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ASUS ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Allyの同時レビュー - 持ち出せるハンドヘルドXbox

持ち出せるハンドヘルドXbox
ASUS ROG Xbox Ally Xおよび、 ROG Xbox Allyは、ASUSとXboxが共同開発した、最新ハンドヘルドゲーミングPCです。
出っ張ったグリップ部分はホールド感が良く、普段Xboxコントローラーを使用している方なら、馴染みやすいデザインです。
CPUには小型ゲームPC用プロセッサーのAMD Ryzen Z2シリーズを搭載し、ディスプレイにはゲームがしやすい7インチ、フルHD解像度、120Hzを採用。
2つのモデルから用途に応じて選ぶことができ、価格も比較的安いです。
高負荷なゲームを持ち運ぶならROG Xbox Ally X、ライトなゲームを持ち運ぶならROG Xbox Allyがおすすめです。
ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally | |
CPU | Ryzen AI Z2 Extreme | Ryzen Z2 A |
GPU | AMD Radeon Graphics(内蔵GPU) | |
メモリ | 24GB LPDDR5X-8000 | 16GB LPDDR5-6400 |
ストレージ | 1TB PCIe Gen4 SSD | 512GB PCIe Gen4 SSD |
画面サイズ | 7インチ 16:9 | |
画面種類 | 1920×1080 120Hz IPS 光沢 タッチ対応 |
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質量 | 715g | 670g |
バッテリー | 80Wh | 60Wh |
価格 | 139,800円 | 89,800円 |
販売サイト
メーカー直販サイト
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
目次
お忙しい方は、「ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Allyの特徴」のみお読みください。
ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Allyの特徴
小型ゲームPC用のAMD Ryzen Z2シリーズ搭載
ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、小型ゲームPC用プロセッサー AMD Ryzen Z2シリーズを搭載しています。
上位モデルのROG Xbox Ally Xでは、AMD Ryzen Z2シリーズの中でも最上位となるRyzen AI Z2 Extremeを搭載。CPU・内蔵GPUの性能が高く、さらに最大 50 TOPSのNPUを備え、Copilot+ PCにも対応しているのが特徴です。
ROG Xbox Allyでは、エントリークラスとなるRyzen Z2 Aを搭載。CPU・内蔵GPUの性能は控えめですが、消費電力が低いのが特徴です。

Ryzen AI Z2 Extreme | Ryzen Z2 A | |
コア / スレッド | 8 / 16 | 4 / 8 |
アーキテクチャ | Zen 5 | |
最大クロック | 5.0 GHz | 3.8 GHz |
ベースクロック | 2.0 GHz | 2.8 GHz |
L2 / L3キャッシュ | 8 / 16 MB | 2 / 4 MB |
デフォルトTDP | 28W | 15W |
cTDP | 15-35W | 6-20W |
GPU | Radeon Graphics (Radeon 890M相当) |
Radeon Graphics |
アーキテクチャ | RDNA 3.5 | RDNA 2 |
グラフィックスコア | 16 | 8 |
NPU | 最大 50 TOPS | ー |
下のグラフの通り、従来モデルに搭載されていたRyzen Z1 Extremeと、ROG Xbox Ally Xに搭載されるRyzen AI Z2 Extreme比較すると、CPUのマルチコア性能については、ほとんど変わりませんが、シングルコア性能は約11%アップ、グラフィック性能では約14%アップしていました。
一方で、Ryzen Z2 Aについては、エントリークラスのCPUだけに、かなり性能は下がります。

ゲーム特化ディスプレイ
ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、ゲームがしやすい7インチ、フルHD解像度ディスプレイを搭載しています。120Hzの高リフレッシュレートにも対応し、高いフレームレートが出るゲームでは残像が少なく、滑らかな映像で優位にプレイが可能です。
色域は、当サイト調べでsRGBカバー率96%とやや広めで、グレアパネルと相まって、綺麗な映像でゲームをプレイできます。また、グレアパネルにしては他の製品と比べると映り込みが抑えられており、ゲームに集中しやすいディスプレイです。

