スペックも十分で、しかも価格も安い15.6型ノートパソコンです。
打ちやすいキーボードに、テンキーまで搭載しており作業がしやすいです。また、画面も非光沢IPS液晶を選択可能で、文書などが見やすいです。
スペック面では、第7世代インテルCoreプロセッサー、PCIe-NVMe SSDなどを選択可能で、仕事で使うには十分な処理性能です。
価格も、最小構成なら5万円という安さです。
公式サイト:レノボ 公式サイト
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
1 ThinkPad E570 の基本スペック | 2 特徴1 - 作業が快適 |
3 特徴2 - スペックも十分 | 4 特徴3 - パーツの選択肢が広く価格も安い |
5 ThinkPad E570とE560の比較 | 6 液晶ディスプレイのチェック |
7 キーボードおよびタッチパッドのチェック | 8 パフォーマンスのチェック |
9 静音性のチェック | 10 パーツの温度のチェック |
11 表面温度のチェック | 12 消費電力のチェック |
13 外観のチェック | 14 まとめ |
ThinkPad E570の基本スペック
ThinkPad E570の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年12月16日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU 第7世代または第6世代のCoreプロセッサーを選択可能です。本機はCore i5-7200Uです。 |
グラフィックカード CPU内蔵またはGeForce 940MX、GTX 950Mです。本機はCPU内蔵です。 |
液晶ディスプレイ 15.6型、非光沢液晶です。HD(1366x768)またはフルHD(1920x1080)を選択できます。本機はフルHDです。 |
メモリ 4~32GBまで選択できます。本機は8GBです。 |
M.2 SSD M.2のSATA SSDまたはPCIe-NVMe SSDを選択可能です。本機は128GB SATA SSDです。 |
ハードディスク/SSD 2.5インチ HDDを選択できます。本機は非搭載です。 |
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブです。 |
その他 薄さ23.9~25.4mm、重量約2.3kg、バッテリー駆動時間 最大 約11.3時間(JEITA2.0)です。 |
特徴1 - 作業が快適
ThinkPad E570は、打ちやすいキーボードに、トラックポイント、テンキーまで搭載したタイピングしやすいノートPCです。資料をつくることが多いサラリーマンや、文章を書くことが多いライターはもちろん、経理ソフトや表計算ソフトで数字の入力をすることが多い方にもおすすめです。
また、液晶には、視野角が良く映り込みの少ないIPS非光沢液晶を選択可能で、文字が見やすく、こちらも作業のしやすい液晶です。
快適に作業ができる
特徴2 - スペックも十分
ThinkPad E570はスペック面も十分なノートPCです。
最新の第7世代インテルCoreプロセッサーを搭載し、ストレージにはPCIe-NVMe SSD、グラフィックスにはGeForce GTX 950M、スピーカーにはJBLスピーカーを選択することも可能です。
また、最近は光学ドライブのないPCが増えていますが、本製品はDVDスーパーマルチドライブを搭載しています。
スペックも十分
GeForce GTX 950Mについて
本製品を購入する層には必要ない方が多いと思いますが、GeForce GTX 950Mを搭載すれば、グラフィック品質を低めに設定すればゲームもできます。今回はこのグラフィックスを搭載していないため、ベンチマークは計測していませんが、他のPCで計測したスコアなら下のバナーのリンク先に掲載しています。参考にして下さい。ただし、CPUが「Uシリーズ」であるため、「HQシリーズ」のCPUで計測したリンク先ほどのベンチマークスコアは出ない可能性が高いです。
JBLスピーカーについて
JBLスピーカーについては、一般的にノートパソコンに搭載されているスピーカーよりも良い音ができます。ただし、個人的な意見ですが、エフェクトが強すぎるのか、やや音のバランスが悪いように感じます。特に映画などを鑑賞すると、無理やりサラウンド感を出しているような感じがして違和感があります。あくまでノートパソコン用のスピーカーなので、ある程度は妥協しましょう。
違和感を感じたら、DOLBY AUDIOのソフトウェアから、イコライザーの調整や、ボリュームレベラー(全体の音量を一定にする)、サウンドバーチャライザ(仮想サラウンドサウンド)のオン/オフなどを行い、自分好みにカスタマイズすると良いと思います。
なお、余談ですが、最近使用したノートパソコンの中では、NEC LAVIE Direct NS(H)のスピーカーが良かったです。
DOLBY AUDIO
JBLスピーカーは、購入サイトのカスタマイズ画面の初期構成パッケージでは選択されていません。分かりづらいですが、カスタマイズ画面の「指紋センサー」の項目から選択することが可能です。
特徴3 - パーツの選択肢が広く価格も安い
ThinkPad E570は、パーツの選択肢が広く価格も安い製品です。
下表は、他社のライバル機種と、選択できるパーツと価格を比較したものです。価格は、Core i5、8GBメモリ、1TB HDD、 FHD液晶の構成にしたときのものです。
ThinkPad E570は、液晶、CPU、メモリなど、ほぼすべての項目で最も選択肢が多くなっています。
価格は、HP Pavilion 15-au100のほうが安かったですが、その差はわずかですし、HP Pavilion 15-au100は非IPS液晶であるのに対しThinkPad E570はIPS液晶であるため、この価格の差は十分埋められると思います。
レノボ ThinkPad E570 |
デル New Inspiron 15 3000 |
HP Pavilion 15-au100 |
|
---|---|---|---|
液晶 | HD(1366x768) FHD(1920x1080) IPS |
FHD(1920x1080) | FHD(1920x1080) |
CPU | Core i3-6006U Core i3-7100U Core i5-7200U Core i7-7500U |
Core i3-6006U Core i5-7200U |
Core i3-7100U Core i5-7200U Core i7-7500U |
メモリ | 4~32GB | 4~8GB | 4~16GB |
ストレージ | HDD、SSD PCIe-NVMe SSD |
HDD | HDD、SSD |
グラフィックス | CPU内臓 GeForce 940MX GTX 950M |
CPU内蔵 | CPU内蔵 GeForce 940MX |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | DVDスーパーマルチ | DVDスーパーマルチ |
