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THIRDWAVE DX-M7Lの実機レビュー
CPU | Core Ultra 7 155U |
---|---|
メモリ | 16GB ~ 40GB |
ストレージ | 500GB ~ 2TB SSD |
液晶サイズ | 16型 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 165Hz |
質量 | 約1.3kg |
バッテリー | 55Wh |
価格[税込] | 14万円台~ |
THIRDWAVE DX-M7Lは、16型の大画面ディスプレイを搭載しつつ、約1.3kgと軽いノートPCです。
外出先でも、大きな画面で作業をしたい方におすすめのノートPCです。
ディスプレイの色域は広めなので、画像や映像も綺麗です。
CPUには、最新のインテル Core Ultra Uシリーズを搭載。SSDには最大2TBを搭載することができ、またスロットが1つ空いてるのでSSDを増設することもできます。
レビュー機は、株式会社サードウェーブからの提供品です。頂いたPCについては、後日、Twitterで読者プレゼント企画を実施する予定です。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 155U、16GBメモリ(8GBx2)、512GB SSD
※現在、標準搭載のSSDは512GBではなく500GBとなっています
目次
お忙しい方は、「THIRDWAVE DX-M7Lの特徴」のみお読みください。
THIRDWAVE DX-M7Lの特徴
大画面ディスプレイ搭載でも軽量
THIRDWAVE DX-M7Lの大きな特徴は、16型の大画面ディスプレイを搭載していながら、重さが約1.3kgしかない点です。
下図は14型のノートPCと比較したものですが、文字や画像の大きさが大分違います。出張などの外出時でも、大画面ディスプレイで作業をしたい方におすすめの製品です。
広めの色域で画像や映像が綺麗
THIRDWAVE DX-M7Lの色域(ディスプレイの表現できる色の範囲)は、当サイトの計測でsRGBカバー率 約100%と広めです。撮影した画像や、NetFlixなどの映像を綺麗に表示することができます。
最大40GBの大容量メモリが搭載可能
THIRDWAVE DX-M7Lのメモリは、標準では16GBです。この容量でも十分だとは思いますが、さらにカスタマイズして最大40GBまでメモリを増やすことが可能です。
ただし、オンボード+スロットメモリとなっているため、オンボードの8GB+スロットメモリの8GBを超える部分については、シングルチャネルで動作します。その場合、グラフィック性能などが下がる可能性があるのでご注意下さい。
2TB SSDに変更しても+17,000円
THIRDWAVE DX-M7LのSSDは、標準で500GBですが、カスタマイズすれば最大2TBに変更することができます。しかも、他のメーカーと異なり、SSDの価格が比較的安いです。2TBへ変更したとしても、17,000円の追加で済みます。
セカンドSSDを増設可能
さらに、空いているSSD用スロットがあるため、ここにM.2 SSDを増設することもできます。ただし、パーツの増設は自己責任でお願いします。
試しにPCIe Gen4 SSDを増設してみましたが、問題なく認識され、速度も十分出ていました。
非常に薄いボディ
THIRDWAVE DX-M7Lは、軽いだけでなく、ボディが非常に薄いです。見た目がとてもスマートですし、カバンなどへ入れやすいです。なお、MIL規格(米国国防総省調達基準:MIL-STD 810H)に準拠したボディなので、安心して持ち出せます。
最新のインテル Core Ultra搭載
THIRDWAVE DX-M7Lは、最新のインテル Core Ultraプロセッサーを搭載している点も特徴です。なお、PBP(プロセッサー・ベース・パワー)が28WのHシリーズではなく、15WのUシリーズのCore Ultra 7 155Uとなります。
Core Ultra 7 155UにはNPU(AI処理に特化したプロセッサー)が搭載されているので、NPUに対応したアプリであれば、処理が高速で、尚且つCPUやGPUの負荷を減らすことができます。
今回、下図のような設定で、OpenVINO AI Pluginsを使ったGIMPでのStable DiffusionによるAI画像生成を行ってみました。
上の画面で、Power Modeを”Best performance”にすると、unet-neg Device(どんな画像を作らないかの計算処理を行うデバイス)にはGPUが使われ、"Balanced"にするとNPUが使われます。結果を見ると、NPUを使ったときのほうが負荷が分散され、高速に処理が完了していました。
Text Device: CPU
unet Device: GPU
unet-neg Device: NPU
VAE Device: GPU
Power ModeをBest performanceに設定すると以下のようにNPUが使用されない
Text Device: CPU
unet Device: GPU
unet-neg Device: GPU
VAE Device: GPU
今のところ、こういったアプリやWindows Studio Effectsくらいしか、NPUが使われるアプリがありませんが、今後、色々なアプリがNPUに対応していけば、高速化する処理が増えていくと思われます。AIを使った処理を、ローカル(自分のPC)で行ってみたい方は、本製品のようなNPUを搭載した機種を搭載しておくといいでしょう。
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
