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GIGABYTE AERO 15 Classic-XAの実機レビュー
CPU | Core i7-9750H |
---|---|
GPU | RTX 2070 Max-Q |
メモリ | 8~16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 240Hz UHD 非光沢 広色域 |
質量 | ~約2.0kg |
バッテリー | 94.24Wh |
価格[税別] | 33万円台~ |
軽量・コンパクトなゲーミングノートPC
AERO 15 Classic-XAは、軽量・薄型・コンパクトなゲーミングノートです。しかも、GeForce RTX 2070 Max-Qとグラフィック性能も高いです。
特に液晶の品質が良く、240Hzに対応したIGZOパネル液晶、またはAdobe RGB 100%に対応した4K-UHD液晶のモデルがあります。今回は、IGZOパネルでレビューしていますが、とても品質の高い液晶でした。
また、バッテリー容量も多く、バッテリー状態で普通の仕事やクリエイティブワークをする方にもいいと思います。
なお、パソコンショップ アークならメモリやストレージのカスタマイズも可能です。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-9750H、16GBメモリ、GeForce RTX 2070 Max-Q、512GB SSD、FHD 240Hz液晶
目次
お忙しい方は、「AERO 15 Classicの特徴」のみお読みください。
AERO 15 Classicの特徴
軽量・コンパクトなゲーミングノートPC
AERO 15 Classic-XAは、軽量・薄型・コンパクトで、持ち運びに便利なゲーミングノートです。質量はわずか2.0kg、薄さは18.9mmで、狭額ベゼルを採用することでボディサイズも小さくなっています。モバイルノートのような感覚で、外に持ち出すことが可能です。
軽量なだけでなくバッテリー容量も多い
AERO 15 Classic-XAは、バッテリー容量も多く、94.24Whも搭載しています。ゲームをするとさすがに1~2時間程度しかバッテリーはもちませんが、軽めのクリエイティブワークをする場合なら割ともつと思います。当サイトによる計測値は「バッテリー駆動時間のチェック」をご覧ください。
シャープ IGZO 240Hz と Adobe RGB 100% 4K液晶あり
AERO 15 Classic-XAは、ゲーマー向けの「シャープ IGZO FHD 240Hz液晶」と、クリエイター向けの「AUO 4K-UHD Adobe RGB 100%液晶」を搭載したモデルがあり、どちらも優れた仕様です。今回はシャープのIGZOパネルを使いましたが、240Hzと高リフレッシュレートで、残像や遅延も少なく非常に優秀でした。
AI によりCPU、GPU、ファンなどを最適化
AERO 15 Classic-XAは、「Microsoft Azure AI」を活用し、アプリケーション毎に最適なCPUクロック、GPUクロック、ファン速度などを自動的に設定する機能を持っています。利用中のCPUやGPUの動作クロックなどの動作状況を定期的にAIサーバーへ送り、AIで情報が解析・学習され、各アプリケーション毎に最適なセッティングが自動で行われることで、ゲームのフレームレートなどが向上します。テスト結果は後述しますが、フレームレートが微増するゲームもありました。
英語キーボードのみ
本製品は、英語キーボードのみとなっています。日本語キーボードに慣れている方は、特殊キーの配置が大分異なるのでご注意下さい。ただ、クリエイターなどは英語キーボードのほうがショートカットが使いやすかったりします。
AERO 15 Classicのモデル一覧
AERO 15 Classicは、グラフィックスや液晶の違いによって、下表のようなモデルがラインナップされています。今回レビューしているのは、RTX 2070 Max-Qを搭載した「AERO 15 Classic-XA」となります。
AERO 15 Classic-YA | AERO 15 Classic-XA | |
CPU | Core i9-9980HK Core i7-9750H |
Core i7-9750H |
液晶 | SHARP IGZO FHD 240Hz AUO UHD Adobe RGB 100% |
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グラフィックス | RTX 2080 Max-Q | RTX 2070 Max-Q |
AERO 15 Classic-WA | AERO 15 Classic-SA | |
CPU | Core i7-9750H | |
液晶 | LG FHD 144Hz AUO UHD Adobe RGB 100% |
LG FHD 144Hz |
グラフィックス | RTX 2060 | GTX 1660 Ti |
保証は2年
ギガバイトは、日本ではメーカー直販サイトが存在せず、ネットではAmazonから購入することになります。Amazonのサイトを確認すると、メーカー保証は2年となっています。3年や5年に延長することはできません。また、バッテリーや、アダプターの保証は1年間のみとなります。
電話対応日時は、月曜日~金曜日までの午前10時から午後6時までとなっており、土日祝日のサポートは受け付けていません。
ゲームベンチマーク
AERO 15 Classic-XAで計測したゲームのベンチマークスコアを掲載します。
同等スペックのPCと比較した場合、ゲームによってはやや低めのスコアではありましたが、最高設定でも60 fps前後の平均フレームレートが出ています。低設定にすれば100fps以上のフレームレートを出すことも可能です。
