サードウェーブ raytrek R7-RL(クリエイター向けノートPC)の実機レビュー

更新日:
CPU Core i9-13900HX
GPU GeForce RTX 4070
メモリ 16GB ~ 64GB
ストレージ 1TB SSD ~
8TB(4TB+4TB) SSD
液晶サイズ 17.3インチ
液晶種類 4K UHD 60Hz 非光沢
質量 約2.9kg
バッテリー 約4.2時間
価格[税込] 28万円台~ ※

※2023年10月17日時点の価格

広色域の万能クリエイター向けノート

raytrek R7-RLは、Adobe RGB比100%のディスプレイ、および高性能CPU/グラフィックスを備えたクリエイター向けノートPCです(当サイトの計測でのAdobe RGBカバー率は約93%) 。

普通のノートPCでは表示できない領域の色も表示できるため、画像や動画の制作などを行う方に適しています。

また、Core i9-13900HXに、GeForce RTX 4070を搭載し、メモリは最大64GB、SSDは最大合計8TBまで搭載することができ、AIを使った画像編集、4K/8Kの動画編集、3D CGなど負荷がかかるクリエイティブワークも快適に行えます。

公式販売サイト(ドスパラ)はこちら

 

レビュー機は、株式会社サードウェーブからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i9-13900HX、GeForce RTX 4070 Laptop、16GBメモリ、1TB SSD

 

目次

お忙しい方は、「raytrek R7-RLの特徴」のみお読みください。

 

raytrek R7-RLの特徴

Adobe RGB比 100%の4Kディスプレイを搭載

raytrek R7-RLは、Adobe RGB比100%の色域のディスプレイを搭載したクリエイター向けノートPCです。メーカーサイトにはAdobe RGBカバー率は90%以上と書かれており、当サイトの計測では、93%ありました。

非常に広い色域なので、画像編集などをするときに、普通のディスプレイでは表示できないような色も、正確に調整することができます。

また、画面サイズが17.3型とノートPCとしては大きく、また解像度も4Kあるので、画像や映像が高精細です。4K動画を編集した後も、そのままの解像度で確認することができます。

Adobe RGB比100%の広色域ディスプレイを搭載

 

なお、X-Rite Color Assistantから「プロファイルを復元」を押すと、調整済みのプロファイルが作成されます。これにより、正確な色での表示が可能です。なお、セットアップ時に、この作業を行うか聞かれるので、手順に沿えば簡単に実行できます。

X-Rite Color Assistant

 

Core i9 + RTX 4070の高い性能

raytrek R7-RLは、Core i9-13900HX + GeForce RTX 4070を搭載し、非常に高いスペックです。

AIを使った画像編集、4K動画の編集、3D CG制作など、負荷のかかる作業も快適に行うことができます。

CPUに関しては、ゲーミングノートPCによく採用されているCore i7-13700HやCore i7-13700HXよりも、30%以上高いベンチマークスコアで非常に処理性能が高いです。

CINEBENCH R23(マルチコアスコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Core i7-13700H 17622
Core i7-12700H 14546
Core i7-1360P 9720
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

グラフィックスに関しては、最大グラフィックスパワーが140Wと高いGeForce RTX 4070を搭載しており、こちらも高いベンチマークスコアが出ています。グラフィックスに負荷のかかるクリエイター向けソフトも快適に動作するでしょう。

3DMark Time Spy(グラフィックスコア)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4080 175W 18661
RTX 4070 140W 12254
RTX 4060 140W 10890
RTX 4050 105W 8469
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050 75W 5102
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

最大64GBメモリを搭載

raytrek R7-RLは、標準では16GBメモリを搭載しています。ただ、クリエイター向けソフトを使う場合、もっとたくさんのメモリ容量が欲しい方も多いでしょう。本製品は、カスタマイズすることで、最大64GBのメモリを搭載することができます。クリエイター向けソフトを使うなら、32GB以上のメモリにしたほうが無難でしょう。なお、最初から32GBメモリを搭載したモデル「raytrek R7-RL メモリ32GB搭載モデル」も販売されています。