画面比16:10、解像度1920x1200の16型液晶を搭載しています。FHD液晶よりも少し縦に広いので、作業がしやすいです。詳細は、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの測定結果は、以下のとおりです。色域は広めです。最大輝度は、当サイトの計測では475cd/m2と高めです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 97% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 73% |
Adobe RGBカバー率 | 72% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは、横:約18mm、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.4mmと、普通の数値です。実際にタイピングしてみると、もう少しキートップが湾曲していれば良かったなと思いますが、打ち心地は普通です。
4列のテンキーが搭載されているので、数字を良く打つ方にはいいと思います。
タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。
なお、指紋認証センサーは搭載されていません。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
本製品は、「Control Center」のソフトからモードを変更することができ、ここではデフォルトの「エンターテイメント」モードおよび、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」モードで、各種ベンチマークを計測しました。
CPU
THIRDWAVE DX-M7Lは、PBP(プロセッサー・ベース・パワー)が15Wで、NPUを搭載したインテルCore Ultra 155Uを搭載しており、CINEBENCH R23のスコアは次の通りです。
ボディが薄く、冷却ファンが1つであるため、そこまで高いパフォーマンスは出ませんでしたが、一般的なユーザーが行う処理であれば問題なくこなせるでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリには、DDR5-4800を搭載しています。今回、ソフトが落ちるので実測はしていませんが、メモリの帯域幅は広いはずです。
グラフィックス
3DMark Night Raidのベンチマークスコアは、以下の通りです。
Core Ultra 7 155Uは、Intel Gprahicsの内蔵GPUを搭載しており、Intel Arcほどの性能はありません。従来のIntel Xe と同じくらいの性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様
ストレージ
ストレージは、512GBのSSDが搭載されていましたが、現在は500GBのSSDが搭載されています。今回搭載されていたSSDの速度はご覧の通りです。オプションで、NVMe Gen4のSSDを選択することも可能です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
右側面にmicroSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは「パフォーマンス」モードで実行した結果を掲載しています。
RAW現像時間はそこまで速くはなかったですが、現像作業自体はそこまで遅くはないので、たまに使う程度であれば問題ないと思います。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ニューラルフィルター処理もやや時間がかかっていましたが、PhotoshopがNPUに対応すれば、もっと速くなると思います。
本製品 | 参考 Core i7-1360P |
|
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約3秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) | 約5分48秒 | 約4分16秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約3分39秒 | 約2分41秒 |
FHD動画の書き出しもそこまで速くはありませんが、簡単なFHD動画の編集であれば、できないことはありません。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
THIRDWAVE DX-M7Lは、USB-Cポートを2つ搭載しており、そのうちの1つはThunderbolt4に対応しています。このポートで色々周辺機器を接続してみたときの結果が下です。いずれの機器も使用することができました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
100W Anker PowerPort III | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
HDMIポートはHDMI2.1に対応しており、4K、120Hz、8ビット、RGBで出力できていました。
質量のチェック
THIRDWAVE DX-M7Lの質量のチェックです。
PC本体は、メーカーサイトに「約1.3kg」と記載があり、実測値もほぼ同じで、16型のディスプレイを搭載したPCとしては非常に軽いです。ACアダプターも非常に軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.294kg |
ACアダプター | 131g |
バッテリー駆動時間のチェック
THIRDWAVE DX-M7Lのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は55Whとなっており、やや大きめの容量です。
