デル XPS 13 Plus (9320) の実機レビュー

更新日:
CPU Core i5-1240P
Core i7-1260P
メモリ 16GB / 32GB
ストレージ 最大 2TB PCIe SSD
液晶サイズ 13.4インチ 16:10
液晶種類 FHD+ / 3.5K / UHD+
質量 約1.24kg~
バッテリー 55Wh
価格[税込] 20万円台~
タッチパッドはどこ?

XPS 13 Plus (9320)は、デザインが他とは違うモバイルノートPCです。

タッチパッドとパームレストはつなぎ目がなく、ファンクションキーはタッチ式で、液晶の周りの縁も狭く、とても近代的な見た目です。

PシリーズのCoreプロセッサーに、DDR5メモリを搭載しパフォーマンスも高く、 画面比16:10で色域も広く画面も見やすいです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1260P、32GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

 

目次

お忙しい方は、「XPS 13 Plus (9320)の特徴」のみお読みください。

 

XPS 13 Plus (9320)の特徴

タッチパッドはどこ?

XPS 13 Plus (9320)の外観を見てまず驚くのが、タッチパッドが見当たらない点だと思います。とてもすっきりとした秀逸なデザインですが、「タッチパッドはどこ?」と思うことでしょう。

タッチパッドはどこ?

 

実は、これはタッチパッドが無いわけではなく、パームレストと継ぎ目がなく繋がっているだけで、実際には下図の緑色の枠線の部分がタッチパッドになっています。クリックに関しては、押すと物理的に沈み込むわけではありません。触覚フィードバックが付いており、タッチパッド部分を押すと、指先にクリックしたかのような振動が伝わってくるようになっています。

実際に使ってみると、割と普通のクリックボタンと同じように使えますが、同じ感圧タッチパッドを採用しているMacBookと比較すると、やや強めに押し込む必要があり、長く使っていると少しだけ指が痛くなってきます。ただ、短い時間使うだけなら気にならないですし、そんなに操作しにくいわけでもありません。十分、使える範囲だと思います。

タッチパッドの範囲

 

キーとキーの隙間が狭い

XPS 13 Plus (9320)の見た目で分かる大きな特徴としては、キーとキーの隙間が狭い点です。

狭いことにより、キーを押すときに、誤って隣のキーを押してしまう確率が高くなってしまいます。デザインを重視したのかと思いますが、ここはもう少し隙間を作って欲しかったところです。

キーとキーの隙間が狭い

 

ただ、両側のエッジぎりぎりまでキーボードが配置されているため、各キーとキーの間のキーピッチは十分あり、見ないで正確にキーの真ん中を押すことが出来る人なら、タイプミスをすることは少ないと思います。

実際に試してみても、そんなにタイプミスすることは無かったです。

エッジ to エッジのキーボード

 

電源ボタンの位置がenterの真上

電源ボタンの位置は、少し微妙な位置にあります。通常、ここにはbackspaceキーが配置されます。そのため、見ないでbackspaceキーを押そうとすると、誤って電源ボタンを押してしまうときがありました。電源ボタンは少し強めに押さないと反応しないので、ここを軽く押してもスリープになってしまうことはありませんが、ちょっと気になる部分です。

ただ、backspaceキーが少し左にずれているおかげで、指が届きやすい位置にあるので、慣れれば逆に押しやすいです。特に手が小さくて、backspaceキーが届きにくいと感じていた方には、ちょうどいいかもしれません。

電源ボタンの位置が微妙

 

ファンクションキーはタッチ式

また、XPS 13 Plus (9320)は、ファンクションキー(メディアキー)がタッチ式になっています。

デフォルトではメディアキーになっていましたが、Fn+escキーを押すか、またはFnキーを押し続けることで、ファンクションキーに切り替えられます。「大文字/小文字」や「英字/カナ」の切り替えで、ファンクションキーを押す方は、見ないと押しにくいかもしれません。

また、「delete」キーも、タッチ式となっています。筆者はdeleteキーはほとんど使わず、主にbackspaceキーを使うので、あまり影響はありませんが、deleteキーをよく使う方は、使いにくいかもしれません。

メディアキー
ファンクションキー

 

ディスプレイは見やすい

XPS 13 Plus (9320)のディスプレイは非常に見やすいです。流行りの16:10の画面比を採用し、縦の比率が高く、縦にスクロールして見るコンテンツが見やすいです。また、色域も広めで画像も見やすいです。

