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GIGABYTE AORUS 15(15-XA)の実機レビュー

更新日:2019年5月16日
CPU Core i7-9750H
GPU RTX 2070(8GB)
メモリ 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
+2TB HDD
液晶サイズ 15.6型
液晶種類 FHD IGZO 非光沢
240Hz
質量 ~約2.4kg
バッテリー 62Wh
価格[税込] 30万円台

240HzのIGZO液晶が見やすい本格派ゲーミングノート

AORUS 15は、最新CPUのCore i7-9750Hに、GeForce RTX 2070を搭載した本格派ゲーミングノートPCです。

高いスペックもさることながら、シャープ製のIGZO液晶の品質が非常に優れています。240Hzの高リフレッシュレートで、ノートPCにしては遅延や残像も少なく、視野角も良く、ゲームがしやすいです。

RTX 2070ほどの高性能グラフィックスを搭載していながら、ボディは比較的薄く、また狭額ベゼルを採用していることで、見た目もスマートです。

また、「Microsoft Azure AI」を活用し、アプリケーション毎に最適なCPUおよびGPUクロック、ファン速度などを自動的に設定する機能も持っています。

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-9750H、16GBメモリ、GeForce GTX 2070(8GB)、512G PCIe SSD + 2TB HDD

目次

お忙しい方は、「AORUS 15の特徴」のみお読みください。

AORUS 15の特徴

第9世代CPUにRTX 2070を搭載したハイスペックノート

AORUS 15は、最新の第9世代Core i7-9750Hに、GeForce RTX 2070を搭載したゲーミングノートです。ゲーミングノートの中では、ハイスペックな構成で、本格的にゲームをやりたい方におすすめです。

その他のスペックを見ても、240Hz対応液晶に、PCIe SSD、Killer DoubleShot Proを搭載し、万全の性能です。

ハイスペック構成の本格ゲーミングPC

 

IGZO 240Hz液晶の品質がすごい

AORUS 15の大きな特徴として、240Hz対応のIGZO液晶を搭載している点が挙げられます。映像を確認しても、60Hzの液晶とは映像の滑らかさが全然違います。120Hz対応の液晶との違いは少ないものの、それでも違いは感じ取れます。また、ノートパソコンの割には表示遅延が少なく、残像も少ないため、ゲームがしやすい優れた液晶です。なお、液晶の特性の詳細は「液晶ディスプレイのチェック」をご覧ください。

参考:60Hz、120Hz、240Hzの液晶の体感

通常の液晶は60Hzとなっており、1秒間に画面(フレーム)を60回更新します。一方、本製品の液晶は1秒間に画面(フレーム)を240回も更新します。60Hzの液晶と240Hzの液晶の違いを体感してもらうために、1秒間にフレームを60回更新するUFO、120回更新するUFO、240回更新するUFOの映像(それぞれ 60 fps、120 fps、240 fpsの映像)を下に掲載しています。60 fpsの映像が60Hzの液晶、120 fpsの映像が120Hzの液晶、240 fpsの映像が240Hzの液晶で表示した映像だと思って下さい。

ただし、通常の液晶(60Hz)では、120 fpsや240 fpsの映像を再生しても60 fpsになってしまうため、ここでは通常の液晶でも違いを体感できるように、AORUS 15の液晶をハイスピードカメラで撮影し4倍にスロー再生したものを掲載しています。正確な違いは体感できませんが、こうすることで通常の液晶でも、ある程度違いを把握することはできると思います。

ご覧の通り、60 fpsではカクカクと動いているように見えますが、240 fpsでは滑らかに動いているのが分かります。120 fpsとの差は少ないものの、それでもやや違いがあるのが分かります。今回は、4倍スローにしていますが、等倍でもこの映像に近いくらい、滑らかさの違いが分かります。

60fps、120fps、240fpsの見え方の違い(4倍スロー再生)
再生した動画:UFO Test: Multiple Framerates

 

AI によりCPU、GPU、ファンなどを最適化

AORUS 15は、「Microsoft Azure AI」を活用し、アプリケーション毎に最適なCPUクロック、GPUクロック、ファン速度などを自動的に設定する機能を持っています。利用中のCPUやGPUの動作クロックなどの動作状況を定期的にAIサーバーへ送り、AIで情報が解析・学習され、各アプリケーション毎に最適なセッティングが自動で行われることで、ゲームのフレームレートなどが向上します。

