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デル XPS 13(9370)の実機レビュー
後継機種が発売されました
↓↓↓↓↓
CPU | 第8世代CPU |
---|---|
メモリ | 8 / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型ワイド |
液晶種類 | FHD 光沢 4K 光沢 タッチ |
質量 | 約1.21kg |
バッテリー | 19時間46分 (FHD) 11時間 (4K) |
LTE | 非対応 |
価格 | 約14万円~ |
13型PCでは世界最小、処理性能は最強
XPS 13は、元祖狭額ベゼル採用のモバイルPCです。
ベゼルが5.2mmから4mmへとさらに狭くなり、13型クラスのノートPCの中では世界最小サイズで、持ち運びに便利です。また、小さなボディにいっぱいまで広がる画面は実に美しいです。
新モデルでは、女性に合うアルペンホワイト&ローズゴールドのカラーも登場しました。パームレストはグラスファイバーを用いており、エレガントなデザインになっています。
また、詳しくは後述しますが、同じCPUを搭載した他のノートPCよりも処理が高速です。
一見すると、外観は、 従来のXPS 13と変わりないように見えますが、USBポートは全てUSB Type-Cになったり、Webカメラの位置が中央になったり、Enterキーが大きくなったりと細かな変更があります。また、第8世代インテルCoreプロセッサー搭載に合わせ、排熱機構も改善されています。
レビュー機は、1台が当サイトの購入品、1台がメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-8550U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD、4Kタッチ液晶
Core i5-8250U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD、FHD液晶
目次
お忙しい方は、「XPS 13の特徴」のみお読みください。
XPS 13の特徴
13型クラスのノートPCでは世界最小
XPS 13は、13型クラスのノートPC中で世界最小の製品です。
XPS 13と言えば、おそらく初めてモバイルPCに狭額ベゼル液晶を採用した機種です。現在では他のメーカーもそれを真似して、多くの機種が狭額ベゼルを採用していますが、XPS 13はその中でもサイズが最も小さい製品でした。
今回発売されたXPS 13(9370)は、ベゼルが5.2mmから4mmへとさらに薄くなり、13型ノートPCの中で世界最小の記録を更新しました。薄さも、最厚部15mmから11.6mmへと薄くなっています。
5.2mmから4mmへとより狭くなった液晶ベゼル
女性にもピッタリのアルペンホワイトのカラーが新登場
XPS 13では、新色のアルペンホワイトが追加されました。
デルと言えば、男性向けで黒っぽいPCというイメージを持たれていた方も多いかと思いますが、今回のニューモデルでは、女性にも合うアルペンホワイトがパームレストなどに採用されています。安いPCだと液晶ベゼルの色はブラックのままだったりするのですが、XPS 13は、ベゼルもホワイトで統一されています。
また天板と底面は、ローズゴールドのカラーになっており、ゴージャス感のあるカラーリングで、ホワイトとよく合っていると思います。
アルペンホワイト&ローズゴールドの新しいカラーを追加
新色のアルペンホワイトはグラスファイバー素材
従来のXPS 13のパームレストにはカーボンファイバーが採用されていましたが、XPS 13のアルペンホワイトに関しては、グラスファイバーを採用しています(ブラックの機種は引き続きカーボンファイバーを採用)。
ホワイトは汚れに弱い色ですが、汚れ防止加工とUVコーティングを施すことにより、汚れてもふき取るだけで落ち、時間経過による黄ばみも防ぎ、1,000日経っても綺麗なままであるそうです(もちろん使用状況にもよります)。
見た目は、カーボンファイバーと似ていますが、グラスファイバーのパームレストは、やや光沢感があり、肌触りが良く、やや凹凸があります。グラスファイバーを採用した製品も、カーボンファイバーを採用した製品と同じ質量で、同様の強度を保っています。
編み込みグラスファイバー
下図の右上のようなグラスファイバーをプレートにし、パンチングを行いパームレストの形に加工します。その裏側のキーボード部分には、"たわみ"が起こらないようにマグネシウム合金を、パームレスト部分にはプラスチックを張り合わせています。
パームレスト、キーボードフレームの製造工程
