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ドスパラ raytrek G5-Rの実機レビュー
CPU | Ryzen 7 4800H |
---|---|
GPU | GeForce GTX 1650 Ti |
メモリ | 16GB ~ 64GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 60Hz 非光沢 |
質量 | 約2.0kg |
バッテリー | 約4.1時間 |
価格[税込] | 9万円台~ |
raytrek G5-Rは、GeForce GTX 1650 Tiを搭載したエントリークラスのクリエイターノートPCです。
sRGBカバー率99%の液晶を搭載しており、動画編集にも適しています。
また、質量約1.9kgに薄さ約20.5mmと、軽量かつコンパクトなので、持ち運ぶのにも便利です。
比較的安価であるため、動画編集用のエントリーモデルとしておすすめです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 4800H、16GBメモリ、GeForce GTX 1650 Ti、512GB NVMe SSD
目次
お忙しい方は、「raytrek G5-Rの特徴」のみお読みください。
raytrek G5-Rの特徴
GeForce GTX 1650 Tiを搭載
raytrek G5-Rは、エントリーモデルではあるもののGeForce GTX 1650Tiの外部グラフィックスを搭載しており、動画編集などが快適にできるようになっています。
例えば、Premiere Proの書き出し時間(下表)を見てみると、GeForce RTX 3060を搭載したノートPCよりはやや遅いものの、外部グラフィックスを搭載しないモデルの約半分の時間で終わっています。
※ グラフィックスは全てノートPC用
sRGBカバー率99%の液晶を搭載
GeForce GTX 1650Tiクラスのグラフィックスを搭載したノートPCは、構成全体がエントリー向けになっていることが多く、液晶も、色域の狭いパネルが搭載されることが多いです。
一方、raytrek G5-Rは、クリエイター向けノートPCという位置づけということで、sRGBカバー率99%の液晶を搭載しており、色域が比較的広く、クリエイティブな作業にも適しています。
初期構成もスペックUPも安い
raytrek G5-Rは、sRGB 99%の液晶に、Ryzen 7 4800H、GeForce GTX 1650 Ti、16GBメモリ、512GBの構成で、13万円台となっており、このスペックとしては価格が安いです。
また、メモリやストレージをカスタマイズして容量をUPさせることができますが、このときの追加費用が安いのもメリットです。
高性能プロセッサーRyzen 7 4800Hを搭載
raytrek G5-Rは、8コア16スレッドの高性能プロセッサー「Ryzen 7 4800H」を搭載しています。
詳細な結果は後述しますが、CINEBENCH R23の結果を確認すると、マルチコアのスコアは高いです。ただ、現像ソフトのLightroomの書き出し時間はそれほど速くはありません。モバイル向けのRyzenプロセッサーは、アプリによっては思ったほど速くないケースもあります。
軽量コンパクトで持ち運びにも
raytrek G5-Rは、質量約1.9kgに薄さ約20.5mmと、軽量かつコンパクト。ACアダプターも丸みを帯びていて小さいので、持ち運びやすいデザインです。外出先でのちょっとした作業や、軽い作業用のサブ機としてもおすすめです。
2台のM.2 SSDを搭載可能
raytrek G5-Rは、標準で512GBのNVMe SSDを搭載しており、カスタムで最大2台のM.2 SSDを搭載することが可能です。また、底面カバーを外すと、M.2スロットに空きがもう1つあるので自分で増設することもできます。ただし、増設による故障などは自己責任でお願いします。
各用途の快適度
raytrek G5-Rの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 非常に快適に作業ができるでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 一般ユーザー向けのノートPCと比べると、色域がやや広く、スペックも十分です。スピーカー音はそこまで良くありません。 |
オンライン会議 | ○ | 1280x720のWebカメラは画質は普通ですが、液晶の下のほうに配置されているので、相手には下からのアングルの顔の映像が映し出されます。スピーカーの音質は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | スペック面は問題ありません。液晶の色域はもう少し広ければと思いますが、Web掲載用としてなら使えます。Adobe RGBを100%カバーするような色域はありません。 |
動画編集 | ○ | 比較的快適に動作します。ただ、DCI-P3を100%カバーするような色域はありません。 |
ゲーム | ○ | エントリー向けのグラフィックスですが、軽め~中程度の重さのゲームなら割と高いフレームレートが出ます。重いゲームもグラフィック設定を下げれば60fps近くまで出ます。 |
ディスプレイのチェック
raytrek G5-Rのディスプレイの詳細なチェックです。
公式ではsRGBカバー率約99% (sRGB比約100%) となっており、当サイト計測でもほぼ同様の数値でした。最大輝度は、当サイトの計測では287cd/m2となっており普通の輝度です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測でキーピッチは約19x19mmで、十分な広さです。「<」などのキーを除けば、どのキーもほぼ同じ大きさなのはいい点です。キーストロークは約1.6mmで、比較的押しやすいですが、キートップがほぼフラットなのはやや残念です。総合的に考えて、普通の打ち心地だと思います。