Azure AIの設定画面

 

いくつかのゲームのベンチマーク機能において、AIをオンにしたときとオフにしたときのフレームレートを掲載します。なお、上の図において「AI Edge Learning」を選択することで、AIをオンにしています。

AIをオンにすると、8%程度フレームレートが上昇しているのがわかります(ただしゲームにもよります)。ただし、シャドウオブザトゥームレイダーのようにゲームによっては騒音値が極端に上がるものもあります。また、下には掲載していませんが、ゲームによってはあまりフレームレートが上がらないものもあります。ゲームによって挙動が変わるので、色々試してみるといいと思います。また、学習が進めば、現状では騒音値が高いゲームも、そのうち改善されていく可能性もあります。

シャドウオブザトゥームレイダー
  AIオン AIオフ
フレームレート 91 fps 84 fps
騒音値 62 dB 51 dB
フレームレートは、1920x1080、最高設定でのベンチマークスコア
ゴーストリコン ワイルドランズ
  AIオン AIオフ
フレームレート 56 fps 52 fps
騒音値 51 dB 51 dB
フレームレートは、1920x1080、ウルトラ設定でのベンチマークスコア

 

AORUS 15の一覧

AORUS 15は、下表のように3つのモデルがあります。主な違いは液晶とグラフィックスで、AORUS 15-XAのみ240HzのIGZOパネルを搭載しています。

AORUS 15シリーズの違い
  AORUS 15-XA AORUS 15-WA AORUS 15-SA
液晶 SHARP IGZO 240Hz LG IPS 144Hz
グラフィックス RTX 2070 RTX 2060 GTX 1660Ti

 

保証

ギガバイトは、日本ではメーカー直販サイトが存在せず、ネットではAmazonから購入することになります。Amazonのサイトを確認すると、メーカー保証は2年となっています。3年や5年に延長することはできません。また、バッテリーや、アダプターの保証は1年間のみとなります。

電話対応日時は、月曜日~金曜日までの午前10時から午後6時までとなっており、土日祝日のサポートは受け付けていません。

 

ゲームベンチマーク

ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。

高性能なグラフィックスを搭載しているだけあって、重い部類のゲームでも最高設定で60fpsをほぼ超えています。240Hzの液晶を搭載していますが、240 fps前後のフレームレートを出すのはさすがに難しいです。ただ、グラフィック設定を低~中程度にすれば、ほとんどのゲームが120 fps前後なら出ています。

また、AIをオフにしたときとオンにしたときのスコアを掲載していますが、オンにすることで、ややフレームレートが向上するゲームが多かったです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
  AI ON AI OFF
1920x1080 軽量品質 126 fps 122 fps
標準品質 101 fps 97 fps
高品質 77 fps 77 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 120 fps
デスクトップ用RTX 2080 109 fps
デスクトップ用RTX 2070 94 fps
デスクトップ用RTX 2060 79 fps
ノート用RTX 2070 77 fps (AIオン)
ノート用RTX 2070 77 fps (AIオフ)
ノート用RTX 2070 Max-Q 65 fps
ノート用RTX 2060 60 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
  AI ON AI OFF
1920x1080 最低 119 fps 116 fps
100 fps 95 fps
最高 91 fps 84 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高)
デスクトップ用RTX 2080Ti 120 fps
デスクトップ用RTX 2080 113 fps
デスクトップ用RTX 2070 95 fps
ノート用RTX 2070 91 fps (AIオン)
デスクトップ用RTX 2060 85 fps
ノート用RTX 2070 84 fps (AIオフ)
ノート用RTX 2070 Max-Q 78fps
ノート用RTX 2060 70 fps
ノート用GTX 1070 65 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
  AI ON AI OFF
1920x1080 139 fps 136 fps
96 fps 92 fps
ウルトラ 56 fps 52 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、ウルトラ)
デスクトップ用RTX 2080Ti 87 fps
デスクトップ用RTX 2080 77 fps
デスクトップ用RTX 2070 66 fps
デスクトップ用RTX 2060 58 fps
ノート用RTX 2070 56 fps (AIオン)
ノート用RTX 2070 52 fps (AIオフ)
ノート用RTX 2070 Max-Q 50 fps
ノート用RTX 2060 45 fps
ノート用GTX 1070 48 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
  AI ON AI OFF
1920x1080 標準(ノート) 131 fps 125 fps
高(ノート) 120 fps 117 fps
最高品質 103 fps 102 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 140 fps
デスクトップ用RTX 2080 131 fps
デスクトップ用RTX 2070 120 fps
デスクトップ用RTX 2060 111 fps
ノート用RTX 2070 103 fps (AIオン)
ノート用RTX 2070 102 fps (AIオフ)
ノート用RTX 2070 Max-Q 92 fps
ノート用RTX 2060 91 fps
ノート用GTX 1070 89 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
  AI ON AI OFF
1920x1080 低品質 103 fps 105 fps
高品質 94 fps 92 fps
最高品質 85 fps 83 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、最高品質)
デスクトップ用RTX 2080Ti 100 fps
デスクトップ用RTX 2080 100 fps
デスクトップ用RTX 2070 98 fps
デスクトップ用RTX 2060 94 fps
ノート用RTX 2070 85 fps (AIオン)
ノート用RTX 2070 83 fps (AIオフ)
ノート用RTX 2070 Max-Q 77 fps
ノート用RTX 2060 74 fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
  AI ON AI OFF
1920x1080 最高品質 19808 19943
※約5500で60fps

