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ASUS ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Allyの同時レビュー - 持ち出せるハンドヘルドXbox

更新日:
25ROG-Xbox-Allyの写真

持ち出せるハンドヘルドXbox

ASUS ROG Xbox Ally Xおよび、 ROG Xbox Allyは、ASUSとXboxが共同開発した、最新ハンドヘルドゲーミングPCです。

出っ張ったグリップ部分はホールド感が良く、普段Xboxコントローラーを使用している方なら、馴染みやすいデザインです。

CPUには小型ゲームPC用プロセッサーのAMD Ryzen Z2シリーズを搭載し、ディスプレイにはゲームがしやすい7インチ、フルHD解像度、120Hzを採用。

2つのモデルから用途に応じて選ぶことができ、価格も比較的安いです。

高負荷なゲームを持ち運ぶならROG Xbox Ally X、ライトなゲームを持ち運ぶならROG Xbox Allyがおすすめです。

  ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
CPU Ryzen AI Z2 Extreme Ryzen Z2 A
GPU AMD Radeon Graphics(内蔵GPU)
メモリ 24GB LPDDR5X-8000 16GB LPDDR5-6400
ストレージ 1TB PCIe Gen4 SSD 512GB PCIe Gen4 SSD
画面サイズ 7インチ 16:9
画面種類 1920×1080 120Hz IPS 光沢
タッチ対応
質量 715g 670g
バッテリー 80Wh 60Wh
価格 139,800円 89,800円

販売サイト

メーカー直販サイト

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。

 

目次

お忙しい方は、「ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Allyの特徴」のみお読みください。

 

ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Allyの特徴

小型ゲームPC用のAMD Ryzen Z2シリーズ搭載

ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、小型ゲームPC用プロセッサー AMD Ryzen Z2シリーズを搭載しています。

上位モデルのROG Xbox Ally Xでは、AMD Ryzen Z2シリーズの中でも最上位となるRyzen AI Z2 Extremeを搭載。CPU・内蔵GPUの性能が高く、さらに最大 50 TOPSのNPUを備え、Copilot+ PCにも対応しているのが特徴です。

ROG Xbox Allyでは、エントリークラスとなるRyzen Z2 Aを搭載。CPU・内蔵GPUの性能は控えめですが、消費電力が低いのが特徴です。

ASUS ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Ally
今回搭載されているAMD Ryzen Z2シリーズ
  Ryzen AI Z2 Extreme Ryzen Z2 A
コア / スレッド 8 / 16 4 / 8
アーキテクチャ Zen 5
最大クロック 5.0 GHz 3.8 GHz
ベースクロック 2.0 GHz 2.8 GHz
L2 / L3キャッシュ 8 / 16 MB 2 / 4 MB
デフォルトTDP 28W 15W
cTDP 15-35W 6-20W
GPU Radeon Graphics
(Radeon 890M相当)
Radeon Graphics
アーキテクチャ RDNA 3.5 RDNA 2
グラフィックスコア 16 8
NPU 最大 50 TOPS

 

下のグラフの通り、従来モデルに搭載されていたRyzen Z1 Extremeと、ROG Xbox Ally Xに搭載されるRyzen AI Z2 Extreme比較すると、CPUのマルチコア性能については、ほとんど変わりませんが、シングルコア性能は約11%アップ、グラフィック性能では約14%アップしていました。

一方で、Ryzen Z2 Aについては、エントリークラスのCPUだけに、かなり性能は下がります。

従来モデルのASUS ROG Ally X(2024)
CINEBENCH 2024
CINEBENCH 2024 マルチコア
Ryzen AI Z2 Extreme 790
Ryzen Z1 Extreme 784
Ryzen Z2 Extreme 759
Core Ultra 7 258V 603
Ryzen Z2 A 271
CINEBENCH 2024 シングルコア
Core Ultra 7 258V 121
Ryzen AI Z2 Extreme 113
Ryzen Z2 Extreme 112
Ryzen Z1 Extreme 101
Ryzen Z2 A 62
3DMark Night Raid
Core Ultra 7 258V 48745
Ryzen AI Z2 Extreme 43755
Ryzen Z2 Extreme 42378
Ryzen Z1 Extreme 37595
Ryzen Z2 A 24104
ハンドヘルドゲーミングPCに搭載されるCPUで比較

