若者向けのかっこいいデザイン、FMV Note CシリーズのノートPCの実機レビュー

CPU | Core Ultra 5 134U Core Ultra 7 164U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | 約256GB / 約512GB |
液晶サイズ | 13.3型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 光沢 |
質量 | 約1.187kg |
バッテリー | 64Wh |
価格 | 15万円台~ |
※ 上記はカスタムメイドモデルの構成
富士通 FMV Note Cは、大学生を含む、20才前後(Z世代)のユーザーを強く意識して開発された13.3型モバイルノートPCです。
多くのユーザーが憧れるMacBook Airや、Surfaceシリーズのような、かっこいいデザインが大きな特徴となっています。
さらに、持ち運びやすさ、使いやすさ、長めのバッテリー駆動時間などが考えられた作りとなっており、Z世代以外のユーザーにとっても魅力的な製品だと思います。
今回は以下の構成でレビューをしています。レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
レビュー機の構成
Core Ultra 5 134U、16GBメモリ、256GB SSD
[お得]富士通パソコンで使えるクーポン
学生向け
本製品は、学生であれば、こちらの富士通の学割サイトから購入するのがお得です。
一般ユーザー向け
一般ユーザーの場合は、当サイト向けのクーポンを利用することで、通常よりも安く購入することが可能です。
また、上のどちらも、購入画面で「お買い物応援クーポン」が掲載されていると思います。こちらのクーポンも併用可能です。

目次
お忙しい方は、「FMV Note Cの特徴」のみお読みください。
製品の特徴
Z世代のユーザーがメインターゲットのモバイルノートPC
FMV Note Cシリーズは、学生を含むZ世代のユーザーをメインターゲットにした製品です。

最大の特徴は、Z世代のユーザーが好みそうなデザインのボディです。
若い世代のユーザーにとって、使うパソコンの外観はとても重要です。その点、FMV Note Cシリーズは、凹凸を減らした、シンプルな削り出しアルミのボディとなっています。細部にもこだわっており、作りが良いです。かっこいいWindows PCが欲しいというユーザーにとって、嬉しい選択肢となるでしょう。



ボディは、13.3型で、A4サイズとほぼ同じサイズです。質量は約1.187kgです。カバンに入れて持ち運びがしやすく、日常的に大学に持参して使うノートPCとしても使いやすいと思います。

ボディカラーは、下図のような3種類です。左から、エクルベージュ、ミストグリーン、スモークグレーです。パステル系のカラーで、一般的なノートPCにはあまりない色が選べるのも嬉しいポイントです。

低電力版のCore Ultra搭載でロングバッテリー
FMV Note Cシリーズの搭載するプロセッサーは、NPUを搭載したインテルのCore Ultra シリーズ1です。
Core Ultra シリーズ1のプロセッサーには複数の種類がありますが、PBP(プロセッサーベース電力):9Wの低電力版CPUとなっています。
そのため、それほど高い処理性能ではありません。ただ、ウェブでの調べ物、動画視聴、レポートやプレゼンテーションの作成といった、多くの大学生が行うような一般的な作業には十分な性能でしょう。
消費電力が少ないプロセッサーを採用するメリットもあります。バッテリー容量が64Whと大きめなこともあり、バッテリー駆動でも長めの時間使用することができます。

使いやすさが考えられたキーボード
FMV Note Cシリーズは、下図のようなキーボードを搭載しています。富士通の他のノートPCとは少し違った仕様で、Z世代ユーザーの使いやすさを追及したキーボードとなっています。
主要なキーのサイズは揃っています。キーストロークは約1mmと深くありませんが、高レスポンスキーボードで、打ちやすく、疲れにくいです。また、キートップがカーブした球面シリンドリカル形状となっています。
注目なのは、スペースキーの左右に、日本語入力のオン・オフキーが配置されていることです。この辺りも、かなりMacBookを意識した作りとなっているのだと思います。標準的な「半角/全角」キーまで指を伸ばすことなく、左右の親指で英数/日本語の入力を切り替えることができるので、慣れるとタイピングがしやすいと思います。

