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Dell 15(DC15255)の実機レビュー - 余分な機能はないけれど、非常に安い

CPU | Ryzen 3 7320U Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
---|---|
メモリ | 8GB (オンボード) 16GB (スロット) |
ストレージ | 512GB |
画面サイズ | 15.6型 16:9 |
画面種類 | 1920x1080 120Hz 非光沢 |
質量 | 1.63 kg |
バッテリー | 41Wh |
価格 | 5万円台~ |
Dell 15(DC15255)は、価格が非常に安いノートパソコンです。
Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの構成で、通常価格で7万円台、たまに開催されるセール時なら6万円台で販売されることもあります。この構成なら、ウェブ閲覧や、動画視聴程度の負荷なら、ストレスなく使えます。
安いので、多少のデメリットはありますが、余分な機能は必要ないので、とにかく安いノートPCが欲しい方におすすめです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「Dell 15(DC15255)の特徴」のみお読みください。
Dell 15(DC15255)の特徴
製品の位置づけ
今回レビューするDell 15は、下図の赤くなっている部分に位置づけられ、個人ユーザー向けのエントリー向け製品となっています。

非常に安い価格
Dell 15の特徴は、何といっても価格の安さです。Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB SSDの構成で、通常時なら7万円台、セール時なら6万円台で販売されることもあります。
2025年10月には、Windows 10のサポートが終了となりますが、その買い替えとして、最低限の機能があればいいので、できるだけ安いノートPCが欲しいという方に、本製品はおすすめです。

性能は十分
価格が非常に安い製品ですが、Ryzen 5 7530、16GBメモリ、512GB SSD以上の構成なら、日常的な用途での使用において、十分な性能です。ウェブページの閲覧、メールチェック等の作業なら、問題なくできます。
なお、Ryzen 3、8GBメモリのモデルもありますが、こちらはメモリが8GBと少ないので、あまりおすすめはしません。

価格を下げるために抑えられている部分
価格の安いPCなので、それなりにデメリットはあります。ここでは、このデメリットも挙げていきます。もし、このデメリットが気にならなければ、「買い!」の製品だと思います。
プラスチックのボディ
まず、ボディがプラスチック製なので、やや安っぽく見えます。ただ、見た目をあまり気にしない方であれば、重要なポイントではないでしょう。

画面比は昔ながらの16:9の1920x1080
最近のPCは、画面比16:10の1920x1200ドットであることが多いですが、本製品は昔ながらの16:9の1920x1080ドットとなっています。縦のドット数が少ないですが、1920x1080で十分満足している方であれば、問題ないでしょう。

メモリがシングルチャネル
メモリがシングルチャネル(1枚挿し)となっています。メモリ帯域が狭い、要はメモリの速度が遅くなるので、処理によっては遅く感じます。ただ、ウェブ閲覧程度の低い負荷であれば、ほぼ気にはなりません。また、スロットは2つあるので、後から増設することは可能です。
なお、Ryzen 3のモデルは、オンボードメモリとなるのでご注意下さい。

プライバシーシャッターは無し
最近のPCは、Webカメラを物理的に隠すシャッターが付いていますが、Dell 15はそれがありません。

顔認証・指紋認証なし
顔認証や指紋認証の生体ログインができません。ただ、もちろんパスワード認証はできます。

キーボードバックライトなし
Dell 15はキーボードバックライトが搭載されていないので、暗所での作業がやりにくいです。ただ、暗い場所で作業することがなければ、この機能は無くても問題ない方が多いでしょう。

USB-Cはデータ転送のみ
USB-Cポートは、データ転送のみ対応しています。PowerDelivery(充電器を使った充電)や、映像出力(モニターを繋いで表示させること)ができません。付属のACアダプターのみで充電する方や、外部モニターは繋げないという方には、無くても問題ない機能です。

Wi-Fi 5
最近のノートPCは、Wi-Fi 6やWi-Fi 7に対応していることが多いですが、Dell 15はWi-Fi 5となります。速度および通信の安定性において劣ります。もし、無線LANルーターがWi-Fi 6やWi-Fi 7対応のものを使っている場合、ちょっともったいないです。ただ、無線LANルーターとの距離が近くて、接続機器も少なくて、ちょっとネット閲覧するだけなどの場合は、Wi-Fi 7もWi-Fi 5も、体感でそこまで変わらないと思います。
各用途の快適度
Dell 15(DC15255)の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | Web閲覧やOffice作業は、十分快適にできるスペックです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイの色がややくすんで見えますが、動画鑑賞自体は問題なくできます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭いのと、画像編集をするには処理性能が低いので、画像編集などにはあまり適しません。 |
動画編集 | △ | 動画編集をするには、ややスペック不足です。 |
ゲーム | △ | 3Dゲームをするのは難しいスペックです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイの見やすさは普通です。色域(色の表示できる範囲)が狭いので、画像や映像を綺麗に見たい方には適しませんが、文書作成などをする程度なら、問題ありません。
15.6型、1920x1080、120Hzのディスプレイです。従来モデルはフリッカー(ちらつき)がありましたが、このモデルは、当サイトで計測した限りではありませんでした。
詳細は、以下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで計測した色域は、sRGBカバー率64%と狭いです。