 

ゲーム特化ディスプレイ

ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、ゲームがしやすい7インチ、フルHD解像度ディスプレイを搭載しています。120Hzの高リフレッシュレートにも対応し、高いフレームレートが出るゲームでは残像が少なく、滑らかな映像で優位にプレイが可能です。

色域は、当サイト調べでsRGBカバー率96%とやや広めで、グレアパネルと相まって、綺麗な映像でゲームをプレイできます。また、グレアパネルにしては他の製品と比べると映り込みが抑えられており、ゲームに集中しやすいディスプレイです。

7インチ、FHD、120Hz、タッチ対応、グレアの液晶ディスプレイ

 

Xboxコントローラーさながらのグリップと操作性

ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyのコントローラーは、ASUSとXboxが共同開発というだけあり、Xboxコントローラーさながらの操作性を有しています。

特に、これまでのハンドヘルドではなかった大きく出っ張ったグリップ部分が、程よいホールド感を生み、トリガーボタンの押し込みを安定化させています。

筆者は普段からXboxコントローラーでゲームをプレイしていますが、ホールド感が良く、ボタンやスティック、トリガーの感度もほぼ同じで、違和感なくプレイすることができました。Xboxコントローラーを使用している方なら、すぐに馴染める設計になっていると思います。

大きく出っ張ったグリップには滑り止めも施されている
常にトリガーボタンを押し込みながらの立ち回りを強いられるモンハンも安定してプレイできた
普段使用しているXboxコントローラーのようなホールド感

 

コントローラーとタッチ操作で完結する最適化されたUI

ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、コンソールゲーム機のように、コントローラーまたはタッチ操作で完結できるよう最適化されています。

本体起動後はWindows デスクトップを経由することなく、自動でXboxアプリが起動し、ここからゲームの起動やSteamなどの各プラットフォームへのアクセスが可能となっています。

XboxのGame PassやXbox Cloud Gamingを利用されている方にも便利です。

ディスプレイ右横の「ライブラリ」ボタンを押すことでもXboxアプリが開きますが、ゲーム中に間違って押してしまうと、Xboxアプリ画面に切り替わってしまいます。再度ライブラリボタンを押せばゲーム画面に戻ればよかったのですが、タスクビューから切り替える必要があったのでちょっと面倒です。

本体起動後、Xboxアプリからスムーズにゲームを起動できる
Xboxアプリを開くことができるライブラリボタン

 

ディスプレイ左横の「コマンドセンターボタン」を押すことで、ゲーム中でもシームレスに「Armoury Crate SE」を呼び出すことができ、ここから動作モードの変更や輝度調整、キーボードの呼び出し、FPS制限からシャットダウンまで、直感的な操作で行うことができます。コントローラー操作でページを移動し、「Xbox Game Bar」にアクセスも可能です。

ゲーム中でもシームレスにコマンドセンターを呼び出せる

 

ディスプレイ左横の「Xboxボタン」を押すと「Xbox Game Bar」を呼び出すことができ、ここからもゲームの起動や各プラットフォームへのアクセスが可能です。コントローラー操作でページを移動し、先ほどの「Armoury Crate SE」にアクセスも可能です。

Xbox Game Barを呼び出せるXboxボタン

 

さらにこのボタンを長押しすることで、専用に最適化されたWindowsのタスクビューを表示することができます。ここからコントローラー操作で起動しているアプリ(タスク)の切り替えを行うことができるので非常に便利です。

長押しすることでアプリ(タスク)の切り替えが可能

 

他社製品と比較

ASUS ROG Xbox Ally Xと、8月に発売されたMSI Claw A8 BZ2EMを比較してみました。

CPUは、ROG Xbox Ally XではRyzen AI Z2 Extreme、Claw A8 BZ2EMではRyzen Z2 Extremeを搭載しており、性能はほぼ同じですが、Ryzen AI Z2 Extremeでは最大50 TOPSのNPUを内蔵しているので、Copilot+ PCにも対応しています。

