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デル Inspiron 13 5000 (5301) の実機レビュー
CPU | Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3インチ |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 1.053kg~ |
バッテリー | 40Wh |
価格[税込] | 7万円台~ |
Inspiron 13 5000 (5301)は、6万円台(税別)で購入できる非常に安いモバイルノートPCです。
安いだけでなく、1.053kg~と軽く、第11世代CoreプロセッサーにSSDを搭載し処理性能も十分です。
さらに、液晶の色域も広めで、画像などを色鮮やかに表示できます。
十分な性能を持ったモバイルノートPCを安く購入したい方におすすめです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i3-1115G4、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 13 5000 (5301) の特徴」のみお読みください。
Inspiron 13 5000 (5301) の特徴
エントリー向けモバイルノート
Inspiron 13 5000 (5301)は、6万円台から購入できるエントリー向けのモバイルノートです。6万円台の最小構成モデルでもCore i3-1115G4、8GBメモリ、256GB SSDと十分使えるスペックです。Core i5-1135G7を搭載したモデルもあり、7万円前後(税別)とこちらも安いです(価格は時期によって変わります)。
約1.053kgと比較的軽い質量
価格の安いInspiron 13 5000 (5301)ですが、質量が重いわけでもなく、約1.053kgとむしろ比較的軽いです。外出先へも気軽に持ち運べることでしょう。
広めの色域
安価なノートPCは、液晶の色域(色の表現できる範囲)が狭いものが多いですが、本製品は、当サイトの計測で、96.9%のsRGBカバー率があり、比較的広い色域です。画像を表示したり、動画を視聴したりするときに画面が色鮮やかで見やすいです。ただし、フリッカーが発生していたのはやや残念です。
上位モデルとの比較
価格が安くて、十分なスペックで、軽くて、色域も広めの本製品ですが、上位機種のInspiron 13 7000 (7300)と比べてどのあたりが劣っているのかを確認してみます。
まず、Inspiron 13 7000 (7300)は、Inspiron 13 5000 (5301)よりもバッテリー容量が多いにも関わらず軽くなっています。さらに、CPU、メモリ、ストレージも、より高い構成を選べます。特に16GBメモリを選択できるので、画像編集ソフトなどが快適に動きます。
ただし、Inspiron 13 5000 (5301)のスペックでも十分である方は多いと思いますし、なにより安く買えるので、本製品でもいいと考える方も多いのではないかと思います。
Inspiron 13 5000 (5301) |
Inspiron 13 7000 (7300) |
|
画像 | ||
CPU | Core i3-1115G4 Core i5-1135G7 |
Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
メモリ | 8GB | 8GB / 16GB |
グラフィックス | CPU内蔵 | CPU内蔵 GeForce MX350 |
PCIe SSD | 256GB~512GB | 256GB~1TB |
sRGBカバー率 | 96.9% | 97.7% |
質量 | 1.053kg | 0.999kg |
バッテリー | 40Wh | 53Wh |
Thunderbolt 4 | 非対応 | 対応 |
価格[税別] | 61,584円~ | 83,984円~ |
レビュー記事 | ― | レビュー |
即納モデルもあり
Inspiron 13 5000 (5301)は、即納モデルがある点も魅力です。海外メーカーのパソコンは、2~3週間待たされることがざらにありますが、本製品は「決済完了後、翌営業日出荷」のモデルがいくつかあり、すぐに使うことができます。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分です。液晶も色鮮やかで見やすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 液晶は小さめですが、色鮮やかで見やすいです。スピーカー音も比較的良いです。 |
RAW現像 画像編集 |
△~○ |
液晶の色域が広めである点はいいですが、メモリが8GBまでしかなく、オンボードなので換装もできません。そのため書き出し等にやや時間がかかります。頻繁に行うなら16GBを搭載したモデルがおすすめです。 |
動画編集 | ○ | FHD動画の編集なら、凝ったことをしなければ、割と快適に出来ると思います。液晶の色域が広めなのも、動画編集に適しています。ただし、4K動画を編集する場合はややスペック不足に感じます。なお、CPUはCore i5にしましょう。 |
ゲーム | △ | 軽いゲームを、低いグラフィック設定にすれば、60fps以上のフレームレートが出るゲームもあります。ライトにならできるゲームもあります。ただし、個人的にはGeForce GTX 1650以上のグラフィックスを搭載した製品を推奨します。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 13 5000 (5301)のパネルは、「BOE089A/NV13FHM」でした。
視野角が広く、色域も広めで見やすい液晶です。ただし、フリッカーが発生していました。最大輝度は、当サイトの計測では296cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 13 5000 (5301)のキーボードは普通の打ち心地です。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmです。標準的な数値でしょう。ただし、backspaceキー、enterキーの下部などがやや小さいため、これらのキーはややタイプミスしやすかったです。
タッチパッドは比較的操作しやすいと思います。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Inspiron 13 5000 (5301)のパフォーマンスをチェックします。
Core i3-1115G4の詳細
まず、今回搭載されているCore i3-1115G4の設定内容を確認すると、ご覧のようになっています。
なお、本製品は、DELL独自のサーマル管理で熱設定を変更でき、PL1(Power Limit 1:継続可能な電力上限値)の値が下表のように変わってきます。デフォルトの「最適化」ではPL1が18Wですが、「超高パフォーマンス」にすると26Wとなります。
最適化(デフォルト) | 超高パフォーマンス | |
PL1 | 18W | 26W |
CPU
下には、「最適化」と「超高パフォーマンス」時のCINEBENCH R23のスコアを掲載します。今回、Core i3-1115G4のモデルなのでスコアはそれほど高くありません。ただし、Web閲覧やメールなど、負荷が低めの作業であれば十分使えます。
使用頻度が高い場合は、Core i5-1135G7のモデルがいいでしょう。1万円くらいの差額で購入できます。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移を確認します。
今回初めてCore i3-1115G4を使うので何とも言えませんが、CPU電力はPL1の設定に対してやや低めに推移しています。また、CPU電力およびCPUクロックが安定したあとのCPU温度がCore i3にしては高めです。
