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デル Dell G15 ゲーミングノートパソコン(5530/5335)の実機レビュー

CPU | Core i7-13650HX Ryzen 5 7640HS Ryzen 7 7840HS |
---|---|
GPU | RTX 3050 / 4050 / 4060 |
メモリ | 16GB DDR5-4800 |
ストレージ | PCIe NVMe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 120Hz / FHD 165Hz |
質量 | 約2.81kg~ |
バッテリー | 56Wh / 86Wh |
価格[税込] | 12万円台~ |
Dell G15 (5530)は、12万円台から購入できるコスパの高いゲーミングノートPCです。
GeForce RTX 4060のモデルでも、セール時期であれば、16万円台で購入することができます。
インテルCPUを搭載したモデルと、AMD APUを搭載したモデルがあり、AMDモデルのほうが安いです。ただインテルモデルは、Core i7-13650HXを搭載して13万円台なので、高コスパです。
ディスプレイは2種類ありますが、165Hz液晶のほうが、色域が広めなので、写真や動画の編集などにも使用できます。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-13650HX、GeForce RTX 4060、16GBメモリ、FHD 165Hz
Core i7-13650HX、GeForce RTX 4050、16GBメモリ、FHD 165Hz NEW!
目次
お忙しい方は、「Dell G15の特徴」のみお読みください。
Dell G15の特徴
インテルモデルは、高性能の第13世代Core (HX)搭載
Dell G15は、CPUに第13世代Core i7-13650HXを搭載し、12万円台から購入できるゲーミングノートPCです。
このCore i7-13650HXは、PBP(プロセッサーベースパワー)が55Wと高く、ノートPC向けの第13世代Coreの中では最上位となるHXシリーズのプロセッサーです。Core i7-13700Hのような、メインストリームのゲーミングノートPCに搭載されることが多いCPUよりも高めの処理性能を備えています。通常はハイエンドノートPCに搭載されるCPUを搭載しながら、12万円台(税込)から購入できるので、コスパが高いです。
色域広めの165Hz液晶がおすすめ
Dell G15は、以下のような2種類の液晶を搭載したモデルが選択できます。
Dell G15搭載ディスプレイ
(1) FHD、120Hz、250nit、45% NTSC
(2) FHD、165Hz、300nit、100% sRGB
(2)の液晶は、100% sRGBと色域が広めです。色鮮やかな映像でゲームができますし、画像や動画の編集といった、クリエイター向けソフトを使った作業にも使用しやすいです。
(1)の液晶は、45% NTSC(sRGB 60%前後)と色域が狭いです。
ディスプレイを基準にして選択するモデルを絞り込んでもいいと思います。迷ったならば、色域が広めの165Hz液晶がおすすめです。

16GBメモリのみだけど換装が可能
Dell G15の構成を確認すると、どのモデルでもメモリは16GBとなっていました。
用途によってはもっと大きい容量のメモリを希望するユーザーもいると思います。そのような場合、スロットメモリなので、メモリの換装で対応することが可能です。ただし、メモリの換装は自己責任でお願いします。

空きのM.2スロット有り
Dell G15では、購入時にストレージのカスタイマイズはできないものの、内部を確認すると、既存のType 2230 M.2 SSDの他に、空きのM.2スロットがありました。

試しに、空きのM.2スロットに手持ちのSAMSUNG 970 EVO PlusのPCIe SSDを増設してみましたが、正常に認識され、デュアルSSD構成で使用できました。また、増設したSSDはPCIe Gen3 SSDでしたが、速度もしっかり出ていました(M.2スロットはPCIe Gen4対応です)。
大容量のストレージを必要とする場合は、購入後に自分でM.2 SSDの増設を行ってもいいと思います。ただし、M.2 SSDを固定するネジは付属していなかったので、増設する場合は自分で用意する必要があります。また、M.2 SSDの増設作業は自己責任となります。


