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THIRDWAVE F-14MTLの実機レビュー
CPU | Core Ultra 5 125U |
---|---|
メモリ | 16GB ~ 40GB |
ストレージ | 500GB ~ 2TB SSD |
液晶サイズ | 14型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 約960g |
バッテリー | 55Wh |
価格[税込] | 15万円台~ |
THIRDWAVE F-14MTLは、約960gと軽く、外出先へ持って行きやすいノートPCです。
軽くても、ディスプレイサイズが14型と大きめで、色域も広めであるため作業がしやすいです。
ボディも薄いのでカバンなどに入れやすいですし、薄くても堅牢性は高いので安心して持ち運べます。
この軽さで、空きのM.2スロットがあるのも嬉しいです。
レビュー機は、株式会社サードウェーブからの提供品です。頂いたPCについては、後日、「X」で読者プレゼント企画を実施する予定です。
レビュー機の構成
Core Ultra 5 125U、16GBメモリ(8GBx2)、500GB SSD
目次
お忙しい方は、「THIRDWAVE F-14MTLの特徴」のみお読みください。
THIRDWAVE F-14MTLの特徴
約960gと非常に軽い
THIRDWAVE F-14MTLは、持ち運び用に設計された「モバイルノートPC」と呼ばれるジャンルの中でも特に軽い機種です。多くのモバイルノートPCは、1kgを超えることが多いですが、本製品は約960gと1kgを切る重さです。
仕事で外出先へノートPCをよく持ち運ぶ方、大学へノートPCをよく持っていく方、カフェなどで作業をすることが多い方などに適しています。
軽くても14型と大きめのディスプレイ
1kgを切るような軽さのノートPCの場合、多くの機種はディスプレイサイズが13型クラスであることが多いです。一方、THIRDWAVE F-14MTLのディスプレイは、14型と大きくなっており、作業がしやすいです。
下表は、1kgを切る代表的なノートPCをまとめたものです。1kgを切って14型のディスプレイを搭載したノートPCは他にもありますが、本製品以外は、旧世代のCPUを搭載しています。その点、本製品は、最新のCore Ultraプロセッサーを搭載しているのもメリットです。
質量 | 画面サイズ | CPU | |
富士通 LIFEBOOK WU2/H1 | 約868g~ ※1 | 14型 | インテル第13世代 |
NEC LAVIE Direct NEXTREME Carbon | 約869g~ | 14型 | インテル第13世代 |
HP Pavilion Aero 13-be | 約957g | 13.3型 | AMD Zen 3+世代 |
THIRDWAVE F-14MTL | 約960g | 14型 | インテルCore Ultra |
ThinkPad X1 Nano Gen 3 | 約966.5g~ | 13型 | インテル第13世代 |
HP Pavilion Aero 13-bg | 約990g | 13.3型 | AMD Zen 4世代 |
ASUS Zenbook S 13 OLED | 約1000g | 13.3型 | インテルCore Ultra |
薄型で堅牢性の高いボディ
THIRDWAVE F-14MTLはボディも薄型なのでカバンなどに入れやすいです。
薄くても堅牢性が高く、MIL規格準拠の試験をクリアしており、安心して外へ持ち出せます。
また、薄型のボディの割にはポート類も充実しており、フルサイズUSB、Thunderbolt 4、HDMIなどがあります。
空きのM.2スロットあり
THIRDWAVE F-14MTLほど軽いノートPCは、SSDを2台装着できることはほぼありませんが、本製品は、空いているM.2スロットがあるため、ここにSSDを増設し、合計2台装着することが可能です。データをたくさん保存する方や、バックアップ領域が欲しい方などに適しています。
ただし、パーツの増設は自己責任でお願いします。
試しにKIOXIAのPCIe Gen4 1TB SSDを増設してみましたが、問題なく認識され、速度も十分出ていました。
やや残念な点
THIRDWAVE F-14MTLのやや残念な点としては、ボディが薄型で、底面に吸気口が無く、ファンも1つであるため、Core Ultra 5 125Uの割にはパフォーマンスがそこまで高くありません。ここは製品の性質上仕方のない部分です。
CINEBENCH R23のベンチマークスコア(下表)を見ても、他の機種と比べると低めのスコアでした。
ただし、一般的な作業であれば十分なスコアが出ていますし、「モバイルノートではそれほど高い負荷はかけない」という方であれば十分快適に作業ができる性能です。
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
画面比16:10、解像度1920x1200の14型液晶を搭載しています。色域が広めで、非光沢で、フリッカーも無いので使いやすいディスプレイです。詳細については、下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの測定結果は、以下のとおりです。色域は広めです。最大輝度は、当サイトの計測では378cd/m2と高めです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 98% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 76% |
Adobe RGBカバー率 | 75% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードの打ちやすさは普通です。
実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.3mmと、普通の数値です。実際にタイピングしてみると、キートップがフラットに近いので、もう少し湾曲していれば良かったなと思いますが、打ち心地は普通です。
タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。
キーボードバックライトも搭載しているので、暗所でも作業がしやすいでしょう。
パフォーマンスのチェック
THIRDWAVE F-14MTLのパフォーマンスをチェックします。
CPU
THIRDWAVE F-14MTLは、PBP(プロセッサー・ベース・パワー)が15WのインテルCore Ultra 5 125Uを搭載しています。CINEBENCH R23のスコアは次の通りです。
前述の通り、そこまで高いベンチマークスコアは出ませんでしたが、ウェブ閲覧、Officeソフトの使用といった程度の作業であれば、問題なく使うことができるでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリには、DDR5-4800を搭載しており、十分な帯域です。
なお、初期構成は8GBオンボードメモリ + 8GBスロットメモリとなっています。スロットメモリの方は、カスタマイズ画面から変更することが可能です。
最大で40GB(8GB+32GB)のメモリを選択可能です。
グラフィックス
CPU内蔵のグラフィックスは、Intel Graphicsです。3DMark Night Raidのベンチマークスコアは、以下の通りです。
