サードウェーブ raytrek A4-Rの実機レビュー

更新日:
CPU Core i7-13700H
メモリ 16GB / 32GB / 64GB
ストレージ 最大2TB SSD
液晶サイズ 14インチ
液晶種類 1920x1200 非光沢
質量 約1.4kg
バッテリー 約9.8時間
価格[税込] 14万円台~
持ち運べるCore i7-13700H搭載ノートPC

ドスパラで販売しているサードウェーブ raytrek A4-Rは、第13世代Core i7-13700Hを搭載しながら、約1.4kgと軽く、持ち運びがしやすいクリエイター向けノートPCです。 

さらに、sRGBカバー率99%の14型液晶を搭載し、移動先での画像・FHD動画のライトな編集といった、クリエイティブな作業に使いやすいです。

最大64GBメモリ、2TB SSDを選択して購入することができますし、内部には空きのM.2スロットもあります。

一般ノートPCよりも少し高めのスペック構成で、移動先でも快適に作業をすることができます。ただし、外部グラフィックスは非搭載です。

公式販売サイト(ドスパラ)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-13700H、16GBメモリ(8GBx2)、512GB SSD

 

目次

お忙しい方は、「raytrek A4-Rの特徴」のみお読みください。

 

raytrek A4-Rの特徴

Core i7-13700H搭載の14型ノートPC

raytrek A4-Rは、クリエイター向けの14型ノートPCです。

ゲーミングノートPCなどに搭載されることが多い、第13世代Core i7-13700Hを搭載した14型ノートPCでありながら、質量が約1.4kgしかありません。当サイトの計測では、1.292kgと、仕様値よりもさらに軽かったです。また、厚みが約20~23mmと比較的スリムなので、カバンへの出し入れもしやすいです。

持ち運びがしやすく、移動先でも少し高めの性能で快適に作業を行いたいクリエイターに適した製品です。ただし、クリエイター向けノートPCとは言っても、グラフィックスはCPU内蔵です。グラフィックス性能はそれほど高くないので、ご注意ください。

約1.4kgと軽くて、スリムなボディ

 

sRGBカバー率99%・画面比16:10の14型液晶搭載

raytrek A4-Rは、画面比16:10、解像度1920x1200の14型液晶を搭載しています。

持ち出しを意識したノートPCとしてはやや大きめのサイズで、一般的なFHD液晶よりも縦に少し広いので、作業がしやすいです。また、sRGBカバー率99%と、色域が広めなので、ウェブやSNSにアップするための画像・映像の編集といった、クリエイティブな作業に適しています。外出先で、撮った写真やショート動画などを簡単に編集して、アップするといった用途にいいと思います。

なお、解像度は普通ですが、高解像度液晶だとバッテリー駆動時間も短くなるので、持ち出して使うときのバランスを考えると、WUXGA(1920x1200)液晶であることに納得がいきます。

色域広めで作業がしやすい14型液晶

 

最大64GBの大容量メモリを搭載可能

raytrek A4-Rは、標準状態で16GBメモリを搭載していますが、購入時のカスタマイズで大容量メモリに変更することができ、最大で64GBメモリを選択することができます。

一度に多数の写真をRAW現像する方、複数のクリエイター向けソフトを同時に起動して作業する方などは、32GB以上のメモリにしておくといいかもしれません。

メモリのカスタマイズ画面

 

なお、メモリはスロットメモリなので、購入後に自分でメモリの換装を行うこともできます(ただし、自己責任です)。実際に使ってみてメモリ不足を感じる場合でも、メモリ換装で対応することができるので、安心です。

ただ、ドスパラでは、メモリのカスタマイズにかかる費用が比較的安いので、手間や保証のことを考えると、最初から大容量メモリを希望しているのであれば、カスタマイズして購入することをおすすめします。

メモリスロット

 

ストレージのカスタマイズが可能

raytrek A4-Rでは、購入時のカスタマイズでストレージを変更することができます。

デフォルトでは500GB SSDを搭載していますが、画像・FHD動画のライトな編集など、クリエイティブな作業を行うのであれば、容量にそれほど余裕があるわけではありません。少しゆとりのあるストレージ容量がいい方や、読み書き速度が速いSSDがいい方は、ストレージのカスタマイズを行うといいです。ストレージのカスタマイズにかかる費用も比較的安いです。

ストレージのカスタマイズ画面

 

裏蓋を開けて、内部を確認すると、メインストレージのM.2 SSDに加えて、空きのM.2スロットがありました。

空きのM.2スロットがある

 

