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富士通 LIFEBOOK WA1/B2の実機レビュー

更新日:2017年8月22日

多くの人に適したちょうどいいスペック

LIFEBOOK WA1/B2は、一般向けのベーシックな構成のPCになっており、多くの人に適した15.6型ノートPCです。

国内メーカーのPCであり、マニュアルも充実しており、初心者でも安心で購入できる製品です。

CPUには標準的な性能のUシリーズのCoreプロセッサー、液晶には広色域ではないものの見やすい広視野角のフルHD液晶、スピーカーにはハイレゾ対応ではないもののONKYO製スピーカーを搭載しています。上位機種の「WA3/B1」ほどの性能はない代わりに、価格が抑えられており、お買い得になっています。上位機種ほどの性能はないと言っても、一般の方には、このスペックで十分だと思います。

キーストローク(キーを押したときの深さ)は約2.5mmもあり、デスクトップ用キーボードに近い打鍵感で、タイピングもしやすいです。

総合的に見て、非常にバランスのとれたPCで、多くの人に合う製品です。


※レビュー機はメーカーからの貸出機です

目次

LIFEBOOK WA1/B2の基本スペック

2017年5月発売のカスタムメイドモデル「WA1/B2」のスペックです。カタログモデル「AH45/B2」と外観は同じですが、スペックやカラーバリエーションはやや異なりますのでご注意ください。

 ※ カスタムメイドモデル・・・Web直販サイト「富士通WEB MART」専用のモデル。パーツのカスタマイズが可能。
 ※ カタログモデル・・・主に家電量販店で販売されているモデル。パーツのカスタマイズは不可。

CPU
第7世代インテルCPUのCore i3-7100U、Core i5-7200U、Core i7-7500Uを選択可能です。
グラフィックカード
Core i3、Core i5選択時はCPU内蔵、Core i7選択時はRadeon R7 M460です。
液晶ディスプレイ
15.6型ワイド、フルHD(1920x1080)、光沢液晶です。
メモリ
4GB~16GBを選択可能です。
 
ストレージ
HDD、SSDから選択可能です。
 
光学ドライブ
DVDスーパーマルチドライブまたはブルーレイディスクドライブです。
バッテリー駆動時間
Core i3モデルが約9.0時間、Core i5モデルが約8.3時間、Core i7モデルが約6.6時間です。
その他
薄さは24.7~26.4mm(突起物含まず)、質量は約2.3kgです。

特徴1 - 誰にでも合いそうなバランスの良いPC

LIFEBOOK WA1/B2は、富士通の15.6型ノートPCの中では、過剰な性能になりすぎず標準的なスペックの製品で、価格も抑えられており、誰にでも合いそうなPCになっています。最小構成なら約10万円(税抜)で販売されており、国内メーカーのパソコンとしては良心的な価格です。

液晶は、広視野角なフルHD液晶を搭載しています。色域はそれほど広くありませんが視野角は広く、比較的見やすいと思います。他社では4K液晶を搭載している製品もありますが、ノートPCで4Kは正直オーバースペックである方が多く、本機はフルHDとなっていますが十分な品質でしょう。タッチパネルも搭載していませんが、2 in 1 PCではない製品の場合、タッチパネルは無くても困ることは少ないと思います。

CPUは、標準的な性能で、最も普及しているUシリーズのCore プロセッサーを搭載しています。Core i3、Core i5、Core i7のいずれも選ぶことが可能で、選択肢が広いです。またSSDを選択することも可能です。ノート用HDDは遅いので、どこかスペックアップするならSSDの搭載をおすすめします。

スピーカーにはONKYO製のスピーカーを搭載しています。上位機種のようにハイレゾには対応していませんが、それほど音にこだわりが無ければ十分だと思います。なお、ハイレゾ対応のヘッドホンには対応しているようです。