メモリのカスタマイズ画面

 

最大合計8TBのSSDを搭載

SSDについては、最大4TB + 4TB(合計8TB)まで搭載することが可能です。動画ファイルなどを扱う方は、たくさんの容量を消費すると思われるので、大容量SSDを搭載することができるのは嬉しいでしょう。

1st SSD
追加SSD

 

なお、追加のSSDを搭載しない場合でも、M.2スロットは空いているので、自分で後から増設することは可能です。試しに、ここに、PCIe Gen4のSSDのを増設してみましたが、問題なく動作しました。購入後しばらく使って、容量が足りないと感じた場合に、後から増設してもいいでしょう。

なお、パーツの増設・交換は、自己責任でお願いします。

実際にSSDを増設(下側)してみたところ
増設したSSDのCrystalDiskMarkの結果

 

Thunderbolt 4のポートを搭載

raytrek R7-RLは、Thunderbolt4のポートを搭載しており、高速外付けSSDやドックなどを接続することができます。

さらに、PowerDeliveryや映像出力にも対応しているので、活用の幅が広がります。

Thunderbolt4を搭載

 

また、映像出力ポートに関しては、miniDisplayPort およびHDMIも搭載しているので、最大3つの外部モニターを接続することが可能です。

miniDisplayPort およびHDMIも搭載し、最大3つの外部モニターが接続可能

 

最短で翌日出荷

raytrek R7-RLは、カスタマイズしても、最短で注文日の翌日に出荷され、短納期で手元に届きます。

比較的急いでる場合でも本製品は、購入しやすいです。

 

メモリカードスロットはmicroSD

本製品のメモリカードスロットはmicroSDのみ対応となっています。動画や画像を撮影する方は、フルサイズのSDカードを使う方が多いと思われるので、できればフルサイズのSDカードスロットが搭載されていると良かったです。ただ、側面にUSBポートがたくさんあるので、メモリカードリーダーを挿しっぱなしで使ってもいいと思います。

 

各用途の快適度

raytrek R7-RLの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
高いスペックで快適に動きます。
動画鑑賞 非常に色鮮やかな映像で動画が視聴可能です。
RAW現像
画像編集
広色域ディスプレイを搭載し、画像編集などが快適です。高い性能のCPUに、GeForce RTX 4070 Laptopのグラフィックスを搭載し、AIを使ったフィルター処理も高速です。
動画編集 高い性能に、広色域ディスプレイ、さらに大容量メモリ、ストレージも搭載可能で、動画編集も快適です。
ゲーム 高い性能のグラフィックスを備え、ゲームにおいても高いフレームレートが出ますが、ディスプレイのリフレッシュレートが60Hzなので、ここはやや物足りないです。ただ、ゲーム映像は非常に色鮮やかで綺麗です。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイの詳細なチェックです。

17.3型、4K、Adobe RGB比100%のディスプレイを搭載し、パネルは「AUO B173ZAN03.0」でした。詳細は、以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの測定結果は、以下のとおりで、色域は広いです。最大輝度は、当サイトの計測では596cd/m2ととても高かったです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 98%
Adobe RGBカバー率 93%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤と青色が強めに発色しており、肉眼で見てもそれが感じ取れます。ただし、X-Rite Color Assistantからキャリブレーション済みのプロファイルをダウンロードすることが可能です。もしくは、自分でi1 Displayなどのツールを使ってキャリブレーションするといいでしょう。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みが抑えられており、画像編集などがしやすいです。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)はありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測でキーピッチは横:約18mm、縦:18.5mmとなっています。横方向のキーピッチがやや狭いので、少し窮屈さを感じます。17.3型サイズの大きなノートPCなので、横のキーピッチは約19mmあると嬉しかったです。ただ、そこまで打ちにくいわけではありません。逆に手が小さめの方にはいいかもしれません。

