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ASUS ROG Ally X(2024)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen Z1 Extreme
GPU 内蔵GPU
メモリ 24GB LPDDR5X-7500
ストレージ 1TB PCIe NVMe
液晶サイズ 7インチ 16:9
液晶種類 FHD 120Hz 光沢 タッチ
無線LAN Wi-Fi 6E
質量 678g
バッテリー アイドル時 最大22.4時間
(80Wh)
価格[税込] 13万円台~
進化したポータブルゲーミングPC

ASUS ROG Ally Xは、ユーザーのフィードバックをもとに、前モデルのROG Allyから大幅にアップグレードされたポータブルゲーミングPCです。

Ryzen Z1 ExtremeのCPUはそのままに、メインメモリは24GB、ストレージ容量は1TB、バッテリー容量は2倍の80Whと、前モデルから大幅に強化されているのが特徴です。

そのほかにも、コントローラーやエアフロー、インターフェースなども見直され、より快適に手元でPCゲームを楽しめるようになりました。

その分、本体の厚みと重量が増えていますが、実際に持ってゲームをしてみると、気にならない程度です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen Z1 Extreme、24GBメモリ、1TB SSD

 

目次

お忙しい方は、「ROG Ally Xの特徴」のみお読みください。

 

ROG Ally Xの特徴

ユーザーフィードバックから生まれた改良版

ROG Ally Xは、ユーザーのフィードバックをもとに、前モデル「ROG Ally」を改良したアップグレードモデルです。

スペックを確認すると、Ryzen Z1 ExtremeのCPUとディスプレイはそのままに、メモリは24GBに増強され、クロックも6400MHzから7500MHzに高速化。

ストレージ容量も512GBから1TBへと増え、バッテリー容量に至っては2倍にもなっています。

その分本体質量は608gから678gへ増え、本体の厚みもやや増していますが、実際に持ってみると、重さや分厚さはほとんど気になりません。むしろ、これほどのアップグレードで、たった70g増えた程度で納まったのがすごいです。

前モデルからアップグレードされた「ROG Ally X」
前モデルとのスペック比較
  ROG Ally X ROG Ally
CPU Ryzen Z1 Extreme
メモリ 24GB LPDDR5X-7500 16GB LPDDR5-6400
ディスプレイ 7インチ、フルHD(1920×1080)
グレアパネル、120Hz、タッチパネル
GPU AMD Radeon グラフィックス
ストレージ 1TB(M.2 NVMe) 512GB(M.2 NVMe)
無線LAN Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.4 Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.1
バッテリー容量 80Wh 40Wh
本体サイズ 幅280.6mm
奥行き111.3mm
高さ24.7~36.9mm
幅280.0mm
奥行き111.3mm
高さ21.2~32.4mm
本体質量 678g 608g
※赤文字は変更点

 

VRAM容量の割り当てを調整できる

ROG Ally Xは24GB LPDDR5X-7500の大容量高速メモリを搭載しています。なお、標準では24GBのうち、システムメモリ(DRAM)に16GB、ビデオメモリ(VRAM )に8GBが割り当てられています。

このVRAM容量の割り当ては、「ARMOURY CRATE SE」のパフォーマンス設定で、1GBから最大8GBの間で調整が可能です。プレイするゲームによって調整するといいでしょう。

「ARMOURY CRATE SE」からVRAM容量の割り当てを調整できる
GPU-Zを確認するとVRAM容量が変更されているのがわかる

 

80Whの大容量バッテリー搭載

ROG Ally Xのバッテリー容量は、前モデルの2倍の80Whです。

FF14のベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間はちょうど3時間でした。割と長い時間ゲームをすることができます。

バッテリー駆動だと、ゲームパフォーマンスは多少下がりますが、軽めのゲームなら大丈夫でしょう。ベッドに入って、就寝前のオトモとしても優秀です。

FF14などの軽めのゲームなら長時間プレイできる
バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
 (1) FF14ベンチマーク(ループ再生) 3時間00分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) FF14ベンチ(1920×1200、標準ノート)をループ実行

 

2ポートのUSB-Cで周辺機器が接続しやすい

ROG Ally Xでは、USB4が新たに追加されました。

これにより、電源に接続しながらキーボード&マウスを接続したり、外部ディスプレイに出力したりしやすくなりました。

なお、前モデルではあった、外付けGPU「ROG XG Mobile」接続専用インターフェースは廃止されています。外部GPUをつなげると、持ちながら操作しにくくなり、本製品の利点が損なわれるので、無くなってもそれほど困ることはないでしょう。