Xboxコントローラーさながらのグリップと操作性
ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyのコントローラーは、ASUSとXboxが共同開発というだけあり、Xboxコントローラーさながらの操作性を有しています。
特に、これまでのハンドヘルドではなかった大きく出っ張ったグリップ部分が、程よいホールド感を生み、トリガーボタンの押し込みを安定化させています。
筆者は普段からXboxコントローラーでゲームをプレイしていますが、ホールド感が良く、ボタンやスティック、トリガーの感度もほぼ同じで、違和感なくプレイすることができました。Xboxコントローラーを使用している方なら、すぐに馴染める設計になっていると思います。



コントローラーとタッチ操作で完結する最適化されたUI
ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、コンソールゲーム機のように、コントローラーまたはタッチ操作で完結できるよう最適化されています。
本体起動後はWindows デスクトップを経由することなく、自動でXboxアプリが起動し、ここからゲームの起動やSteamなどの各プラットフォームへのアクセスが可能となっています。
XboxのGame PassやXbox Cloud Gamingを利用されている方にも便利です。
ディスプレイ右横の「ライブラリ」ボタンを押すことでもXboxアプリが開きますが、ゲーム中に間違って押してしまうと、Xboxアプリ画面に切り替わってしまいます。再度ライブラリボタンを押せばゲーム画面に戻ればよかったのですが、タスクビューから切り替える必要があったのでちょっと面倒です。


ディスプレイ左横の「コマンドセンターボタン」を押すことで、ゲーム中でもシームレスに「Armoury Crate SE」を呼び出すことができ、ここから動作モードの変更や輝度調整、キーボードの呼び出し、FPS制限からシャットダウンまで、直感的な操作で行うことができます。コントローラー操作でページを移動し、「Xbox Game Bar」にアクセスも可能です。

ディスプレイ左横の「Xboxボタン」を押すと「Xbox Game Bar」を呼び出すことができ、ここからもゲームの起動や各プラットフォームへのアクセスが可能です。コントローラー操作でページを移動し、先ほどの「Armoury Crate SE」にアクセスも可能です。

さらにこのボタンを長押しすることで、専用に最適化されたWindowsのタスクビューを表示することができます。ここからコントローラー操作で起動しているアプリ(タスク)の切り替えを行うことができるので非常に便利です。

他社製品と比較
ASUS ROG Xbox Ally Xと、8月に発売されたMSI Claw A8 BZ2EMを比較してみました。
CPUは、ROG Xbox Ally XではRyzen AI Z2 Extreme、Claw A8 BZ2EMではRyzen Z2 Extremeを搭載しており、性能はほぼ同じですが、Ryzen AI Z2 Extremeでは最大50 TOPSのNPUを内蔵しているので、Copilot+ PCにも対応しています。
メモリとストレージ、バッテリー容量は同じですが、Claw A8 BZ2EMでは8インチ、1920×1200解像度とやや画面が大きく、USB4を2ポート備え、Wi-Fi 7に対応し、出っ張ったグリップがない分、サイズも小さいです。ただ、重量はClaw A8 BZ2EMの方が約50gほど重いです。また、どちらもグレアパネルを採用していますが、ROG Xbox Ally Xの方が映り込みは抑えられていると思います。
何より価格がROG Xbox Ally Xの方が2万円も安いのは大きな利点だと思います。


ROG Xbox Ally X | Claw A8 BZ2EM | |
CPU | Ryzen AI Z2 Extreme | Ryzen Z2 Extreme |
GPU | Radeon 890M | |
NPU | 50 TOPS | ー |
メモリ | 24GB LPDDR5X | |
ストレージ | 1TB(M.2 NVMe SSD) | |
画面 | 7インチ、1920×1080 グレア、120Hz、タッチ対応 |
8インチ、1920×1200 グレア、120Hz、タッチ対応 |
インターフェース | USB4 Type-C ×1 USB3.2 Type-C ×1 オーディオ端子 ×1 microSDカードリーダー |
USB4 Type-C ×2 オーディオ端子 ×1 microSDカードリーダー |
無線LAN | Wi-Fi 6e、Bluetooth 5.4 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4 |
バッテリー容量 | 80Wh | |
ACアダプター容量 | 65W | |
本体サイズ | 290.0×121.0×27.5~50.9mm | 299.5×126.2×24mm |
本体質量 | 約715g | 約763.5g |
価格(税込) | 139,800円 | 159,800円 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、7インチのFHD(1920×1080)、120Hzの高リフレッシュレートに対応しています。両モデルとも、同じパネルが使われていました。
詳しい特性は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき
当サイトの計測で、sRGBカバー率は96.4%とやや広めの色域です。最大輝度は、当サイトの計測では432cd/m2と高めだったので、屋外で使用する場合も、割と見やすいと思います。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 96.4% |
---|