ファンレスでとても静か
本製品は、ファンレス設計となっており、動作音がとても静かです。講義中や、カフェ、図書館などで使うときも、ファン音などを気にせず集中することができます。
また、ファンレスであるため、底面に通気孔がありません。そのため、他のノートPCと比べると、柔らかいソファなどの上に置いて作業をしても、比較的安全です。
ただし、ファンレスなので、表面温度は熱くなりがちです。


島根工場生産・国内サポート
FMV Note Cシリーズは、国内の島根工場で組立・生産がおこなわれています。また、国内サポートも提供されており、購入後も安心だと感じる方も多いでしょう。
また、富士通という国内で名の知れたメーカーなので、祖父母や、両親から入学祝や成人祝いなどで買ってもらいやすいのではないかとも思います。
ポート類は少ない
FMV Note Cシリーズのポート類は、USB-Cが2つと、ヘッドホン・ヘッドセット兼用端子のみとなっています。まるでMacBook Airのような構成です。
側面も非常にすっきりしています。ただし、大学によっては、フルサイズのUSB端子や、HDMI出力端子付きを推奨しているところもあります。その場合、USB-Cタイプのアダプタなどを別途用意する必要があるのでご注意下さい。


スペック構成の紹介
FMV Note Cシリーズには、量販店向けのカタログモデル「FMV CZ-K1」と、富士通WEB MART限定のカスタムメイドモデル「FMV WC1-K1」があります。
主な仕様は、下表の通りです。
カスタムメイドモデルは、カタログモデルにはないCore Ultra 7 164Uや、512GB SSDを選ぶことができます(メモリに関しては、16GBがおすすめです)。
また、カタログモデルには通常1年のメーカー保証が付いていますが、カスタムメイドモデルには、3年無料保証(ユーザー登録が必要)が付き、学割ページなら4年の保証が付きます。
また、カスタムメイドモデルは、Office無しモデルが選べます。大学は無償でOfficeが使えるところが多いので、Offce無しモデルのほうが安く済みます。
FMV CZ-K1 カタログモデル |
WC1-K1 カスタムメイドモデル |
|
CPU | Core Ultra 5 134U | Core Ultra 5 134U Core Ultra 7 164U |
メモリ | 16GB | 8GB / 16GB |
SSD | 約256GB | 約256GB / 約512GB |
ディスプレイ | 13.3型 1920x1200 | |
質量 | 約1.187kg | |
バッテリー | 64Wh | |
MS Office | あり | あり / なし |
価格 | オープン (約17万円台~) |
15万円台~ |
TikTokミュージックドラマも18日より公開
FMV Note Cが登場することに伴い、俳優の八木莉可子さんを主演のTikTokミュージックドラマ「うぇいだけが青春ですか?」(全9話)が2025年1月18日より公開されています。
こちらも合わせてご覧下さい。


各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | Web閲覧やOffice作業であれば問題なく動作します。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの色域が広めなので、綺麗な映像で動画を楽しめます。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
△~○ | ディスプレイの色域は広めですが、CPU性能がそこまで高くないので、やや遅く感じる処理もあると思います。 |
動画編集 | △ | 動画編集をするなら、もう少し高いスペックのPCがおすすめです。 |
ゲーム | △ | ゲームも、もう少しスペックの高いPCのほうがいいでしょう。 |
ディスプレイのチェック
FMV Note Cのディスプレイは、光沢なので映り込みはありますが、色域は広めで、フリッカーも無く、比較的見やすいです。
詳細については、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は比較的広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は97%でした。最大輝度は、当サイトの計測では314 cd/m2とやや高めです。

