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GeForce RTX 3080 のベンチマーク
2020年9月2日にNVIDIAは大々的なカウントダウンとともに、オンラインイベント「NVIDIA GeForce Special Event」にて、次世代のGPU「GeForce RTX 30」シリーズとなる、「GeForce RTX 3090」「GeForce RTX 3080」「GeForce RTX 3070」の3製品のグラフィックスカードを発表しました。
その中でも先陣切って先日9月17日に発売された「GeForce RTX 3080」のグラフィックカードを用いて、3DMarkやゲームのベンチマーク(フレームレート)などを計測した結果を掲載します。
目次
GeForce RTX 3080のスコア結果【概要】
性能はRTX 2080Tiの約1.2倍~
お忙しい方のために、代表的なベンチマーク「3DMark Time Spy」のスコアを先に掲載します。
GeForce RTX 3080は、RTX 2080 SUPERと比較して約1.5倍、RTX 2080Tiと比較して約1.2倍のスコアでした。
また、後述しますが、4K(3840x2160)解像度ではさらに性能比が向上しています。加えて、レイトレーシングやDLSS機能も強化されており、レイトレーシングを使った激重なゲームも60 fpsでプレイが可能となります。
GeForce RTX 3080 の仕様
「GeForce RTX 30」シリーズは、「NVIDIA Ampere アーキテクチャ」を採用した新モデルのグラフィックスカードで、TITAN RTXの後継機にして最上位モデル「GeForce RTX 3090」をはじめ、RTX 2080の後継機となる「GeForce RTX 3080」、RTX 2080Tiよりも高速な「GeForce RTX 3070」の3製品からなり、発売時期や価格も公開されています。
製造プロセスは前世代の12nmから8nmになり、レイトレーシング用の「RTコア」は第2世代に、DLSSなどのディープラーニング用の「Tensorコア」は第3世代へと進化し、CUDAコアの数も倍増。メモリタイプには、より高速なMicron GDDR6Xメモリを搭載し、これにより、前世代と比較して最大で2倍の性能を発揮するそうです。その分消費電力も増大しています。
今回レビューする「GeForce RTX 3080」は、前世代のRTX 2080と比べて、CUDAコア数は2倍以上、メモリタイプはGDDR6Xとなり、容量も10GBへ強化されています。その分TDPは320Wと大きく、NVIDIAの推奨する電源容量は750Wとなっています。
GeForce RTX 3090 |
GeForce RTX 3080 |
GeForce RTX 3070 |
|
GPUコア | GA102-300 | GA102-200 | GA104-300 |
GPUアーキテクチャ | Ampere | ||
製造プロセス | 8nm | ||
CUDAコア数 | 10496 | 8704 | 5888 |
定格クロック | 1400MHz | 1440 MHz | 1500MHz |
ブーストクロック | 1700MHz | 1710 MHz | 1730MHz |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6 | |
メモリ容量 | 24GB | 10GB | 8GB |
TDP | 350W | 320W | 220W |
想定価格(税別) | 22万9800円 | 10万9800円 | 7万9980円 |
GeForce RTX 2080 Ti |
GeForce RTX 2080 SUPER |
GeForce RTX 2080 |
|
GPUコア | TU102 | TU104 | TU104 |
GPUアーキテクチャ | Turing | ||
製造プロセス | 12nm | ||
CUDAコア数 | 4352 | 3072 | 2944 |
定格クロック | 1350MHz | 1650 MHz | 1515MHz |
ブーストクロック | 1545MHz | 1815 MHz | 1710MHz |
メモリタイプ | GDDR6 | ||
メモリ容量 | 11GB | 8GB | 8GB |
TDP | 250W | 250W | 215W |
テストに使用したグラフィックカード
テストに使用したPalit「GeForce RTX 3080 GP」
今回使用したグラフィックカードはPalit製の標準モデルとなる「GeForce RTX 3080 GamingPro 」です。価格は税込95,700円で、RTX 3080の中ではおそらく最安です。他社と比べて価格が安いということで少し心配でしたが、実際に使用してみると、品質もよく冷却性能も申し分ありませんでした。
詳しくは下記をご覧ください。
3連ファンと2つの「アルミ合金アーマープレート」を搭載した標準モデル。価格は税込95,700円。
グラフィックカードの正面と背面です。回路基板の保護と放熱効果を最適化するダイキャスト成形された2つの「アルミ合金アーマープレート」を搭載しています。
映像出力端子はDisplayPort 1.4が3ポート 、 HDMI 2.1が1ポートとなっています。補助電源には8ピンコネクタを2本使用します。
背面プレートのハニカムブラケット構造により、エアフローが最大15%増加するそうです。
カードサイズは294 x 112 x 60 mm、質量は実測で1186gです。
手で持つとこんな感じです。