ガンマ補正曲線を確認すると、素直な発色になっていることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢なので、反射はやや低減されています。

当サイトの計測では、フリッカーはありませんでした。なお、異なるパネルが搭載される可能性もあり、その場合は、どうなるかは分かりません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは、個人的には、若干打ちにくい部類かなと思います。
キートップはほぼフラットで、若干底付きの衝撃があります。Backspaceキーや半角/全角キーがやや小さいです。Enterキーも、このキーにしては大きくありません。また、テンキーとEnterキーの間が広くないので、Enterキーを打つときに、数字の7を誤って押しやすいです。テンキーはなくてもいいので、Inspiron 14 5445のようなキーボードのほうが良かったです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
最もパフォーマンスが出る「ウルトラパフォーマンス」にしても、ベンチマークスコアはほぼ上がらなかったので、ここでは、デフォルトの「最適化」で計測したスコアのみ掲載します。

CPU
CINEBENCH 2024のスコアは下の通りです。今回、Ryzen 5 7530Uを搭載していますが、最新PCとしてはスコアは低めです。ただ、ウェブ閲覧などの軽い負荷であれば、ストレス無く使える性能を持っています。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
CPU内蔵のグラフィックスは、メモリの帯域の影響をモロに受けますが、今回、シングルチャネルのメモリ(1枚だけのメモリ)で帯域が狭いので、3DMarkのベンチマークスコアも低かったです。ウェブ閲覧、動画視聴くらいの負荷であれば問題ありませんが、もっと負荷のかかる作業をすると、スペック不足になります。
メモリを1枚から2枚へ増設すれば、2倍近くスコアは上がります。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
SSDは、普通の速度です。
~ ストレージ性能の評価 ~

SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
~ SDカードスロット性能 ~

質量のチェック
15.6型ノートとしては、質量は比較的軽いです。ACアダプターは普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.630kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 328g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は、41Whと小さいです。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、短めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) YouTube動画再生時 | 7時間32分 |
(2) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 3時間56分 |
(2) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。なお、Ryzen 5 7530UのデフォルトTDPは15Wです。
動作安定時のCPU電力は最初の数分は高めの数値ですが、そのうちデフォルトTDPとほぼ同じ数値まで下がります。このときのCPU温度は70℃前後なので、問題ないでしょう。


静音性のチェック
普通の騒音値です。
アイドル時は無音です。負荷をかけたときは、それなりの騒音値になりますが、低めの負荷であれば、ほとんど気にならないでしょう。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約27dB |
中負荷時 [動画編集] | 約30dB |
高負荷時 [ゲーム] | 約42dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷をかけていくとキーボードの中央部分が熱くなり、触ると熱いと感じはしますが、常時指が触れるところではないので、そこまで気にはなりません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 6W |
---|---|
中負荷時 [動画編集] | 22W |
高負荷時 [ゲーム] | 30W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ボディはプラスチック性能です。高級感はありません。

天板には、DELLのロゴが入っています。

ボディの高さは低いです。


スピーカーは、2W x 2です。音質は普通またはやや良いといった感じで、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5~6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

WebカメラはHD画質です。IRカメラは搭載していません。

側面のポート類です。フルサイズのSDカードスロットが搭載されているのはいいと思います。USB-Cはデータ転送のみ対応です。HDMIは1.4なので、4K/60Hzの出力には対応していません。


ヒンジはご覧の角度まで開きます。

底面はシンプルです。

冷却ファンは1つ、ヒートパイプも1つです。

メモリはDDR4-3200です。1枚のみ搭載されています。空きスロットがあるのでメモリの増設はできますが、自己責任でお願いします。
なお、オンボードの8GBメモリの場合、LPDDR5-5500となります。

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ACアダプターは65Wです。サイズは大きめです。電源ケーブルは太いです。

まとめ
以上が、Dell 15(DC15255)のレビューです。
価格が非常に安いノートPCです。Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの構成で、通常価格で7万円台、セール時なら6万円台で販売されることもあります。
Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSDの構成なら、十分使えるスペックです。ウェブ閲覧や、メールの送受信、動画視聴くらいの負荷であれば、ストレスなく使えます。
デメリットとしては、安っぽいプラスチックボディ、16:9の昔ながらの画面比、シングルチャネルのメモリ、バックライトの無いキーボード、データ転送のみのUSB-Cなどが挙げられます。詳細はこの記事の上のほうをご覧下さい。安いため、色々省かれている部分はありますが、人によっては無くても構わない部分が多いので、そこが気にならなければ「買い」のPCだと思います。
「Windows 10のサポートが切れるので買い替えたいけど、必要最低限のスペックで安いものがいい」という方におすすめの製品です。
余分な機能はないけれど、非常に安い!
Dell 15(DC15255)

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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