ガンマ補正曲線を確認すると、若干明部がより明るくなっていますが、わずかなのでほぼ気にならないでしょう。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。ギラつきは、ほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカーはありませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
FMV Note Cのキーボードは比較的打ちやすいです。
まず、他のノートPCはどこかに小さいキーがありがちですが、本製品は小さいキーが無い点が秀逸です。キーストロークはやや浅めですが、割としっかりとした打鍵があります。キーを軽く押して流れるようにタイピングする方に適しています。
富士通特有のFライン(矢印キーが下がったデザイン)ではありませでしたが、矢印キーは割と大きいので押しやすいです。
また、前述しましたが、スペースキーの両端が「Eng/Num(半角英数字)」と、「Roman(全角ローマ字)」の切り替えボタンになっており、手をホームポジションに置いたまま切り替えやすいです。
タッチパッドの大きさも十分あり、クリックボタンも軽めの力で押せるので、操作しやすいです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
FMV Note Cのパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUはプロセッサー・ベース・パワーが9WのCore Ultra シリーズ1なので、性能は高くありません。
今回、Core Ultra 5 134Uを搭載していますが、ベンチマークスコアは以下の通りで、Core i3-1315Uより少し高い程度のスコアです。ただ、Web閲覧や、Officeソフトの使用には、問題ない性能です。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックス性能は悪くはありません。動画視聴などの一般的な処理であれば、全く問題ない性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大11 TOPSと低い性能ですが、無いよりはマシです。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージは比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
FMV Note Cの質量は、一般向けノートPCよりは軽いですが、モバイルノートPCとしては普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.192kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 248g |
バッテリー駆動時間のチェック
FMV Note Cのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量が約64Whと大きめで、プロセッサー・ベース・パワーの低いCPUなので、バッテリー駆動時間は長めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 最大 約24.6時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 最大 約15.1時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 9時間32分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
初動を除いたCPU電力は、10~15Wで推移しており、プロセッサー・ベース・パワーよりは高いので、まずまずのパフォーマンスは出ています。
ファンレスですが、CPU温度は80℃以下に抑えられているので、問題ないと思います。


静音性のチェック
FMV Note Cは、ファンレスなので、動作音は聞こえません。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
ファンレスであることが影響し、負荷をかけると表面温度が熱くなります。体感でも熱く感じます。ここはファンレスのデメリットです。

※約10分経過後に計測しています
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低電圧のCPUなので、消費電力も低めです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
8W | 10W | 12W | 20W |
※PCの状態は「表面温度のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
FMV Note Cの外観のチェックです。
すっきりとした見た目で、エッジは丸みを帯びており、上品なデザインです。今回、エクルベージュというカラーでしたが、こちらも素敵です。

天板もすっきりとしています。

ボディは薄いので、カバンにも入れやすいです。


スピーカーの位置ですが、底面の下図の辺りから音が聞こえてきました。音質は、ノートPC基準で、10点満点で採点すると4~5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

Webカメラは、オンライン授業や、Web面接などには十分な画質です。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類はご覧の通りで、少ないです。USB-Cポートは、PowerDeliveryおよび映像出力に対応していますが、Thunderbolt4には非対応です。


液晶が開く最大の角度です。

底面は通気孔がなく、とてもすっきりとしています。ネジも4つ見えるだけです。

ACアダプターは、65Wです。

まとめ
以上が、FMV Note Cのレビューでした。
ボディの質感が良く、余計な凹凸が無く、丸みを帯びており、デザインがとても素敵なモバイルノートPCです。
PCのことは詳しくないので性能にこだわりは無いけれど、人前で使うのでデザインにはこだわりたいという方におすすめです。
性能は高くありませんが、Webページの閲覧や、レポート作成程度であれば、問題なくこなせる性能です。
また、バッテリー駆動時間も長いので、大学でも長時間、バッテリー駆動状態で作業をすることができると思います。
ただし、HDMIポートやUSB-Aポートがありません。大学で使う場合は、プロジェクターの接続でHDMIポートをよく使うと思うので、変換アダプターを持ち歩く必要が出てくるかもしれません。
若者向けのかっこいいデザイン
FMV Note C

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