PCに装着したときの画像は次の通りです。コンパクトミドルタワーのケースですが、最近の広めのケースなら問題なく入ると思います。LEDライティングも可能で、PalitのThunderMasterソフトウェアから、ライティング効果をカスタマイズできます。
GPU-Zの結果は、次のようになっています。動作クロックなど基本スペック通りです。
テストに使用したPC
GeForce RTX 3080のベンチマークを測定するにあたって、テストに使用したPCの構成は以下の通りです。
CPU | Core i9-10900K |
---|---|
ケース | NZXT H510 Matte Black |
マザーボード | ASUS TUF Z490-PLUS(WI-FI) |
CPUファン | 簡易水冷 Silverstone PF240-ARGB ZEFT |
メモリ | Gskill Trident Z DDR4-2666 16GB(8GB×2) |
ストレージ1 | M.2 SSD WD BLUE SN550 1TB |
ストレージ2 | SATA SSD Crucial MX500 1TB |
電源 | Corsair RM1000x 1000W |
基本ベンチマークスコア
基本的なベンチマークスコアです。ゲームベンチマークスコアでは、各ゲームのグラフィック設定を最高設定のみで計測しています。ベンチマーク機能がないものはMSIのAfterburnerというツールを使って平均フレームレートを計測しています。
3DMark - Time Spy
3DMark Time Spyのベンチマークスコアです。4K解像度である「Time Spy Extreme」でのスコアがかなり高いです。RTX 2080 SUPERと比較しておよそ1.6倍、RTX 2080Tiと比較しておよそ1.3倍伸びています。
ゲームベンチマークスコア
特に高解像度であるWQHD(2560x1440)や4K(3840x2160)でのフレームレートがかなり高いです。重い部類のゲームでは、RTX 2080Tiでも60 fpsに届かなかったものが、RTX 3080だと楽に超えているタイトルが多いです。FF14などの中程度の重さのゲームでは、4K(3840x2160)解像度でも最高設定で90 fpsを超えます。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX12)
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高品質 | 1920x1080 | 13570 / 135 fps |
2560x1440 | 11684 / 116 fps | |
3840x2160 | 7529 / 75 fps |
重い部類のゲーム
Horizon Zero Dawn(DX12)
|
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---|---|---|
最高画質 | 1920x1080 | 140 fps |
2560x1440 | 118 fps | |
3840x2160 | 71 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
|
||
---|---|---|
ウルトラ | 1920x1080 | 142 fps |
2560x1440 | 107 fps | |
3840x2160 | 62 fps |
重い部類のゲーム
モンスターハンターワールド:アイスボーン(DX12)
|
||
---|---|---|
最高 | 1920x1080 | 142 fps |
2560x1440 | 103 fps | |
3840x2160 | 54 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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---|---|---|
最高 | 1920x1080 | 157 fps |
2560x1440 | 140 fps | |
3840x2160 | 83 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
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---|---|---|
最高 | 1920x1080 | 23231 / 192 fps |
2560x1440 | 20553 / 151 fps | |
3840x2160 | 14515 / 96 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン(DX11)
|
||
---|---|---|
最高 | 1920x1080 | 120 fps |
2560x1440 | 113 fps | |
3840x2160 | 93 fps |
DLSS有効時のスコア
ディープラーニング スーパー サンプリング(DLSS)の効果を計測するベンチマークスコアを掲載します。GeForce RTX 30シリーズでは、第3世代「Tensorコア」により、AIレンダリング技術がより強化されており、画質を落とさずに、ゲームのパフォーマンスを向上させることが可能です。
3DMark - NVIDIA DLSS feature test
NVIDIA DLSS feature testの結果は、下表の通りです。RTX 3080はRTX 2080Tiよりも約1.26倍のフレームレートが出ています。非常に高いスコアです。
また、DLSS有効時のフレームレートの伸びはいずれも2.3倍~2.6倍でした。DLSS有効時のフレームレートの伸び率は前世代とRTX 3080とで差はあまりありませんでした。