バッテリー駆動時間はご覧の通りです。JEITA3.0では、他のノートPCよりも短めの駆動時間ですが、当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、一般的なノートPCとほぼ変わらない駆動時間でした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 6.3時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 5.9時間 |
(3) 動画再生時 | 10時間20分 |
(4) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 5時間2分 |
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生。画面輝度は約120cd/m2
(4) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
WebカメラはFHDの解像度で、画質は自然で、まずまずです。
Webカメラを隠すシャッターはありませんが、IRカメラも搭載しており、Windows Helloの顔認証に対応しています。
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に配置されています。最大音量は大きめで、音質は普通です。勝手に採点すると、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「エンターテイメント」モードの場合、安定動作時のCPU温度は12W前後で推移しています。PBPが15Wなのでやや低めのCPU電力です。CPU温度は70℃台なので問題ないでしょう。
「パフォーマンス」モードの場合、安定動作時のCPU温度は少し上がり、15W前後で推移しています。CPU温度は80℃前後まで上がりますが、問題ない範囲でしょう。
- エンターテイメント時
- パフォーマンス時
静音性のチェック
静音性のチェックです。
アイドル時~中負荷時は、低めの騒音値です。
高負荷時はファンの回転数が一定ではなく動作音が変わりますが、回転数が高いときはややうるさいです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約20dB | 約24dB | 約26dB | 約26~45dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
パームレスト部分は温度がほぼ変わらず、キーボードも熱くなるのは上部だけなので、タイピング時の不快感はそれほどありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
全体的に低めの消費電力です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
7W | 13W | 17W | 20W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
THIRDWAVE DX-M7Lの外観のチェックです。
ブラックのボディで、天板にはアルミニウム合金を採用することでメタル感があり、どこでも使えるデザインです。
天板には、THIRDWAVEのロゴが入っています。
高さは20mmで薄いボディです。
側面のポート類はご覧のようになっており、フルサイズUSB、USB-C、HDMI、microSDカードスロットなどがあります。
ディスプレイは、下図のように約180度開きます。
PCの内部はご覧のようになっています。冷却ファンとヒートパイプは1つずつです。
メモリは、1つはオンボードで、1つはスロットメモリです。1つだけ交換可能です。
ストレージには、Type 2280 M.2 SSDが搭載されていました。
また、前述しましたが、空のM2スロットがあります。自己責任となりますが、こちらのSSDを増設することができます。
ACアダプターは、65Wで、非常に小さいです。
まとめ
以上が、THIRDWAVE DX-M7Lのレビューです。
16型の大画面ディスプレイでありながら、約1.3kgしかない点が非常に魅力的な製品です。自宅(社内)でも、外出先でも、大画面で作業をしたい方におすすめです。
付属ACアダプターも軽くて持ち歩きに便利ですし、PowerDeliveryに対応しているので、他のUSB PD充電器も使用することができます。
ディスプレイの色域も広めで、画像や映像が綺麗に表示されます。
SSDを最大2TBまでカスタマイズすることができるのも魅力で、さらに空いているスロットもあるので、SSDを1つ増設することもできます。
メモリは最大40GBまでカスタマイズ可能ですが、8GBはオンボードメモリなので、8GB+8GBを超える部分はシングルチャネルでの動作となりますのでご注意下さい。
今回、Core Ultra 7 155Uを搭載しており、そこまでパフォーマンスは高くありませんでしたが、一般的なユーザーには十分な性能でしょう。NPUを搭載しているので、アプリが対応してくれば、AI処理においてCPUやGPUの負荷を低減し、さらに高速で処理を完了させることができるようになるでしょう。
大画面ノートを持ち運べる!
THIRDWAVE DX-M7L
特徴
- 16型の大きな画面を搭載しつつ約1.3kgしかない
- 広めの色域のディスプレイ
- NPUを搭載した最新のインテルCore Ultraを搭載
こんなあなたに
- 外出先でも大画面で作業したい方
- 価格14万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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