 

上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。

 

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイの詳細なチェックです。

前述しましたが、シャープのIGZOパネルを搭載しており、型番は「LQ156M1JW03」でした。240Hzもの高リフレッシュレート液晶で、視野角も良く、その他の特性も優秀でした。最大輝度に関しては、当サイトによる計測では、280cd/m2と普通でした。詳細は以下のタブをクリックして下さい。

  • 視野角
  • RGB
    発色特性
  • 色域
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。寒色系の画面であることが分かりますが、ゲーム目的ならこのくらいのほうが見やすいと感じる方も多いかもしれません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではAdobe RGBカバー率は96.3%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

画素形状です。ギラつきはほぼ感じません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み

少し輝度を下げて(正確には覚えておらず申し訳ないですが輝度設定60%くらい)撮影した限りでは、フリッカーはありませんでした。

フリッカーのテスト
※カメラのシャッタースピードを1/800秒にして撮影したときの画面

 

表示遅延

ゲームをするにあたって重要な表示遅延も計測しました。キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約34.4msでした。なおこれは、液晶の遅延だけでなく、PC全体の遅延となります。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、ノートPCにしては、遅延は少ないと思います。

ハイスピードカメラで、960fps(1秒間に960フレーム)で撮影
→ 1フレームあたり約1.04ms

 

残像

本製品の残像は少ないと思います。普通のノートPCは60Hzで2フレームほど残像が映っていますが、本製品は240Hzで1~2フレームほどしか残像がありません。単純に考えると普通のノートPCの4分の1の残像表示時間です。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:約19mm×縦:18.5mm、キーストロークは約2mmとなっており、十分な数値です。キーの押しはじめは適度な抵抗感があり、押した後はストンとキーが落ちて、ある程度指を押し戻す反発感もあり、押しやすいキーだと思います。

ただし、英語キーボードのみとなっています。英語キーボードにしても、Enterキーの横幅が短めであったり、「|」のキーも小さかったりしています。また、テンキーも4列ではなく3列になっています。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

1,670万色のバックライトキーボードを搭載し、ソフトウェアから色の変更が可能です。また、左右の正面側にもLEDライトがあります。

キーボードバックライト
キーボードバックライトの色やアニメーションは変更可能

 

Nキーロールオーバー対応とは書かれていないため、「はっとけキーボード」というソフトを使って確認したところ、8つまではキーを同時に押しても、認識することができていました。

同時に複数のキーを押して、いくつまで認識されるかテスト
※テスト方法がアナログ的なので、正確ではないかもしれません

 

タッチパッドの操作性は普通です。

タッチパッド

 