キーストロークは、実測で約1.8mmと、こちらは最近のノートPCとしては深めのキーストロークで、しっかりとした打鍵感がありキーは押しやすいです。

テンキーは、横のキーピッチが約16mmとやや狭いものの、ノートPCにありがちな3列テンキーではなく、4列なのでまずまずの打ちやすさです。

タッチパッドの使いやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

バックライトもついています。単色ではありますが、「Control Center」のソフトで、色を変更することができます。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

raytrek R7-RLは、下図のような動作モードが用意されています。CINBENCH R23および3DMarkについては、デフォルトの「エンターテイメント」モードと、最もパフォーマンスが出る「パフォーマンス」モードで計測しています。それ以外は、「エンターテイメント」モードで計測しています。

動作モード

 

CPU

raytrek R7-RLのCPUは、プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が55Wと高いCore i9-13900HXです。

CINBENCH R23の結果は下の通りで、マルチコア、シングルコアとも高いスコアです。

なお、動作モードを「パフォーマンス」モードにすると、パフォーマンスがアップします。「パフォーマンス」モードにするとCPU温度が高くなるので、基本的には、「エンターテイメント」モードで動かしたほうが安心ですが、どうしても処理を速く終わらせたいときは「パフォーマンス」モードにするといいでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i9-13900HX
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 24314 [パフォーマンス]
20144 [エンターテイメント]
Core i9-12950HX 21617
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i7-12800HX 17492
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Core i9-12950HX 1981
Core i9-13900HX 1968 [エンターテイメント]
1954 [パフォーマンス]
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i7-12800HX 1760
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリには、DDR5-4800を搭載しおり、帯域は広めです。スロットメモリなので、メモリ交換も可能です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
DDR5-5600
デュアルチャネル
57.43GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
53.53GB/s
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
39.46GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスには、GeForce RTX 4070 Laptopを搭載しています。

最大グラフィックスパワーは140Wと高い数値でした。

NVIDIAのシステム情報で確認した最大グラフィックスパワー

 

3DMark Time Spyのベンチマークの結果も高いスコアが出ています。多くのクリエイターソフトが快適に動くでしょう。

なお、「エンターテイメント」モードでも、「パフォーマンス」モードでも、スコアはほとんど変わりません。

3DMark -Time Spy-
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce RTX 4070 Laptop
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4090 150W 20159
RTX 4080 175W 18661
RTX 3080 Ti 175W 12614
RTX 4070 140W 12219 [パフォーマンス]
12009 [エンターテイメント]
RTX 3080 140W 11552
RTX 3070 Ti 150W 11262
RTX 3070 140W 11015
RTX 4060 140W 10890
RTX 4060 75W 9069
RTX 4060 65W 8829
RTX 4050 105W 8469
RTX 3060 130W 8302
RTX 4060 60W 8263
RTX 3060 95W 7519
RTX 4050 45W 6456
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050 Ti 60W 5292
RTX 3050 75W 5102
RTX 3050 65W 4560
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

GPU-Zで確認したGeForce RTX 4070 Laptopの情報は次の通りです。

本製品のグラフィックカードのスペック

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、速いアクセス速度です。動画の書き出しなども、速く終わることでしょう。 

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6692
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

右側面にmicro SDカードスロットを搭載しています。クリエイター向けノートPCなので、できればフルサイズのSDカードスロットが良かったです。アクセス速度は普通です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「パフォーマンス」モードで計測しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroomで100枚のRAWデータを一度に書き出してみましたが、速い書き出し速度でした。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX
RTX 4080 (175W)
47秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4070 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 9 7940HS
RTX 4060 (60W)
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core i7-12650H
RTX 4050 (45W)
76秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800H 82秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 7 5825U 151秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

AI技術を使ったニューラルフィルターを実行した結果が次の通りです。一般的なノートPCに採用されているCore i7-1260Pと比較すると、非常に速い処理時間です。

  本製品 参考
Core i7-1260P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約2秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約55秒 約4分16秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約1分53秒 約2分41秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