トップケース(天板)およびボトムケース(底面カバー)は、従来通り、CNCによるアルミ削り出しです。アルミのブロックから荒削りを行い、砂研磨をし、陽極酸化処理(アルマイト)を行っています。
トップケース、ボトムケースはアルミの削り出し
デュアルファンにし排熱機構も再設計
XPS 13は、発熱の高い第8世代インテルCoreプロセッサーの対策として、デュアルファンおよびデュアル排熱パイプを採用しました。さらに、GORE(ゴア)社のThermal Insulationを採用することで冷却性を上げています。これはNASAが火星探索機などで採用している熱絶縁体で、熱い宇宙空間において探索機を守る役目を担っています。この熱絶縁体(フィルム)で、排熱パイプの一部を覆うことで、高負荷時でもシステムを低い温度に保ちます。
実際に温度を計測しても、旧XPS 13と比較して、CPU温度は抑えられていました(温度の計測結果はこちら)。
HDRに対応した4K Ultra HD タッチ液晶を選択可能
XPS 13は、HDRに対応した4K Ultra HD (3840 x 2160)のタッチ液晶を選択できるようになりました。sRGBカバー率が100%となっており、実際に画面を見てもとても色鮮やかで、高精細で綺麗です。
4K液晶はsRGBカバー率100%で色鮮やか
また、NetflixのHDR映像にも対応しています。白飛びや、黒つぶれすることなく表示でき映像が綺麗です。HDR対応のテレビと比較すると、輝度、色域、液晶サイズなどどれも劣ってしまいますが、パソコンで手軽に観る映像としては、十分満足できる品質ではないかと思います。
NetflixのHDR映像にも対応
白飛びや黒つぶれすることなく表示
※カメラで撮影しているため、実際の映像とは異なります
ストリーミング動画をより楽しめるように
デルは、「DELL CINEMA」というコンセプトを提案。下図のように「CINEMA COLOR」、「CINEMA SOUND」、「CINEMA STREAM」という3つの要素により、ストリーミング動画を快適に楽しむことができます。
DELL CINEMA
この3つの要素の詳細を下表に記載します。簡単に言えば、綺麗な画面、良い音、安定した通信で、ストリーミング動画が見られますよということです。
CINEMA COLOR | 4K、HDRによる鮮明な色彩を再現。NetflixのHDRもサポート |
CINEMA SOUND | WavesMaxx Audio Proを採用した本格的なサウンドを提供 |
CINEMA STREAM | Killer Wirelessを採用し、動画再生時はその優先順位を高くし安定に通信 |
長いバッテリー駆動時間
XPS 13は、52Whのバッテリー容量を搭載し、他のモバイルPCよりもバッテリー駆動時間が長くなっています。FHD液晶なら19時間46分の駆動時間です。
4K液晶を搭載した場合、FHD液晶搭載時より、大きくバッテリー駆動時間が減ります。ただし、大容量バッテリーを搭載することで、4K液晶搭載時でも、他の一般的なFHD液晶ノートPCと同等の駆動時間がありました。
同じCPUを搭載した他社PCよりも、処理が速く終わる
XPS 13は、他のPCに比べてCPUのクロックが高めに推移し、処理が速く終わります。
例えば、4K動画のエンコード処理を実行すると、同じCore i7-8550Uを搭載していても、他のPCは2298MHz辺りで推移していたのに対し、XPS 13は2753MHz辺りで推移していました。エンコード時間も、XPS 13は他のPCの8割くらいの時間で完了します。
エンコード時のクロック周波数の比較(Core i7-8550Uの場合)
USBは全てUSB Type-Cへ、SDカードスロットはmicro SD
ポート類は、従来モデルはフルサイズのUSBもありましたが、XPS 13では、USBポートが全てUSB Type-Cになりました。いずれのポートも、Power Delivery、DisplayPort Alternate Modeに対応しています。また3つのうち、2つのポートについては、Thunderbolt 3にも対応しています。
また、SDカードスロットが、micro SDのみ対応となりました。フルサイズのSDカードスロットを接続できないため、カメラユーザーがPCに取り込む場合、別途SDカードリーダーなどを用意する必要があります。
XPS 13のインターフェース
Enterキーはやや大きくなった
従来のXPS 13の「Enter」キーは、通常のノートPCよりもやや小さかったのですが、XPS 13では改善され、Enterキーが大きくなりました。その代わり、「@」などのキーは、従来よりもやや小さくなりました。
XPS 13(9370) のキーボード
従来のXPS 13(9360) のキーボード
非光沢液晶は無くなった