メモリとストレージ、バッテリー容量は同じですが、Claw A8 BZ2EMでは8インチ、1920×1200解像度とやや画面が大きく、USB4を2ポート備え、Wi-Fi 7に対応し、出っ張ったグリップがない分、サイズも小さいです。ただ、重量はClaw A8 BZ2EMの方が約50gほど重いです。また、どちらもグレアパネルを採用していますが、ROG Xbox Ally Xの方が映り込みは抑えられていると思います。

何より価格がROG Xbox Ally Xの方が2万円も安いのは大きな利点だと思います。

ASUS ROG Xbox Ally X
MSI Claw A8 BZ2EM
MSI Claw A8 BZ2EMとの比較
  ROG Xbox Ally X Claw A8 BZ2EM
CPU Ryzen AI Z2 Extreme Ryzen Z2 Extreme
GPU Radeon 890M
NPU 50 TOPS
メモリ 24GB LPDDR5X
ストレージ 1TB(M.2 NVMe SSD)
画面 7インチ、1920×1080
グレア、120Hz、タッチ対応
8インチ、1920×1200
グレア、120Hz、タッチ対応
インターフェース USB4 Type-C ×1
USB3.2 Type-C ×1
オーディオ端子 ×1
microSDカードリーダー
USB4 Type-C ×2
オーディオ端子 ×1
microSDカードリーダー
無線LAN Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.4 Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
バッテリー容量 80Wh
ACアダプター容量 65W
本体サイズ 290.0×121.0×27.5~50.9mm 299.5×126.2×24mm
本体質量 約715g 約763.5g
価格(税込) 139,800円 159,800円

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイは、7インチのFHD(1920×1080)、120Hzの高リフレッシュレートに対応しています。両モデルとも、同じパネルが使われていました。

詳しい特性は、下のタブをクリックしてご覧下さい。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき

当サイトの計測で、sRGBカバー率は96.4%とやや広めの色域です。最大輝度は、当サイトの計測では432cd/m2と高めだったので、屋外で使用する場合も、割と見やすいと思います。

  カバー率
sRGBカバー率 96.4%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、明部になるにつれて、やや青と緑色が強く発色していることが分かりますが、ほとんど気にならない程度だと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角も広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みはありますが、他のグレアパネルの製品と比較すると、ある程度抑えられていると思います。

画面への映り込み

 

残像

「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、120Hz時で、1フレーム前くらいまで残像がありました。

普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像だったので、本製品の残像は少ないと言えます。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

本製品は「ARMOURY CRATE SE」から、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「パフォーマンス」モードと、高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載しています。

デフォルトでは「パフォーマンス」モード
高いパフォーマンスが出る「Turbo」モード

 

なお、「手動」モードでは、SPL(Sustained Power Limit)、SPPT(Slow Package Power Tracking Limit)、FPPT(Fast Package Power Tracking Limit)を手動で調整することもできます。

Ryzen AI Z2 Extremeを搭載するROG Xbox Ally X
Ryzen Z2 Aを搭載するROG Xbox Ally

 

また、同じく「ARMOURY CRATE SE」からは、GPUに割り当てられるメモリ(VRAM)を変更することができます。24GBメモリを搭載するROG Xbox Ally Xでは最大16GB、16GBメモリを搭載するROG Xbox Allyでは最大8GBまでVRAMに割り当てることができます。ここでは、デフォルトの8GB、6GBで計測しています。

ROG Xbox Ally Xでは最大16GB
ROG Xbox Allyでは最大8GB

 

CPU

CPUには、上位モデルのROG Xbox Ally Xでは、Ryzen AI Z2 Extremeを搭載。ROG Xbox Allyでは、Ryzen Z2 Aを搭載しています。小型ゲームPC用のプロセッサーとしては、Ryzen AI Z2 Extremeは高い性能ですが、Ryzen Z2 Aは低めの性能です。