個性的なカラーリングが登場
Dell G15は、角ばった形状や、出っ張った背面など、ゲーミングノートPCらしさを感じるボディデザインは、従来モデルから大きく変化していません。
ただ、今回、クォンタムホワイトという個性的なカラーリングのボディが、新しく登場しました。ホワイトを基調としたボディに、背面の出っ張り部分のブルーと、背面の排気口のオレンジのカラーが目立ちます。初代のガンダムをイメージさせるカラーリングです。
もう少し落ち着きのあるカラーが良ければ、ダークグレーのボディを選ぶといいでしょう。
なお、どちらのカラーのボディでも、天板や、シャーシは樹脂製なので、高級感はあまりありません。


キーボードは普通
Dell G15は、一般ノートPCと同じようなキーボードを搭載しています。バックライトもホワイトのみですし、Nキーロールオーバーなどにも対応しておらず、見た目も、性能も普通のキーボードです。そのため、eスポーツタイトルのような動きの速いゲームなどをプレイする場合などは、外付けのゲーミングキーボードなどを使用した方が、より快適にプレイできるかもしれません。
なお、モデルによっては、英語キーボードを選択できる場合もあります。英語キーボードの場合は、4ゾーンRGBバックライトが付いています。

高負荷時のCPU温度がやや高い
Dell G15は、55Wクラスの第13世代Core i7-13650HXと、最大でGeForce RTX 4060(140W)という電力設定の高いパーツ構成となっているので、発熱も高いです。
ゲームをしたり、エンコードを実行したりすると、CPU温度が100℃くらいにまで上がります。よく言えば、パーツの性能を十分に引き出しているとも言えますが、ゲームのような高負荷状態が長時間続く場合は、パーツの故障が少し心配になります。夏場はエアコンをつけるなど、できるだけ放熱しやすい環境で使用した方がいいと思います。
CPU温度についての詳細は、「パーツの温度のチェック」を御覧ください。
各用途の快適度
Dell G15の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分です。快適に作業できるでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | FHD・165Hz液晶であれば色域が広く、色鮮やかな表示が可能です。スピーカー音も比較的よく、快適に動画鑑賞ができます。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 高性能CPUを搭載し、外部GPUも搭載しているので、RAW現像や画像編集も快適です。なお、この用途に使いたい場合は、色域が広めのFHD・165Hz液晶がおすすめです。 |
動画編集 | ◎ | 高い性能のCPU・GPUを搭載しており、動画編集も快適です。広めの色域の液晶なら、色の調整にも適しています。 |
ゲーム | ◎ | 高めのゲーミング性能を備えており、多くのゲームを快適にプレイできます。ライトゲーマーなら下位モデルでも十分でしょう。 |
ディスプレイのチェック
Dell G15のディスプレイのチェックです。
現在、Dell G15では以下のような2種類のディスプレイがあります。今回は、(2)のディスプレイについてチェックします。
Dell G15搭載ディスプレイ
(1) FHD, 120Hz, 非光沢, 45% NTSC
(2) FHD, 165Hz, 非光沢, 100% sRGB
FHD, 165Hzディスプレイ
搭載されていたパネルは「M4H3V 156WFG」でした。
標準的な画面比16:9、FHD解像度の液晶です。165Hzのハイリフレッシュレートに対応しており、遅延や残像も少なく、動きの速いゲームを滑らかな映像でプレイすることができます。非光沢で、フリッカーも発生していないので、比較的見やすいディスプレイだと思います。また、色域が広めなので、色鮮やかな表示でゲームの世界に没頭できますし、画像や動画の編集といったクリエイター向けソフトでの作業などにも使用できそうです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では291cd/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広めです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は97.4%でした。

ガンマ補正曲線を確認すると、各色揃って1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきはほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約43msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないです。なおこれは、液晶だけでなくキーボードなどを含めたPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に165回フレームを表示するディスプレイで、2フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、1秒間に60回フレームを更新するディスプレイで2フレーム前くらいまでの残像があります。そのため、本製品のディスプレイ残像は、一般ノートPCよりも少なめで、動きの速いゲームもプレイしやすいです。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
Dell G15のキーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは、横:約18.7mm、縦:約18mm、キーストロークは、約1.5mmでした。
一般的なノートPCが搭載するのと同じようなキーボードです。「全角/半角」キー、「Backspace」キー、「enter」キーなど、一部少しスリムなサイズのキーがありますが、アルファベットキーのサイズは揃っています。総合的にみると、普通の打ちやすさのキーボードだと思います。一般的な4列テンキーも付いており、数字の入力もしやすいです。
タッチパッドは、サイズは大きくありませんが、普通の使いやすさです。

