デル Inspiron 14 2-in-1 (7425) の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 5625U
Ryzen 7 5825U
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 256GB / 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 14インチ 16:10
液晶種類 FHD+ 広視野角 光沢
質量 約1.63kg~
バッテリー 54Wh
価格[税込] 10万円台~
画面比16:10の2 in 1 PC

Inspiron 14 2-in-1は、画面比16:10の14インチ液晶を搭載した、コンバーチブル型の2 in 1 PCです。

画面比16:10の液晶になったことで、1度に表示できる情報量が少し増え、作業がしやすくなりました。また、Ryzen 5000Uシリーズの後発プロセッサーを搭載し、処理性能もアップしています。

変形自在で、アクティブペンも使用できるので、1台を様々な場所で、多目的に使いたい方に適しています。

ここでは、従来機種からの変化や、少し気になる部分なども紹介しています。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 5625U、8GBメモリ (8GB x1)、256GB PCIe SSD

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 14 2-in-1の特徴」のみお読みください。

 

Inspiron 14 2-in-1の特徴

マルチに使えるコンバーチブル型2 in 1 PC

Inspiron 14 2-in-1 (7425)は、コンバーチブル型の2 in 1 PCです。

下の画像のように、用途や場所に合わせて変形できるので、通常のノートPCよりも活用できる範囲が広いです。1台を最大限に活用したい方におすすめです。

変形できるので広く活用できる

 

従来機種から大きく変化

Inspiron 14 2-in-1 (7425)は、従来モデルのInspiron 14 2-in-1(7415)から、大きく変化した新モデルとなっています。

従来モデルのInspiron 14 2-in-1(7415)も現時点でまだ販売されているので、比較検討してみるといいと思います。

Inspiron 14 2-in-1で変化した主な部分は以下の通りです(以下、新モデルのInspiron 14 2-in-1 (7425)は、Inspiron 14 2-in-1と表記します)。

 

画面比16:10の液晶を搭載

Inspiron 14 2-in-1は、画面比16:10(1920x1200)の液晶を搭載しています。

画面比16:10の液晶を搭載

 

下の画像では、画面比16:9(1920x1080)の液晶を搭載した従来モデルとの比較を行っています。この画像からも分かるように、新モデルのInspiron 14 2-in-1では縦方向の表示面積が少し広がったため、ウェブブラウジング時に少し下まで表示できています。そのため、ウェブ閲覧や、Wordなど、縦スクロールするソフトでの作業が少ししやすくなります。また、Excelでも一度に表示できるセルの範囲が広がるので、作業効率が上がりそうです。

ただし、横幅は少し狭くなるため、文字の大きさはわずかですが小さくなります。

画面比16:10の液晶と、画面比16:9の液晶の比較

 

少し大きくなったボディ

画面比が変わったため、ボディサイズにも変化が生じています。新モデルでは、横幅は若干狭くなりましたが、奥行きが仕様値で約16mm長くなっています。また、質量も当サイトの実測値で、70g程重くなりました。作業がしやすい液晶になったことのトレードオフとして、サイズや質量の増加は少し増加しています。

従来モデルとのサイズ比較

 

処理性能がアップ

従来モデルのInspiron 14 2-in-1(7415)が、Zen 2アーキテクチャーのRyzen 5000Uシリーズを搭載しているのに対して、新モデルのInspiron 14 2-in-1では、同じRyzen 5000Uシリーズではあるものの、Zen 3アーキテクチャーを採用した、後発のプロセッサーを搭載しています。

今回チェックしているRyzen 5 5625Uを搭載した新モデルと、Ryzen 5 5500Uを搭載した従来モデルのプロセッサーのベンチマークスコアを比較すると、下のグラフのようになります。同じRyzen 5ですが、マルチコア、シングルコアともに性能がアップしており、新モデルでは重めの作業でもより快適に対応できそうです。

CINEBENCH R23 ~ マルチコア ~
Ryzen 5 5625U 7858 [Inspiron 14 2-in-1(7425)で計測]
Ryzen 5 5500U 6250 [Inspiron 14 2-in-1(7415)で計測]
CINEBENCH R23 ~ シングルコア ~
Ryzen 5 5625U 1401 [Inspiron 14 2-in-1(7425)で計測]
Ryzen 5 5500U 1185 [Inspiron 14 2-in-1(7415)で計測]