パフォーマンスのチェック

AORUS 15のパフォーマンスのチェックです。

CPU

ノート用CPUとしては、非常に性能の高いCore i7-9750Hを搭載しており、多くの処理が快適です。

CPU性能
~ CINEBENCH R15 ~
左:AIオン、右:AIオフ
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-8950HK 1231
Core i7-9750H
[レビュー機で計測]
1195 (AIオン)
Core i7-9750H
[レビュー機で計測]
1157 (AIオフ)
Core i7-8750H 1133
Core i5-8300H 830
Core i7-8565U 602
Core i7-8550U 580
Core i5-8265U 542
Core i5-8250U 536
Core i3-8145U 340
Core i3-8130U 313
Celeron N4100 229
※緑色のバーが、本製品で選べるCPUです
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です

 

グラフィックス

グラフィックスには、GeForce RTX 2070を搭載しており、こちらも非常に高性能です。前述の通り高いフレームレートでゲームができますし、GPU支援が使えるアプリも、処理が高速になります。ただし、Optimusには対応しておらず、外部グラフィックスが常に使用されます。

グラフィックス性能
~ 3DMark Time Spy ~
AIオン
AIオフ
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用RTX 2080Ti 12388
デスクトップ用RTX 2080 10230
デスクトップ用RTX 2070 8605
ノート用RTX 2070
[レビュー機で計測]
8090 (AIオン)
デスクトップ用RTX 2060 7417
ノート用RTX 2070
[レビュー機で計測]
7346 (AIオフ)
ノート用RTX 2060 5789
ノート用GTX 1660Ti 5667
ノート用GTX 1070 5521
ノート用GTX 1060 3633
ノート用GTX 1050Ti 2201
ノート用GTX 1050 1689
※緑色のバーが、本製品で選べるグラフィックスです
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です

 

GeForce RTX 2070の詳細は次のようになっています。ノートPC用のGeForce RTX 2070は、デスクトップPC用のGeForce RTX 2070よりもGPU Clockなどが低くなっており、1~2割ほど性能が低くなります。この点はご注意下さい。

本製品のグラフィックカードのスペック
デスクトップ用RTX 2070の仕様

 

ストレージ

ストレージは、PCIe SSDおよびHDDを搭載しており、速度および容量とも十分です。

ストレージ性能
~ CrystalDiskMark ~
左:512GB PCIe SSD、右:2TB HDD
他のストレージとの比較(Seq Q32T1 Read [MB/s] )
PCIe SSD 2920 [レビュー機で計測]
SATA SSD 550
HDD 137 [レビュー機で計測]
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です

 

その他のベンチマークスコア

以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。

  • CINEBENCH R20
  • Passmark
  • 3D Mark
CINEBENCH R20
~ CPU性能の評価 ~
左:AIオン、右:AIオフ
PassMark Performance Test 9.0
~ CPU性能の評価 ~
AIオン
AIオフ
3DMark
~ グラフィック性能の評価 ~
AIオン
AIオフ

 

実際のソフトで計測した処理時間

次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。こちらはAIはオフで計測しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

速い現像速度です。ただ、Lightroomだけ使うなら、GeForce RTX 2070ものグラフィックス性能は必要ないため、ややオーバースペックです。

Core i7-8700
32GBメモリ
71秒
Core i7-9750H
16GBメモリ
83秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8750H
32GBメモリ
99秒
Core i7-8565U
16GBメモリ
130秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

GeForce RTX 2070を搭載しているため、動画の書き出しも比較的速いです。ただし、GTX 1050を搭載したモデルより時間がかかっています。これは、AOURS 15は、Optimusに非対応であるためiGPU(Intel UHD 620)が全く使われないというのが原因だと思います。Premiere Proは書き出しのときに、外部GPUだけでなく、iGPUも同時に使って処理します。しかし、今回、iGPUが無効になっているため、この処理をCPUが行っているように思えます。書き出し中の負荷を見ると、CPU使用率は100%であるのに対し、外部GPUの使用率は20%ほどでした。

動画サイズやエフェクトなどによって、iGPUにかかる負荷は変わってくるものの、ノートPCで主にPremiere Proを使うなら、Optimus対応のものがおすすめです。