試しに、空きのM.2スロットに、手持ちの「WD_BLACK SN770 NVMe SSD」を増設してみたところ、デュアルSSD構成として、問題なく動作しました。

なお、購入時のカスタマイズでは、デュアルSSD構成を選択することができません。デュアルSSD構成にしたい場合は、セルフカスタマイズで行う必要があります(自己責任です)。ただ、裏蓋を開けて、メモリの交換をしたことがあるような方であれば、難易度はそれほど高くないと思います。

セルフカスタマイズではあるものの、14型ノートPCでデュアルSSD構成にできるのは嬉しいです。

M.2 SSDの増設ができた

 

SDカードリーダーを搭載

raytrek A4-Rは、SDカードリーダーを備えています。

外出先でも、カメラで撮った写真・動画をSDカード経由で簡単に取り込むことができるので、便利です。

SDカードリーダー搭載

 

また、下図のようにポート類も揃っています。USB3.2 Gen2 Type-Cポートと、Thunderbolt 4ポートは、Power Deliveryに対応しているので、PD充電器をカバンに入れておけば、カフェなどコンセントが使える場所で本機への充電を行うこともできます。

ポート類

 

カスタマイズしても最短で翌日出荷

raytrek A4-Rは、短納期で入手することができます。

メモリやストレージをカスタマイズしても、最短で翌日に出荷されるので、今使っているノートパソコンの調子が悪く、急いで代わりの機種が欲しい方などにもおすすめです。

 

各用途の快適度

raytrek A4-Rの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
高めのスペックと、画面比16:10の見やすい液晶で、快適に作業することができます
動画鑑賞 色鮮やかな表示が可能なディスプレイを搭載しており、快適に動画鑑賞を行えます。
オンライン会議 ウェブカメラ、スピーカー、マイクを備えており、普通にオンライン会議に参加できます。
RAW現像
画像編集
sRGBカバー率99%(仕様値)の液晶を搭載しており、ウェブコンテンツなどの作成に適しています。ただし、Adobe RGBカバー率は約75%(仕様値)とあまり高くありません。印刷用の編集を行う場合は、広色域の外部ディスプレイをつないだ方がいいです。
動画編集 CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えているので、FHD動画の簡単な編集であれば、ある程度対応することができます。ただし、本格的な動画編集を行うのであれば、外部GPUを搭載した機種の方がおすすめです。
ゲーム 軽いゲームであれば、画質を落とせばプレイできるものもあると思います。ただし、ゲームを快適にプレイしたいのであれば、外部GPUと、ハイリフレッシュレート液晶を搭載したゲーミングノートPCがおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイの詳細なチェックです。

パネルは、「BOE B8 NE140WUM-N63」でした。

画面比16:10、解像度1920x1200の14型液晶を搭載しています。FHD液晶よりも少し縦に広いので、作業がしやすいです。色域が広めなので、ウェブコンテンツの作成などにも適しています。最大輝度は、当サイトの計測では353cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの測定結果は、以下のとおりです。色域は広めです。

  カバー率
sRGBカバー率 99.3%
DCI-P3カバー率 77.3%
Adobe RGBカバー率 76.4%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃って1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、周りのものなどの映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません

画面への映り込み

輝度を調整しても、フリッカー(ちらつき)は検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約19mm、キーストロークは約1.5mmでした。標準的な数値のフルサイズキーボードです。キートップはほぼフラットです。

文字入力に使用するキーのサイズはほぼ揃っています(「Backspace」キーの横の3つのキーを除く)。極端にサイズが小さいキーもなく、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。ただし、底付きの衝撃がややあるため、強めにキーを押す方の場合は、若干指が痛くなるかもしれません。

なお、キーボードには、ホワイトバックライトが付いています。

タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

CPU

raytrek A4-Rは、第13世代Core i7-13700Hを搭載しています。PBP(プロセッサーベース電力):45W、最小保証電力:35Wのプロセッサーで、ゲーミングノートPCなど高めの処理性能が求められる機種に搭載されることが多いCPUです。クリエイター向けノートPCとしても王道のCPUだと思います。

ベンチマークの結果は、以下の通りです。

マルチコアでは、Core i7-13700Hとしては低めのスコアでした。ターボブースト後は、35W前後と最小保証電力に近いCPU電力で動作しているためです。それでも、Core i7-1360Pの代表的なスコアよりも高い数値なので、一般ノートPCよりは少し高めの処理性能を備えているようです。