 

ボディデザインも変化

Inspiron 14 2-in-1では、ボディデザインにも変化が見られます。

例えば、下の画像のように、タッチパッドの上部がパームレスト部と一体になり、すっきりした見た目になりました。

タッチパッドのデザインも変化

 

また、従来モデルでは少し丸みのあるデザインでしたが、新モデルでは少し角ばったデザインになり、排気孔やヒンジの形状も変化しています。

排気口
ヒンジ

 

アクティブペンも使える

Inspiron 14 2-in-1では、アクティブペンを使用し、手書きメモや、スケッチなどを行うこともできます。

アクティブペンも使える

 

今回付属していたペンは、4,096段階の筆圧感度をサポートした「PN5122W」です。傾き検知にも対応しています。使い心地は普通でした。ジッター(波うち)があるので、プロ用途には物足りないと思いますが、ラフ画程度であれば問題なく使えます。なお、Wacom AES方式のペンなので、同方式に対応したペンであれば、他のペンも使えると思います。

「PN5122W」が付属

 

今回はアクティブペン付属モデルでしたが、選択するモデルによっては、ペンが別売の場合もあります。それでも、デルで「PN5122W」のみを購入しようとすると、8,690円となっていましたが、Inspiron 14 2-in-1のカスタマイズ画面で、アクティブペンを選択すると、+2,816円と安く購入できます。アクティブペンがあると、Inspiron 14 2-in-1の使い道が広がるので、ペンが付属していないモデルの場合は、同時に購入することをおすすめします。

モデルによっては「PN5122W」が別売の場合も

 

メモリの増設・換装が可能

Inspiron 14 2-in-1は、メモリスロットを2つ備えており、メモリの増設・換装が可能です。

ただ、1つ残念な点として、現在販売されている8GBメモリ搭載モデルは、下の画像のように8GBメモリの1枚挿しなので、シングルチャネルとなっています。シングルチャネルだと、メモリ速度が遅く、内蔵グラフィックスの性能も低くなります。そのため、8GBメモリ搭載モデルを選択する場合、ゲームや画像編集などもしたいのであれば、メモリを増設して8GB x2のデュアルチャネルにした方がいいです(メモリの増設・換装は自己責任となります)。

メモリスロットが2つ

 

長めのバッテリー駆動が可能

Inspiron 14 2-in-1は、14型ノートPCとしては大きめの容量となる、54Whバッテリーを搭載しています。

軽めの作業を行った時のバッテリー駆動時間を計測するベンチマーク、PCMark 10 Modern Officeでは、12時間52分と長めのバッテリー駆動が可能でした。

使い方や、作業の内容によっては、途中で充電しなくても、1日バッテリー駆動で使用できそうです。

54Whバッテリーを搭載

 

Inspiron 14 AMDとの比較

デルでは、一般的なラップトップ形状の14型ノートPC、Inspiron 14 AMD(5425)も販売されています。こちらの機種との比較を簡単に行います。

どちらも画面比16:10の液晶を搭載した14型サイズで、選択できるCPU、メモリ、ストレージは基本的に同じです。また、インターフェース構成や、バッテリー容量にも差はありません。

Inspiron 14 2-in-1は、コンバーチブル型2 in 1 PCで、ペンも使用できるので、使用できるシーンが多く、多目的に使うことができます。ただし、価格は10万円台~と少し高くなります。また、ディスプレイが光沢になるので、周囲の物が映り込みます。

一方、Inspiron 14 AMDは、一般的なノートPCです。変形はできませんが、6万円台~と、価格が安いです。同じ構成で価格を比較してみましたが、4万円以上安かったです。コスパ重視の方や、ペンを使用しない方、変形して使用することがなさそうな方、非光沢液晶のほうが好きな方は、Inspiron 14 AMDのほうがいいでしょう。