CINEBENCH 2024
Ryzen AI Z2 Extreme
Ryzen Z2 A
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core Ultra 9 275HX 2202
Ryzen 9 9955HX3D 2055
Core i9-14900HX 1748
Core Ultra 7 255HX 1662
Ryzen AI Max+ 395 1565
Core i7-14700HX 1357
Ryzen AI 9 HX 375 1305
Ryzen AI 9 HX 370 1226
Core i7-14650HX 1170
Ryzen 7 260 991
Ryzen AI 7 350 951
Ryzen 9 8945HS 919
Ryzen 7 8845HS 919
Core i7-13620H 918
Core i5-13450HX 886
Core 7 240H 858
Core Ultra 7 255H 834
Ryzen 7 250 831
Core Ultra 7 155H 825
Ryzen 7 8840HS 785
Ryzen AI Z2 Extreme 790 [Turbo]
487 [パフォーマンス]
Ryzen Z1 Extreme 784
Ryzen Z2 Extreme 759
Core Ultra 5 125H 669
Ryzen AI 5 340 608
Core Ultra 7 258V 603
Ryzen Z2 A 271 [Turbo]
230 [パフォーマンス]
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core Ultra 9 275HX 137
Core Ultra 7 255HX 130
Ryzen 9 9955HX3D 130
Core i9-14900HX 128
Core Ultra 7 255H 126
Core i7-14700HX 123
Core Ultra 7 258V 121
Ryzen AI 9 HX 375 120
Core i7-14650HX 117
Ryzen AI 7 350 116
Ryzen AI Max+ 395 116
Ryzen AI 9 HX 370 115
Ryzen AI Z2 Extreme 113 [Turbo]
111 [パフォーマンス]
Core 7 240H 112
Core i7-13620H 112
Ryzen Z2 Extreme 112
Ryzen AI 5 340 111
Ryzen 7 260 106
Ryzen 9 8945HS 106
Ryzen 7 250 104
Core Ultra 7 155H 103
Core i5-13450HX 101
Ryzen 7 8845HS 101
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen Z1 Extreme 101
Ryzen 7 8840HS 98
Ryzen Z2 A 62 [Turbo]
61 [パフォーマンス]
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

グラフィックス

内蔵グラフィックスのベンチマークスコアです。

3DMark Night Raidでは、Ryzen AI Z2 Extremeは高いスコアが出ています。前世代のRyzen Z1 Extremeと比較すると、約14%スコアがアップしています。ただ、Core Ultra 7 258Vよりは低いスコアです。

Ryzen Z2 Aは、Ryzen AI Z2 Extremeと比較すると半分近いスコアしか出ていません。Core i7-1360Pより若干高い程度のスコアです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
AMD Radeon Graphics(Ryzen AI Z2 Extreme)
AMD Radeon Graphics(Ryzen Z2 A)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
Ryzen AI Max+ 395
Radeon 8060S
95317
RTX 3050 Laptop 52196
Core Ultra 7 258V
Intel Arc 140V
48745
Ryzen AI Z2 Extreme
AMD Radeon Graphics
43755 [Turbo]
38895 [パフォーマンス]
Ryzen Z2 Extreme
AMD Radeon Graphics
42378
Core Ultra 7 255H
Intel Arc 140T
40194
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
39296
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
37595
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
35241
Ryzen AI 7 350
Radeon 860M
32726
Ryzen 5 8645HS
Radeon 760M
30145
Ryzen 7 7735HS
Radeon 680M
28475
Ryzen AI 5 340
Radeon 840M
24637
Ryzen Z2 A
AMD Radeon Graphics
24104 [Turbo]
22463 [パフォーマンス]
Core i7-1360P
Intel Xe
21897
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M
20053
Ryzen 5 7533HS
Radeon 660M
17693
Ryzen 7 7730U
Radeon Graphcis
17392
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphcis
16389
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

Night Raidより負荷が重い3DMark Steel Nomad Lightのスコアです。

こちらのベンチマークでは、Ryzen AI Z2 Extremeは、Core Ultra 7 258Vとほぼ同等のスコアが出ていました。
Ryzen Z2 Aは、Ryzen AI Z2 Extremeの約半分のスコアしか出ていません。

