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HUAWEI MateBook D 15 2021の実機レビュー
CPU | Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 512GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 約1.56kg |
バッテリー | 約9.1時間 (42Wh) |
価格[税別] | 11万円台 |
MateBook D 15 2021(インテル第11世代CPUモデル)は、扱いやすいスタンダードノートPCです。
Core i5 + 8GBメモリの鉄板構成となっており、ホームPCとして快適に使用することができるでしょう。
比較的軽く、スリムなボディなので、室内のリビングや自室など、好みの場所に移動して使用するのにも適しています。家族でみんなで使用する、ファミリーPCとしても使いやすい機種です。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-1135G7、8GBメモリ、512GB PCIe SSD
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目次
お忙しい方は、「MateBook D 15 2021の特徴」のみお読みください。
MateBook D 15 2021の特徴
扱いやすいスタンダードノートPC
MateBook D 15 2021は、宅内での日常遣いにちょうどいい、スタンダードノートPCです。
質量は約1.56kgで、15.6型のサイズのノートPCとしては比較的軽く、スリムなボディなので、扱いやすいです。宅内の好きな場所に移動して使用したり、使わないときは収納しておく、といった使い方に適しています。
無理なく高めのパフォーマンスを発揮
MateBook D 15 2021は、第11世代Core i5-1135G7、8GBメモリの鉄板構成です。
当サイトで計測したベンチマークのスコアは、下のグラフのようになっています。他機種で計測したCore i5-1135G7や、場合によっては上位のCore i7-1165G7を超える程度の高いスコアが出ています。
また、高い負荷をかけたときのCPU温度もチェックしてみましたが、こちらは概ね70℃台としっかりコントロールされていました。
そのため、MateBook D 15 2021では、無理なく、しっかり高めのパフォーマンスを引き出すことができていることが分かります。調べものや、動画の視聴などはもちろん、複数のウィンドウを開いての作業など、少し負荷のかかる状況でも快適に使用できるでしょう。
ただし、メモリは8GBのみなので、メモリを大量に消費するアプリや処理を行うのには、あまり向いていません。
見やすいIPS液晶を搭載
MateBook D 15 2021は、15.6型のIPS液晶を搭載しています。標準的なFHD液晶で、視野角が約178度と広いので、2~3人で画面を見るときなど、少し角度がある場所からでも画面が見やすいです。
ただし、色域は広くないので、クリエイティブな用途向きではなく、一般用途向きとなります。
なお、仕様表では、「テュフラインランドローブルーライト認証」と、「テュフラインランドフリッカーフリー認証」取得となっています。ブルーライトやフリッカーの影響を低減でき、長時間の使用にも使いやすい液晶のようです。
ただし、今回テストしたのがサンプル機の為か、当サイトのフリッカーテストでは、明るさを99%以下にするとフリッカーが発生していました。輝度100%で使用するのであれば、フリッカーは確認されませんでした。ただ、フリッカーが発生した場合でも、周波数は約5.9kHzと高めなので、目に与える影響は少ないとは思います。
質感のいいボディ
MateBook D 15 2021は、ボディ素材にアルミニウム合金を採用しており、質感がいいです。また、液晶は、約5.3mmの狭額縁となっており、画面占有比が約87%と高く、モダンなイメージのノートPCに仕上がっています。
使わないときは隠せる埋め込み式ウェブカメラ
MateBook D 15 2021は、ウェブカメラがやや変わっています。
一般的な場所である、液晶の上ベゼルには配置されておらず、「F6」キーと、「F7」キーの間にポップアップ式のウェブカメラが埋め込まれています。必要な時だけ、ウェブカメラをポップアップさせるので、オンライン会議などで意図せずにカメラの映像が流れてしまう、といったことが少なくなるでしょう。
ただし、下からのアングルとなるため、標準的なポジションで使用した場合、小柄な女性であればぎりぎり頭まで映りますが、170cmぐらい身長の方だと頭や顔の一部がカメラから出てしまいます。ちなみに、身長が180cmくらいある筆者の場合は、鼻ぐらいまでが映っていました。
キーボード面の手前を少し持ち上げるなど工夫すれば、顔全体を映すことができますが、下から見上げる感じなので、やや不自然な映像となります。オンライン会議などでカメラを使用することが多いのであれば、やや使いにくさを感じるかもしれません。
HUAWEIスマホとの連携が可能
MateBook D 15 2021は、HUAWEIスマホとの連携が可能です。
MateBook D15 2021の画面に、スマホの画面を表示したり、スマホからのデータ転送を簡単に行えたり、MateBook D15 2021から電話を掛けたりすることができます。
HUAWEIのスマホは以前ほどの勢いはありませんが、現在HUAWEIスマホを使用しており、今後もHUAWEIスマホを利用する予定の方は、少し便利に使える機能です。
ライバル機種との比較
最後に、家庭でも使いやすいスタンダードノートPCとして、ライバルとなるデルのInspiron 15 (5510)との比較を行います。
Inspiron 15 (5510)は、インテルの"Hシリーズ"プロセッサーを搭載していますが、放熱性がそこまでよくないため、ベンチマークスコアはMateBook D 15 2021と同等もしくはそれ以下です。ただし、価格は安いと思います。