今回は、FHD+の液晶ですが、3.5Kの有機ELやUHD+の液晶も選択することができます。

ディスプレイが綺麗

 

デザインは最高

XPS 13 Plus (9320)は、使いやすさよりも、どちらかというとデザインを重視した製品です。

上で掲載した画像を見て分かるとおり、非常にベゼル(液晶周りの縁)が細く、シームレスタッチパッドやタッチ式ファンクションキーを採用し、非常に近代的なデザインです。

ボディは、CNC加工のアルミニウムと、ガラスが組み合わされ、いかにも剛性の高そうなボディは高級感があります。デザイン重視の方には非常におすすめです。

デザインは非常にいい

 

モバイルノートとしては、スペックが高め

XPS 13 Plus (9320)は、モバイルノートPCとしてはスペックが高めです。CPUには15WクラスのUシリーズではなく、28WクラスのPシリーズのCoreプロセッサーを搭載し、メモリはLPDDR5-5200、SSDはPCIe Gen4となっています。

高いスペック

 

高いCPU性能ですが、ダブルファンを搭載しており、CPU電力が落ち着いてからのCPU温度はそれほど高くありません(後述)。安心して使えると思います。

ダブルファンを搭載

 

インターフェースはThunderbolt4のみ

XPS 13 Plus (9320)のインターフェースは、かなり割り切っており、Thunderbolt4のポートが2つしかありません。最近は、Thunderboltのポートさえあれば、ほとんどの周辺機器は繋がりますが、USBメモリなど従来の周辺機器を引き続き使うには、アダプターなどが必要となってきます。

インターフェースはUSB-Cのみ

 

一応、USB-C - USB-A 3.0アダプターと、USB-C - 3.5mmヘッドセット アダプターが付属してはいますが、出先でアダプターを忘れてしまうと、周辺機器が使えなくなることもあります。

付属するアダプター

 

各用途の快適度

XPS 13 Plus (9320) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10の液晶なので、Webページの閲覧や、Officeソフトを使った仕事がしやすいです。ただし、画面サイズは大きくないので、スケーリングを上げる必要があるでしょう。
動画鑑賞 ディスプレイが綺麗で、スピーカー音も比較的良いので、動画鑑賞は快適だと思います。
オンライン会議 問題なくできます。
RAW現像
画像編集
FHD+はsRGB 100%、3.5KやUHD+はDCI-P3 100%クラスのディスプレイで色域が広く、第12世代Coreを搭載することでパフォーマンスも高く、画像編集などの用途にも使えます。外部GPUを搭載していないので、GPU支援が使える処理はそこまで速くありませんが、普通の作業なら、気になることは少ないでしょう。
動画編集 △~○ メモリを16GB以上にすれば、FHD動画の簡単な編集は出来ると思います。ただし、本格的に動画編集をしたいなら、外部GPUを搭載した機種がいいと思います。
ゲーム こちらも外部GPUを搭載した機種がおすすめです。ただし、軽いゲームであれば、グラフィック品質を落とすことで、プレイできなくもありません。

 

ディスプレイのチェック

XPS 13 Plus (9320)のディスプレイは、次の3種類から選択することができます。

XPS 13 Plus (9320)で選択できる液晶

FHD+ (1920x1200), 500nit, 100% sRGB, 非光沢

3.5K (3456x2160), 有機EL, タッチ, 400nit, 100% DCI-P3,反射防止

4K (3840x2400), タッチ, 500nit, 90% DCI-P3, 反射防止

 

今回は、FHD+ (1920x1200)についてのテスト結果を下に掲載します。色域が広めで、見やすい液晶だと思います。詳細は以下のタブをクリックして下さい。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99.6%でした。

最大輝度は、最大輝度は、当サイトの計測では423cd/m2と高めです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤と青色が、明部になるにつれて強めに発色しているのが分かりますが、特に違和感は感じないでしょう。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

このクラスの価格帯のノートPCでは当たり前ですが、視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつき感じず、見やすいです。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありませんでした。ちらつきによる目の疲れもありません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

XPS 13 Plus (9320)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmです。キーストロークは約1mmで、キートップは0.3mmくぼんでいます。

前述したように、キーとキーの隙間が狭いのでタイプミスしやすいですが、キーピッチは十分あるので、正確にキーを押せるなら、そこまで問題にはならないかなと思います。enterキーの真上に電源ボタンがあるのはやや気になります。

