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デル New Inspiron 15 7000(7590)の実機レビュー
CPU | Core i5-9300H Core i7-9750H |
---|---|
GPU | GeForce GTX 1050 GeForce GTX 1650 |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD |
質量 | 約1.59kg~ |
バッテリー | 56Wh / 97Wh |
価格[税別] | 10万円台~ ※ |
※ クーポン適用後の価格
「1.59kg~」の持ち運べる高性能ノート
NEW Inspiron 15 7000(7590)は、普通のPCよりもワンランク上のCPUおよびグラフィックスを搭載し、PCゲームなどもできる構成でありながら、約1.59kg~と軽いノートPCです。
「外出先で画像編集や動画編集をしたい」、「外出先でPCゲームをしたい」、「家でも外でもサクサク仕事がしたい」といった方に適した製品でしょう。
液晶も、当サイトの計測ではsRGBカバー率が98.5%あり、様々な用途で使える色域です。
ただし、CPU温度が高く、サーマルスロットリングが発生し、CPU本来の7~9割の性能しか出ていませんでした。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-9750H、8GBメモリ、GeForce GTX 1650、512GB PCIe SSD
※ベンチマーク計測時はメモリを8GBから16GBへ増設しています
目次
お忙しい方は、「Inspiron 15 7000(7590)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 15 7000(7590)の特徴
ハイスペックPCとしては非常に軽い
Inspiron 15 7000(7590)には、HシリーズのCoreプロセッサーおよび外部グラフィックスを搭載したノートPCとしては非常に軽いです。メーカー仕様値では、最小構成時で約1.59kgとなっています。
なお、本製品は、56Whのバッテリーを搭載したモデルと、97Whのバッテリーを搭載したモデルがあり、約1.59kgとなるのは56Whのバッテリーを搭載したときです。97Whのモデルは、当サイトの計測値では1.781kgでした。この質量でもスペックの割には、かなり軽いです。
97Whモデルならバッテリー駆動時間が長い
97Whのバッテリーを搭載したモデルなら、バッテリー駆動時間も長いです。PC Mark 8 バッテリーライフテストで計測したところ、8時間22分の駆動時間でした。モバイル用ノートパソコンでも5時間前後なので、高性能CPU&外部グラフィックスを搭載しつつも、8時間を超える本製品のバッテリー駆動時間は、非常に長いと思います。
比較的見やすい液晶ディスプレイ
Inspiron 15 7000(7590)は、安いモデルであるため液晶の品質にはあまり期待していなかったのですが、良い意味で裏切られました。色域が当サイトの計測ではsRGBカバー率が98.5%ありました。Webコンテンツ用の画像編集用途なら、十分使える色域です。その他、視野角も良く、非光沢で作業しやすい液晶だと思います。
高い負荷をかけるとサーマルスロットリングが発生
Inspiron 15 7000(7590)のCore i7-9750H搭載モデルは、CPUに高い負荷をかけると、サーマルスロットリング(熱が高いとCPUクロックを下げる機能)が発生し、思ったほどのパフォーマンスが出ません。各種ベンチマークを実行しても、他のCore i7-9750H搭載PCの7~9割程度のスコアしか出ませんでした。
これは、高性能パーツを搭載している割にはPC本体が薄いのと、排気口が液晶とボディのすき間にあり、面積が狭く、熱の跳ね返りもあり、放熱性が悪いためではないかと思います。
メモリは8GBのみ → 16GBモデル登場
Inspiron 15 7000(7590)は、どのモデルも、メモリが8GBの1枚挿しとなっています。PCのスペックからRAW現像・画像編集用に適していると思いますが、8GBでは容量が不足します。
→ 追記:16GBメモリ搭載モデルが登場しました!
ただ、メモリスロットは2つあり、増設可能なので、自分で増設するのもいいでしょう。なお、搭載されていたメモリは 、下図のメモリです。
ライバル製品との比較
ライバル製品との比較です。
価格で選ぶなら、Legion Y7000がいいと思います。CPUやグラフィックスが同じでも価格がかなり安いです。
ただし、持ち運びを考慮するなら、Inspiron 15 7000(7590)が最適です。前述の通り、質量が軽く、97Whなら(質量は1.7kg台になりますが)他のPCの約2倍のバッテリー容量です。
[本製品] Inspiron 15 7000 |
Legion Y7000 | NEXTGEAR-NOTE i5350 |
|
CPU | Core i7-9750H | ||
グラフィックス | GTX 1650 | ||
メモリ | 8GB | ||
ストレージ | 512GB | 256GB | |
液晶 | FHD | FHD 144Hz | FHD |
質量 | 1.59kg~ | 約 2.3kg | 約 2.3kg |
バッテリー | 56Wh / 97Wh | 52.5Wh | 48.96Wh |
価格 | 127,483円 | 115,700円 | 139,800円 |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 液晶が見やすく、スピーカーの音質もまずまずで、動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | スペックが高く、液晶の色域も、sRGBカバー率が98.5%(当サイト計測)あるので、Web掲載用の画像編集に適しています。ただし、DTP用には色域が足りません。 |
動画編集 | ○ | 外部グラフィックスを搭載し、CPU性能も高く、動画編集も比較的快適です。ただし、4Kコンテンツやエフェクトや色補正をたくさんするようなユーザーにはややスペック不足です。 |
ゲーム | ○ | ある程度グラフィック品質設定を下げる必要はありますが、PCゲームもできます。 |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイの詳細なチェックです。
前述の通り、比較的見やすい液晶で、RAW現像や画像編集にも使えると思います。詳細は以下のタブをクリックしてください。最大輝度は305cd/m2とやや高めです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm×縦:約18mm、キーストロークは約1.3mmです。キーボードの打ちやすさは普通です。1つのフレームに、2つのキーが入っているところがあるのは、やや格好悪いです。また、「Backspace」キーが小さいのも気になります。
タッチパッドは普通の操作感です。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
第9世代Coreプロセッサー(Hシリーズ)を搭載しており高性能です。ただし、今回、Core i7-9750Hを搭載していますが、他の同等スペックの製品よりも、ベンチマークスコアが低めでした。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスは、エントリー向けの外部グラフィックス、GeForce GTX 1050またはGTX 1650となっています。
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
本製品のGeForce GTX 1650のスペックは次の通りです。