4K動画の書き出し速度も高速です。4K動画の編集作業も快適でした。

4K動画の書き出し
Core i9-13980HX
RTX 4090 (175W)
2分47秒
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
3分01秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
3分08秒
Ryzen 9 7940HS
RTX 4090 (150W)
3分10秒
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
3分20秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分26秒 (MacBook Pro 16)
Core i9-13900H
RTX 4060 (65W)
3分29秒
Core i9-13900HX
RTX 4070 (140W)
3分40秒
Core i7-12900H
RTX 3070Ti (120W)
3分49秒
Core i7-13700HX
RTX 4060 (140W)
3分53秒
Core i7-12650H
RTX 4050 (45W)
4分03秒
Core i7-13620H
RTX 4050 (105W)
4分11秒
Core i7-11800H
RTX 3050Ti (60W)
5分08秒
Core i5-11400H
RTX 3050 (65W)
5分59秒
Core i7-12700H
GTX 1650
6分21秒
Apple M2
8CPU/10GPU
6分41秒 (MacBook Pro 13)
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
14分10秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
14分12秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
DaVinci Resolve Studio 18による書き出し時間

DaVinci Resolve Studio 18による書き出し時間も高速でした。

Core i9-13980HX
RTX 4090 (175W)
2分18秒 (NVIDIA)
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
2分36秒 (NVIDIA)
Core i9-12900HX
RTX 4080 (175W)
2分40秒 (NVIDIA)
Core i7-13700HX
RTX 4060 (140W)
2分54秒 (NVIDIA)
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
3分09秒 (NVIDIA)
Core i9-13900HX
RTX 4070 (140W)
3分13秒 (NVIDIA)
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分16秒 (MacBook Pro 16)
Ryzen 9 7940HS
RTX 4060 (60W)
3分17秒 (NVIDIA)
Core i7-13620H
RTX 4050 (105W)
3分34秒 (NVIDIA)
Core i7-12650H
RTX 4050 (45W)
3分54秒 (NVIDIA)
Apple M1 Pro
10CPU/16GPU
5分51秒 (MacBook Pro 14)
Apple M2
8CPU/10GPU
6分25秒 (MacBook Pro 13)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、AV1 Intel、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間
ソフトウェアエンコード

CPUのみで実行するx265エンコードを実行してみましたが、非常に速いです。

Core i9-13980HX 4分34秒
Core i9-13950HX 4分35秒
Core i9-13900HX 5分09秒
Core i9-13900H 6分13秒
Core i7-12800HX 6分18秒
Core i7-13700H 6分39秒
Core i7-12700H 7分50秒
Core i7-13620H 7分56秒
Ryzen 9 6900HX 8分23秒
Core i5-12500H 8分36秒
Ryzen 7 6800U 10分47秒
Ryzen 7 5825U 11分15秒
Core i7-1360P 12分03秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Core i5-1135G7 26分03秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NMKD Stable Diffusion GUI 1.9.1によるAIイラスト生成時間

NMKD Stable Diffusion GUIによるAIイラスト生成時間は下表の通りです。10枚のイラスト生成にかかった時間は166秒でした。比較的速いです。

Ryzen 9 7940HS/16GB
RTX 4090
80秒
Core i7-13700H/32GB
RTX 4070
143秒
Core i9-13900H/32GB
RTX 4070
148秒
Core i9-13900HX/16GB
RTX 4070
166秒
Core i9-13900H/16GB
RTX 4060
182秒
Ryzen 9 7940HS/16GB
RTX 4060
196秒
Core i7-12650H/16GB
RTX 4060
200秒
Core i7-13620H/32GB
RTX 4050
209秒
※モデルとVAEはデフォルトの「sd-v1-5-fp16」、「vae-ft-mse-840000-ema-pruned」を使用
※プロンプト(呪文)は内容や長さによって生成時間にそれほど影響がないため「Cat」のみ
※ステップ数は100、10枚のイラストを生成し、3回計測して最も速かった時間で比較
SPECviewperf 2020

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

この製品は、ゲーミングPCではありませんが、高い性能のグラフィックスを搭載しているため、ゲーム時においても高いフレームレートが出ます。ただし、リフレッシュレートは60Hzなのでご注意下さい。