一方、MateBook D 15 2021は、TDPの低いCore i5-1135G7ですが、Inspiron 15 (5510)と同等もしくはそれ以上のパフォーマンスが出て、さらにCPU温度も低めです。安心して使えると思います。ボディの質感も高めです。さらに、HUAWEIのスマホを使用している方であれば、特に使いやすいかもしれません。
[本機器] MateBook D 15 2021 |
[ライバル機種] Inspiron 15 (5510) |
|
CPU | Core i5-1135G7 | Core i5-11300H Core i5-11320H Core i7-11370H Core i7-11390H |
メモリ | 8GB (4GB x2) | 8GB (4GB x2) 16GB (8GB x2) |
ストレージ | 512GB PCIe SSD | 最大 1TB PCIe SSD |
インターフェイス | USB3.2 USB2.0 x2 USB-C HDMI |
USB3.2 x2 USB-C HDMI SDカードリーダー |
バッテリー | 42Wh | 54Wh |
レビュー | ー | レビュー |
[本機器] MateBook D 15 2021 |
[ライバル機種] Inspiron 15 (5510) |
|
CPU | Core i5-1135G7 | Core i5-11320H |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | 512GB | 256GB |
価格[税込] | 119,800円 | 88,785円 |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、快適に動きます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | △ | オンライン会議に必要な、ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えています。ただし、ウェブカメラがキーボード面に埋め込まれているタイプなので、映りが不自然だったり、顔の一部が見切れてしまったりするため、あまり快適ではありません。 |
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイの表示、スピーカー音ともに普通です。特に優れているわけではありませんが、普通に動画鑑賞できます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | CPUは高めのパフォーマンスを発揮していましたが、sRGBカバー率66.1%と色域が狭い液晶なので、RAW現像や画像編集向きではありません。 |
動画編集 | △ | 簡易的な動画編集ならできますが、本格的に動画編集を行う場合は、外部グラフィックスを搭載した機種の方がいいです。 |
ゲーム | △ | 軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。ただ、ゲームがメインの目的の方には適していません。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
ディスプレイには「BOE CQ TV156FHM NH1」のパネルが搭載されていました。ただし、他のパネルが搭載される可能性もあるのでご了承下さい。自然な発色で一般用途に適した液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では256cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
MateBook D 15 2021のキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:19mm、キーストロークは約1.5mmです。キートップはほぼフラットです。「全角/半角」キーは少しサイズが小さいですが、その他にサイズが小さい主要キーはなく、配列も標準的です。タイプした感じは、底付きの衝撃をやや感じますが、総じて普通の打ちやすさのキーボードだと思います。
タッチパッドの使い心地や、クリックボタンを押した感触も普通です。
なお、テンキーやバックライトは搭載していません。
パフォーマンスのチェック
MateBook D 15 2021では、デフォルトの「バランス」モードと、パフォーマンスを最大化する「パフォーマンス」モードが用意されており、「Fn」+「P」キーで簡単に動作モードを切り替えることができます。
今回、Core i5-1135Gを搭載していますが、バランスモード時と、パフォーマンスモード時のPL1は、次のようになっています。バランスモードでも、Core i5-1135G7のcTDP-upである28Wとなっていて、パフォーマンスモードではさらに31Wまでアップしています。
ここでは、この2つのモードの各種ベンチマークスコアを確認していきます。
CPU
MateBook D 15 2021が搭載するCPUは、第11世代Core i5-1135G7です。
マルチコア、シングルコアともに、同じCore i5-1135G7を搭載した他機種で計測した場合よりも高めのスコアが出ていました。また、マルチコアでは、「パフォーマンス」モードにすることで、「バランス」モード時よりも処理性能が少し向上していました。
「バランス」モードでも、日常遣いにおいては十分快適に使用できると思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはDDR4-2666です。なお、オンボードメモリなので換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックスは、Core i5-1135G7の内蔵グラフィックスです。
メモリの速度があまり速くないため、グラフィックスの性能もほどほどでした。一般用途には十分のスコアですが、ライトなクリエイティブ作業のようなグラフィックスパワーを必要とする作業にはあまり向いていません。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、読み込み速度は普通です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットはありません。
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