Core i5、8GBメモリ、1TB HDD、 FHD搭載時の価格(税込) |
74,925円 | 78,818円 | 73,440円 |
※選択できるパーツは変更されるときがあるのでご注意ください
ThinkPad E570とE560の比較
旧モデルのThinkPad E560と、主に外観の比較をします。
サイズはThinkPad E570のほうが奥行きが若干長くなっています。その代わり、パームレスト部分はE570のほうが広いです。
ThinkPad E570のほうがややパームレストが広い
側面のポートは、種類はほとんど変わっていませんが、配置が若干変わっています。少し気になるのが、ThinkPad E570はLANポートが右側面の下に配置されたことです。LANケーブルを接続すると、マウスを使うときにやや邪魔になります。
ThinkPad E570のLANポートの位置がやや気になる
底面カバーは、E560も割と簡単に外せましたが、E570ではネジを2本取ってカバーをスライドさせるだけになり、さらに簡単になりました。E570はバッテリーの出っ張りも無くなっています。さらに、E570ではM.2スロットが追加されています。
底面カバーを開けたときの図
ThinkPad E570は、M.2 SSDを選択可能
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
HD液晶とフルHD IPS液晶を選択できますが、今回チェックするのは、フルHD IPS液晶です。
なお、レノボの液晶は複数メーカーから調達しているため、同じフルHD IPS液晶を選択しても、特性が変わる可能性があります。
IPSパネルを搭載しているので視野角はとても良いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色もほぼ1:1の直線となっており、自然な発色であることが分かります。
色域は、やや狭いです。
例えば、一眼レフカメラで撮影した画像を表示したときに、再現しきれない色が出てくるでしょう。ただし、文書を作成したり、Webサイトを見る程度なら、この色域でも気にならない人がほとんどでしょう。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状です。ギラつきをやや感じますが、気にならない方のほうが多いと思います。
非光沢液晶であるため、画面への映り込みが低減されています。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
打ちやすさに定評のあるThinkPadシリーズのキーボードですが、本製品はさらにテンキーまで搭載しており、数字をよく入力する方にも適した製品です。
当サイトの計測では、キーピッチは約19x19mm、キーストロークは約2mmです。キートップは大きく湾曲しており、指がフィットしやすく、キーの押し始めは適度な抵抗があり、底つきの衝撃も低減されており、押し心地も良いです。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
トラックポイントおよび独立したクリックボタンも搭載しています。マウスを使う場合、トラックポイントを使うことはあまりありませんが、タイピング中にちょっとだけカーソルを移動したいときなどは、わざわざマウスを持たなくても、手をキーに置いたまますぐに操作できるので便利です。
タッチパッドも普通に操作できますし、タッチパッドと一体型のクリックボタンも、比較的軽い力で押せます。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
第7世代のCoreプロセッサー(Uシリーズ)を選択可能です(下図参照)。ノートPCに搭載される標準的なCPUで、クリエイティブな作業(動画編集、イラスト制作、RAW現像)などをしなければ、多くの作業が快適にできると思います。
また、第6世代のCore i3-6006Uも選択できますが、このCPUを使ったことがないので、ベンチマークスコアは不明です。おそらく、Core i3-7100Uより10%くらい性能が落ちるのではないかと思われます。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
グラフィックス
グラフィックスは、CPU内蔵のグラフィックス(※)の他に、GeForce 940MX、950Mの専用グラフィックスを選択することも可能です。
※第6世代Coreプロセッサーの場合はインテル HD グラフィックス 520、第7世代Coreプロセッサーの場合はインテル HD グラフィックス 620となります。
ゲームをしたいなら、GeForce GTX 950Mがおすすめです。ひと昔前のミドルレンジ・ゲーミングノートPCによく搭載されていたグラフィックスで、フルHDの解像度でも、低~中程度のグラフィック品質にすれば、快適にゲームをすることができます。また、940MXの約2倍もの性能があります。
ただし、上でも記載しましたが、CPUが「Uシリーズ」であるため、ゲーミングノートPCによく搭載される「HQシリーズ」のCPUに比べて、同じグラフィックスを搭載していてもフレームレートが落ちる可能性があります。ゲームをよくするなら、ゲーミングノートPCと呼ばれている別の製品のほうが良いと思います。
グラフィックスの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージの選び方
ストレージは、HDD、SATA M.2 SSD、さらにPCIe-NVMe M.2 SSDも選択可能です。また、M.2接続のSSDは、HDDと同時に搭載することも可能です。
PCIe-NVMe M.2 SSDはかなり価格が上がるので、SATA M.2 SSDでも良いと思いますが、SATA M.2 SSDは128GBの容量しか選べないのが残念です(時期が経つと変わるかもしれません)。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
ThinkPad E570で計測したベンチマーク
以下、Core i5-7200U、8GBメモリ、128GB SATA M.2 SSD、インテル HD グラフィックス 620の構成でのベンチマーク結果を掲載します。
(CPU性能の評価)
Core i5-7200U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7200U | |
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x265でエンコード (※1) | 42分18秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 4分24秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
128GB SATA M.2 SSD
(SDカードスロットの評価)
UHS-Ⅰ対応カード