タッチパッドも前述したように、パームレストとの境目のない触覚フィードバック付きのものになっています。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

もちろん、キーボードバックライトも搭載しています。


バックライト

 

パフォーマンスのチェック

続いて、パフォーマンスのチェックを行います。

XPS 13 Plus (9320)では、下図のようにサーマルモードを変更することが出来ます。

CINEBENCH R23と3Dmarkについては、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」のモードで、スコアを計測しました。その他は「超高パフォーマンス」モードで計測しています。


サーマルモード

 

CPU

XPS 13 Plus (9320)は、28Wクラスの第12世代Core(Pシリーズ)を搭載しています。

その中でも、今回はCore i7-1260Pを搭載しており、ベンチマークスコアは次のようになります。

「最適化」モードの場合、約20Wとやや控えめのCPU電力で動くため、Core i7-1260Pにしてはやや低めのスコアです。ただ、それでも1世代前のCore i7-1165G7と比べると、60%も高いスコアが出ています。

「超高パフォーマンス」モードの場合、約28WのCPU電力で動くようになり、かなりスコアが伸びます。コンパイル、エンコードなど時間のかかる処理を実行するときは、「超高パフォーマンス」モードにしてもいいでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1260P
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Core i7-1260P 9835 [超高パフォーマンス]
9032
7662 [最適化]
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 7 5700U 9288
Ryzen 5 5600H 9255
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i7-12700H 1823
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i7-1260P 1802
1694 [超高パフォーマンス]
1503 [最適化]
Core i5-1235U 1675
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Core i5-1240P 1483
Ryzen 9 5900HX 1463
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1268
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは、LPDDR5-5200となっており、非常に速いです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
32GB(8GBx4)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
60.00GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックス性能を評価する3DMark Night Raidのグラフィックススコアは次の通りです。今回、メモリが高速なので、CPU内蔵グラフィックスとしては、非常に高いスコアが出ていました。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1260P
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149 [超高パフォーマンス]
20095 [最適化]
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、非常に高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6821
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットはありません。

 

その他のベンチマーク

第12世代Coreプロセッサー(Alder Lake-P)のその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。他のPCで計測したスコアですが、参考になると思います。

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

このPCは、処理開始後の2~3分間のターボブースト期間は、かなり高いCPU電力で動作するため、そのくらいの間に終わるLightroomの現像は非常に高速でした。現像作業自体も快適です。

Core i9-12900H
32GBメモリ
37秒
Core i7-1260P
32GBメモリ
46秒
Core i7-12700H
16GBメモリ
46秒
Core i7-1280P
16GBメモリ
47秒
Core i7-1260P 81秒
Core i7-1260P
16GBメモリ
56秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
56秒 (MacBook Pro 16)
Ryzen 7 6800H
16GBメモリ
57秒
Core i5-1240P
8GBメモリ
72秒
Core i7-1185G7
16GBメモリ
74秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 5800H
16GBメモリ
93秒
Ryzen 7 5800U
16GBメモリ
95秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
新計測法

続いて、現像項目を追加し、少し負荷を高めにしたときの書き出し時間を掲載します。

この計測方だと、上位のCPUや外部GPUを搭載したPCよりも、やや時間がかかっていました。

ただ、Core i7-1280Pがかなり速かったり、「シャドウ」を適用すると、RTX 3060を搭載してもあまり速くないなどといった傾向があり、どういう構成が速いのか今一つわかりにくいですが、引き続き、もう少し検証台数を増やして確認していきたいと思います。

Core i7-12700H 61秒
Core i7-1280P 64秒
Core i7-12700H
RTX 3060
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 7 6800H
RTX 3060
68秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800H 84秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

今回、メモリが高速で、CPU内蔵GPUにしては高いグラフィック性能が出ていたことから、動画の書き出しも速かったです。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
2分53秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分5秒
Core i7-1255U
Intel Iris Xe
5分25秒
Core i5-1235U
Intel Iris Xe
5分30秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

Thunderbolt4に対応しており、いずれの周辺機器も使用できました。

ただし、45W以下のACアダプターだと警告が表示されます。PCを起動するときも、OSが起動する前に警告が表示され、確認ボタンを押すまでOSの起動が始まらないので、できれば60W以上のACアダプターにするのがいいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
65W Lenovo GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートはありません。