また、AIをオフにしたときとオンにしたときのスコアを掲載していますが、オンにすることで、平均フレームレートが微増するゲームもありました。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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AI ON | AI OFF | ||
1920x1080 | 軽量品質 | 104 fps | 101 fps |
標準品質 | 84 fps | 84 fps | |
高品質 | 66 fps | 66 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
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AI ON | AI OFF | ||
1920x1080 | 最低 | 92 fps | 89 fps |
中 | 73 fps | 73 fps | |
最高 | 65 fps | 65 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
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---|---|---|---|
AI ON | AI OFF | ||
1920x1080 | 標準(ノート) | 131 fps | 132 fps |
高(ノート) | 118 fps | 115 fps | |
最高品質 | 98 fps | 96 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
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AI ON | AI OFF | ||
1920x1080 | 低品質 | 90 fps | 90 fps |
高品質 | 77 fps | 74 fps | |
最高品質 | 71 fps | 67 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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---|---|---|---|
AI ON | AI OFF | ||
1920x1080 | 最高品質 | 19035 | 18615 |
本製品のGeForce RTX2070 Max-Qのスペックは次の通りです。通常のノート用GeForce RTX2070よりも、GPU ClockやBoost Clockがやや低めになっています。
他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイの詳細なチェックです。
前述しましたが、シャープのIGZOパネルを搭載しており、型番は「LQ156M1JW03」でした。240Hzもの高リフレッシュレート液晶で、視野角も良く、その他の特性も優秀でした。最大輝度に関しては、当サイトによる計測では、270cd/m2と普通でした。詳細は以下のタブをクリックして下さい。
- 視野角
- RGB
発色特性 - 色域
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
表示遅延
ゲームをするにあたって重要な表示遅延も計測しました。キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約30msでした。なおこれは、液晶の遅延だけでなく、PC全体の遅延となります。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、ノートPCにしては、遅延は少ないと思います。
残像
本製品の残像は少ないと思います。普通のノートPCは60Hzで2フレームほど残像が映っていますが、本製品は240Hzで2フレームほどしか残像がありません。単純に考えると普通のノートPCの4分の1の残像表示時間です。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは約18.5×18.5mm、キーストロークは約1.5mmとなっており十分な数値でしょう。キートップはやや湾曲しており、比較的押しやすいです。
80のキーを同時に押しても読み取れるNキーロールオーバーにも対応しています。
ただし、英語キーボードのみです。日本語キーボードとは配列やEnterキーの形などが異なるためご注意下さい。
1677万色のバックライトキーボードも搭載し、GIGABYTE RGB Keyboard Fusionのソフトウェアから色やアニメーションの制御を行うことが可能です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
ゲーミングノートPCとしては標準的な性能の「Core i7-9750H」を搭載しています。AORUS 15よりもベンチマークスコアがやや低めに出ていましたが、十分高速です。
なお、CINEBENCH R20に関しては、AIをオンにするよりもオフにしたほうが高いスコアが出ました。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
ゲーミングノートの中では、高い性能のGeForce RTX 2070 Max-Qを搭載しています。ノートPCとしては高めの性能です。こちらはAIをオンにしたほうが飛躍的にスコアが伸びました。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
