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HUAWEI MateBook Xの実機レビュー
ファンレスで超薄型・超静音
MateBook Xは、UシリーズのCore プロセッサーを搭載しながら、ファンレスの13型モバイルノートパソコンです。
ファンレスであるため、ボディがタブレットのように薄型で、動作音もほぼしない製品です。
また、質量も約1.05kgと軽く、アルミニウム合金のボディは剛性が高く、ひねりなどにも強いです。
スマートフォンのように電源ボタンと指紋認証装置が一体となっており、ワンプッシュするだけで、スリープ解除→指紋認証ログインができます。
※レビュー機は当サイトの購入品です
目次
1 MateBook X の基本スペック | 2 特徴2 - ファンレスでほぼ無音 |
3 特徴3 - ワンプッシュで、スリープ解除&指紋ログイン | 4 特徴4 - 比較的軽い質量 |
5 液晶ディスプレイのチェック | 6 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
7 パフォーマンスのチェック | 8 バッテリー駆動時間のチェック |
9 静音性のチェック | 10 パーツの温度のチェック |
11 表面温度のチェック | 12 消費電力のチェック |
13 外観のチェック | 14 まとめ |
MateBook Xの基本スペック
MateBook Xの基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2017年7月22日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU Core i5-7200UまたはCore i7-7500Uの第7世代インテルCPUです。本機はCore i5です。 |
グラフィックカード インテル HD グラフィックス 620(CPU内蔵)です。 |
液晶ディスプレイ 13型ワイド、2160x1440、広視野角、光沢液晶です。 |
メモリ メモリは8GBです。 |
SSD PCIe-NVMe SSDです。本機は256GB SSDです。 |
光学ドライブ 非搭載です。 |
バッテリー駆動時間 バッテリー駆動時間は約10時間、バッテリー容量は41.4Whです。 |
その他 薄さは12.5mmです。質量は約1.05kgです。 |
特徴1 - 小さく薄いボディ
最近のモバイルノートパソコンは、どれも小さく薄いデザインが多いですが、MateBook Xはその中でも特に小さくて薄いデザインです。
流行りのナローベゼルを採用し、液晶ベゼル(フレーム)が非常に狭く、それに伴いボディが非常にコンパクトです。
狭い液晶ベゼル(フレーム)
ナローベゼルの元祖と言えば、DELLのXPS 13ですが、こちらと奥行と横幅の長さを比較すると、MateBook Xは奥行は長いものの、横幅は非常に短くなっています。
また、薄さに関しても、MateBook Xのほうがかなり薄くなっています。
XPS 13とのサイズ比較
XPS 13との薄さ比較
特徴2 - ファンレスでほぼ無音
MateBook Xは、UシリーズのCoreプロセッサーを搭載しながら、CPUファンがなく、ほぼ無音で動作します。
HUAWEIと言えば、日本でもスマートフォン、タブレットで人気上昇中のメーカーですが、このスマートフォンなどで使われる放熱処理技術を用い、ファンレス機構を実現しています。放熱技術とは、航空宇宙技術を使ったスペース・クーリング・テクノロジーで、「相変化材料(Phase Change Material)」という素材を用いたヒートシンクを利用し、高負荷時に熱を吸収し、低負荷時に熱を放出します。
航空宇宙技術を使ったスペース・クーリング・テクノロジーでファンレスでも効率的に冷却
ただし、当サイトでテストしたところ、CPU使用率が100%になるエンコード処理を実行すると、サーマルスロットリングが発生し、CPUのクロックがダウンしました。その影響でエンコード時間が、通常よりも長くかかりました。詳細は後述します。
特徴3 - ワンプッシュで、スリープ解除&指紋ログイン
MateBook Xは、iPhoneなどのように、電源ボタンに指紋認証装置が搭載されています。
そのため、電源ボタンをワンプッシュするだけで、スリープ解除と指紋認証によるログインを連続で行うことが可能です。
使ってみると割と便利で、スマートフォンではメジャーな機能なのに、パソコンでは今までこの機能がなぜ無かったのだろうと、疑問にすら思います。
電源ボタン 兼 指紋認証
スリープ復帰 & 指紋認証ログインの動画
特徴4 - 比較的軽い質量
MateBook Xは、質量も比較的軽いです。LIFEBOOK WU2/B1やNEC LAVIE Direct HZのように、700g台の質量とまではいきませんが、メーカー仕様値では約1.05kgと比較的軽量です。
当サイトでの計測値は下図の通りです。メーカー仕様値よりも若干重い1.071kgでした。