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「最小重量:1.24 kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、仕様値よりも少し軽かったです。最近のモバイルノートPCとしては、そこまで軽くはありませんが、十分持ち運べる範囲の重さです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.237kg
ACアダプター 260g

 

バッテリー駆動時間のチェック

XPS 13 Plus (9320)のバッテリー容量は55Whとなっており、やや多めです。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次の通りです。長めのバッテリー駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) 動画再生時 15時間3分
(3) FF14ベンチ
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りで、普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
49%(約27Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラは、720pで、特別性能が高いわけではありません。またプライバシーシャッターのような機能もありません。IRカメラは搭載しており、顔認証が可能です。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面の左右サイドに2W x2のスピーカーを搭載しています。音は比較的よく、また最大音量が大きいです。ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

「最適化」モードでは、最初のターボブースト期間はCPU電力が31W以上、その後は約20Wまで下がります。それに伴ってCPU温度は、最初は88℃前後、その後73℃前後まで下がります。特に問題のない動きをしていると思います。

「超高パフォーマンス」にすると、CPU電力が上がり、ターボブースト期間は約100℃までCPU温度が上がります。ただ、数分経ってターボブースト期間が終わると、82℃まで下がります。100℃は心配になる温度ですが、そのうち下がるので、問題ないとは思います。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPU温度
CPU電力&CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。なお、この「静音性」と次の「表面温度」、「消費電力」のチェックは、「最適化」モードで計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。高めの負荷をかけても、そこまで騒音値は上がりません。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

高めの負荷をかけると、パームレストの温度がやや上がり、やや暖かく感じますが、そこまで気にはなりません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

モバイル向けのプロセッサーなので、消費電力は低いです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

XPS 13 Plus (9320)の外観をチェックします。

ボディカラーは「グラフファイト」というグレーに近いカラーと、「プラチナシルバー」というカラーがあり、今回レビューしているのは後者です。

キーボード面は、真っ白というわけではなく、少しだけグレーっぽくなっています。ベゼルは4辺とも非常に狭く、モダンな見た目です。

 

ボディはアルミニウムとガラスを使用して製造され、ペラペラな感じはなく、高級感があります。

 

ボディの高さは15.28mmで、薄くなっています。 

 

インターフェースはご覧の通りで、Thunderbolt4のポートが2つのみです。

 

ヒンジが回転する最大の角度はご覧の通りです。そこまで開きませんが、デスク上で、1人で見る分には、特に問題ない角度です。 

 

排気口は、背面にありますが、ヒンジに隠れており目立たないようになっています。

 

底面はシンプルな見た目です。吸気口は底面の中央にはなく、両サイドに設けられています。

 

内部を確認すると、2つの冷却ファンでCPUを冷やしています。メモリはオンボードなので、換装することは出来ません。

 

M.2 SSDにはヒートシンクが取り付けられています。

 

ACアダプターは60Wです。サイズは小さくはありません。特に電源ケーブルが太いです。持ち運ぶとき用に、電源ケーブルの細いPower Delivery対応充電器を、別途購入するといいと思います。

 

まとめ

以上が、XPS 13 Plus (9320)のレビューです。

非常に攻めたデザインのモバイルノートPCだと思います。

シームレスなタッチパッドに、エッジ to エッジのキーボード、4辺狭額縁のベゼルに、CNC削り出しアルミとガラスを使用したボディは、非常に高級感があり素敵です。デザインを重視したい方に非常におすすめです。

また、PシリーズのCoreプロセッサーに、DDR5メモリ、PCIe Gen4 SSDとスペックも高いです。特に処理開始後のターボブースト期間は高いCPU電力で推移しており、ハイパフォーマンスです。

また、13.4型の小型ボディですが、ダブル冷却ファンを搭載しており、モバイルノートにしては冷却性も高めです。

ただし、キーとキーが狭い点、感圧式のタッチパッドである点、ファンクションキーがタッチ式である点、電源の位置がenterの真上にある点など、使いづらさを感じる方もいるだろうなと思います。ただ、個人的には思ったほど使いにくくはなく、しばらく使っていると、普通のノートパソコンと変わらない感覚で操作することが出来ました。

 

攻めたデザイン

XPS 13 Plus (9320)

特徴

  • デザインが非常に優秀
  • モバイルノートとしてはハイパフォーマンス
  • 画面比16:10の見やすい液晶

こんなあなたに

  • デザイン重視の方
  • 新しいもの好きの方 
  • 価格20万円台[税込]~
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