ガンマ補正曲線を確認すると、明部になるにつれて、やや青と緑色が強く発色していることが分かりますが、ほとんど気にならない程度だと思います。

視野角も広いです。

光沢液晶なので、画面への映り込みはありますが、他のグレアパネルの製品と比較すると、ある程度抑えられていると思います。

残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、120Hz時で、1フレーム前くらいまで残像がありました。
普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像だったので、本製品の残像は少ないと言えます。

パフォーマンスのチェック
動作モード
本製品は「ARMOURY CRATE SE」から、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「パフォーマンス」モードと、高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載しています。


なお、「手動」モードでは、SPL(Sustained Power Limit)、SPPT(Slow Package Power Tracking Limit)、FPPT(Fast Package Power Tracking Limit)を手動で調整することもできます。


また、同じく「ARMOURY CRATE SE」からは、GPUに割り当てられるメモリ(VRAM)を変更することができます。24GBメモリを搭載するROG Xbox Ally Xでは最大16GB、16GBメモリを搭載するROG Xbox Allyでは最大8GBまでVRAMに割り当てることができます。ここでは、デフォルトの8GB、6GBで計測しています。


CPU
CPUには、上位モデルのROG Xbox Ally Xでは、Ryzen AI Z2 Extremeを搭載。ROG Xbox Allyでは、Ryzen Z2 Aを搭載しています。小型ゲームPC用のプロセッサーとしては、Ryzen AI Z2 Extremeは高い性能ですが、Ryzen Z2 Aは低めの性能です。


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
内蔵グラフィックスのベンチマークスコアです。
3DMark Night Raidでは、Ryzen AI Z2 Extremeは高いスコアが出ています。前世代のRyzen Z1 Extremeと比較すると、約14%スコアがアップしています。ただ、Core Ultra 7 258Vよりは低いスコアです。
Ryzen Z2 Aは、Ryzen AI Z2 Extremeと比較すると半分近いスコアしか出ていません。Core i7-1360Pより若干高い程度のスコアです。
~ グラフィックス性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Night Raidより負荷が重い3DMark Steel Nomad Lightのスコアです。
こちらのベンチマークでは、Ryzen AI Z2 Extremeは、Core Ultra 7 258Vとほぼ同等のスコアが出ていました。
Ryzen Z2 Aは、Ryzen AI Z2 Extremeの約半分のスコアしか出ていません。
~ グラフィックス性能の評価 ~


ストレージ
ストレージには、上位モデルのROG Xbox Ally Xでは1TBのPCIe Gen4 SSD、ROG Xbox Allyでは512GBのPCIe Gen4 SSDを搭載しています。ROG Xbox Ally Xのアクセス速度は十分ですが、ROG Xbox Allyのアクセス速度はPCIe Gen4 SSDにしてはやや遅いです。ROG Xbox Allyは、CPU性能も低いので、アプリやゲームの起動、シェーダーの読み込みが遅いのが気になりました。
~ ストレージ性能の評価 ~


