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デル New Dell G3 15(3590)の実機レビュー
CPU | Core i7-9750H Core i5-9300H |
---|---|
GPU | GTX 1660Ti Max-Q GTX 1650 GTX 1050 |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD PCIe SSD + HDD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 60Hz FHD 非光沢 144Hz |
質量 | 2.34kg ※当サイト計測 |
バッテリー | 51Wh |
価格[税別] | 8万円台~ |
New Dell G3 15(3590)は、エントリー向けのゲーミングノートです。
Core i5-9300H、GTX 1050の構成なら8万円台から購入することができます。
Core i7-9750H、GTX 1650の比較的人気のある構成でも、11万円台です。
天板や底面はホワイトのカラーになっており、清潔感があります。リビングなどで使う場合でも、違和感がありません。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-9750H、16GBメモリ、GeForce GTX 1650、256GB SSD+1TB HDD
目次
お忙しい方は、「Dell G3 15(3590)の特徴」のみお読みください。
New Dell G3 15(3590)の特徴
高いコストパフォーマンス
Dell G3 15(3590)は、非常にコストパフォーマンスの高い製品です。例えば、人気の高いGTX 1650 + Core i7-9750Hの構成で比較すると、他のPCより非常に安いことが分かります(下表参照)。
ただし、GTX 1650のグラフィックスでゲームをするのであれば、Core i5-9300HのCPUでもいいのかなと思いますが、本製品はGTX 1650にCore i5-9300Hを搭載したモデルがありません。上位モデルのDell G5 15には、Core i5-9300HにGTX 1650を搭載したモデルがあり、こちらであればさらに安く購入することが可能です。
デル Dell G3 15 |
デル Dell G5 15 |
Legion Y7000 |
GeForce GTX 1650 | ||
Core i7-9750H | ||
256GB SSD + 1TB HDD | ||
16GBメモリ | 8GBメモリ | 16GBメモリ |
110,483円 | 119,833円 | 128,570円 |
144Hz駆動液晶を選択可能
Dell G3 15(3590)の最上位のモデルは、144Hz駆動の高リフレッシュレート液晶を搭載しています。ただし、144Hz駆動液晶を搭載しているのは、GeForce GTX 1660Ti Max-Qを搭載したモデルのみとなるため、ご注意下さい。
ホワイトをベースとした清潔感のあるデザイン
Dell G3 15(3590)は、ホワイトをベースとした清潔感のあるゲーミングPCです。一見、ゲーミングPCには見えません。
Dell G5 15との違い
上位機種となるDell G5 15との違いを簡単に説明します。
Dell G5は、液晶の色域が広い点が優れています。また、ヒートパイプの数も多く、4方向から排気することで放熱性能も高いです。比較的高い性能のグラフィックスを搭載するなら、Dell G5 15がおすすめです。
Dell G3 15は価格は安いですが、色域が狭く放熱性も悪くなります。ローエンドグラフィックスを搭載し、お金をかけずにライトにゲームをしたい方に適していると思います。
デル Dell G3 15 |
デル Dell G5 15 |
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グラフィックス | 最大 GTX 1660Ti Max-Q | 最大 RTX 2060 |
液晶の色域 | sRGBカバー率:63.8% | sRGBカバー率:93.5% |
冷却性 | 悪い (ヒートパイプ2本) (2方向から排気) |
良い (ヒートパイプ4本) (4方向から排気) |
価格 | 非常に安い | 安い |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分です。快適に作業できるでしょう。 |
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動画鑑賞 | ○ | スペックは十分ですが、液晶の鮮やかさがやや物足りないのと、スピーカー音がシャカシャカとやや安っぽいです。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | CPU性能は十分ですが、液晶の色域が狭いので、あまりおすすめはしません。 |
動画編集 | ○ | 高性能CPUに、外部グラフィックを搭載しているので、編集作業はサクサクできると思います。ただし、液晶の色域が狭いので、色合いまで調節する方には適しません。 |
ゲーム | ○ | GTX 1650や1660Ti Max-Qなら、グラフィック品質を中程度にすれば、多くのゲームができると思います。 |
ゲームベンチマーク
ゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。今回は、GeForce GTX 1650で計測したスコアを掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。
GeForce GTX 1650の場合は、グラフィック品質を中間設定にすれば、60fps前後の平均フレームレートが出るゲームが多いです。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 6846 / 68 fps |
標準品質 | 5213 / 52 fps | |
高品質 | 3967 / 39 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
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1920x1080 | 最低 | 89 fps |
中 | 57 fps | |
最高 | 45 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
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---|---|---|
1920x1080 | 標準(ノート) | 15031 / 111 fps |
高(ノート) | 12993 / 89 fps | |
最高品質 | 9559 / 64 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
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1920x1080 | 低品質 | 70 fps |
高品質 | 59 fps | |
最高品質 | 55 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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1920x1080 | 最高品質 | 19059(すごく快適) |
他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
本製品は、60Hzの液晶と144Hzの液晶がありますが、今回は60Hzの液晶をチェックしています。
パネルの型番は「T1WD3 NV15N3D」です。普通の液晶です。高リフレッシュレートには対応しておらず、色域も狭く、ゲーミングノートとしてはそれほど高性能ではありません。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