タッチパッドは動かしやすいです。クリックボタンも普通に押せます。
キーボードにはLEDバックライトが搭載されています。
LEDキーボードバックライトは、前述したプリインストールされている「Gaming Center」から「ライト設定」を選択します。キーごとに色を変えることはできず、発光パターンも少ないです。
パフォーマンスのチェック
動作モード
このPCは、「オフィスモード」「ゲームモード」といったモードが用意されていますが、ここでは「ゲームモード」にして計測しています。動作モードを変更するには、プリインストールされている「Gaming Center」から「電源設定」を選択します。キーボード上部のショートカットキーからも変更が可能です。
CPU
CPUは、最新世代のRyzen 5000シリーズではなく、1つ前の世代のRyzen 7 4800Hを搭載しています。マルチコアは非常に高いですが、シングルコア性能はそこまで速くはありません。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
raytrek G5-Rのメモリは、標準で16GBの大容量メモリを搭載しており、最大で64GBまで搭載できます。選択できるメモリはDDR4-3200です。標準的な速度です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
グラフィックスには、エントリークラスのGeForce GTX 1650 Ti 4GBを搭載しています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
GPU-Zで確認したGeForce GTX 1650 Ti の情報は次の通りです。動作クロックなどは標準値です。
ストレージ
ストレージには、512GBのPCIe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。カードを挿すと出っ張るので、挿したまま持ち運ぶことはやめた方がいいでしょう。読み込み速度はそれほど速くありません。
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでも、「ゲームモード」で計測した結果のみ掲載します。
Lightroom Classicの書き出しは、そこまで速くありません。TDPの低いCore i7-1185G7などのインテルプロセッサーのほうが高速です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Premiere Proの書き出しは、GeForce RTXシリーズを搭載した機種と比べると遅いですが、外部グラフィックスを搭載していないモデルと比べると非常に速いです。FHD動画の編集なら快適でしょう。4K動画の編集も出来なくはありませんが、動画編集ソフトは負荷が高いとPCやアプリが落ちやすかったりするので、4K動画の編集をするなら、個人的にはもう少しスペックの高いモデルがいいと思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
x265エンコードは非常に高速です。CPUコアをフルに使うような処理は得意です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク&フレームレート
ゲームのベンチマークスコア、または実際にゲームをプレイし、Frapsで計測したフレームレートを掲載します。
エントリークラスのグラフィックスなので、それほど高性能ではありませんが、重いゲームでもグラフィック設定を下げることで60 fps以上の平均フレームレートで動作します。FF14などの中程度の重さのゲームなら最高設定でも60 fps以上出ます。
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 70 fps |
高 | 40 fps | |
ウルトラ | 30 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 71 fps |
標準品質 | 54 fps | |
高品質 | 40 fps |
重い部類のゲーム
ファンタシースターオンライン ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 19318 / 102 fps |
高 | 5024 / 53 fps | |
ウルトラ | 3707 / 45 fps |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 最低 | ― | 89 fps |
中 | ― | 64 fps | |
最高 | ― | 50 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 103 fps |
高(ノート) | 85 fps | |
最高品質 | 66 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最高品質 | 16916(すごく快適) |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは、Power Delivery、Thunderboltには対応していません。USB Type-Cポートは、DisplayPort出力にも対応していませんが、HDMI2.0が1つ、miniDP1.2が2つあり、他のポートで代用できるので問題ないでしょう。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | × | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | × | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | × | × | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで表示されています。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.9kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、公表値とほぼ同じ結果となりました。外部グラフィックスを搭載したゲーミングPCにしては、比較的軽いです。ACアダプターも薄型で軽いので、カバンに入れての持ち運びもしやすいです。
