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富士通 ESPRIMO WD-G/D1の実機レビュー
CPU | Core i7-8700 |
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GPU | RTX 2080 mini |
メモリ | 8GB ~ 32GB |
ストレージ | PCIe SSD + HDD |
価格 | 3月13日受注開始 |
奥行きの短い高性能デスクトップPC
ESPRIMO WD-G/D1は、奥行きが短くても高い性能デスクトップPCです。設置スペースが少なくて済み、日本の住宅事情にマッチしています。
スペックについては、Core i7-8700、GeForce RTX 2080 miniの高性能パーツを搭載。PCゲームや動画編集などを快適に行うことができます。
なお、グラフィックスに「mini」とありますが、これは長さが短いことを指し、性能は「mini」なしのRTX 2080と同等です。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-8700、GeForce RTX 2080 mini、32GBメモリ、約512GB PCIe SSD + 約3TB HDD
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目次
お忙しい方は、「ESPRIMO WD-G/D1の特徴」のみお読みください。
ESPRIMO WD-G/D1の特徴
奥行きの短いミニタワーケース
ESPRIMO WD-G/D1は、PCケースの奥行きが短い点が特徴です。奥行きが短いと、デスクの上に設置しても圧迫感が少なく、PCの正面側のスペースに、ノートを広げたり、小物を置いたりすることもできます。
GeForce RTX 2080 miniの高性能グラフィックスを搭載
ESPRIMO WD-G/D1は、奥行きの短いPCケースでありながら、GeForce RTX 2080 miniの高性能グラフィックスを搭載しています。
通常のGeForce RTX 2080クラスのグラフィックカードは、かなり長さのあるカードがほとんどで、通常は奥行きの短いPCケースには入りません。しかし、本製品はGeForce RTX 2080 miniと呼ばれる長さの短いカードになっており、本製品のようなPCケースにも搭載できます。なお、「mini」というのはサイズが小さいことを示しており、性能はGeForce RTX 2080と変わりありません。
「富士通のゲームもできるPC」と最初に聞いたとき、「良くてもGeForce GTX 1060等のミドルクラスのGPUだろう・・・・」と、思っていたのですが、実際にはGeForce RTX 2080 miniのハイエンドクラスのGPUを搭載しており、正直驚きました。
ドライバー無しで内部へアクセス可能
ESPRIMO WD-G/D1は、ドライバーでネジを外さなくても、側面のカバーを外すことができます。側面に付いているレバーを上げるだけで外れるので、内部の清掃や、パーツの増設・交換が楽に行えます。
電源ユニットの容量は小さめ
電源ユニットは、MAX. CONTINUOUS OUTPUT POWERが360W、MAX. SURGE OUTPUT POWERが400W(20sec)となっています。Core i7-8700、GeForce RTX 2080 miniの構成としては、少なめの電源容量です。重いPCゲームをすると、300Wを軽く超えてくるので、もう少し、大容量の電源ユニットを搭載しても良かったかなと思います。
ゲームベンチマーク
GeForce RTX 2080 miniを搭載した本機でのゲームベンチマーク結果を下に記載します。
フルHD(1920x1080)の解像度なら、どのゲームも、最高品質のグラフィック設定で60 fpsを超えています。フルHD/60Hzの液晶であれば、どんなゲームも快適でしょう。
また、高めのグラフィック設定でも100 fpsを軽く超えてくるので、フルHD/144Hzのような高リフレッシュレート液晶でも快適でしょう。
また、下の表には掲載していませんが、WQHD(2560x1440)の解像度でも、ほとんどのゲームが60 fpsを超えます。WQHD/60Hzの液晶ディスプレイにも最適です。
~ GeForce RTX 2080 mini ~
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 16203 (非常に快適) 162 fps |
標準品質 | 13010 (非常に快適) 130 fps | |
高品質 | 10077 (とても快適) 100 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
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1920x1080 | 最低 | 157 fps |
中 | 128 fps | |
最高 | 115 fps |
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
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1920x1080 | 低 | 161 fps |
高 | 123 fps | |
ウルトラ | 102 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
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1920x1080 | 標準(デスク) | 20050 (非常に快適) 150 fps |
高(デスク) | 18258 (非常に快適) 131 fps | |
最高品質 | 18044 (とても快適) 127 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ 5
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1920x1080 | 低品質 | 149 fps |
高品質 | 127 fps | |
最高品質 | 118 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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1920x1080 | 最高品質 | 21052(すごく快適) ※約5500で60fps |
他のGeForce RTX 2080を搭載したPCと比べると、ベンチマークスコアは若干低い気がしますが、誤差程度の違いです。
上に掲載した以外のゲームや、他の解像度のフレームレートについては、下を参考にしてください。他のPCでの計測値ではありますが、ほとんど変わらないと思います。
GPU-Zで確認したGeForce RTX 2080 miniの情報は次の通りです。GPU Clockやメモリ等、普通の仕様だと思います。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。本製品は、パーツをカスタマイズできるため、構成によってパフォーマンス(処理性能)は変わります。
