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Dell G3 15(3500)2020年モデルの実機レビュー
CPU | Core i7-10750H Core i5-10300H |
---|---|
GPU | GTX 1660Ti GTX 1650Ti GTX 1650 |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD PCIe SSD + HDD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 非光沢 60Hz FHD 非光沢 144Hz |
質量 | 2.34kg |
バッテリー | 51Wh / 68Wh |
価格[税込] | 8万円台~ |
New Dell G3 15(3500)は、8万円台から購入できるゲーミングノートです。
普通のノートPCでもこのくらいの値段はするのに、外部グラフィックスを搭載した高性能ノートPCが同じ値段で買えてしまいます。
ゲーム目的に使うのはもちろん、仕事をサクサク片づけたい方や、動画編集を始めてみたい方にもいいでしょう。
天板や底面はホワイトのカラーになっており、清潔感があります。リビングなどで使う場合でも、違和感がありません。
ただし、液晶の色域は狭いため、プロが動画編集や画像編集などをするには適していないでしょう。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-10300H、8GBメモリ、GeForce GTX 1650、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Dell G3 15(3500)の特徴」のみお読みください。
New Dell G3 15(3500)の特徴
他のPCと比べて低価格
Dell G3 15(3500)は、非常に安いゲーミングノートです。
Core i5-10300H、GeForce GTX 1650、8GBメモリ、512GB SSDと十分使えるスペックで、8万円台から購入可能です(時期にもよります)。
GeForce GTX 1650のグラフィックスでも、人気のフォートナイトなどを快適に動かす性能は十分あります。重くないゲームなら、高めのグラフィック設定でも60fps前後出ることでしょう。
GeForce GTX 1650を搭載したライバル機種と価格を比較してみても、本製品は安かったです。
デル Dell G3 15 |
レノボ Legion 550Pi |
ドスパラ GCR1650GF7 |
GeForce GTX 1650 | ||
Core i5-10300H | Core i7-9750H | |
512GB SSD | 500GB SSD | |
8GBメモリ | ||
87,984円 | 92,796円 | 99,980円 |
144Hz駆動液晶を選択することが可能
Dell G3 15(3500)の上位のモデルは、144Hz駆動の高リフレッシュレート液晶を搭載しています。ヌルヌルとした映像で、敵の動き出しも早く見つけることができるため、ゲームを有利に進めたいなら144Hz液晶がおすすめです。
ホワイトをベースとした清潔感のあるデザイン
Dell G3 15(3500)は、ホワイトをベースに、薄いブルーのアクセントを加えた清潔感のあるPCです。白だとホコリや指紋も目立ちにくいです。白で統一しているようなリングにも合うことでしょう。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによって快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
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動画鑑賞 | ○ | スペックは十分ですが、液晶の鮮やかさがやや物足りないのと、スピーカー音がシャカシャカとやや安っぽいです。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | CPUやグラフィックス性能は十分ですが、液晶の色域が狭いので画像編集などには適しません。外部モニターを繋げるならアリだと思いますが、それならデスクトップPCの購入も検討しましょう。 |
動画編集 | ○ | 高性能CPUおよび、GeForce GTXシリーズを搭載しているので割と快適に作業できると思います。ただし、液晶の色域が狭いので、色も調節するような方には適しません。 |
ゲーム | ○ | エントリークラスのGTX 1650から、ミドルクラスのGTX 1660Tiまで搭載できます。また144Hz液晶も選べます。ただし、本製品の放熱性を考えると、GTX 1650クラスのグラフィックスが適しているかなと思います。 |
ゲームベンチマーク
GeForce GTX 1650で計測したベンチマークスコアを掲載します。目安として、おおよそ60 fpsを超えていれば、快適に動作すると思って下さい。
フォートナイトのような軽いゲームなら、エントリークラスのGTX 1650でも60 fpsを超えてきます。FF14やPUBGもある程度の負荷のかかるゲームも、最高設定のグラフィック品質で60 fpsを超えていました。GTX 1650でも出来るゲームは多いと思います。ただし、FF15やボーダーランズ3のような重いゲームはグラフィック設定を低めにしないと60 fpsは出ませんでした。
144Hz駆動の液晶を搭載するなら、より高いフレームレートが出るGeForce GTX 1660Tiがおすすめです。
なお、他のGTX 1650搭載PCで計測したフレームレートよりも、本製品はやや低めでした。これは、詳細な値は後述しますが、GPUコア数やGPUクロック周波数が、やや低めであったためかと思います。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 6832 / 68 fps |
標準品質 | 5258 / 52 fps | |
高品質 | 3852 / 38 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3
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1920x1080 | 低 | 70 fps |