最新のプロセッサーとしては普通の性能です。一般的な作業であれば、十分な性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様
ストレージ
ストレージの初期構成は500GBで、CrystalDiskMarkのスコアは下図の通りです。シーケンシャルライトがやや遅いですが、モバイルノートPCで行うような作業であれば、体感でストレージが遅いと感じることはほぼないでしょう。なお、オプションで書き込み速度 4000MB/sのSSDを選択することもできるので、書き込み速度を重視する方はそちらを選択するといいでしょう。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
右側面にmicroSDカードスロットを搭載しています。カード挿入後の出っ張りはそれほどありません。アクセス速度は普通です。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
THIRDWAVE F-14MTLは、USB3.2 Gen2 Type-C(PD対応)と、Thunderbolt4(PD対応、映像出力対応)のポートがあります。Thunderbolt4のポートで色々周辺機器を接続してみたときの結果が下です。いずれの機器も使用することができました。
なお、仕様には、PD(PowerDelivery)については65W~100W対応と書かれていますが、今回試した限りでは45WのPD充電器も使用できました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
100W Anker PowerPort III | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
HDMIポートはHDMI2.1に対応しています。今回、4K/120Hzのモニターへ接続してみましたが、正常に動作していました。
質量のチェック
THIRDWAVE F-14MTLの質量は、前述の通り960gと非常に軽いです。
当サイトで計測した質量は下表の通りで、仕様値とほぼ同じ数値でした。
ACアダプターも軽いです。
質量 | |
PC本体 | 952g |
ACアダプター | 131g |
バッテリー駆動時間のチェック
THIRDWAVE F-14MTLのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は55Whとなっており、やや大きめの容量です。
バッテリー駆動時間はご覧の通りです。いずれの場合も、比較的長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 18.1時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 7.5時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 6時間47分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
THIRDWAVE F-14MTLのWebカメラはFHDの解像度です。高精細で色合いも自然で、綺麗な映像です。
Webカメラを隠すシャッターはありませんが、IRカメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証に対応しています。
スピーカー
THIRDWAVE F-14MTLのスピーカーは、底面の左右に配置されています。ややこもった感じはしますが、ノートPCとしては普通の音質です。勝手に点数を付けると、ノートPC基準で10点満点中5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
エンターテイメントモードの場合のCPU電力は、最初は15Wくらい出ていますが、徐々に下がっていき、最終的には12W程度で落ち着いています。PBPが15Wのプロセッサーなので、やや低めの数値で動作しています。CPU温度は70℃台で推移しており、問題ない温度です。
パフォーマンスモードの場合のCPU電力は、時間が経っても15Wをキープしています。CPU温度はやや上がりますが、それでも、70℃台で推移しており問題ありません。
- エンターテイメントモード
- パフォーマンスモード
静音性のチェック
THIRDWAVE F-14MTLの静音性のチェックです。
全体的に低めの騒音値です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約24dB | 約26dB | 約27dB | 約30dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
パームレスト部分は温度がほぼ変わらず、キーボード面もそれほど熱くならないため、快適に作業ができると思います。底面は負荷を書けると熱くなる部分があるので、低温火傷には注意しましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
全体的に低めの消費電力です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
5W | 14W | 17W | 20W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
THIRDWAVE F-14MTLの外観のチェックです。
どこでも、誰でも使いやすいブラックのカラーです。
天板には、THIRDWAVEのロゴが入っています。
高さは18mmで薄いです。
側面のポート類はご覧のようになっており、USB Type-A、USB3.2 Gen2 Type-C、Thunderbolt 4、HDMI、microSDカードスロットなどがあります。
ヒンジは約180度回転します。
PCの内部はご覧のようになっています。冷却ファンとヒートパイプは1つずつです。
メモリは、1つはオンボードで、1つはスロットメモリです。1つだけ交換可能です。
ストレージには、Type 2280 M.2 SSDが搭載されていました。
また、前述しましたが、空のM2スロットがあります。自己責任となりますが、こちらにSSDを増設することができます。
ACアダプターは、65Wで非常に小さいです。
まとめ
以上が、THIRDWAVE F-14MTLのレビューです。
約960gと非常に軽く、外への持ち運びに便利なモバイルノートPCです。
持ち運び用に設計されたモバイルノートPCとしては、ディスプレイサイズが14型と比較的大きく、作業もしやすいです。ディスプレイは色域も広めで、画像や映像が綺麗です。
ボディも薄型でカバンなどへ入れやすいです。薄くても堅牢性は高く、ポート類も充実しています。
M.2スロットが1つ空いているのも嬉しいです。自己責任となりますが、SSDを1つ増設して、ダブルSSD構成にすることができます。
ボディを薄型・軽量化している関係で、Core Ultra 5 125Uを搭載している割には、ベンチマークスコアはそこまで高くはありませんでしたが、モバイルノートPCで行うような用途であれば十分な性能でしょう。
約960gという軽さ
THIRDWAVE F-14MTL
特徴
- 約960gと軽く、ボディも薄型
- 14型と大きめで、色域も広めのディスプレイ
- セカンドSSDを増設可能
こんなあなたに
- 外出先で作業をすることが多い方
- 価格15万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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