従来のXPS 13は、非光沢のFHD液晶がありましたが、XPS 13では非光沢液晶のモデルは無くなり、全て光沢になりました。0.65%の低反射防止コーティングを採用しており、やや反射は抑えられていますが、実際に見た感覚では、光沢液晶に近く、反射防止の効果は少ないように感じました。
追記:上で"反射防止の効果は少ない”と記載しましたが、下図のように比べてみると、反射は割と抑えられているかなと思ってきました。
XPS 13と光沢液晶と非光沢液晶の比較(1)
XPS 13と光沢液晶と非光沢液晶の比較(2)
LTEモデルはやはり無し
従来機種に引き続きLTE対応のモデルはありません。
旧モデルとの比較
メーカーサイトを確認すると、旧モデルのXPS 13もまだ販売されており迷うと思います。なお、「13インチ」と書かれているほうが旧モデルで、右の「New 13インチ」と書かれているほうが、今回レビューしている新モデルです。
メーカーサイトのノートパソコン一覧のページより
新旧モデルのXPS 13の比較表を下に掲載します。上で説明した内容が書かれています。
非光沢液晶は旧XPS 13しか選択できないため、非光沢液晶がいいという方は、旧XPS 13を選ぶ必要があります。また、負荷のかかる処理はしないので、第7世代Coreプロセッサーで十分だという方は安い旧モデルもいいでしょう。
旧XPS 13(9360) | XPS 13(9370) | |
---|---|---|
カラー | ローズゴールド&ブラック プラチナシルバー&ブラック |
ローズゴールド&アルペンホワイト プラチナシルバー&ブラック |
CPU | 第8世代、第7世代Core | 第8世代Core |
ストレージ | SATA / PCIe SSD | PCIe SSD |
液晶 | FHD 非光沢 QHD+ 光沢 タッチ |
FHD 光沢 4K 光沢 タッチ |
質量 | 約1.2kg (非タッチ) 約1.29kg (タッチ) |
約1.21kg |
バッテリー | 18時間(FHD) ※第8世代Coreモデル |
19時間46分 (FHD) 11時間 (4K) |
Killer Wireless | 非対応 | 対応 |
主なインター フェース |
Thunderbolt 3 フルサイズUSB3.0 x2 SDカードスロット |
Thunderbolt 3 x2 USB3.1 Type-C microSDカードスロット |
キーボード | Enterキーがやや小さい | Enterキーが大きい |
排熱機構 | シングルファン | デュアルファン&ゴア社熱絶縁体 |
価格 | 8万円台~ | 14万円台~ |
レビュー | レビュー | - |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
ここでは2種類の液晶についてチェックした結果を掲載します。通常であれば、FHD液晶で十分だと思います。
4Kタッチ液晶
4Kタッチ液晶の特性を掲載します。
搭載されていた液晶の型番は「8XDHY LQ133D1」でした。
最大輝度は、HDRに対応しているだけあって、実測で408cd/m2もあり、非常に高輝度です。
視野角は良いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、やや寒色系ですが、ほぼ気になりません。見やすい画面です。
sRGBカバー率100%と記載されている通り、色域は広いです。HDR対応の光沢液晶であることもあり、とても鮮やかに見えます。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状は下図の通りです。ギラつきはありません。
画素の拡大図
光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。
以前、"反射防止コートの効果はあまり感じられない"と記載しましたが、上の特徴で追記したように、3つの液晶を並べて比較してみると、反射は割と低減されているかなと思い直しました。
画面への映り込み
フルHD液晶
フルHD液晶の特性を掲載します。
搭載されていた液晶の型番は「WT1R3 LQ133M1」でした。
フルHD液晶もHDRに対応しており、最大輝度は、実測で425cd/m2とたかったです(輝度に計測ミスがあったので修正しました)。
視野角も良いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、若干バラつきはあるものの、真っすぐな直線となっており、自然な発色になっていることが分かります。
色域も広めです。
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状は下図の通りです。ギラつきはありません。
画素の拡大図