- CPU電力
- CPUクロック
- CPU温度
メモリ
メモリの仕様をUEFIから確認すると、LPDDR4x、3733MHzのデュアルチャネルとなっています。メーカー公式サイトの製品ページには「4267MHz」と書かれていますが、こちらのページを見ると「第11世代インテルCore i3-1115G4プロセッサーが搭載されているPCでは、3733MHzのメモリーのみがサポートされています。」とあるので、3733MHzなんだと思います。Core i5モデルは4267MHzのようです。
メモリの速度は次の通りです。3733MHzで動作しているため、4267MHzのメモリと比べると若干遅いです。
グラフィックス
グラフィックスについては、Ryzen 5 4500Uよりも高いスコアが出ています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
次に3Dmark Wild Life STress Testを実行したときのフレームレートの安定性を確認します。このテストでは、Wild Lifeのテストを20回ループし、ワーストスコアがベストスコアに対してどのくらい落ち込むかの比率「Frame rate stability」を算出しています。今回、この値は90.5%となっており、フレームレートの落ち込みがあります。
ストレージ
Inspiron 13 5000 (5301)のストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
Inspiron 13 5000 (5301)は、microSDカードスロットを搭載しています。挿入後のカードの出っ張りはほとんどありません。アクセス速度はやや遅いです。
その他のベンチマーク
Core i5-1135G7のベンチマークスコアや、Adobeのソフトの処理時間、ゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。別機種での計測結果となりますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェック結果です。
Thunderboltには対応していませんが、PowerDelivery、映像出力に対応しています。PowerDeliveryによる充電は27W以上が対応している旨が表示されていました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | × | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※3 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※4 低速充電であるとの警告が表示されるが充電は可能
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。YCbCr420での出力となっていました。
質量のチェック
Inspiron 13 5000 (5301)の質量のチェックです。
メーカーサイトには「最小重量:1.053kg」と記載されています。当サイトによる計測値は下表の通りです。
質量 | |
PC本体 | 1.117kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 272g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 13 5000 (5301)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は40Whとなっており、やや少なめの容量です。
バッテリー駆動時間はご覧の通りで、モバイルノートとしてはやや短めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | ― |
(2) PCMark 10 Modern Office | 8時間06分 |
(3) 動画再生時 | 5時間54分 |
(4) PCMark 8 Work | 2時間37分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。それほど速い充電速度ではないです。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。なお、以下では、サーマル管理を「最適化」にして計測しています。
静音性のチェック
Inspiron 13 5000 (5301)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時は動作音はほぼ聞こえません。高い負荷がかかったときは、他のノートPCと同じくらいの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
落ち着いてからの温度でも80℃台で推移しています。Core i3にしては高めの温度です。Core i5の場合はもっと高めの温度になるのではないかと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特にパームレストの温度変化は重要です。
キーボード部分はやや熱くなりますが、パームレスト部分はそれほど熱くならないので、不快感は少ないです。裏面は熱くなる部分があるので、膝の上に置いて作業をするときは気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けプロセッサーなので低めの消費電力です。
外観のチェック
Inspiron 13 5000 (5301)の外観のチェックです。
液晶周りはホワイト、キーボード面などはシルバーで、とても清潔感のあるカラーです。なお、薄いピンクのカラーのモデルも選択できます。
天板もシルバーです。モバイルノートは、べたべたと触ることが多いと思いますが、指紋などが目立たないので嬉しいです。
スピーカーは底面側にあります。音質は、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラは1280x720の解像度で、画質は普通です。顔認証には対応していません。また、カメラを物理的に隠すシャッターも搭載されていません。
ヒンジを開くと、天板の下側がテーブルに接地するような構造になっていますが、接地する部分はラバー状になっており、テーブルを傷つけることはありません。
高さは15.85 mmと薄いです。
インターフェースは下図のようになっています。種類は割と豊富です。
液晶が開く最大の角度です。
底面もシルバーとなっています。
底面カバーを外したときの画像です。もし底面カバーを外すときは、背面側のネジを外すと底面カバーが持ち上がるので、ここにオープナーなどを差し込んで開けるといいと思います。
メモリはオンボードなので交換することは出来ません。
M.2 SSDは交換できると思います。ただし、パーツの交換をする際は、自己責任でお願いします。
ACアダプターは普通のサイズです。容量は45Wです。電源ケーブルは太いです。
まとめ
以上が、Inspiron 13 5000 (5301)のレビューです。
Core i3モデルなら6万円台(税別)から買える非常に安いモバイルノートです。Core i5でも7万円前後(税別)です。
この安さでも、最小重量1.053kg(実測では1.117kg)と比較的軽く、液晶の色域も比較的広く、第11世代インテルCoreプロセッサーを搭載し処理性能も高いです。
ただし、上位機種と比べると、メモリが8GBまでしか選べない、バッテリー容量が少ないなどのデメリットもあります。この辺りを妥協できるなら、おすすめできる製品です。
1.053kgのモバイルノートが6万円台~
Inspiron 13 5000 (5301)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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