このように、いずれも最上級のパーツを搭載しているわけではありませんが、多くの方には十分なスペックで、バランスの良いPCであると思います。

また、後述しますが、キーボードが打ちやすく操作性も良いです。


誰にでも合いそうなバランスの良いPC

特徴2 - 充実したマニュアル

海外メーカーやBTOメーカーのPCは、マニュアル類が少ない場合が多いです。パソコンの操作に慣れた方であれば、それでも問題ないですが、不慣れな方は大変でしょう。

富士通のパソコンであれば、冊子のマニュアルや、ソフトのマニュアルが充実しています。 ソフトのマニュアルは、キーボード上のワンタッチボタンを押すだけですので、起動に迷うこともありません。


ワンタッチボタン


どのソフトを使えばよいかを簡単に探せる「@メニュー」


Windows 10 の使い方などを調べられる「富士通アドバイザー」

カタログモデルとの比較

富士通のパソコンは、カタログモデルとカスタムメイドモデルの2種類があります。

カタログモデルは、主に家電量販店で販売されているモデルで、パーツのカスタマイズができません。カスタムメイドモデルとはWeb直販サイト「富士通WEB MART」専用のモデルで、パーツのカスタマイズが可能です。どちらが安いかは、時期やセールの有無などによって異なり、一概に何とも言えません。

今回レビューしている「WA1/B2」はカスタムメイドモデルになりますが、このPCのカタログモデル名は「AH45/B2」となります。ややカラーバリエーションが異なりますが、外観は同じです。これらのモデルの違いは下表をご覧ください。カスタマイズモデルはパーツが選択できるので、自分の好みの構成にすることが可能です。

カタログモデルとの比較
  カスタムメイドモデル
WA1/B2
カタログモデル
AH45/B2
CPU Core i3-7100U
Core i5-7200U
Core i7-7500U
Core i3-7100U
メモリ 4~16GB 4GB
光学ドライブ DVDスーパー
ブルーレイ
ブルーレイ
ストレージ 約500GB HDD
約1TB HDD
約256GB SSD
約512GB SSD
約1TB HDD
メーカーHP LIFEBOOK AHシリーズ 一覧

他のカスタムメイドモデルとの比較

富士通 の15.6型PCの「LIFEBOOK AHシリーズ」のカスタムメイドモデルには、「WA1/B2」の他にも、下のようにいくつか製品があります。

 

これらの製品の違いを下表に掲載します。大きな違いはCPUで、上位モデルの「WA3/B1」と「WA2/B2」はかなり高性能なCPUを搭載しています。エンコードやRAW現像、動画編集などを行うのであれば、これらの機種が良いでしょう。今回レビューしている「WA1/B2」は標準的な性能のPCで、迷ったらこれがいいと思います。「WA1/A3」はAMD APUを搭載し、CPU性能がやや劣ります。

また、液晶、スピーカー、キーボードなども上位モデルは高性能になっています。このあたりの細かい部分にまでこだわるなら上位モデルが良いでしょう。レビューしている「WA1/B2」はいずれの機能も、良くもなければ悪くもない性能で、強いこだわりが無ければこの機種が無難だと思います。

LIFEBOOK AHシリーズのカスタムメイドモデルの比較
  WA3/B1 WA2/B2 WA1/B2 WA1/A3
CPU Core i7-7700HQ Core i3-7100U
Core i5-7200U
Core i7-7500U
AMD E1-7010
AMD A8-7410
メモリ 8~16GB 4~16GB 4~8GB
光学ドライブ ブルーレイ DVDスーパーマルチ
ブルーレイ
DVDスーパーマルチ
ブルーレイ
ストレージ HDD
HybridHDD
SSD
HDD
SSD
HDD
SSD
HDD
HybridHDD
SSD
液晶 フルHD 広視野角
広色純度・高輝度
フルHD 広視野角 フルHD 広視野角 HD
タッチパネル あり なし なし なし
キーボード 打ちやすい 普通
スピーカー ハイレゾ対応 ONKYOスピーカー ONKYOスピーカー 普通のスピーカー
キーボード面 つや無し つや有り
NFC 対応 非対応
顔認証 対応 非対応
メーカーHP LIFEBOOK AHシリーズ 一覧