質量 | |
PC本体 | 1.902kg |
ACアダプター | 567g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
本機のバッテリー容量は46.74Whです。クリエイターノートPCとしてはやや少なめの容量です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。そこそこ性能が高いため、そこまでバッテリーはもちません。Web閲覧などの軽作業で3時間くらいです。動画編集などをすれば、2時間ももたないと思います。ACアダプターは常に携帯したほうがいいでしょう。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 約4.1時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 3時間43分 |
(3) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間16分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
「オフィスモード」の場合は、70℃台で推移しており問題ない温度です。
「ゲームモード」の場合は、CPU電力が上がり、ややパフォーマンスが出やすくなりますが、CPU温度は80℃台後半で推移しており、高めになります。
- オフィスモード
- ゲームモード
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でもやや音が聞こえます。エンコード時、Premiere Pro書き出し時などの高負荷時はそこそこうるさく感じます。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
スペックが低めということもあり、全体的に低めの表面温度で、手のひらは熱くなりにくいです。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
家庭向けの外部GPUを搭載していないノートPCよりは高めの消費電力ですが、ゲーミングノートとしては、低めの消費電力です。
外観のチェック
raytrek G5-Rの外観のチェックです。
シルバーのカラーで、シンプルなデザインです。
天板には「raytrek」というロゴが印字されています。
電源ボタンはキーボードの上にあります。隣のキーはパフォーマンスモードを変更するボタンです。
Webカメラは、液晶パネル中央の下側にあります。1280x720の解像度で、画質は普通だと思います。Web会議をすると、相手側からは、自分の顔が下からのアングルで映るため、あまり見栄え良く映りません。
閉じた時の画像です。薄型でコンパクトです。
側面のポートです。miniDP、HDMI、USB-C、有線LANなどポートは揃っています。なお、USB-Cはデータ通信のみ対応です。
液晶が開く最大の角度です。
スピーカーは背面にあります。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で採点すると、4~5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
底面です。
底面カバーは、爪の引っ掛かりが少ないため開けやすいです。冷却ファンは2つで、背面と側面の合計4方向から排気します。
M.2スロットは2つです。
メモリスロットは2つで、換装できます。
ACアダプターは薄型です。
電源コネクタは背面に配置されており、排熱口を避けて接続することができます。
ACアダプターは120Wです。
まとめ
以上が、raytrek G5-Rのレビューです。
エントリーグラフィックスGeForce GTX 1650 Tiを搭載したエントリー向けのクリエイター用ノートPCです。動画編集のエントリーモデルとしておすすめです。
sRGBカバー率99%の液晶を搭載し、クリエイティブな作業にも適しています。
プロセッサーにはRyzen 7 4800Hを搭載しており、マルチコア性能が高いです。ただし、Lightroomのように相性の悪いソフトもあります。
薄型&コンパクトボディなので、持ち運びもしやすいです。
負荷の重い作業を考慮し、もう少しパフォーマンスが欲しい場合は、GeForce RTX 3060に、インテルのCore i7-10875Hを搭載したraytrek R5-CAもおすすめです。
GTX 1650Ti搭載エントリークラスのクリエイターノートPC
ドスパラ raytrek G5-R
特徴
- GeForce GTX 1650 Ti搭載で動画編集も可能
- sRGBカバー率99%の色域
- そこそこの性能で比較的安い
こんなあなたに
- 軽い動画編集をする方
- 外出先でも作業をする方
- 価格13万円台[税込]~
三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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