Inspiron 14 2-in-1とInspiron 14 AMDとの比較
  [本機器]
Inspiron 14 2-in-1
Inspiron 14 AMD
画像
液晶 14型
FHD+ タッチ 光沢
14型
FHD+ 非光沢
質量 約1.63kg~ 約1.54kg~
価格[税込] 10万円台~ 6万円台~
Inspiron 14 2-in-1とInspiron 14 AMDとの価格比較
  [本機器]
Inspiron 14 2-in-1
Inspiron 14 AMD
CPU Ryzen 5 5625U
メモリ 8GB (8GBx1)
ストレージ 256GB PCIe SSD
その他 指紋認証リーダー付き
ペン付属
指紋認証リーダー付き
価格[税込] 108,185円 65,435円
※2022年3月09日現在の価格

 

やや残念なポイント

やや残念な部分は、上で記載したように、8GBメモリのモデルは、シングルチャネルである点です。

また、本製品は、Inspironでは最高となる7000シリーズですが、ディスプレイの色域が狭かったです。色域広めの液晶であれば、色鮮やかな表示ができ、ライトな画像編集などにも使用しやすかったと思います。

さらに、HDMIケーブルで4Kテレビに出力すると、4K解像度で出力できるものの、リフレッシュレートが30Hzになってしまいます。気になる場合は、USB-Cポート経由で出力すれば、60Hzでの表示が可能です。

その他、仕様値で質量が約1.63kg~と、14型サイズのノートPCとしては質量が重めです。タブレット形状にもできますが、片手持ちで長時間使用するのは厳しいです。もう少し軽いと扱いやすかったと思います。

 

各用途の快適度

Inspiron 14 2-in-1 の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比が16:10なので、Webページが見やすいですし、WordなどのOfficeソフトも使いやすいです。
動画鑑賞 色域広めの液晶ではないので、色鮮やかさには欠けますが、YouTubeやAmazonプライムビデオなどの視聴は快適です。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、問題なくオンライン会議やオンライン授業の受講ができます。
RAW現像
画像編集
色域が狭いので、画像編集向きではありません。外部モニターに接続して使うなら、いいと思います。
動画編集 △~○ FHD動画のカット編集程度なら出来るでしょう。ただ、動画編集を頻繁にするなら、GeForceシリーズの外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。
ゲーム メモリが16GB(デュアルチャネル)のモデルであれば、軽いゲームならできます。ただし、ゲーム向けのPCじゃないので、ゲームメインの場合は、「ゲーミングPC」として販売されている機種がいいです。

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイには、画面比16:10の1920x1200ドットの縦方向に少し広い液晶を搭載しています。色域は狭いですが、視野角が広く、フリッカーもないので、比較的見やすいです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では239d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は60.0%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、レッドとグリーンの発色が強く出ています。肉眼でもこの2色がやや強いなと感じますが、色にそこまでこだわりの無い方であれば、気づかないかもしれません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いので、少し画面の角度が悪くても、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みがあります。ギラつきは感じませんでした。

画面への映り込み

輝度を変えても、PWM調光によるフリッカー(ちらつき)は検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 14 2-in-1のキーボードとタッチパッドのチェックです。

当サイトの計測では、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmでした。キー配置も普通で、主要なキーでサイズが小さいキーもありません。「enter」キーや、「半角/全角]といったよく使うキーが大きいのも嬉しいです。総合すると、普通の打ちやすさのキーボードです。

タッチパッドも普通の使い心地です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しており、薄暗い場所でもタイピングがしやすいです。


キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Inspiron 14 2-in-1のパフォーマンスのチェックします。

この製品では、下図のように、サーマルモードを変更することが出来ます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」で、各種ベンチマークを実行しました。なお、特に明記していないものは、「最適化」で実行しています。


サーマルモード

 

CPU

Inspiron 14 2-in-1のプロセッサーは、ノートブック向けのZen3 Ryzen シリーズとしては後発となる、Ryzen 7 5825U、またはRyzen 5 5625Uを搭載しています。

今回は、Ryzen 5 5625Uを搭載しており、シングルコアのスコアはほどほどですが、マルチコアではCore i7-11370Hを超える高いスコアでした。なお、「超高パフォーマンス」モードにしても、スコアの上昇はわずかだったので、通常は「最適化」モードで使用するといいと思います。