その他のベンチマークスコア
以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。SDカードスロットはUHS-IIに対応しており、高速でした。
- SPECviewperf 13
- SDカード
実際のソフトで計測した処理時間
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
※ グラフィックスは全てノートPC用
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 17分12秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 省略 |
QSVでエンコード (※3) | 省略 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
質量のチェック
AERO 15 Classic-XAの質量のチェックです。
メーカー仕様値では、最大 約2.0kgとなっています。当サイトで計測した質量は次の通りで、仕様値よりもやや重かったです。ACアダプターの質量は普通です。
質量 | |
PC本体 | 2.132kg |
ACアダプター | 840g |
バッテリー駆動時間のチェック
AERO 15 Classic-XAのバッテリー駆動時間チェックです。
バッテリー容量は、94.24Whと大容量です。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能CPUおよびグラフィックスを搭載している割には長い駆動時間だと思います。
駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ー |
(2) 動画再生時 | 6時間11分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | 4時間36分 |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | 1時間33分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
高めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、温度が高いと、パーツの寿命や、動作の安定性に影響が出ます。
CPUおよびGPU温度はやや高めです。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。80度前後で推移しており、やや高めの温度です。
FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。80℃台で推移しており、やや高めの温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし表面温度が高いと、作業中に手のひらが熱くなり不快になります。
負荷をかけると右の手の平(右パームレスト)あたりが暖かくなり、やや不快感があります。左手側はそうでもありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
ゲーミングノートなので、一般的なノートPCよりも高めの消費電力です。
外観のチェック
AERO 15 Classicの外観のチェックです。
ボディは、アルミ合金をCNC加工しており、剛性が高く、見た目も高級感があります。また、パームレストを支えることなく、片手のみで液晶を開閉できます。
天板は、下部に繊維風の模様のアクセントが入っています。
Webカメラはヒンジ部分に搭載されています。テレビ会議などをすると、見上げるようなアングルになってしまいます。
スピーカーは底面にあります。音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
側面のポート類です。フルサイズのUHS-Ⅱに対応したSDカードスロットに、USB Type-C、HDMIなど、ポート類は揃っています。USB Type-Cは、Thunderbolt 3、映像出力にも対応しています。
SDカード挿入時は、出っ張りがあります。このままカバンに入れるとSDカードが折れかねないので、ご注意下さい。
液晶が開く最大の角度です。
底面はフラットです。いくつかのネジの上にシールが貼られており、ネジを取るには、このシールをドライバーで突き破る必要があります。シールを破るとサポート対象外になると思うのでご注意下さい。
ACアダプターは普通の大きさです。
ACアダプターの容量は230Wです。
まとめ
以上が、AERO 15 Classic-XAのレビューです。
軽量・薄型・コンパクトなボディで、持ち運びに便利なゲーミングノートです。その上、Core i7-9750Hに、GeForce RTX 2070 Max-Qの構成となっており、スペックも高めです。同等構成のPCよりも、若干ベンチマークスコアは低めかなと思いますが、それでも高いフレームレートが出ています。
さらに特徴的なのは、IGZO 240Hz液晶、またはAdobe RGB 100%の4K液晶を選択できる点で、どちらも非常に優秀な性能です。ゲーマーでもクリエイターでも満足できる液晶だと思います。
AIをオンにすると劇的にパフォーマンスが改善するケースもあるので、色々設定を試してみるといいでしょう。
ただ、騒音値は他のゲーミングノートPCよりやや高めです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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