※クリックすると拡大できます

ホワイトバックライトも付いています。色のカスタマイズなどはできません。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
Dell G15では、Alienware Command Centerを使用してサーマルプロファイルを変更することができます。
いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「バランス」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」の2つのモードで、ベンチマーク計測を行いましが、どちらで計測しても、ほとんど同じスコアだったので、今回は、「バランス」で計測した結果のみ掲載します。

CPU
Dell G15の搭載するCPUは、インテルの「HXシリーズ」の第13世代Core i7-13650HXです。PBP(プロセッサーベース電力)が55Wと高く、実測では、「バランス」でも「パフォーマンス」モードでも、約90Wと高いCPU電力が出ていました。
ベンチマークの結果は以下の通りです。
マルチコアでは、Core i7-13700Hを超えるスコアが出ており、高めのパフォーマンスを発揮できていました。シングルコアのスコアも妥当な数値だと思います。
なお、「バランス」でも、「パフォーマンス」でも、動作モードによるパフォーマンスの差はほとんどありませんでした。常時、「バランス」モードで使用してもいいと思います。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリの仕様はDDR5-4800です。メモリ帯域幅は広めでした。なお、スロットメモリなので、メモリの換装が可能です。
~メモリ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
Dell G15では、外部グラフィックスにGeForce RTX 3050、RTX 4050、RTX 4060を搭載したモデルがあり、エントリーハイクラス~ミドルハイクラスまでをカバーしています。
今回チェックしたのは、RTX 4050とRTX 4060搭載モデルです。
メーカーによって設定される最大グラフィックスパワーは、140Wとなっていました。高めの設定値です。


ベンチマークの結果は、以下のとおりです。
最大グラフィックスパワーが140Wと高いため、RTX 4050 およびRTX 4060としては高いスコアが出ています。RTX 4050でもミドルクラス性能、RTX 4060ならハイクラスに近い高めの性能が出ていると言えるでしょう。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGPUの情報は次の通りです。

ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載していました。
512GB SSDのほうは、PCIe Gen4の割には、思ったほど速度が出ていないように思われると思いますが、これは搭載しているSSDの仕様が、シーケンシャル リード/ライト:3500/2100 MB/sとなっているためです。それでも、実用上は十分な速度が出ています。
1TB SSDは、速い速度が出ていました。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク&フレームレート
いくつかのゲームの平均フレームレートを掲載します。ここでは「パフォーマンス」モードで計測を行いました。
他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
RTX 4060なら、重い部類のゲームでも、グラフィック品質を調整することで100 fps以上の高いフレームレートが出ています。それほど重くないゲームであれば、最高設定でも、高いフレームレートが出ています。
RTX 4050は、それよりもややフレームレートが落ちますが、高めのグラフィック品質設定でも、十分なフレームレートが出ています。予算が少なければ、こちらのグラフィックスでも十分だと思います。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
![]() 重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 116 fps | 154 fps |
高 | 55 fps | 78 fps | |
最高 | 31 fps | 52 fps |
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 130 fps | 134 fps |
高 | 98 fps | 114 fps | |
ウルトラ | 77 fps | 94 fps | |
レイトレ:ウルトラ | 48 fps | 58 fps |
![]() 重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 216 fps | 237 fps |
高 | 102 fps | 101 fps | |
エクストリーム | 66 fps | 98 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 軽量品質 | 160 fps | 185 fps |
標準品質 | 122 fps | 147 fps | |
高品質 | 84 fps | 102 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 263 fps | 259 fps |
高 | 151 fps | 154 fps | |
最高 | 111 fps | 118 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 167 fps | 168 fps |
高 | 155 fps | 127 fps | |
ウルトラ | 102 fps | 108 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 標準(ノート) | 197 fps | 193 fps |
高(ノート) | 168 fps | 184 fps | |
最高品質 | 138 fps | 153 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
フォートナイト
|
---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RT 4060 |
1920x1080 | 低設定 | 113 fps | 139 fps |
高設定 | 64 fps | 67 fps | |
最高設定 | 34 fps | 46 fps |
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
解像度 | その他設定 | RTX 4050 | RT 4060 |
1920x1080 | 3D解像度:100% メッシュ:高 描画距離:最高 |
242 fps | 250 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低設定 | 226 fps | 292 fps |
高設定 | 149 fps | 192 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
VALORANT
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低設定 | 554 fps | 630 fps |
高設定 | 392 fps | 444 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 非常に低い | 323 fps | 301 fps |
中型 | 247 fps | 275 fps | |
ウルトラ | 170 fps | 193 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 最高品質 | 24358 (すごく快適) |
23708 (すごく快適) |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。
なお、いずれも、他に重いソフトは起動しないでテストしています。複数のクリエイターソフトを起動した場合は、メインメモリや、グラフィックスのVRAMが足りなくなる可能性があるのでご注意下さい。