一般的な用途には、Ryzen 5 5625Uでも十分高めの処理性能で、快適に使用できるでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 5625U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HK 17767
Core i7-12700H 16389
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Ryzen 7 5800H 12604
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 5 5600H 9255
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Ryzen 7 5700U 8445
Ryzen 5 5625U 7858 [超高パフォーマンス]
7634 [最適化]
Core i7-11370H 7123
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 3 5300U 5492
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900HK 1918
Core i7-12700H 1823
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Ryzen 9 5900HX 1463
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1401 [超高パフォーマンス]
1393 [最適化]
Ryzen 5 5600U 1369
Ryzen 5 5600H 1354
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1264
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 5 5500U 1185
Ryzen 3 5300U 1123
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは、DDR4-3200を搭載しています。ただし、メモリ容量が8GBの場合、1枚挿しのシングルチャネルとなるため、メモリ速度は速くありません。2枚挿しのデュアルチャネルであれば、もっと速くなるはずです。なお、スロットメモリなので、メモリの増設・換装が可能です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
8GB(8GBx1)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
DDR4-3200
シングルチャネル
12.22GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

続いて、グラフィック性能を測る3DMark Night Raidのベンチマーク結果を下に掲載します。

メモリがシングルチャネルなので、スコアは低めでした。

なお、メモリを8GB x2のデュアルチャネルにすると、Inspiron 14 AMD (5425)で計測したのと同程度のスコアまでアップすると思います。ゲームをしたり、画像・動画編集をしたり場合は、メモリをデュアルチャネルにした方がいいです。

ちなみに、Ryzen 7 5825U搭載モデルは、16GBメモリ(8GB x2)を搭載しているので、グラフィックス性能も最初から高めだと思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 5 5625U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200 (8GB x2)
15826 [Inspiron 14 AMD (5425)で計測]
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
14905
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
※メモリ8GBx1
8278 [最適化]
8258 [超高パフォーマンス]
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen3 SSDを搭載しており、十分な速度が出ていました。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe-NVMe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
2547
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。カードをスロットに入れると半分くらい出っ張ります。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

Inspiron 14 2-in-1のUSB-Cポートの動作チェックです。

Power Delivery(給電)と、DisplayPort(映像出力)に対応しています。USB-Cアダプターによる給電では、出力が65W未満の場合「ワット数が不十分」という警告が表示されました。また、各ドックは、この警告が出るときと出ないときがありました。 

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
91W RAVPower GaN充電器
65W Lenovo GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速充電ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4Kで表示出来ていますが、リフレッシュレートが30Hzとなってしまいます。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

Inspiron 14 2-in-1の質量は「最小重量:1.63kg」とメーカーサイトに記載されています。当サイトで計測した質量は、仕様値よりも少し軽かったです。ただし、14型ノートPCとしては、やや重めの質量です。持ち出せなくはないですが、持ち出す頻度が高い場合は、もう少し軽い方が使いやすいと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.61kg
ACアダプター 330g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 14 2-in-1のバッテリー容量は54Whとなっています。普通のノートPCよりも、やや大きめのバッテリー容量です。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は、下の表の通りです。比較的長いバッテリー駆動時間だと思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) PCMark 10 Modern Office 12時間52分
(3) PCMark 8 Work
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

1時間あたりの充電容量は普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
48%(約25Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラは、メカニカル カメラ プライバシーシャッターが設けられています。なお、IRカメラは搭載していないので、顔認証には対応していません。

Webカメラ

 

カメラは、1080pとなっており、ノートパソコン用のWebカメラとしては解像度が高いです。広角ですが、露出がやや低い画像でした。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーについては、2W x2のスピーカーが底面の左右に搭載されています。音質は、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

「最適化」モードでは、CPU電力は27W前後を短時間キープしますが、その後、徐々に下がっていき20W前後で落ち着くような感じです。CPU温度も連動しており、最初は80℃台まで上がりますが、次第に下がり、70℃前後で落ち着いています。

「超高パフォーマンス」モードでは、CPU電力は最初29W前後で推移し、その後、22W前後まで徐々に下がっています。CPU温度も傾向は同じで、最初は80℃台で推移し、しばらくすると徐々に温度が下がっていき、70℃くらいまで下がっています。

どちらのモードでも、CPU温度は心配なく使用できる範囲に収まっています。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPU温度
CPU電力&CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