CPU
ESPRIMO WD-G/D1は、Core i7-8700の高性能CPUを搭載しています。ゲームやクリエイティブな作業など、高負荷な処理をするには最適なCPUです。多くの作業が快適です。同じCPUを搭載した他のPCと比べても、ほぼ変わらないスコアです。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
本製品は、GeForce RTX 2080 miniを搭載しています。非常に高い処理性能で、PCゲームも高いフレームレートで動作します。また、グラフィックスで処理が高速化するような編集系のソフトにも最適です。性能は「mini」の付かないGeForce RTX 2080と変わりません。GeForce RTX 2080よりベンチマークスコアが低いケースもありましたが、ベンチマークにもよりますし、大きな差はありません。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe-NVMe SSD + HDDの構成となっています。PCIe-NVMe SSDは、約256GB または 512GBを選択することができます。2ndドライブのHDDは、標準で約3TBが搭載されます。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
ベンチマークスコア
ベンチマークソフトで計測した本製品のベンチマークスコアを掲載します。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
高い性能のCPUであるため、RAW現像時間は非常に高速です。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
CPUが高速であることに加えて、グラフィックスも高速であるため、Premiere Pro CCの書き出し時間も非常に高速です。
CPU使用率が100%になるエンコードも、非常に高速です。
TMPGEnc VMW 7 |
TMPGEnc VMW 6 |
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x265でエンコード (※1) | 12分27秒 | 13分01秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分08秒 | 54秒 |
QSVでエンコード (※3) | ー | ー |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
持続可能なCPUクロック(ターボブースト後の落ち着いたときのCPUクロック)も標準的な数値です。
以下、静音性、パーツの温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェックです。もし動作音が大きいと、作業に集中しづらいです。
エンコード時は、処理開始から1分間くらいは、CPUにターボブーストが働いて、騒音値が高く、うるさく感じますが、それ以降は普通の騒音値になります。
エンコード以外の状態は、普通の動作音だと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
エンコード時のCPU温度はやや高めですが、それ以外は普通の温度です。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。エンコード開始後、1分間くらいは高いCPUクロックで動作するため、CPU温度が100℃近くになり高温です。それ以降はクロックダウンし、80℃台で推移します。80℃台でもやや高めですが、ギリギリ大丈夫でしょう。
Core i7-8700は性能が高い分、発熱も高いので、もう少し性能の高いCPUクーラーを搭載していれば良かったとは思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
高性能CPU、GPUを搭載しているので、消費電力は高めです。
気になるのが電源容量です。最大360W(SURGE OUTPUT 400W(20sec))の電源ユニットを搭載していますが、容量に余裕がありません。
外観のチェック
外観のチェックです。
正面の横に、富士通のコーポレートカラーである赤い色が入っており、かっこいいです。
光学ドライブはスリムタイプです。本来、光学ドライブは5.25インチベイに搭載されますが、本製品は5.25インチベイは使用されていません。
フロント面のポート類です。ヘッドホン、マイク、フルサイズUSBポートはもちろん、USB Type-Cポートもあります。
SDカードスロットは搭載されていません。オプションでも選択できません。また、正面から見ると空きの3.5インチベイのスペースがありますが、PCケースの中を見るとドライブベイが無いため、自分で増設することもできません。もし、SDカードを使いたい場合は、USB接続の外付けSDカードリーダー/ライターが必要です。
天面はフラットです。通気口が無いため、物を置くことができます。
側面も通気口はありません。フロントから吸気し、リアから排気するようになっています。
底面です。
やや硬めの足です。
正面と背面の画像です。
映像出力ポートです。DPが3つ、HDMIが1つ、USB Type-Cが1つあります。
ケースの内部のチェック
ケース内部のチェックです。
マザーボードの幅ギリギリの本体です。その上下に、電源ユニットと各種ベイが配置され、無駄がありません。
ケースファンはフロント側に1つのみ配置されています。
リア側にケースファンはありません。
PCケース上部には、スリムタイプの光学ドライブを搭載するベイと、空きの5.25インチベイが1つあります。
PCケース下部には、3.5インチベイが2つあります。緑色のマウンターが付いており、簡単に着脱できそうです。
以下、パーツの画像を掲載していきますが、必ずこのパーツが搭載されるとは限りません。
CPUファンはトップフロー型です。メモリスロットは4つです。
M.2 スロットです。
今回搭載されていたGeForce RTX 2080 miniのグラフィックカードです。長さが短くなっています。
ちなみに、通常のGeForce RTX 2080は、下の図のようなサイズが多いです。
斜めから見た画像
斜めから見たケース内部の画像です。
反対側の斜めから見た画像です。
まとめ
以上が、ESPRIMO WD-G/D1のレビューです。
構成のパーツを搭載しながら、奥行きの短い点が大きな特徴のデスクトップPCです。
スペックは、Core i7-8700、GeForce RTX 2080 mini と非常に高いです。PCゲームは非常に高いフレームレートが出ますし、(ソフトにもよりますが)動画編集や3D CG制作などの作業も快適です。エンコードやレンダリング、RAW現像と言った長時間かかる処理も高速です。
気になるのは電源ユニットの容量です。Core i7-8700、GeForce RTX 2080 miniの構成にしては、容量が少ないので、もう少し大きめの容量が良かったです。
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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