RAW現像の速度は比較的速かったです。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

処理に時間のかかるニューラルフィルターを実行しましたが、高性能のCPU・GPUを搭載しているので、全体的に処理にかかる時間は短めでした。特に、「スーパーズーム(x2)」のような処理が速かったです。
RTX 4050 | RTX 4060 | 参考 Core i7-1260P |
|
ニューラルフィルター (肌をスムーズに) |
約2秒 | 約2秒 | 約3秒 |
ニューラルフィルター (スーパーズーム(x2)) |
約57秒 | 約57秒 | 約4分28秒 |
ニューラルフィルター (JPEGのノイズを削除) |
約1分43秒 | 約1分47秒 | 約2分48秒 |

Premiere Proでの4K動画の書き出しにかかる時間は思ったよりも少し長めでしたが、十分実用的な範囲に収まっています。編集作業も快適に行えます。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

CPUのみで実行するx265エンコードです。こちらも速かったです。




USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
背面に、DisplayPortに対応したUSB-Cポートを備えており、動作をチェックした結果は、以下のとおりです。
Thunderbolt 4や、Power Deliveryには対応していません。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K、8ビット、120Hz、RGBで表示されています。

質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトを確認すると、モデルによって質量が異なり、「2.81kg (RTX 3050搭載構成)」、「2.97kg (RTX 40シリーズ搭載構成)」となっていました。今回は、RTX 40シリーズ搭載構成をチェックしており、当サイトで計測した質量は次の通りです。仕様値よりは軽いですが、15インチクラスのノートPCとしては、やや重いです。また、GeForce RTX 40シリーズ搭載モデルでは、付属のACアダプターが330W出力となり、ACアダプターも重いです。
RTX 4050 | RTX 4060 | |
PC本体 | 2.778kg | 2.747kg |
ACアダプター | 1544g | 1552g |
バッテリー駆動時間のチェック
Dell G15のバッテリー駆動時間のチェックです。
Dell G15では、2種類の容量のバッテリーが使用されています。GeForce RTX 3050搭載モデルは56Whのバッテリーを搭載し、GeForce RTX 40シリーズ搭載モデルは86Whの大容量バッテリーを搭載しています。

バッテリー駆動時間は下の通りです。高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCなので、バッテリー駆動時間は長くはありません。それでも、動画再生のような負荷の軽い作業であれば、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できます。もう少し負荷のかかる作業をすると、(3)ぐらいの時間になります。
また、バッテリー駆動状態でゲームをすると、フレームレートがかなり制限されて、カクつくので、付属のACアダプターを接続して使用した方がいいでしょう。
RTX 4050 | RTX 4060 | |
(1) JEITA2.0 | ー | ー |
(2) 動画再生時 | 7時間47分 | 7時間14分 |
(3) CPU6%、iGPU7%、dGPU3%の負荷 | 2時間35分 | 2時間34分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、物理シャッターは付いていません。また、IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。
Webカメラは、720pのHDカメラで、普通の画質です。