SDカードスロット
本体上部にmicroSDカードリーダーを搭載しています。アクセス速度はどちらも速いです。
~ SDカードスロット性能 ~



ゲームベンチマーク
ゲームベンチマーク機能で計測
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。実際にプレイしている様子は動画の方をご覧ください。
Ryzen AI Z2 Extremeを搭載するROG Xbox Ally Xでは、激重とされるモンスターハンターワイルズも、最低設定、AMD FSR+フレーム生成を有効にすることで、1920x1080解像度でも平均60 fpsを超えています。解像度を落とすことで、さらにフレームレートを伸ばすこともできます。サイバーパンク2077のようなやや重めのゲームであれば、フレーム生成を活用することで快適にプレイが可能です。
Ryzen Z2 Aを搭載するROG Xbox Allyでは、重いゲームでは30 fps前後、軽いゲームでは60 fps以上でプレイが可能です。解像度を落とせば、もう少しフレームレートを伸ばすことができます。軽めのゲーム、リマスター作品や移植タイトル、2Dゲームなどを主にプレイするなら十分です。
![]() 非常に重い部類のゲーム
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 最低 |
75 fps | 32 fps |
1280x720 | 86 fps | 38 fps |
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 低 | 58 fps(92 fps) | 31 fps(47 fps) |
1280x720 | 84 fps(148 fps) | 45 fps(68 fps) |
※括弧内はAMD フレーム生成有効時
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 軽量品質 | 62 fps | 36 fps |
1280x720 | 97 fps | 55 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ストリートファイター6 ベンチマーク(WORLD TOUR)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | Low | 77 fps | 46 fps |
1280x720 | 89 fps | 58 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 標準(ノート) | 49 fps | 38 fps |
1280x720 | 74 fps | 56 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
フォートナイト
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---|
解像度 | その他設定 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 3D解像度:100% 描画距離:最高 メッシュ:低 |
138 fps | 80 fps |
1280x720 | 140 fps | 90 fps |
パフォーマンス設定であれば、1920x1200解像度でも高いフレームレートで優位にプレイできるでしょう。
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 低設定 | 97 fps | 82 fps |
1280x720 | 157 fps | 98 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally |
1920x1080 | 非常に低い | 91 fps | 46 fps |
1280x720 | 95 fps | 58 fps |
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトでは、ROG Xbox Ally Xは約715g、ROG Xbox Allyは約670gと記載されており、当サイトで計測した質量もほぼ同じでした。大容量バッテリーを搭載した7インチのハンドヘルドゲーミングPCとしては軽いです。
ACアダプターの質量も211gと軽く、小型なので持ち運びしやすいです。本体と合わせても1kgを切ります。また、ケーブルの長さはACアダプターを含めて2mくらいあるので、充電しながらゲームもやりやすいです。
ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally | |
PC本体 | 717g | 670g |
ACアダプター | 211g |



バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は、ROG Xbox Ally Xが80Wh、ROG Xbox Allyが60Whとなっています。どちらもポータブルゲーミングPCとしては、大きい容量のバッテリーを搭載しています。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。
動作モード「パフォーマンス」モードで、FF14ベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間は、ROG Xbox Ally Xが2時間44分、ROG Xbox Allyと2時間24分とそこまで長くありません。
ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 最大22.3時間 | 最大19.2時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 最大13.9時間 | 最大10.4時間 |
(3) FF14ベンチマーク(ループ再生) パフォーマンス | 2時間44分 | 2時間24分 |
(1)、(2) メーカー公表値
(3) FF14ベンチ(1920×1080、標準ノート)をループ実行、30fps制限、動作モードは「パフォーマンス」
ゲーム中のパーツの温度のチェック
ゲーム中(FF15ベンチマーク実行中)の各パーツの温度のチェック結果です。
もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
ROG Xbox Ally X
コマンドセンターのオペレーティングモードを確認してみると、「パフォーマンス」モードではTDP 17W、「Turbo」モードではTDP35Wで動作するようです。

「パフォーマンス」モードでのCPU温度は、63℃と問題ない温度です。「Turbo」モードでのCPU温度は、82℃とやや高めですが、こちらも問題ない範囲です。
軽いゲームでは「パフォーマンス」モード、重いゲームでは「Turbo」モードに切り替えるのが製品の寿命的にもいいと思います。
- パフォーマンス
- Turbo


ROG Xbox Ally
コマンドセンターのオペレーティングモードを確認してみると、「パフォーマンス」モードではTDP 15W、「Turbo」モードではTDP20Wで動作するようです。

「パフォーマンス」モードでのCPU温度は、68℃と問題ない温度です。「Turbo」モードでのCPU温度は、77℃とこちらも問題ない温度です。
常時「Turbo」モードで運用しても問題ないかと思います。
- パフォーマンス
- Turbo