3DMark Steel Nomad Light
~ グラフィックス性能の評価 ~
AMD Radeon Graphics(Ryzen AI Z2 Extreme)
AMD Radeon Graphics(Ryzen Z2 A)
他のグラフィックスとの比較
RTX 4050 Laptop (140W) 65.03 FPS
RTX 3050 Laptop (95W) 42.51 FPS
Core Ultra 9 285H
Intel Arc 140T
26.86 FPS
Core Ultra 7 255H
Intel Arc 140T
26.86 FPS
Ryzen Z2 Extreme
AMD Radeon Graphics
25.74 FPS
Ryzen AI Z2 Extreme
AMD Radeon Graphics
25.16 FPS [Turbo]
24.10 FPS [パフォーマンス]
Ryzen AI 9 365
Radeon 880M
25.00 FPS
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
24.45 FPS
Core Ultra 7 258V
Intel Arc 140V
24.36 FPS
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
22.42 FPS
Ryzen 5 8645HS
Radeon 760M
19.56 FPS
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
18.64 FPS
Ryzen AI 7 350
Radeon 860M
17.60 FPS
Ryzen 5 8645HS
Radeon 760M
16.05 FPS
Snapdragon X Elite X1E-78-100 14.34 FPS
Ryzen 5 8640U
Radeon 760M
14.10 FPS
Ryzen Z2 A
AMD Radeon Graphics
12.34 FPS [Turbo]
12.06 FPS [パフォーマンス]
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、上位モデルのROG Xbox Ally Xでは1TBのPCIe Gen4 SSD、ROG Xbox Allyでは512GBのPCIe Gen4 SSDを搭載しています。ROG Xbox Ally Xのアクセス速度は十分ですが、ROG Xbox Allyのアクセス速度はPCIe Gen4 SSDにしてはやや遅いです。ROG Xbox Allyは、CPU性能も低いので、アプリやゲームの起動、シェーダーの読み込みが遅いのが気になりました。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
ROG Xbox Ally X
ROG Xbox Ally
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
5027 [ROG Xbox Ally X]
3275 [ROG Xbox Ally]
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

本体上部にmicroSDカードリーダーを搭載しています。アクセス速度はどちらも速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
ROG Xbox Ally X
ROG Xbox Ally

 

ゲームベンチマーク

ゲームベンチマーク機能で計測

ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。実際にプレイしている様子は動画の方をご覧ください。

Ryzen AI Z2 Extremeを搭載するROG Xbox Ally Xでは、激重とされるモンスターハンターワイルズも、最低設定、AMD FSR+フレーム生成を有効にすることで、1920x1080解像度でも平均60 fpsを超えています。解像度を落とすことで、さらにフレームレートを伸ばすこともできます。サイバーパンク2077のようなやや重めのゲームであれば、フレーム生成を活用することで快適にプレイが可能です。

Ryzen Z2 Aを搭載するROG Xbox Allyでは、重いゲームでは30 fps前後、軽いゲームでは60 fps以上でプレイが可能です。解像度を落とせば、もう少しフレームレートを伸ばすことができます。軽めのゲーム、リマスター作品や移植タイトル、2Dゲームなどを主にプレイするなら十分です。

非常に重い部類のゲーム
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 最低
75 fps 32 fps
1280x720 86 fps 38 fps
AMD FSR : ウルトラパフォーマンス、フレーム生成 : 有効
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 58 fps(92 fps) 31 fps(47 fps)
1280x720 84 fps(148 fps) 45 fps(68 fps)
AMD FSR 2.1 : 自動
括弧内はAMD フレーム生成有効時
アイコン
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 軽量品質 62 fps 36 fps
1280x720 97 fps 55 fps
中程度の重さのゲーム
ストリートファイター6 ベンチマーク(WORLD TOUR
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 Low 77 fps 46 fps
1280x720 89 fps 58 fps
アイコン
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 標準(ノート) 49 fps 38 fps
1280x720 74 fps 56 fps
アイコン
中程度の重さのゲーム
フォートナイト
パフォーマンス - 低グラフィック忠実度
解像度 その他設定 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 3D解像度:100%
描画距離:最高
メッシュ:低
138 fps 80 fps
1280x720 140 fps 90 fps
※バトルロワイヤル ソロで計測