ゲームベンチマークスコア
実際のゲームのベンチマークも、NVIDIA DLSS feature testほどではありませんが、DLSSを有効にすることでフレームレートが約1.1倍~1.2倍伸びています。
重い部類のゲーム
モンスターハンターワールド:アイスボーン(DX12)
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重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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レイトレーシング有効時のスコア
リアルタイムレイトレーシングのベンチマークスコアです。 GeForce RTX 30シリーズでは、第2世代「RTコア」によりレイトレーシング機能も強化されています。レイトレーシングを使った負荷の重いゲームも、高いフレームレートでプレイが可能です。
3DMark - Port Royal
3DMARKのリアルタイムレイトレーシングベンチマークテスト「Port Royal」のベンチマーク結果です。RTX 3080のスコアはかなり高いです。RTX 2080 SUPERと比較して約1.6倍、RTX 2080Tiと比較して約1.3倍、スコアが伸びています。
ゲームベンチマーク
レイトレーシングのみON
レイトレーシング機能を使ったゲームのベンチマークスコアです。レイトレーシングOFFのときは軽かったゲームもレイトレーシングをONにするとかなり重くなります。さすがのGeForce RTX 3080でも、4K(3840x2160)解像度+最高設定+レイトレーシングなら60 fpsを割ってしまいます。
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(レイトレース シャドウクオリティ : 最高)
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最高 | 1920x1080 | 120 fps |
2560x1440 | 92 fps | |
3840x2160 | 50 fps |
軽い部類のゲーム
バトルフィールドV(DirectX Raytracing : On)
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最高 | 1920x1080 | 124 fps |
2560x1440 | 90 fps | |
3840x2160 | 48 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト(レイトレーシング : On)
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---|---|---|
最高 | 1920x1080 | 120 fps |
2560x1440 | 88 fps | |
3840x2160 | 45 fps |
レイトレーシング+DLSS をオン
レイトレーシングとDLSSを併用した際のゲームのベンチマークスコアです。レイトレーシングを有効にすることで60 fpsを割っていたタイトルも、DLSS機能と併用することで60 fpsを超えてきました。
Premire Proによる書き出し時間
以下のグラフは、Premiere Proで、4K動画の書き出し時間を計測したものです。
RTX 2080 SUPERやRTX 2080Tiで、書き出し速度は頭打ちと思っていましたが、RTX 3080でさらに高速になっていました。
※すべて同じPCで計測しています
消費電力の比較
消費電力の比較です。計測には3DMarkの「Time Spy Extreme」、「Time Spy」、「Port Royal」のストレステストを2分間行い、確認できた最も高い消費電力を記載しています。測定はグラフィックカード単体の消費電力ではなく、PC全体の消費電力です。測定機器にはワットチェッカーを使用しています。
GeForce RTX 3080搭載PCの消費電力はいずれも420Wを超えており非常に高い消費電力です。推奨電源容量は750Wとされている通り、多めの容量を搭載した方がいいでしょう。
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
まとめ
ベンチマークソフトやゲーム、レイトレーシングやDLSSのON/OFFによっても変わってきますが、GeForce RTX 3080は、RTX 2080 SUPERと比較して約1.5倍、RTX 2080Tiと比較して約1.2倍のスコアでした。特に4K解像度では高いフレームレートが出る傾向にあり、60fpsを超えるゲームタイトルも多くありました。現実的なグラフィックカードの価格で、4Kディスプレイで本格的にゲームが出来る時代が来たと言えるでしょう。
競技性の高いタイトルを240Hzなどの高リフレッシュレートでゲームをするなら、グラフィック品質設定を下げたり、WQHDなどの解像度を下げたりする必要はあると思います。ただし、美しい映像を楽しむタイトルなら4K/60fps環境でゲームが可能だと思います。
なお、消費電力は非常に高いです。余裕をもった電源ユニットの搭載をおすすめします。
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三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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