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富士通 ESPRIMO WD2/D1(DHシリーズ)の実機レビュー
CPU | Celeron G4900 第8世代Core i3 ~ i7 |
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GPU | CPU内蔵グラフィックス Quadro P620 GeForce GTX 1050Ti |
メモリ | 4~32GB |
ストレージ | HDD /
SATA SSD / PCIe SSD |
価格 | 6万円台(税別)~ |
ESPRIMO WD2/D1は、Made in Japanのタワー型のデスクトップPCです。
海外メーカーでは、多くのタワー型のデスクトップPCが販売されていますが、サポートに不安を覚える方も多くいるでしょう。一方、富士通のESPRIMO WD2/D1なら安心できますし、マニュアルやサポートもしっかりしており、安心して使うことができます。
第8世代のCoreプロセッサーやPCIe SSDを選択可能で、性能面も高いです。グラフィックスもエントリーモデルながら、Quadro P620やGeForce GTX 1050Tiを搭載可能で、クリエイティブな作業やゲームなど色々こなせるようになっています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
Quadro P620を搭載したモデルは、旧モデルのESPRIMO WD2/C2です。ただし、現在も同じ構成を選択できるので、参考までに各種計測データを残しておきます。
レビュー機の構成
Core i7-8700、32GBメモリ、約1TB SSD + 3TB HDD、GeForce GTX 1050Ti(WD2/D1)
Core i7-8700、32GBメモリ、約1TB SSD、Quadro P620(WD2/C2)
目次
お忙しい方は、「ESPRIMO WD2/D1の特徴」のみお読みください。
ESPRIMO DHシリーズ WD2/D1の特徴
安心できるメーカー製デスクトップPC
ESPRIMO WD2/D1は、安心できる富士通のセパレートタイプ(本体と液晶が分かれているタイプ)のタワー型PCです。出雲などの国内工場で生産されており、品質面で安心です。
海外メーカーのパソコンだと最大3年保証というケースが多いですが、本製品は最大5年の保証に、比較的安い価格で加入することができ、長期間安心してパソコンを使用することができます。PCを長く使用する方に最適でしょう。
充実したマニュアル
海外メーカーやBTOメーカーのPCは、マニュアル類が少ない場合が多いです。パソコンの操作に慣れた方であれば、それでも問題ないですが、不慣れな方は操作方法に戸惑うかもしれません。富士通のパソコンであれば、冊子のマニュアルや、ソフトのマニュアルが充実しています。
SSD+HDD構成が可能
ESPRIMO WD2/D1は、スリムケースを採用していながら、SSDとHDDを両方搭載することが可能です。また、スリムケースの割にはメンテナンス性が良く、ストレージの換装も簡単に行えます。
SSDについては、約1TBもあるパーツを選択することが可能です。
フルサイズのPCI Expressカードを装着可能
スリムタワーのデスクトップPCは、ロープロファイルのPCI Expressカードしか装着できない場合が多いですが、ESPRIMO WD2/D1はフルサイズのPCI Express カードを装着可能です。グラフィックカードは、冷却性や電源容量を考慮すると高性能なパーツは搭載できませんが、普通のスリムタワーよりもパーツの選択肢は広いです。
パフォーマンスのチェック
ESPRIMO WD2/D1のパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUに関しては、下図のパーツを選択可能です。よく分からなければ、Core i5-8500あたりが無難でしょう。多くの作業が快適ですし、価格もそれほど高くありません。後は目的と予算次第で、どのCPUにするか決めましょう。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスは、「なし(CPU内蔵グラフィックス)」または専用グラフィックスの「GeForce GTX 1050Ti」、「Quadro P620」から選択可能です。専用グラフィックスの2つは、どちらもエントリーモデルの位置づけです。どちらがいいかよくわからない方は、下を参考に、用途によってどちらかを選ぶといいでしょう。
Quadro P620を選択するといい人
3D CG、CADなどのOpen GLを使ったアプリケーションを使う方
10bitカラー表示を行い、画像編集やRAW現像を行いたい方
4つの液晶モニターをつなげて表示させたい方
GeForce GTX 1050Tiを選択するといい人
3Dゲームで遊びたい方
(Premiere ProのようにCUDAによるGPU演算に対応した)動画編集ソフトを使いたい場合
明確に決まっていないが、ゲームやクリエイティブな作業を色々やってみたい方
各グラフィックスの仕様は次のようになっています。
ストレージ
ストレージは、HDD、SATA SSD、PCIe-NVMe SSDを選択可能です。用途にもよりますが、CPUのグレードを落としてでも、SSDにしたほうが体感速度は上がることが多いです。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
ESPRIMO WD2/D1で計測したベンチマーク