シングルコアでは、第13世代Coreらしい、高めのスコアでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-13700H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-12800HX 17492
Core i5-13500H 15302
Core i7-12700H 14546
Core i7-12650H 14189
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Core i7-13700H 17622
11123
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
1851
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core i7-12650H 1787
Core i5-13500H 1785
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i7-12800HX 1760
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリには、DDR5-4800を搭載しています。メモリの帯域幅は広かったです。なお、スロットメモリなので、メモリの換装が可能です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
DDR5-5600
デュアルチャネル
57.43GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
54.4GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
39.46GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

raytrek A4-Rは、外部GPUを搭載しておらず、Core i7-13700Hの内蔵グラフィックスとなります。

ベンチマークの結果は、以下の通りです。

メモリ帯域が広かったので、CPU内蔵グラフィックスとしては高めのスコアが出ていました。FHD動画のライトな編集ぐらいであれば、ある程度対応できると思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-13700H
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-13700H
メモリDDR5-4800
21170
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、SOLIDIGM P41 Plusシリーズを搭載していました。PCIe Gen4 SSDです。PCIe Gen4 SSDとしては速度はそれほど速くありませんが、仕様値で最大シーケンシャルリード:3,500MB/sとなっているので、本来の速度はちゃんと出ています。実際の使用においても問題のない速度だと思います。速度にこだわる方は、購入時のカスタマイズでもっと速いSSDを選ぶといいです。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
500GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
3533
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

左側面にフルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

モバイルノートPCとしては、RAW現像の速度は速い方だと思います。外出先でのRAW現像に適しています。

Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX
RTX 4080 (175W)
47秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
57秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 9 7940HS
RTX 4060 (60W)
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core i7-12650H
RTX 4050 (45W)
76秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 80秒
Core i5-13500H 80秒
Ryzen 7 6800H 82秒
Core i7-1360P 88秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Ryzen 7 7730U 115秒
Core i5-1335U 128秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

処理に時間のかかるニューラルフィルターを実行しました。外部グラフィックスを搭載していないので、時間のかかる処理もありますが、一般的な外部グラフィックスを搭載していないノートPCと比べて速いです。なお、このような特殊なフィルターではなく、被写体を選択したり、明るさを変えたり、ぼかしを入れたりといった一般的なフィルターならほぼ待たされず、それほどストレスなく作業が行えます。

  本製品 参考
Core i7-1360P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約3分29秒 約4分16秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分38秒 約2分41秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画の書き出し速度は比較的速いです。FHD動画のカットやテロップ入れといったライトな編集であれば、ある程度快適に行えると思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分50秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
3分00秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-13700H
Intel Iris Xe
3分19秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分01秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分06秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分42秒
Ryzen 5 5625U
Radeon Graphics
4分48秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分05秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

raytrek A4-Rは、右側面にUSB3.2 Gen2 Type-Cポート、左側面にThunderbolt 4ポートを搭載しています。Thunderbolt 4ポートの動作をチェックした結果は、下表のとおりです。

USB-Cドックや、Thunderboltドックも使用することができました。PD充電器での充電においては、45W以上の出力のものであれば充電できていました。なお、仕様では、USB-Cポート、Thunderbolt 4ポートのどちらとも「40-100W Type-Cアダプター対応」となっています。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 ×
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートはHDMI2.1に対応しており、4K、60Hz、8ビット、RGBで出力できていました。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

raytrek A4-Rの質量のチェックです。

メーカーサイトには「約1.4kg」とありますが、当サイトの計測では下表に掲載しているようにもう少し軽かったです。高めの処理性能を備えた14型ノートPCとしては、軽く、持ち運びがしやすい機種だと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.292kg
ACアダプター 507g

 

バッテリー駆動時間のチェック

raytrek A4-Rのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は51.9Whです。最近のモバイルノートPCとしては、普通の容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間はご覧の通りです。高性能CPUを搭載していますが、動画再生ぐらいの負荷の軽い作業であれば、(2)ぐらいの時間はバッテリー駆動で使用することができます。少し負荷のかかる作業を連続して行うと、バッテリー駆動時間はもっと短くなります。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約9.8時間
(2) 動画再生時 9時間25分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
71%(約37Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、カメラを物理的に映らないようにするためのシャッターは付いていません。なお、IRカメラを搭載しているので、Windows Helloの顔認証に対応しています。

Webカメラは、FHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしては解像度がやや高めなので、画像も精細です。オンラインミーティングなどにも普通に使用することができます。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、底面手前側の左右に配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