高 | 38 fps | |
バッドアス | 28 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
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1920x1080 | 標準(ノート) | 13371 / 108 fps |
高(ノート) | 11843 / 86 fps | |
最高品質 | 9572 / 65 fps |
中程度の重さのゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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1920x1080 | 非常に低い | 104 fps |
中 | 87 fps | |
ウルトラ | 64 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
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1920x1080 | 低設定 | 192 fps |
高設定 | 96 fps | |
最高設定 | 72 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends
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1920x1080 | 高設定 | 65 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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1920x1080 | 最高品質 | 16767(すごく快適) |
他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
本製品は、60Hzの液晶と144Hzの液晶がありますが、今回は60Hzの液晶をチェックしています。
パネルの型番は「T1WD3 NV15N3D」となっており従来モデルと変わっていません。高リフレッシュレートには対応しておらず、色域も狭いです。資料を作成したりする仕事で使う分には問題ない品質ですが、ゲーム用もしくは画像編集用としては高い品質の液晶ではありません。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
表示遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間をハイスピードカメラで撮影し計測しました。計測毎にばらつきがあるので、3回計測した平均値を求めています。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
一般的なノートPCは80ms前後が多かったですが、本製品は約73msでした。Dell G3 15の遅延は普通かなと思います。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、普通のノートPCは2フレーム前くらいまで残像が表示されているのに対し、本製品の液晶も2フレーム前の残像が表示されていました。残像感は普通です。ゲームで使うには動く物の視認性がやや悪いかもしれません。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
Dell Gシリーズのキーボードは、ゲーミングノートにしては簡素な作りになっています。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmです。キートップはほぼフラットです。底付きの衝撃は少ないです。1つの枠に複数のキーが入っている箇所があり、見た目が悪く、一部のキーは一般的なノートPCよりもやや小さくなっています。実際に打った感覚としては、ややキーストロークが浅く感じるのと、「Backspace」と「Enter」のキーが小さく感じました。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUには、HシリーズのCoreプロセッサーを搭載し、高い処理性能です。
~ CINEBENCH R20 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスには、GeForce GTX 1650、GTX 1650Ti、GTX 1660Tiのグラフィックスを選択することが可能です。
各グラフィックスの性能差は次のようになっています。ライトにゲームができればいいというのであればGeForce GTX 1650、144Hz液晶を選択し割と真剣にゲームをするなら、GeForce GTX 1660Tiがいいと思います。ただ、本製品の放熱性や製品の位置づけなどを考慮すると、GeForce GTX 1650が合っているんじゃないかなと思います。
~ 3DMark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
本製品のGeForce GTX 1650 のスペックは次の通りです。Shaders(コア数)が896とやや少なめです(通常は1024であることが多い)。また、GPUクロックやメモリクロックもやや低めになっています。
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDやHDD搭載しています。両方搭載してデュアルストレージにすることも可能です。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
SDカードスロットの速度は遅いです。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
Lightroomの書き出しは8GB以下だと極端に遅くなるため、ここでは32GBメモリへ換装してテストしました。UシリーズのCoreプロセッサー(Core i7-10510Uなど)と比べると高速です。
※[レビュー機で計測]と書かれたもの以外は、他のPCで計測した代表値です
※「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Core i5-10300H、GeForce GTX 1650の最下位モデルのスペックでも、書き出しは割と速いです。