スピーカー
スピーカーは、底面の左右に2.5W x2のステレオスピーカーを搭載しています。音質はややよく、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
PBP:55Wの数値を大きく超えるCPU電力が出ており、CPU性能を限界まで引き出してはいるものの、CPU温度はほぼ100℃とかなり高いです。RTX 4050搭載モデルについては、クロックダウンとアップを繰り返しており、安定しません。もう少しCPU電力を抑えて動作するようにしても良かったと思います。
- RTX4050搭載モデル
- RTX4060搭載モデル




ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU温度およびGPU温度をチェックします。
RTX4050搭載モデルはCPU温度、GPU温度とも問題ない温度です。しかし、RTX 4060搭載モデルについては、CPU温度が100度まで上がっており、GPU温度もやや高めです。この機種を使うなら、RTX 4050またはRTX 3050を搭載したモデルのほうが安心かもしれません。
- RTX4050搭載モデル
- RTX4060搭載モデル




静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、RTX 4060搭載モデルの「バランス」モードでの計測値を掲載します。次以降の表面温度、消費電力についても同様です。
アイドル時は、ほぼ無音です。FF15のベンチマークのような高い負荷がかかると、騒音値は他のゲーミングノートと同等程度になります。やや気になりますが、爆音というわけではありません。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時
左から2番目:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
ゲームのような高い負荷がかかると、キーボード面と、その上部の温度が高くなりますが、ゲーム中はそれほど不快には感じませんでした。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
高性能パーツを搭載しているため、一般的なノートPCよりは高い消費電力ですが、ゲーミングデスクトップよりは低いです。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
Dell G15の外観のチェックです。
ゲーミングノートPCらしい、メカニカルな感じのするデザインです。
今回は、クォンタムホワイトのボディで、とても特徴的なカラーリングです。その他に、ダークシャドウグレーのボディも選択できます。

天板には、「DELL」のロゴが入っています。こちらから見ると、背面部のブルーと、排気口の内部のオレンジのカラーが際立ちます。

天板を閉じた状態です。厚みは約26.95mmです。


インターフェイスには、USB3.2 Gen1 Type-A x3、USB3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort対応)、HDMI 2.1ポート、LANポートを備えています。



液晶が開く最大の角度はご覧の通りです。

底面です。

内部の様子です。冷却ファンは2つです。

メモリスロットが2つあり、メモリの換装が可能です。

ストレージには、Type 2230 M.2 SSDを搭載していました。空きのM.2スロットもあります。特徴部分でも記したように、Type 2280 M.2 SSDの増設が可能でした(ただし、M.2 SSDを固定するためのネジが必要です)。

RTX 40シリーズを搭載するモデルのACアダプターは、330Wです。出力が大きいので、サイズもかなり大きく、重いです。持ち運びにはあまり適していません。


まとめ
以上が、Dell G15のレビューです。
12万円台から購入できるコスパの高いゲーミングノートPCです。
インテルモデルは、PBP:55Wの第13世代Core i7-13650HXのハイエンドノートPC向けCPUを搭載し、同等クラスのゲーミングノートPCと比べて高いCPU性能を備えていました。それでいて価格は13万円台からと安いです。
AMDモデルは、Core i7-13650HXほどのCPU性能ではありませんが、インテルモデルよりも安く、Ryzen 5 7640HS搭載モデルが12万円台から購入することが可能です。
外部グラフィックスには、GeForce RTX 3050、RTX 4050、RTX 4060を搭載します。今回は、RTX 4050とRTX 4060搭載モデルをチェックしましたが、どちらも最大グラフィックスパワー140Wと高い電力設定でした。RTX 4060ならハイクラス性能、RTX 4050でもRTX 3060と同等以上の性能があります。
2種類の液晶がありますが、おすすめなのは165Hz液晶です。遅延や残像が少なく、動きの速いゲームも快適にプレイできます。100% sRGBクラスと色域が広いので、クリエイター向けソフトでの作業にも適しています。
今回、特徴的なカラーリングのクォンタムホワイトのモデルが登場しました。好みが分かれそうですが、既存の機種とはちょっと違った目を引くデザインのゲーミングノートPCが欲しい方にはいいと思います。ただし、ボディ素材は樹脂製なので、高級感はありません。
また、一般的なノートPCと同じようなキーボードである点と、CPU電力が高めで動作する代りに、ゲーム時などのCPU温度が高い点が、やや気になりました。

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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