以下、実際に計測したベンチマーク結果を掲載します。
今回、Quadro P620とGeForce GTX 1050Tiとでベンチマークを取り、スコアを比較しています。なお、Quadro P620のスコアは、旧モデルのESPRIMO WD2/C2で計測しています。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
高い性能のCPUであるため、RAW現像時間は非常に高速です。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
CPUが高速であることに加えて、専用グラフィックスも搭載しているため、Premiere Pro CCの書き出し時間は高速です。なお、GeForce GTX 1050Tiを搭載したほうが速かったです。
NVENCのエンコード時間は、CUDAコア数に影響を受けるためGeForce GTX 1050Tiのほうが速かったです。また、x265でエンコードするなら、Core i7-8700のように性能の高いCPUがいいです。専用グラフィックスを搭載せず、QSVでエンコードするなら、メモリを多めに積みましょう。
Core i7-8700 Quadro P620 |
Core i7-8700 GTX 1050Ti |
|
x265でエンコード (※1) | 13分30秒 | 13分43秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分10秒 | 53秒 |
QSVでエンコード (※3) | ー | ー |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
以下、静音性、パーツの温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。今回、GeForce GTX 1050Tiを搭載して計測しています。
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェック結果です。
低負荷時はデスクトップPCとしては普通の動作音です。ただし、CPU使用率が100%になるエンコード時は高めの動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
ややCPU温度が高めかなと思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
CPUが高性能であるため、高負荷時はやや高めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
フロント面には、USB3.1、ヘッドホン、マイク端子があります。メモリカードスロットはありません。
DVDなどのメディアを挿入するときは、前面のカバーを開けて、光学ドライブのボタンを押します。カバーを自分で開けなければならないので面倒ですが、利点もあります。わりと厚いカバーなので、中でメディアが回転しているときの動作音がやや軽減されます。
天面です。
側面です。どちらの側面にも吸気口などはなく、前面からのみ吸気し、背面から排気するエアフローになっています。横置きにすることも考慮して、側面には吸気口が無いのだと思います。
横置きにしたときの画像です。
底面です。
底面にスタンドを装着することも可能です。
スタンド装着時の外観です。
背面です。映像出力ポートは、搭載するグラフィックカードによって異なります。Quadro P620の場合、Mini DisplayPortのみが4つあります。DVIなどへ変換したい場合は、オプションで販売されている「DP→DVI変換ケーブル」などを購入しましょう。
ケースの内部とエアフローのチェック
ケース内部とエアフローです。
前面から吸気し、背面から排気しています。前面の吸気のケースファンはCPUのヒートシンクのすぐ隣にあり、このケースファンは、CPU冷却ファンの代わりにもなっています。CPUのヒートシンクは大きいため、よく冷えると思います。ただし、CPUで温められた空気が、横のPCI Expressカードへ流れこむため、あまり発熱の高いカードは装着しないほうがいいと思います。
吸気ファンとCPUヒートシンクの画像です。
グラフィックカードは下図のように接続されています。
2つのグラフィックスの画像です。
上のグラフィックカード部分を取ったときのメインボードの画像が下です。
メモリは4スロットあります。
ストレージを格納しているベイは、ボタンを押すだけで下図のように上がります。メンテナンスはしやすいです。
電源容量は次のようになっています。
まとめ
以上が、ESPRIMO DHシリーズ WD2/D1のレビューです。
安心できるMade in Japanのデスクトップパソコンです。海外メーカーでは不安があり、国内で組み立てられている知名度の高いメーカーのデスクトップPCが欲しいと思っている方に適しているでしょう。
オプションですが、最大5年の保証に加入することが可能で、 長期間安心してPCを使うことができます。
高性能CPU、高速SSD、大容量メモリ、専用グラフィックスを搭載可能で、処理性能も高いです。動画・画像編集、イラスト制作、RAW現像などのクリエイティブな作業も快適でしょう。
専用グラフィックスはQuadro P620とGeForce GTX 1050Tiの2種類あるので、用途によって最適なほうを搭載すると良いでしょう。スリムタワーにしてはメンテナンスも楽で、フルサイズのグラフィックカードが装着できるため、後から換装することも容易です。
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