パフォーマンス設定であれば、1920x1200解像度でも高いフレームレートで優位にプレイできるでしょう。

アイコン
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 低設定 97 fps 82 fps
1280x720 157 fps 98 fps
※トレーニングモードで計測
アイコン
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
解像度 品質 ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
1920x1080 非常に低い 91 fps 46 fps
1280x720 95 fps 58 fps

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトでは、ROG Xbox Ally Xは約715g、ROG Xbox Allyは約670gと記載されており、当サイトで計測した質量もほぼ同じでした。大容量バッテリーを搭載した7インチのハンドヘルドゲーミングPCとしては軽いです。

ACアダプターの質量も211gと軽く、小型なので持ち運びしやすいです。本体と合わせても1kgを切ります。また、ケーブルの長さはACアダプターを含めて2mくらいあるので、充電しながらゲームもやりやすいです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
PC本体 717g 670g
ACアダプター 211g
ROG Xbox Ally X
ROG Xbox Ally
ACアダプター

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、ROG Xbox Ally Xが80Wh、ROG Xbox Allyが60Whとなっています。どちらもポータブルゲーミングPCとしては、大きい容量のバッテリーを搭載しています。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。
動作モード「パフォーマンス」モードで、FF14ベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間は、ROG Xbox Ally Xが2時間44分、ROG Xbox Allyと2時間24分とそこまで長くありません。

バッテリー駆動時間
  ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
(1) JEITA3.0(アイドル時) 最大22.3時間 最大19.2時間
(2) JEITA3.0(動画再生時) 最大13.9時間 最大10.4時間
(3) FF14ベンチマーク(ループ再生) パフォーマンス 2時間44分 2時間24分
※画面輝度は約120cd/m2、RGBライティングオフ
(1)、(2) メーカー公表値
(3) FF14ベンチ(1920×1080、標準ノート)をループ実行、30fps制限、動作モードは「パフォーマンス」

 

ゲーム中のパーツの温度のチェック

ゲーム中(FF15ベンチマーク実行中)の各パーツの温度のチェック結果です。
もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

ROG Xbox Ally X

コマンドセンターのオペレーティングモードを確認してみると、「パフォーマンス」モードではTDP 17W、「Turbo」モードではTDP35Wで動作するようです。

デフォルトでは「パフォーマンス」モード

 

「パフォーマンス」モードでのCPU温度は、63℃と問題ない温度です。「Turbo」モードでのCPU温度は、82℃とやや高めですが、こちらも問題ない範囲です。

軽いゲームでは「パフォーマンス」モード、重いゲームでは「Turbo」モードに切り替えるのが製品の寿命的にもいいと思います。

  • パフォーマンス
  • Turbo
CPU電力&CPU温度
CPU電力&CPU温度

 

ROG Xbox Ally

コマンドセンターのオペレーティングモードを確認してみると、「パフォーマンス」モードではTDP 15W、「Turbo」モードではTDP20Wで動作するようです。

デフォルトでは「パフォーマンス」モード

 

「パフォーマンス」モードでのCPU温度は、68℃と問題ない温度です。「Turbo」モードでのCPU温度は、77℃とこちらも問題ない温度です。

常時「Turbo」モードで運用しても問題ないかと思います。

  • パフォーマンス
  • Turbo
CPU温度&GPU温度
CPU温度&GPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はファンが動作してなければ、ほぼ無音です。ゲーム中は「パフォーマンス」モードであればそれほど気にならない動作音ですが、「Turbo」モードだとそれなりにファンの動作音がします。ただ、ヘッドホンをするほどではないので問題ないでしょう。なお、ROG Xbox Allyの方が省電力な分、高負荷時の動作音はやや静かです。

騒音値
  ROG Xbox Ally X ROG Xbox Ally
アイドル時 約22dB 約22dB
FF15ベンチ時 (パフォーマンス) 約28dB 約27dB
FF15ベンチ時 (Turbo) 約40dB 約38dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
【PCの状態】
アイドル時:アイドル時
FF15ベンチ時:FF15 ベンチマーク実行(軽量品質、1920x1080、ウィンドウ)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