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

広い視野角です。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、若干、寒色系の画面であることが分かります。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は、やや狭いです。そのため、画像を表示すると、やや鮮やかさに欠ける印象を持つかもしれません。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。

画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

筆者は打ちやすいキーボードだと思います。

今回のモデルから、今までは上位モデルにしか搭載されていなかったキーボードが、今回から、このベーシックモデルにも搭載されるようになりました。

まず、メーカーの仕様表を確認すると、キーピッチは約18.4mm、キーストロークは約2.5mmとなっています。キーストロークが2.5mmもあるノートパソコンは珍しく、デスクトップ用キーボードの打鍵感に似ています。


キーボード全体図

 

さらに、小指は弱い力で押せるようにするなど、各キーの重さが異なり、長時間の使用でも疲れにくくなっています。


3段階押下圧(メーカーサイトより抜粋)

 

キートップは、湾曲しており指がフィットしやすくなっています。キー配列も変なところはなく、他社も含め数多くあるノートPCの中でも打ちやすいキーボードだと思います。


キーの拡大図1


キーの拡大図2


キーの拡大図3


キーの拡大図4

 

タッチパッドの使いやすさは普通です。クリックボタンは独立していますが、やや固い(押すときに力が必要)です。


タッチパッド

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

CPU

標準的なCPU性能です。下の3つのCPUから選択できますが、おすすめはCore i5-7200Uです。ターボブースト(高負荷時にクロック数を上げる)機能もありますし、価格もお手頃です。予算が無ければ、Core i3-7100Uでもいいと思います。Core i7-7500UはCore i5-7200Uとそこまでやれることが変わらないので、予算が余ってなければ、Core i5-7200Uで十分だと思います。また、Core i7-7500Uを選択する予算があるなら、上位モデルのCore i7-7700HQを搭載したWA2/B2を購入してしまったほうが、コストパフォーマンスは高いと思います。なお、Core i7-7500Uを選択するとAMD Radeon R7 M460の専用グラフィックスが搭載されますが、大した性能ではないため、あまり考慮しなくても良いと思います。


CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません

ストレージの選び方

PCIe-NVMe SSDは選択できませんが、十分高速なSATA SSDを選択可能です。CPUの性能を上げる予算があるなら、先にSSDを搭載したほうが体感速度は向上すると思います。ただし、SSDは価格に対して容量が少ないため、高画質で撮影した動画をPC内に保存するような方はHDDでいいと思います。


ストレージの選び方(筆者の独自判断)

LIFEBOOK WA1/B2で計測したベンチマーク

以下、Core i7-7500U、Radeon R7 M460、16GBメモリ、1TB HDDの構成でのベンチマークスコアです。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
(CPU性能の評価)

Core i7-7500U

 

Radeon R7 M460のグラフィックスについて、3D Mark CloudGateの「Graphics score」のスコアを確認すると、5929のスコアしかありません。LIFEBOOK WU2/B1で計測したCore i7-7500UのCPU内蔵グラフィックス(インテル HD グラフィックス)の同スコアを確認すると9000近くあります。Radeon R7 M460のほうがスコアが低いため、専用グラフィックスを搭載しているからと言って、無理にCore i7-7500Uを選択する必要はないと思います。

3DMark
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i7-7500U、Radeon R7 M460
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
  Core i7-7500U
x265でエンコード (※1) 44分49秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 4分23秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CrystalDiskMark
(ストレージの評価)

約1TB HDD
CrystalDiskMark
(SDカードスロットの評価)