「最適化」モードでは、アイドル時はほぼ無音です。負荷のかかる状態では騒音値が上がりますが、他のPCと比較しても普通~やや低めの騒音値です。一方、「超高パフォーマンス」モードにすると、うるさく感じる騒音値になります。「超高パフォーマンス」モードにしても、パフォーマンスが大きくアップする訳ではないようなので、常時「最適化」モードで使用するといいと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3~4番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

いずれの場合も、パームレストの温度は低めなので、手のひらが熱く感じることなく使えると思います。底面もそこまで高温にはなっていませんが、膝の上に置いて作業をする時は、火傷に気を付けましょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

モバイル向けのプロセッサーなので、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Inspiron 14 2-in-1の外観のチェックです。

狭額縁べセルで、画面比16:10の液晶を搭載し、モダンなイメージです。ボディカラーはぺブル グリーンです。明るめのカラーで、仕事にも、プライベートにも使いやすいと思います。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。

 

液晶を開いてラップトップ形状にすると、リフトヒンジによりキーボードに傾斜が付き、タイピングがしやすくなります。

 

ヒンジは金属製ですが、設置する部分にゴムのようなものが貼られていて、テーブルなどを傷つけないようになっています。

 

指紋認証リーダー付きでは、電源ボタンに指紋センサーが統合されています。

 

インターフェイスは、USB3.2、USB-C(DisplayPort、電源供給に対応)x2、HDMI、SDカードスロットを搭載しています。

 

コンバーチブル型なので、下の画像のように様々な形状で使用することができます。

 

底面です。ゴム足があり、タブレット形状にした時でも、天板が吸気口を完全にふさいでしまうことはありません。

底面のねじは隠されておらず、また、右上と左上のねじは、緩めるとボトムカバーの爪の一部が外れるので、ボトムカバーは比較的外しやすいです。

 

ボトムカバーを取り外すとご覧のようになっています。ファン1つ、ヒートパイプ1本で冷却しています。Inspiron 14 5425は、ヒートパイプが2本だったので、それと比べると本製品の冷却性は劣ります。

 

メモリスロットは2つあります。8GBメモリ搭載モデルは、1つが空きスロットになっており、メモリを増設できます。

 

ストレージには、Type 2230 M.2 SSDが搭載されていました。スペーサーを外せば、Type 2280 M.2 SSDに換装することもできそうです。なお、空いているM.2スロットはないので、ストレージの増設はできません。

 

ACアダプターは65Wです。コンセント側のケーブルが太く、かさばります。持ち運びたい場合は、小型のPD充電器を用意した方がいいかもしれません。

 

まとめ

以上が、Inspiron 14 2-in-1のレビューです。

変形自在なコンバーチブル型の2 in 1 PCで、通常のノートPCよりも多くのシーンで使いやすいため、1台を幅広く使うことができます。アクティブペンを使って、手書きメモやスケッチもできます。

従来モデルから大きく変化した一番のポイントは、画面比16:10のFHD+液晶を搭載していることです。縦方向の表示面積が少し増え、ウェブ閲覧やOfficeソフトの使用などがしやすくなり、作業効率が上がりそうです。

また、Ryzen 5000Uシリーズとしては後発となるプロセッサーを搭載することで、処理性能もアップしています。

一方、14型としては質量がやや重めなこと、液晶の色域が狭いこと、Ryzen 5搭載モデルでは、メモリが8GBのシングルチャネル構成となっている点などは、やや残念な部分です。また、Inspiron 14 AMDと比べると、価格もやや高くなります。

用途や、予算に合わせて、従来機種のInspiron 14 2-in-1(7415)や、通常のノートPCのInspiron 14 AMD (5425)と比較して、検討するといいと思います。

 

画面比16:10の2 in 1 PC

Inspiron 14 2-in-1 (7425)

特徴

  • 画面比16:10(1920x1200)の液晶を搭載
  • 後発のRyzen 5000シリーズ搭載で、処理性能アップ
  • アクティブペンも使える(ペン付属のモデルもあり)

こんなあなたに

  • 通常のノートPCよりも多目的に使えるPCが欲しい方
  • Windows PCでペンを使いたい方
  • 価格10万円台[税込]~
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