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
※[レビュー機で計測]と書かれたもの以外は、他のPCで計測した代表値です
CPUのみで処理をするx265のエンコードは、Core i5-10300Hの割にはやや時間がかかっていたかなと思います。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 20分32秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分19秒 |
NVENCでエンコード (※3) | 1分10秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
CPUクロックを見ると、(熱の影響で)段階的にクロックダウンしているのが分かります。そのため、長時間かかるエンコードは、やや処理に時間がかかっていたんだと思います。エンコード時の温度についてはこちらをご覧ください。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「2.34kg」と記載されています。当サイトの計測値は下表の通りです。15インチのゲーミングノートとしては、普通の質量かなと思います。
質量 | |
PC本体 | 2.352kg |
ACアダプター | 499g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は51Wh~68Whです。当サイトの計測値は下表の通りで、やや短めの駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ― |
(2) 動画再生時 | 6時間37分 |
(3) PCMark 8 Work テスト | ― |
(4) PCMark 10 Battery (Gaming) | 1時間19分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
"普通~やや高め"の動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。ここでは、エンコード時のCPU温度とFF XIVベンチ(fps制限なし)実行時のGPU温度を掲載します。
エンコード時のCPU温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。最初は100℃近くまで温度が上がり、その後、段階的にCPUクロックがダウンするとともにCPU温度も段階的に下がっています。CPUクロックおよび温度が安定せず、長時間の処理には弱い印象です。
FF XIVベンチ(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細
下図は、FF XIVベンチマーク(fps制限なし)実行時のGPU温度の詳細です。70℃台で推移しており、問題ない温度かと思います。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード面は熱くなりますが、ゲーム時に、左手を置いているパームレスト部分はそれほど熱くはなりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
一般向けのノートPCと比較すると、高い消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
液晶ベゼルやパームレスト部分はブラックのカラーです。
天板および底面のカラーはホワイトで、ところどころにブルーのアクセントが入っています。
スピーカーは、最大音量は大きいですが、音質は普通です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
液晶を閉じたときの画像です。排気口はやや小さいです。
液晶が開く最大の角度です。
左右のインターフェースです。主要なものは揃っていますが、USB-Cはありません。
底面です。吸気口はそこまで大きく取られていません。もう少し大きくても良かったかなと思います。
底面カバーを開けたときの画像です。カバーの開けやすさは普通です。
2つのファンでCPUとGPUを冷却しています。
メモリスロットは2つあります。今回4GBx2を16GBx2へ換装してみましたが、問題なく認識されました。
搭載されたM.2 SSDは、長さが30mmですが、一般的な80mmのものへも換装できると思います。なお、シリコンパッドとヒートシンクも取り付けられていました。
2.5インチベイも搭載されており、ケーブルとカバーも付いていたので、自分で換装できると思います。
追記:ユーザーさんからの情報によると、GTX 1660Tiのモデルは、バッテリーが大きくなり、2.5インチベイはないそうです。その代わり、M.2スロットがあるようです。
ACアダプターは薄型ですがやや大きいです。容量は130Wです。
まとめ
以上が、New Dell G3 15(3500)のレビューです。
GeForce GTX 1650などを搭載できるエントリー向けのゲーミングノートです。
最低価格は8万円台とゲーミングノートとしてはかなり安いです。安くても、Core i5-10300H、GeForce GTX 1650、8GBメモリ、512GB SSDという十分なスペックです。
また、144Hz液晶やGeForce GTX 1660Tiを搭載したミドルスペックのモデルなどもあります。
ただし、エンコード時にCPU温度が高めで、徐々にクロックダウンしている点が気になりました。CPUに長時間負荷のかかる処理は苦手のようです。このような処理をする場合は、別の製品のほうがいいでしょう。
8万円台から買えるゲーミングノート
Dell G3 15(3500)
特徴
- 8万円台からと安い価格
- GTX 1650 ~ GT 1660Tiのグラフィックスを搭載
こんなあなたに
- 低予算で買えるゲーミングノートが欲しい方
- サクサク動く仕事用PCが欲しい方
- 価格8万円台[税込]~
関連動画
Dell G3 15の動画を作成しました。こちらも合わせてご覧ください。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
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