映り込み具合は、4K液晶と同じです。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm×縦:約18mmです。キーストロークはメーカーサイトに1.3mmと記載されています。前述した通り、「@」などの一部のキー幅は狭くなりましたが、「Enter」キーの幅は広くなり、個人的には打ちやすくなりました。
他のノートPCと比較した場合、普通の打ちやすさだと思います。
キーボードにはバックライトも搭載しています。
バックライト付キーボード
クリック音はやや大きいですが、タッチパッドは比較的使いやすいと思います。
タッチパッド
パフォーマンスのチェック
XPS 13(9370)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
第8世代Coreプロセッサーを搭載し、CPU性能は比較的高いです。
CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージは、M.2 PCIe SSDを選択できます。
ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
XPS 13(9370)で計測したベンチマーク
以下、本製品で計測したベンチマークスコアです。なお、CPU脆弱性の影響を緩和する「KB4056892」のパッチは適用済みです。 適用に待ったがかかっているIntelマイクロコードのアップデートはしていません。
上でも記載しましたが、同じCPUを搭載した他のノートPCよりも、ベンチマークスコアが高いです。これは他のノートPCよりもクロック周波数が高い状態で遷移しているためです。その代わりCPU温度は高めです。
また、Core i7-8550UとCore i5-8250Uのベンチマークスコアは、ほとんど差がないため、Core i5-8250Uでも十分だと思います。
(CPU性能の評価)
Core i7-8550U
Core i5-8250U
(CPU性能の評価)
Core i7-8550U
Core i5-8250U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)
Core i7-8550U、インテル UHD グラフィックス 620
Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i7-8550U | Core i5-8250U | |
---|---|---|
x265でエンコード (※1) | 23分48秒 | 23分01秒 |
NVENCでエンコード (※2) | - | - |
QSVでエンコード (※3) | 2分58秒 | 3分00秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)
256GB PCIe M.2 SSD(東芝 KXG50ZNV256G)
256GB PCIe M.2 SSD(サムスン PM961)
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
micro SDカード挿入後の出っ張りは、少しありますが、ぶつかって折れる心配はありません。
micro SDカード挿入後の画像
速い速度です。
micro SDカードのベンチマーク(最大95MB/sのUHS-Ⅰのカードで測定)
micro SDカードのベンチマーク2(最大275MB/sのUHS-IIのカードで測定)
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、下表の他の充電器やドックで充電などができるかを試しました。Thunderbolt 3に対応しているポートは、全て問題なく動作しました。Thunderbolt 3に対応していないポートも、Power Delivery、Altモードによる映像出力は可能でした(ドックを経由せずに、USB Type-C - DPケーブルで直接ディスプレイに接続しても動作)。
充電できるか? | 外部ディスプレイ、 LANの拡張 |
|
---|---|---|
ThinkPad USB Type-C ドック | OK | OK |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | OK | OK ※1 |
AORUS GTX 1070 Gaming Box | OK | OK ※1 |
Helper 充電器(60W) | OK | ― |
ZHOULX 充電器(65W) | OK | ― |