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しています。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
(TOSHIBA KBG40ZNS512G(TCL))
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
その他のベンチマークスコア
以下、その他のベンチマーク結果を掲載します。
- SPECviewperf 13
- SDカード
実際のソフトで計測した処理時間
普通のノートPCより速い現像時間ではありますが、同等スペックの他のPCよりは遅かったです。
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください。
比較的速いですが、GeForce GTX 1660Tiなどと比べると、速度はやや落ちます。
※ グラフィックスは全てノートPC用
こちらも同等スペックの他社PCより時間がかかっています。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 21分13秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分18秒 |
QSVでエンコード (※3) | 2分49秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
CPUクロックを確認すると、他のPCは3GHz前後で推移するのに対し、本製品は2.4Hz前後で推移しており、低めのCPUクロックです。
ゲームベンチマーク
ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。
重い部類のゲームだと、グラフィック設定を低めにする必要があります。中程度の重さのゲームなら高めのグラフィック設定でゲームができるでしょう。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 6180 / 61 fps |
標準品質 | 4814 / 48 fps | |
高品質 | 3488 / 34 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
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1920x1080 | 最低 | 76 fps |
中 | 48 fps | |
最高 | 39 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
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---|---|---|
1920x1080 | 標準(ノート) | 14249 / 105 fps |
高(ノート) | 11993 / 83 fps | |
最高品質 | 8671 / 58 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
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---|---|---|
1920x1080 | 最高品質 | 18142(すごく快適) |
質量のチェック
質量のチェックです。
前述の通り、56Whバッテリーのモデルなら、約1.59kg~となっており、高いスペックの割にはとても軽いです。97Whバッテリーモデルで計測した質量は次の通りです。これでも軽いほうです。
97Whモデル | |
PC本体 | 1.781kg |
ACアダプター | 566g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
97Whバッテリーモデルで計測したバッテリー駆動時間は次の通りです。非常に長い駆動時間です。
駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | 記載なし |
(2) 動画再生時 | 12時間25分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | 8時間22分 |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | ― |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時の動作音はほとんど聞こえません。それ以外の状態は普通の騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
CPU温度が高めです。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。90℃を超えていることが多く、高めの温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
高い負荷をかけるとキーボード部分がやや熱くなりますが、パームレスト部分はそんなに熱くありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
一般的なノートPCより高めの消費電力です。ただし、Optimus対応なので、アイドル時はやや低めの消費電力です。
外観のチェック
Inspiron 15 7000(7590)の外観のチェックです。
ボディにはマグネシウム合金を採用しており、シンプルな見た目ではありますが、高級感もあります。
天板です。
ポート類は次のようになっています。SDカードスロットがmicroSDのみ対応である点は残念です。光学ドライブはありません。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
スピーカーは底面にあり、音質は普通です。ノートPC基準で採点すると、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
底面カバーを開けたときの画像です。M.2 スロットは2つあります。ストレージは、後から増設もできると思います。
メモリは2スロットあり、増設・換装可能です。
M.2 SSDには、Type 2230のSSDが搭載されていました。
ACアダプターは薄型で、130Wです。
まとめ
以上が、New Inspiron 15 7000(7590)のレビューです。
HシリーズのCoreプロセッサーに外部グラフィックスを搭載しながら、約1.59kg~と非常に軽いノートPCです。
97Whバッテリーを搭載したモデルなら、バッテリー駆動時間も長いです。質量は1.7kg台と少し重くなりますが、それでもこのスペックの割には軽量です。
液晶も(当サイト計測で)sRGBカバー率:98.5%あるので、Web掲載用のRAW現像・画像編集や動画編集などにも最適です。
ただし、本体が薄く、排気口もそれほど大きくなく場所も悪いことから、サーマルスロットリングが発生し、思ったほどのCPU性能が出ません。それでもUシリーズのCoreプロセッサーよりはかなり速い処理時間です。ただ、このボディには、Core i7-9750Hより、発熱の低いCore i5-9300Hのほうが合っているかもしれません。
「1.59kg~」と持ち運べる高性能ノート
デル NEW Inspiron 15 7000(7590)
特徴
- Core(H) + GeForce GTXで、約1.59kg~と軽量
- 液晶はsRGBカバー率:98.5%(当サイト計測で)
- サーマルスロットリングが発生
こんなあなたに
- 画像編集・動画編集をしたい方
- たまにPCゲームもしたい方
- 価格10万円台[税別]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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