UHS-Ⅱ対応カード

 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

本機の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時でもやや動作音が聞こえます。上位モデルに搭載されている高性能なCore i7-7700HQなら仕方がないと思いますが、UシリーズのCore i7-7500Uならば、ほぼ無音であってほしいところでした。それ以外の状態は普通の動作音だと思います。


騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB

騒音値の計測結果

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

CPU温度は低めだと思います。


表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

やや高めの負荷をかけると右側のパームレストが暖かくなり、やや不快感があります。右パームレストが暖かいのは、この部分にハードディスクが搭載されているためです。SSDにすれば温度がさがり、温度は気にならないと思います。


消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

やや低めの消費電力です。


外観のチェック

外観のチェックです。

触ることがあまりない天板は光沢感がありますが、それ以外の部分はつや消し素材でできています。ただ、ブラックのカラーはつや消しの素材でもやや指紋が目立ちます。指紋が目立たないようにするにはホワイトのカラーのほうがいいと思います(ただ傷は目立ちます)。

 

天板です。

 

ONKYO製のスピーカーを搭載しています。今回、お借りしている製品であったため、スピーカーがちょっと故障しているようで、音がおかしくなっていたため、実際にはどういった音質かは確認できませんでした。

 

液晶を閉じたときの画像です。

 

液晶を開くと、本体の下にロールダウンし、本体が少し浮きあがるようになっています。

 

底面です。樹脂素材感があり、上位機種のLIFEBOOK WA3/B1と比べると、やや安っぽい作りになっています。ただし、普段見えない場所ですし、小さいカバーを取るだけで、メモリやストレージにアクセスできるため便利です。

 

液晶が開く最大の角度です。割と開くので、背の高い(座高の高い)人でも見やすいです。

 

側面のポート類です。十分な数と種類のポートです。光学ドライブも搭載しています。

 

左側面の拡大図です。ベーシックなモデルでも、USB3.1(Gen 1) Type-Cポートがしっかりと搭載されています。ただし、映像出力やThunderboltには対応していません。USB Power Deliveryにも非対応です。

 

Webカメラです。赤外線カメラは無いため、Windows Helloによる顔認証には非対応です。

 

底面の小さいカバーを取り外したときの画像です。

 

メモリは2スロットです。

 

2.5インチハードディスクです。換装も簡単そうです。

 

ACアダプターの画像です。USB Type-Cポートでは充電できません。

まとめ

以上が、富士通 LIFEBOOK WA1/B2のレビューです。

スペックが高すぎず、低すぎず、多くの方に適していると思われるベーシックな構成のPCです。国内メーカー製としては比較的価格も抑えられており、お買い得なのではないかと思います。

スペックは、UシリーズのCoreプロセッサー、広視野角のフルHD液晶、ONKYO製スピーカーを搭載しており、ずば抜けた性能ではありませんが、一般の方が使うには十分なスペックを持っており、困ることはないでしょう。

キーボードが打ちやすい点も特筆すべき点で、キーストロークが約2.5mmもあり、小指で押すキーは軽く、親指で押すキーは重くといったように、キーによって重さが変わっており、ノートパソコンのキーボードとしてはかなりタイピングしやすくなっています。

歴史ある国内メーカーの富士通ですし、マニュアルも充実しており、初心者でも買いやすいと思います。

個人的には非光沢液晶のほうが良かったですが、店頭での見栄えを考慮したせいか、光沢液晶になっています。カスタムメイドモデルでは非光沢液晶を選べるようになると嬉しいです。それと、高性能CPUを搭載した上位機種と、同じ構造になっているためなのか、冷却ファンの音がややうるさいです。UシリーズのCoreプロセッサーを搭載した本製品なら、アイドル時は無音に近い動作音であると嬉しかったです。

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関連リンク

Core i7-7700HQを搭載した上位機種「LIFEBOOK WA3/B1」のレビュー記事です。
富士通 LIFEBOOK WA3/B1の実機レビュー(the比較)

 

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