ROG Xbox Ally Xおよび、 ROG Xbox Allyは、全方位冷却のヒートパイプにホコリの侵入を防ぐダストフィルターを備え、静音性・耐久性を強化しています。エアフローは、背面から吸気し、上部から排気します。

ゲーム中、特に「Turbo」モードだと、どちらの機種も背面中央の吸気口辺りがやや熱くなってきますが、グリップを握った状態では指が触れることはないので、特に不快感はありません。

PC本体背面の表面温度
ROG Xbox Ally X
ROG Xbox Ally
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

外観のチェック

外観のチェックです。

上位モデルのROG Xbox Ally Xがブラック、ROG Xbox Allyがホワイトとなっています。
ホワイトの方が皮脂が目立たないので、どちらのモデルもカラーが選べたら良かったなと思います。

 

本体サイズはどちらのモデルも幅290.0mm×奥行き121.0mm×高さ27.5~50.9mmとなっています。グリップ部分が出っ張っているので、鞄から取り出す際は引っ掛かりやすいかもしれません。

 

背面のワンポイントであるスラッシュデザインは、光の反射で虹色に光ってカッコいいです。

 

インターフェースは上部に集中しています。
USB-Cポートにやや違いがあり、上位モデルのROG Xbox Ally XではUSB4、USB3.2が各1ポート。ROG Xbox AllyではUSB3.2が2ポートとなっています。どちらも映像出力、PowerDelivery対応です。そのほか、microSDカードリーダー、オーディオコンボジャックが備わっています。周辺機器を接続したい場合は、USB-Cハブを使用することで拡張もできます。

 

液晶画面の両サイドにスピーカーが内蔵されています。音楽を流せるくらいに最大音量は大きいです。ポータブルゲーミングPCに搭載されるスピーカーにしては、聞き取りやすい音質です。なお、最大音量にしても音割れはありませんでした。

 

スティック周辺がRGBライティングに対応しています。ABXYボタンは光りません。

 

ACアダプターの容量は65Wです。小型なので持ち運びがしやすいです。

 

ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、キックスタンドが内蔵されておらず、グリップ部分の出っ張りがあるので、通常のタブレットスタンドで本体を立てるのは難しいかもしれません。一応簡易的なスタンドは同梱されていますが、紙っぽい材質で耐久性には難ありです。別売りですが、専用のドックやスタンドにもなるケースもアクセサリとして販売されるようです。

 

まとめ

以上が、ASUS ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyのレビューです。

ASUSとXboxが共同開発したハンドヘルドゲーミングPCで、完成度は非常に高いです。

ROG Xbox Ally Xでは高性能なRyzen AI Z2 Extreme、ROG Xbox AllyではエントリークラスのRyzen Z2 Aを搭載し、2つのモデルから用途に応じて選ぶことができます。

ディスプレイは7インチ、FHD、120Hz、タッチ対応、色域もやや広めで、グレアパネルにしては映り込みも抑えられており、ゲームがしやすいディスプレイです。

Xboxコントローラーのような操作性とホールド感で、操作が複雑なゲームも安定してプレイが可能です。コントローラーまたはタッチ操作で完結するUIも非常に便利です。

特に、Xbox Game PassやXbox Cloud Gamingを利用されている方はかなり惹かれる製品ではないでしょうか。

価格も、ROG Xbox Ally Xが139,800円、ROG Xbox Allyが89,800円と比較的安いです。

高負荷なゲームを持ち運ぶならROG Xbox Ally X、ライトなゲームを持ち運ぶならROG Xbox Allyがおすすめです。

 

持ち出せるハンドヘルドXbox

ASUS ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Ally

特徴

  • AMD Ryzen Z2シリーズ搭載
  • 用途に応じて選べる2モデル
  • Xboxとの融合

こんなあなたに

  • PCゲームを持ち運びたい方
  • Xboxが好きな方
  • ROG Xbox Ally X139,800円
  • ROG Xbox Ally89,800円

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