CPU電力は、ターボブースト時で45W前後、その後は35W前後まで下がり、そのまま推移しています。PBP(プロセッサーベース電力):45WのCore i7-13700Hとしては低めのCPU電力です。その代わり、CPU温度はほぼ70℃台に収まっています。パフォーマンスはやや抑えられているものの、高負荷作業時でもCPU温度を心配せずに使用することができます。

CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

静音性のチェックです。

アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が上がります。エンコードのような高い負荷がかかると、騒音値が高くなります。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:PremiereProでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

エンコードのような高い負荷をかけると、キーボード部分の温度が上がります。それでも、パームレスト部の温度はほとんど変化していないので、タイピング時でも不快感はありません。

底面の温度もチェックしました。高負荷時は底面の温度も上がります。ひざ置きで動画のエンコードのような作業を行うことは少ないと思いますが、高い負荷のかかる処理を長い時間行う場合は、机の上などに置いて使用した方がいいと思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

アイドル時は低めの消費電力です。高負荷時は、一般的なノートPCよりはやや高めの消費電力となります。それでも、外部グラフィックスを搭載する機種ほどではありません。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

raytrek A4-Rの外観のチェックです。

画面比16:10の液晶は、ベゼルの幅も狭く、最近のノートPCらしいスッキリしたデザインです。

アルミニウムボディなので、質感もいいです。カラーは、マット仕上げのブラックとなっています。

 

天板には、raytrekのロゴが入っています。

 

高さは、前部20mmで後部23mmです。一般ノートPCに近い、比較的スリムなボディです。

 

側面のポート類はご覧のようになっています。USB3.2 Gen1 Type-A x2、Thunderbolt 4(DisplayPort、Power Delivery対応)、USB3.2 Gen2 Type-C(Power Delivery対応)、HDMI2.1、SDカードリーダーを備えています。

LANポートはありませんが、モバイルノートPCとして持ち出して使う分には不足のないポート類が揃っていると思います。

 

液晶は下図の角度まで開きます。フラットにはなりませんが、机において作業をするのには十分な角度だと思います。

 

底面です。

 

PCの内部はご覧のようになっています。2つの冷却ファンと、2本のヒートパイプで、背面の2か所から排気することで、CPUを冷却します。

 

メモリは、スロットメモリです。メモリの換装は可能です。

 

ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載していました。

 

さらに、空きのM.2スロットもあります。

 

前述しましたが、試しに、手持ちの「WD_BLACK SN770 NVMe SSD」を増設してみたところ、デュアルSSD構成で、問題なく動作しました。

 

ACアダプターは、90Wです。サイズがやや大きめで、コンセント側のケーブルも太くかさばるので、外に持ち出す場合は90W前後の出力があるPD充電器の方が便利だと思います。

 

まとめ

以上が、raytrek A4-Rのレビューです。

第13世代Core i7-13700Hを搭載した14型ノートPCでありながら、約1.4kg(仕様値)と軽いです。実測値では1.292kgとさらに軽かったので、扱いやすく、持ち運びがしやすいです。

購入時にカスタマイズして、最大64GBメモリ、2TB SSDにすることもできます。また、内部に空きのM.2スロットがあるので、後から自分で増設して、デュアルSSD構成にすることもできます。

ディスプレイには、画面比16:10、sRGBカバー率99%(仕様値)の14型液晶を搭載しています。作業がしやすいですし、色域が広めなので、ウェブコンテンツ用の画像・動画編集などに適しています。

その他、SDカードリーダーや、PD対応のUSB-Cポートを備えるなど、持ち出した先での使いやすさが考えられています。

ただし、コンパクトな筐体なので 、Core i7-13700H搭載機としては、パフォーマンスがやや控えめです。また、外部グラフィックス非搭載なので、外部グラフィックスを搭載したクリエイターノートPCほど、グラフィックス性能も高くはありません。

「CPU、メモリ、SSDを、高めのスペックにすることができ、持ち出しやすいPCが欲しい」という要望に応えてくれるクリエイター向けの製品です。

 

持ち運びやすいCore i7-13700H搭載ノートPC

raytrek A4-R

特徴

  • Core i7-13700Hの高性能CPU搭載
  • このCPUでも、約1.4kgと軽く持ち出しやすい
  • sRGBカバー率99%、画面比16:10の液晶を搭載
  • 大容量メモリ・ストレージ構成を選択可能

こんなあなたに

  • 外出先での写真・FHD動画のライトな編集用として
  • スペック高めの仕事用モバイルノートPCとして
  • 価格14万円台[税込]~
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