Power Deliveryに対応したUSB-Cポートを1ポート備えています。
今回試した機器では、すべての機器で本体への給電ができており、低出力のUSB-Cアダプターも使用できました。なお、DisplayPortには対応していないため、モニターへの出力はできません。Thunderboltにも非対応です。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | × | × |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | × | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | × | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8bit、RGBでの表示が出来ています。
質量のチェック
MateBook D 15 2021の質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.56kg」とあります。当サイトの計測値は下表の通りです。ほぼ仕様値と同じ質量で、15インチクラスのノートPCとしては、軽めの質量です。また、ACアダプターも軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.538kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 191g |
バッテリー駆動時間のチェック
MateBook D 15 2021のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、仕様値で42Whです。
バッテリー駆動時間は下の通りで、普通の駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約9.1時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 7時間49分 |
(3) PCMark 8 Work | 2時間48分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
急速充電に対応しており、メーカーの公表によると、約15分の急速充電で、2時間のオフィス使用が可能となっています。当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は速いです。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「バランス」モードでは、CPU電力は28~18W間で変動を続けていて、CPU電力は、55~70℃と低めで推移しています。
「パフォーマンス」モードでは、CPU電力が約28W前後でほぼ安定しています。それでも、CPU温度は70℃台と抑えられています。
どちらのモードでも、CPU温度は比較的低めなので、高負荷作業でも心配なく使用できると思います。
- バランス時
- パフォーマンス時
静音性のチェック
MateBook D 15 2021の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、やや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
全体的に低めの温度です。パームレスト部分の温度もほとんど変化していないので、不快感なく使用することができます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサーですので、消費電力は低めです。
外観のチェック
MateBook D 15 2021の外観のチェックです。
液晶のベゼル幅が約5.3mmと狭いため、画面占有比が約87%と高く、スマートな見た目です。
ボディカラーは、スペースグレイで、場所を選ばず使いやすいと思います。
天板には、HUAWEIの文字が入っています。
閉じた時の画像です。厚さは16.9mmと比較的薄型です。
スピーカーは底面の左右に配置されています。最大音量は大きいですが、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラは720p HDカメラで、画質は普通です。顔認証には対応していません。
顔認証は使用できませんが、指紋認証リーダーが電源ボタンに統合されているので、Windows Helloの指紋認証で簡単にログインすることができます。
側面のポート類です。USB3.2、USB2.0 x2、USB-C(Power Delivery対応)、HDMIを備えています。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
ACアダプターは、65W(20V、3.25A)です。コンパクトなサイズです。
まとめ
以上が、MateBook D 15 2021のレビューです。
日常遣いにちょうどいい、Core i5 + 8GBメモリという鉄板構成のスタンダードノートPCです。当サイトのチェックでは、高めのパフォーマンスを発揮できており、なおかつCPU温度やボディの表面温度も低いため、ホームPCとして快適に使用することができます。
15.6型ながら、質量が約1.56kgと比較的軽く、スリムなボディなので、宅内での持ち運びや取り扱いがしやすいです。また、アルミニウム合金製のボディは、質感もいいですし、狭額縁液晶を搭載し、見た目もいいです。
気になる部分を挙げるとすると、ポップアップタイプのウェブカメラなので、ユーザーによってはオンライン会議などで顔全体が映らないことがあります。
扱いやすいスタンダードノートPC
MateBook D 15 2021
特徴
- 比較的軽く、スリムなボディ
- Core i5 + 8GBメモリの鉄板構成
こんなあなたに
- 宅内用のホームPCとして
- 家族みんなで使うファミリーPCとして
- 価格11万円台[税込]
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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