ACアダプターは136gしかなく、ACアダプターも一緒に持ち歩く方は、軽量さを実感できると思います。
質量の実測結果
液晶ディスプレイのチェック
MateBook Xの液晶ディスプレイのチェックです。
通常のノートパソコンは16:9のアスペクト比が多いですが、本製品は3:2となっており、縦の比率が高くなっています。動画を再生すると、上下の余黒が多くなってしまいますが、その代わり、Webページを見たり、Word、Excelなどを使うときに、より下の頁まで見ることができます。
3:2のアスペクト比
液晶解像度は、2160x1440となっています。通常のノートPCの解像度は1920x1080であるため、より高精細な画面です。高解像度の画像などを見るときにはザラつきがなく綺麗に表示できます。ただし、その代わり、スケーリングに対応していないソフトを使うと、文字が小さすぎて見にくいことがあります。
視野角は非常に良いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色もずれが少なく、1:1の直線となっており、自然な発色であることがわかります。
色域は、sRGBとほぼ同等で、ノートPCとしてはやや広めです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
液晶は光沢となっており、映り込みがあります。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
当サイトの計測では、キーピッチは約19 x 19mmと、モバイルノートPCとしては広いです。しかも、小さいキーもほとんどなく優秀です。ただし、キーストロークは約1mmと浅めで、キートップもほぼフラットです。
実際に打ってみると、キーストロークの浅さは感じますが、キーピッチが広いだけあって押し間違いが少なく、モバイルノートPCとしては普通の打ち心地だと思います。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
タッチパッドは大きくて操作しやすいです。かなり横幅のあるタッチパッドで、タイピングしていると右の手の平のみがタッチパッドに大きく被りますが、マウスポインタの誤動作などはありません。
クリックボタンは普通の力で押せますが、クリック音はやや大きめです。ファンレスで動作音がほぼせず、図書館など静かな環境での使用に向いているため、クリック音を小さくしてもらえればなお良かったです。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
モバイルノートPCに多いUシリーズのCore i プロセッサーを搭載しています。Core i7とCore i5がありますが、どちらを選んでも体感速度はそれほど変わりません。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
ストレージ
ストレージは、高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
MateBook Xで計測したベンチマーク
以下、Core i5-7200U、メモリ 8GB、256GB SSDの構成で計測したベンチマーク結果を掲載します。
(CPU性能の評価)
Core i5-7200U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620
Core i5-7200UのCPUの割には、エンコード時間がかかっています。通常はCore i5-7200Uでx265のエンコードの場合、45分ほどで終わるのですが、本製品は1時間13分もかかっています。約1.6倍です。これは、ファンレスであることが影響し、エンコード時にサーマルスロットリングが発生してCPUクロックがダウンしているためです。
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7200U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 1時間13分00秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 5分13秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
256GB SSD(LITEON CB1-SD512)
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間の仕様は、約10時間となっています。
バッテリー容量は、41.4Whです。
当サイトによるバッテリー駆動時間の計測結果は下表の通りです。普通の駆動時間だと思います。
バッテリー駆動時間 | |
---|---|
PCMark 8 Home のテスト ※1 | 4時間23分 |
PCMark 8 Work のテスト ※2 | 5時間44分 |
動画再生時 ※3 | 7時間44分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生