今回、初めてThunderbolt 3で外部グラフィックスを拡張する「AORUS GTX 1070 Gaming Box」を接続してみましたが、問題なく動作しているようでした。ちなみに、GeForce GTX 1070が搭載されていますが、FF14紅蓮のベンチマークスコアはGTX 1050Tiくらいでした。【追記】グラフィック品質を"最高"まで上げて実行したら、GTX 1060と同等のスコアまで出ていました。
AORUS GTX 1070 Gaming Box
質量のチェック
XPS 13(9370)の質量のチェックです。
メーカーサイトには「1.21kg~」とあり、実測値もほぼその数値通りです。
質量の計測結果
ACアダプターは238gと、やや軽い質量です。
質量の計測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間をチェックします。
メーカー仕様表および、新製品発表会時にメディアに配られた資料には、FHD液晶で19時間46分、4K液晶で11時間となっています。バッテリー容量は、52Whとなっています。
当サイトによるバッテリー駆動時間は下の表の通りです。なお、XPS 13のバッテリー駆動時のデフォルトの電源モードは"推奨"ですが、他のPCのデフォルトは"高パフォーマンス"が多いため、ここでは他に合わせて"高パフォーマンス"にして計測しています。"推奨"の設定のままなら、1~2割ほど駆動時間が延びます。
まず、4K液晶搭載時についてですが、他のFHD液晶を搭載した一般的なモバイルPCと同じくらいの駆動時間です。
次に、FHD液晶搭載時についてですが、一般的なモバイルPCよりも駆動時間が長いです。
4K液晶 Core i7-8550U |
FHD液晶 Core i5-8250U |
|
---|---|---|
PCMark 8 Home テスト ※1 | 4時間08分 | 5時間41分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 5時間12分 | 8時間05分 |
動画再生時 ※3 | 6時間43分 | 10時間49分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
XPS 13(9370)の動作音(静音性)のチェック結果です。
低負荷時は低めの騒音値です。高負荷時は他のモバイルパソコンと比較して、普通の騒音値です。
騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
パーツの温度のチェック
XPS 13(9370)の温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Core i7-8550U搭載時は、エンコードのようにCPU使用率が100%になる負荷を加えると、高めのCPU温度になります。
Core i5-8250U搭載時のエンコード処理中の温度は、他の他のモバイルPCと同等程度です。
Core i7-8550U搭載時のエンコード中のCPU温度とクロックの推移は下図のようになっています。XPS 13は、他のノートPCと比較して、CPUクロックが高めで動作し、エンコード処理自体は非常に高速です。それに伴いCPU温度も他のノートPCより高めですが、排熱機構の改善もあり、なんとか80度台に抑えられています。
エンコード時のCPU温度とクロック(Core i7)
Core i5-8250U搭載時は下図のようになっています。CPUクロックは高めであるにも関わらず、温度は普通です。さらに、エンコード時間はCore i7-8550Uとほぼ同等であることから、筆者はCore i5-8250UのCPUのほうがおすすめです。
エンコード時のCPU温度とクロック(Core i5)
表面温度のチェック
表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
パームレスト部分は低めで、快適にタイピングできます。エンコードのような負荷の高い処理を実行すると、キーボードの左上の温度がやや高くなりますが、それほど気になりません。裏面は割と高い温度になるため、膝の上に置いて作業をするときは気を付けましょう。
表面温度の計測結果
測定環境:室内温度 約26℃
温度測定:SainSonic SS5380
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※選択したCPUやGPUが異なるとパーツの温度は変わってきます
※以前、サーモグラフィー画像を掲載していましたが、同じ温度でも色が一定にならないので止めました
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
4K液晶搭載時は、エンコード時はやや高めの消費電力です。ACアダプターは45Wしかないので、ACアダプターの負荷がやや気になります。
FHD液晶搭載時は、全体的に低めの消費電力です。
外観のチェック