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はファンが動作してなければ、ほぼ無音です。ゲーム中は「パフォーマンス」モードであればそれほど気にならない動作音ですが、「Turbo」モードだとそれなりにファンの動作音がします。ただ、ヘッドホンをするほどではないので問題ないでしょう。なお、ROG Xbox Allyの方が省電力な分、高負荷時の動作音はやや静かです。
ROG Xbox Ally X | ROG Xbox Ally | |
アイドル時 | 約22dB | 約22dB |
---|---|---|
FF15ベンチ時 (パフォーマンス) | 約28dB | 約27dB |
FF15ベンチ時 (Turbo) | 約40dB | 約38dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
FF15ベンチ時:FF15 ベンチマーク実行(軽量品質、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
ROG Xbox Ally Xおよび、 ROG Xbox Allyは、全方位冷却のヒートパイプにホコリの侵入を防ぐダストフィルターを備え、静音性・耐久性を強化しています。エアフローは、背面から吸気し、上部から排気します。
ゲーム中、特に「Turbo」モードだと、どちらの機種も背面中央の吸気口辺りがやや熱くなってきますが、グリップを握った状態では指が触れることはないので、特に不快感はありません。


※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
外観のチェック
外観のチェックです。
上位モデルのROG Xbox Ally Xがブラック、ROG Xbox Allyがホワイトとなっています。
ホワイトの方が皮脂が目立たないので、どちらのモデルもカラーが選べたら良かったなと思います。


本体サイズはどちらのモデルも幅290.0mm×奥行き121.0mm×高さ27.5~50.9mmとなっています。グリップ部分が出っ張っているので、鞄から取り出す際は引っ掛かりやすいかもしれません。

背面のワンポイントであるスラッシュデザインは、光の反射で虹色に光ってカッコいいです。


インターフェースは上部に集中しています。
USB-Cポートにやや違いがあり、上位モデルのROG Xbox Ally XではUSB4、USB3.2が各1ポート。ROG Xbox AllyではUSB3.2が2ポートとなっています。どちらも映像出力、PowerDelivery対応です。そのほか、microSDカードリーダー、オーディオコンボジャックが備わっています。周辺機器を接続したい場合は、USB-Cハブを使用することで拡張もできます。

液晶画面の両サイドにスピーカーが内蔵されています。音楽を流せるくらいに最大音量は大きいです。ポータブルゲーミングPCに搭載されるスピーカーにしては、聞き取りやすい音質です。なお、最大音量にしても音割れはありませんでした。

スティック周辺がRGBライティングに対応しています。ABXYボタンは光りません。


ACアダプターの容量は65Wです。小型なので持ち運びがしやすいです。

ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyは、キックスタンドが内蔵されておらず、グリップ部分の出っ張りがあるので、通常のタブレットスタンドで本体を立てるのは難しいかもしれません。一応簡易的なスタンドは同梱されていますが、紙っぽい材質で耐久性には難ありです。別売りですが、専用のドックやスタンドにもなるケースもアクセサリとして販売されるようです。


まとめ
以上が、ASUS ROG Xbox Ally Xおよび、ROG Xbox Allyのレビューです。
ASUSとXboxが共同開発したハンドヘルドゲーミングPCで、完成度は非常に高いです。
ROG Xbox Ally Xでは高性能なRyzen AI Z2 Extreme、ROG Xbox AllyではエントリークラスのRyzen Z2 Aを搭載し、2つのモデルから用途に応じて選ぶことができます。
ディスプレイは7インチ、FHD、120Hz、タッチ対応、色域もやや広めで、グレアパネルにしては映り込みも抑えられており、ゲームがしやすいディスプレイです。
Xboxコントローラーのような操作性とホールド感で、操作が複雑なゲームも安定してプレイが可能です。コントローラーまたはタッチ操作で完結するUIも非常に便利です。
特に、Xbox Game PassやXbox Cloud Gamingを利用されている方はかなり惹かれる製品ではないでしょうか。
価格も、ROG Xbox Ally Xが139,800円、ROG Xbox Allyが89,800円と比較的安いです。
高負荷なゲームを持ち運ぶならROG Xbox Ally X、ライトなゲームを持ち運ぶならROG Xbox Allyがおすすめです。
持ち出せるハンドヘルドXbox
ASUS ROG Xbox Ally X / ROG Xbox Ally

特徴
- AMD Ryzen Z2シリーズ搭載
- 用途に応じて選べる2モデル
- Xboxとの融合
こんなあなたに
- PCゲームを持ち運びたい方
- Xboxが好きな方
- ROG Xbox Ally X139,800円
- ROG Xbox Ally89,800円
販売サイト
メーカー直販サイト

三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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