表示遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約75msでした。計測毎にばらつきがあるので、3回計測した平均値を求めています。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、Dell G3 15の遅延は普通かなと思います。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、普通のノートPCは2フレーム前くらいまで残像が表示されているのに対し、本製品の液晶も2フレーム前の残像が表示されていました。残像感は普通です。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
Dell Gシリーズのキーボードは、ゲーミングノートにしては簡素な作りになっており、普通の打ち心地です。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.2mmです。キートップはほぼフラットです。キーストロークの浅さがやや気になりますが、慣れれば普通に打てるでしょう。
「Backspace」と「Enter」のキーが、一般的なノートPCよりもやや小さくなっています。
タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。クリックボタンはやや固め(押すときに力が必要)です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUには、HシリーズのCoreプロセッサーを搭載し、高い処理性能です。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスには、GTX 1050、GTX 1650、GTX 1660Ti Max-Qのエントリー向けグラフィックスを選択可能です。
PC本体の放熱性能などを考慮すると、本製品にはGeForce GTX 1050または1650が合っているのではないかと思います。
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
本製品のGeForce GTX 1650 のスペックは次の通りです。普通の仕様です。
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDやHDD搭載しています。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
(SK hynix HFM256GDGTNG)
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカード
SDカードスロットの速度は遅いです。
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
※ グラフィックスは全てノートPC用
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 17分36秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分15秒 |
QSVでエンコード (※3) | 3分00秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
Core i7-9750Hを搭載した他のPCよりもやや遅いです。
10分くらい経ったあたりで、サーマルスロットリングが発生し、CPUクロックが下がっています。この影響でエンコード時間が遅くなっています。10分以内で終わるような処理やベンチマークなら、それほど遅くはないでしょう。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトに質量は掲載されていません(2019年10月20日現在)が、メーカーに問い合わせたところ「2.34kg」とのことでした(記載漏れのようです)。当サイトの計測値は下表の通りです。
質量 | |
PC本体 | 2.433kg |
ACアダプター | 508g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は51Whです。当サイトの計測値は下表の通りで、やや短めの駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ― |
(2) 動画再生時 | 3時間52分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | 3時間05分 |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | ― |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
普通の動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
CPU温度が高めです。GPU温度もやや高めです。
エンコード時のCPU温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。最初は100℃近くまで温度が上がっています。10分くらい経つと、サーマルスロットリングが発生し、CPUクロックが下がり、CPU温度は80℃台まで下がります。高い温度であるため、エンコードなどの処理はあまりしないほうがいいと思います。
FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。ベンチマーク後半は、80℃台で推移しておりやや高めの温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード面は熱くなりますが、パームレスト部分はそんなに熱くはなりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
一般向けのノートPCと比較すると、高い消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
液晶ベゼルやパームレスト部分はブラックのカラーです。
天板はホワイトで、ブルーでDELLのロゴが入っています。
スピーカーは、最大音量は大きいですが、音質はそこまで良くもないです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると4~5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
液晶を閉じたときの画像です。排気口はやや小さいです。
液晶が開く最大の角度です。
左右のインターフェースです。主要なものは揃っています。
底面です。吸気口はそこまで大きく取られていません。もう少し大きくても良かったかなと思います。
底面カバーを開けたときの画像です。2つのファンでCPUとGPUを冷却しています。
メモリは2スロットで、換装もできそうです。
M.2 SSDの画像です。
2.5インチベイも搭載されています。
ACアダプターは薄型ですがやや大きいです。容量は130Wです。
まとめ
以上が、New Dell G3 15(3590)のレビューです。
エントリー向けのグラフィックスを搭載し、コスパの高いゲーミングPCです。
GeForce GTX 1050のモデルで構わなければ、8万円台から購入することが可能です。
ただし、エンコード時やゲーム時のCPU温度が高めなのが気になりました。あまり高いスペックの構成にはせず、低いスペックの構成で買うのがベストではないかと思います。高めの性能にするなら、4方向から排気し、ヒートパイプの数も多くなるDell G5 15のほうがおすすめです。価格もそこまで変わりません。
8万円台から買えるエントリー向けゲーミングノート
Dell G3 15(3590)
特徴
- 高いコストパフォーマンス
- エントリー向けグラフィックス搭載
こんなあなたに
- ライトにゲームをする方
- 低価格ゲーミングノートが欲しい方
- 価格8万円台[税別]~
- 一言このボディなら
GTX 1050がいいかな
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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