Core i7-8750H/32GB
RTX 2060
45秒
Core i7-8750H/32GB
GTX 1050
78秒
Core i7-9750H/16GB
RTX 2070
111秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8565U/16GB
GeForce MX250
147秒
Core i7-8650U/16GB
Intel UHD 620
473秒
※ 4K動画(約2分)に、「テキスト(ブラー付)」+「RGBカーブ補正」+「シャープ」+「自然な彩度」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 1080p HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるエンコード時間

x265でのエンコードも速いですし、NVENCでのエンコードも速いです。

  バッテリー駆動時間
x265でエンコード (※1) 15分37秒
NVENCでエンコード (※2) 1分02秒
QSVでエンコード (※3)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
x265でのエンコード時間
Core i9-9900K 9分29秒
Core i7-8700 12分27秒
Core i7-9750H 15分37秒 [レビュー機で計測]
Core i7-8750H 16分40秒
Core i7-8565U 31分50秒
Core i3-8130U 45分24秒
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
x265でエンコード時間中のCPUクロック

 

質量のチェック

AORUS 15の質量のチェックです。

メーカー仕様値では「~2.4kg」となっていましたが、当サイトの計測値はそれより軽く、15.6型のゲーミングノートとしては比較的軽いと思います。ただし、ACアダプターは容量が230Wと大きいこともあり、977gもあります。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.221kg
ACアダプター 977g

 

バッテリー駆動時間のチェック

AORUS 15のバッテリー駆動時間チェックです。

バッテリー容量は62Whとなっています。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。今回、Optimusに対応していないため、動画再生程度の負荷でも、バッテリー駆動時間は短めです。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  駆動時間
PCMark 8 Work テスト ※1
動画再生時 ※2 1時間47分
FF14 ベンチ ループ実行 ※3 1時間23分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 標準設定・フルHDで実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

全体的に騒音値は高めです。アイドル時も、Optimusに対応していないため、動作音が聞こえます。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fpsに制限(標準品質(デスク)、1920x1080)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ実行 60fps制限なし(標準品質(デスク)、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。

全体的にやや高めです。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※FF14ベンチ実行時の温度は、温度が高めになる最後のシーン

 

エンコード時の温度の詳細

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。80度前後で推移しています。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度

 

FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時の温度の詳細

下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。

85℃前後で推移しており、やや高めです。

GPU(グラフィックス)温度
FF XIVベンチ(最高品質、fps制限なし)実行中のGPU温度

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

極端に熱くなる部分は無いのですが、ゲームを実行すると、右パームレストがやや熱く感じてきます。

PC本体の表面温度

サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

高性能パーツを搭載し、またOptimusにも対応していないため、全体的に高めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

外観のチェック

AORUS 15の外観のチェックです。

液晶のベゼルが狭く、RTX 2070クラスのグラフィックスを搭載している割にはボディも薄く、スマートな見た目です。

 

天板です。ロゴなどがかっこいいです。なおロゴなどは光りません。

 

排気口周りのデザインはかっこいいです。

 

電源ボタンは光ります。

 

側面のインターフェースです。一般的なポート類は揃っていますが、SDカードはmicroSDカードのみ対応となっています。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。ファンやヒートパイプ周りはメッシュとなっています。持ち運ぶときはあまり圧力をかけないようにご注意下さい。

 

底面の中央にあるネジの上にはシールが貼られています。このシールを取ると保証対象外となると思うので、ご注意下さい。

 

ACアダプターは大きめですが薄型です。容量は230Wです。

 

まとめ

以上が、AORUS 15のレビューです。

Core i7-9750H + GeForce RTX 2070を搭載したハイスペックゲーミングノートPCです。

240Hz駆動のIGZOパネルを搭載しており、遅延や残像も少なく、そのうえ視野角も良く、ゲームがしやすいです。240 fpsも出るゲームはあまりありませんが、グラフィック設定を低~中にすることで、多くのゲームが120 fps前後なら出ます。

「Microsoft Azure AI」を活用し、アプリケーション毎に最適な環境設定になる機能もあり、AIをオンにすることで、少しフレームレートが向上します。ただ、ゲームによっては騒音値が異常に高くなるケースもあるので、色々なゲームを試してみるといいでしょう。

PC本体の保証は2年間とやや短めなのと、土日祝日のサポートをやっていない点は、やや気になります。

 

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