ゲームのベンチマーク結果を下に掲載します。

1920x1080での実行であれば、非常に高いフレームレートが出ます。3840x2160にすると、重いゲームは60fpsを下回ることが多いですが、それほど重くないゲームであれば、60fps以上の平均フレームレートが出ています。高い解像度であることに加え、色域が広いこともあり、映像は非常に綺麗です。ゲームの映像美を楽しみたい方には、本製品もいいかもしれません。

以下のゲームのフレームレートについて
グラフは、ノート用グラフィックスのみ掲載しています。
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最高 113 fps
3840x2160 75 fps
最高 60 fps
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 ウルトラ 150 fps
レイトレ:ウルトラ 111 fps
3840x2160 55 fps
ウルトラ 42 fps
レイトレ:ウルトラ 32 fps
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 エクストリーム 113 fps
3840x2160 最高 75 fps
エクストリーム 60 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 高品質 120 fps
3840x2160 標準品質 56 fps
高品質 47 fps
重い部類のゲーム
BLUE PROTOCOL
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最高画質 146 fps
3840x2160 高画質 64 fps
最高画質 46 fps
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
解像度 品質 平均fps
1920x1080 ウルトラ 125 fps
3840x2160 81 fps
ウルトラ 45 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最高品質 174 fps
3840x2160 高品質 81 fps
最高品質 58 fps
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター4 シーズン2]
DirectX 12
解像度 品質 平均fps
1920x1080 中設定 194 fps
最高設定 110 fps
3840x2160 中設定 72 fps
最高設定 36 fps
※アンチエイリアス&スーパー解像度:TSR低
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
パフォーマンス - 低グラフィック忠実度
解像度 その他設定 平均fps
1920x1080 3D解像度:100%
メッシュ:高
描画距離:最高
281 fps
3840x2160 177 fps
※バトルロワイヤル ソロで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 高設定 201 fps
3840x2160 高設定 90 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
VALORANT
解像度 品質 平均fps
1920x1080 高設定 383 fps
3840x2160 高設定 298 fps
※プラクティスモードで計測
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
解像度 品質 平均fps
1920x1080 ウルトラ 227 fps
3840x2160 中型 108 fps
ウルトラ 73 fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均スコア
1920x1080 最高品質 24628(すごく快適)
※約5500で60fps

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

raytrek R7-RLは、USB 3.2(Gen2)Type C とThunderbolt4を1ポートずつ搭載しています。Thunderbolt4について動作をチェックした結果は、以下のとおりです。

映像およびPowerDeliveryに対応しており使いやすいです。PD充電器でゲームをするのは難しいですが、動画のカット編集くらいであれば、100WくらいのPD充電器でも十分こなせます。

Thunderbolt4ポートの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック GaN充電器
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートはHDMI2.1に対応しています。今回、4Kモニターに接続してみましたが、最大で、4K、"120Hz"、"12ビット"、RGBで出力できていました。高い性能の広色域モニターを接続して使うことができます。なお、外部モニターおよびケーブルもHDMI2.1に対応している必要があります。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

raytrek R7-RLの質量のチェックです。

メーカーサイトには「約2.9kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同じです。ノートパソコンとしてはやや重いので、持ち運び用途には適していませんが、デスクトップPCと比べるとかなり軽く、キャリーバッグなどへも入れやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.864kg
ACアダプター 981g

 

バッテリー駆動時間のチェック

raytrek R7-RLのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は80Whです。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下表の通りです。高性能パーツを搭載しているので、バッテリー駆動時間は長くありません。基本的には、ACアダプターに接続して使用することになります。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約4.2時間
(2) 動画再生時 5時間39分
(3) CPU4%、iGPU8%、dGPU10%の負荷 2時間00分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

フルHDカメラを搭載しており、画質は比較的綺麗です。なお、カメラを隠すシャッターなどは搭載していません。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、底面と側面の間に配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「エンターテイメント」モードでは、CPU電力は65W前後で推移しており、CPU温度は70℃台に収まっており、問題のない温度です。