最後に外観の画像を掲載します。
左がプラチナシルバー&ブラックのカラーで、 右がローズゴールド&アルペンホワイトのカラーです。
ローズゴールド&アルペンホワイト
まずは、ローズゴールド&アルペンホワイトのモデルの外観画像を掲載します。
従来のXPS 13は、Webカメラの位置が、液晶の左下にありましたが、XPS 13では液晶中央になりました。下の位置にあるため、カメラ越しの映像を観ると、顔を見上げるような構図になると思いますが、中央にあるだけまだ随分マシになったと思います。
天板です。
スピーカーは側面に配置されています。デルのパソコンは、PC内蔵マイクで環境ノイズを捕捉し、ノイズキャンセリング調整をリアルタイムで行うなどして「聞きやすい音」に調整されて音声が出力されています。実際に聞いても比較的良い音だと思います。ノートPC基準で点数をつけると、10点満点で6~7点の音質です(普通が5点で、筆者の独断の評価です)。
天板を閉じた画像です。ゴールドの天板と底面との間からホワイトのカラーがアクセントで見えており、素敵なデザインだと思います。
液晶は下図まで開きます。
インターフェースは、下図の通りです。USB Type-Cは3つありますが、そのうち2つがThunderbolt 3に対応しています。
底面です。
ACアダプターも、ボディに合わせてホワイトになっています。なお、ブラックのカラーの場合、ACアダプターもブラックになります。
プラチナシルバー&ブラック
プラチナシルバー&ブラックの外観画像をいくつか掲載します。
こちらはカーボンファイバーのパームレストになっています。男性なら、こちらのほうが無難な色かと思います。
天板です。
側面です。
底面です。
ACアダプターはブラックです。
内部画像
内部の画像です。カバーのツメが取りづらいですが、ヒンジあたりから取り始めれば、割と簡単に取れます。
CPUファンおよびヒートパイプは2つずつあります。メモリはオンボードであるため、換装はできません。
M.2 SDには、放熱シートが装着されています。M.2 SSDの換装はできそうです。
アクセサリー(オプション)
XPS 13で使えるアクセサリー類を紹介します。
1つ目と2つ目は、今回新しく発表された周辺機器です。1つ目は、「Dell Notebook Power Bank Plus-USB-C 65Wh PW7018LC」です。携帯可能なモバイルバッテリーとなっており、XPS 13を充電することが可能です。デルのノートパソコンだけでなく、他のノートパソコン、タブレットなども充電できる点が魅力です。また、USB-A経由でスマートフォンなども充電することが可能です。
2つ目は、「Dell USB-C モバイルアダプター DA300」です。ポートを拡張するアダプターで、ケーブルを本体に収納するこ
とも可能です。ポートは、DisplayPort、HDMI、VGA、フルサイズUSB3.1 Gen2、USB Type-C、LANを揃えています。
3つ目は、「Dellアダプター DA200」です。HDMI、VGA、LAN、USB3.0を拡張します。
4つ目は、XPS 13専用のPCケースの「スリーブ 13」です。
5つ目は、「DELL Thunderbolt Dock TB160-240W」です。PC本体を充電しながら、ポートを拡張できるドックです。詳細は以前レビューした「DELL Thunderbolt Dock TB160-240W」をご覧下さい。
まとめ
以上が、XPS 13(9370)のレビューです。
最近、狭額ベゼルを採用したノートPCが増えましたが、その中でも、特にベゼル幅が狭く、コンパクトなPCです。
パームレストにグラスファイバーを用いたアルペンホワイトのカラーも素敵で、女性にも合うデザインです。
また、同じCPUを搭載していても、他のノートPCよりもクロックが高く推移し、エンコードなどが短時間で終わります。エレガントな見た目だけでなく、処理性能の高さも魅力です。
排熱機構が改善され、従来モデルよりもCPU温度が下がっています。ただ、Core i5搭載時は普通のCPU温度でしたが、Core i7はやや高めでした。ベンチマークスコアはCore i5もCore i7もほとんど変わらないので、筆者はCore i5のほうがおすすめです。
また、液晶は4KとFHDから選べます。4K液晶は非常に綺麗ですが、13.3型の小さな画面であればFHDでも十分綺麗であることと、バッテリー駆動時間はFHD搭載時のほうが約1.5倍長いことから、(用途にもよりますが)筆者はFHD液晶をおすすめします。
主なインターフェースは、USB Type-C(Thunderbolt 3対応あり)とmicroSDカードスロットしかありません。時代の流れとは言え、かなり割り切ったポート構成です。
詳細・購入はこちら
公式サイトこちら