一方、「パフォーマンス」モードにすると、CPU電力が90W前後までアップし、パフォーマンスが上がりますが、95℃前後と高めの温度になります。

通常は「エンターテイメント」モードで使用し、どうしても速く処理を終わらせたいときだけ「パフォーマンス」モードにするといいと思います。

  • エンターテイメント
  • パフォーマンス
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

FF15ベンチ実行時の温度

ゲーム時のCPU温度およびGPU温度は、以下のとおりです。

ゲームをするときだけでなく、クリエイター向けソフトで作業する時など、連続して高めの負荷がかかった時のCPUとGPUの温度の参考になります。

「エンターテイメント」モードの場合は、CPU温度がやや高めですが、問題ない範囲だと思います。GPU温度は問題ありません。

「パフォーマンス」モードの場合は、CPU温度が100℃近くまで上がってしまいます。そのため、できれば、通常時は「エンターテイメント」モードで動かしたほうがいいと思います。

  • エンターテイメント
  • パフォーマンス

 

静音性のチェック

静音性のチェックです。

今回は、「エンターテイメント」モードで計測しました。アイドル時でもやや動作音が聞こえます。中程度の負荷(下図の真ん中)の場合は、アイドル時とそれほど騒音値は変わりません。高負荷時(図の右)の場合はかなり騒音値が高くなり、気になるレベルです。なお、「パフォーマンス」モードにしても、高負荷時の騒音値はそれほど変わりませんでした。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Adobe Premiere Proで4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時
左から3番目:Adobe Premiere Proによる4K動画の書き出し時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷をかけるとキーボード部分のやや右側が温度が上がりますが、パームレスト部の温度はほとんど上がらないので、それほど不快感なく使用することができます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

高性能パーツに、4Kディスプレイを搭載しているので、消費電力はやや高めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

raytrek R7-RLの外観のチェックです。

ブラックのカラーで、シンプルなデザインです。

 

天板には、raytrekのロゴが入っています。

 

高さは約25~33mmとなっています。薄くはありませんが、厚くもありません。

 

側面・背面のポート類はご覧のようになっています。Thuderbolt 4やminiDisplayPort、LANポートなど、主要なポートは揃っています。よく抜き差しするUSBポートは側面に、ケーブルを抜くことが少ない映像出力やLANポートは背面に集中しており、使いやすくなっています。

 

液晶は下図の角度まで開きます。180度は開きませんが、机において作業をするのには十分な角度だと思います。

 

底面のゴム足はやや高めで、放熱性が良くなるようにしています。

 

PCの内部はご覧のようになっています。2つの冷却ファンと、複数のヒートパイプで、背面と側面の4か所から排気しています。しっかりとした冷却機構です。

 

メモリは、スロット式で、自分で交換することもできます。

 

M.2スロットは2つあります。また、サーマルシートも貼られています。

 

ACアダプターは、280Wです。

 

まとめ

以上が、raytrek R7-RLのレビューです。

Adobe RGB比100%の4Kディスプレイを搭載したクリエイター向けノートPCです。普通のディスプレイでは表示しきれない色も表示することができ、画像や映像を扱う方クリエイターに最適です。

Core i9-13900HXのCPUに、GeForce RTX 4070 Laptopのグラフィックスを搭載し、スペックも高いです。さらに、最大で64GBのメモリ、4TB+4TB(合計8TB)のSSDを搭載することができるのも魅力です。

4Kや8Kの動画編集、AIによるフィルター処理を行った画像編集、3D CG制作など、多くのクリエイターソフトが快適に動くでしょう。

スペックの割には価格も安く、また短納期ですぐに使えるのも嬉しいです。

強いて言えば、microSDカードスロットが、フルサイズSDカードにも対応していれば良かったですが、USBポートがたくさんあるので、外付けのカードリーダーを挿しっぱなしにして使ってもいいと思います。また、17.3型の大きなボディのノートPCなので、キーピッチは19mmあると嬉しかったです。ただ、タイピングしにくいわけではありません。

 

広色域の万能クリエイター向けノート

raytrek R7-RL

特徴

  • Adobe RGB比100%のディスプレイ
  • Core i9-13900HX + GeForce RTX 4070の高い性能
  • 大容量メモリ&SSDを搭載可能

こんなあなたに

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