本体上部にUSB4とUSB3.2
電源に接続しながら周辺機器が接続しやすくなった

 

ゲームがしやすい高品質ディスプレイ

ディスプレイに関しては前モデルから変更はありませんが、液晶サイズは7インチ、16:9のフルHD解像度、120Hzの高リフレッシュレート、タッチ操作対応と、手に持ってゲームがプレイしやすいディスプレイを採用しています。

色域も、当サイト調べでsRGBカバー率は96.2%と広めで、ゲームをするのに十分な色域です。

グレアパネルなので多少映り込みはあるものの、色の表現が自然なので、綺麗な映像でゲームをプレイできます。最大輝度に至っては、ポータブルゲーミングPCの中ではトップクラスです。

また、7インチクラスなら、1280×720のHDまで解像度を落としても、画質の粗さがそれほど目立ちません。

従来モデルのNintendo Switchと比較

 

コントローラーとタッチ操作で完結する優れたUI

ROG Ally Xは、マウスとキーボードを接続してデスクトップモードとして使用することも可能ですが、基本的にはコントローラーまたはタッチ操作で完結できるようになっています。

液晶左横にあるボタンを押すことで、「コマンドセンター」を呼び出すことができ、ここから動作モードやコントロールモードの変更、画面の明るさやシステムのシャットダウンも行うことができます。ゲーム中でもシームレスに呼び出すことができるので、とても便利です。

液晶右横にあるボタンからは、管理ツールである「ARMOURY CRATE SE」を呼び出すことができ、ここからゲームを起動したり、パフォーマンス設定などを行うことができます。

さらに、背面に配置されたマクロボタンと十字キーまたはABXYボタンを同時に押すことで、キーボードを表示したり、タスクマネージャーの起動、スクリーンショットや録画なども行うことができます。

シームレスにコマンドセンターを呼び出せる
管理ツール「ARMOURY CRATE SE」を呼び出せる
背面のマクロボタンと組み合わせることで様々なショートカット機能も

 

操作性を追求したコントローラー

筆者は前モデルに触れたことがないので詳しい比較はできませんが、ROG Ally Xはコントローラーの操作性も向上しています。

ポータブルゲーミングPCでは、これまで「Lenovo Legion Go」や「MSI Claw A1M」に触れてきましたが、グリップ感、トリガーボタンやジョイスティックの操作性は、どの製品も優れていて、あまり違いはありません。

しかし、コントローラーの操作性に関しては、ROG Ally Xが優れていると個人的には思います。ROG Ally Xは、ボタンのレイアウトが良く、左スティックから十字キー、右スティックからABXYボタンへの移行が非常にやりやすいです。

また、ABXYボタンが大きく、ジョイスティックから離れているため、X+AやY+Bといった、同時押し操作も非常にやりやすく感じました。

特に「ストリートファイター6」などの格闘ゲームでは素早い入力が求められますが、ジョイスティックによるコマンド入力から十字キーでのステップ操作への移行、X+Aによる投げ、Y+Bによるラッシュ行動なども自然に行うことができました。アクションゲームなどの激しい操作にも対応でき、コントローラーの操作性においてはトップクラスだと思います。

ABXYボタンが大きく非常に押しやすい
X+A、Y+Bといったボタン同時押しもやりやすい

 

ゲームごとにプロファイルを設定できる

ROG Ally Xでは、「ARMOURY CRATE SE」からキーマッピングやスティックとトリガーの感度、振動の強度、ジャイロ動作、AMD RSRのオンオフといった、細かい調整をゲームごとにカスタマイズすることが可能です。

アクションや音ゲーでは感度を強く、RPGやアドベンチャーゲームでは感度を弱くしたりなど、自分好みに調整してプロファイルとして登録できるので、様々なゲームに対応することができます。

キーマッピング
スティックの感度調整
トリガーボタンの感度調整

 

RGBライティング機能も搭載

ROG Ally Xでは、左右のスティック周辺がRGBライティングに対応しています。ライティングの設定も「ARMOURY CRATE SE」から行うことができます。単色、ブレスやレインボーなどの点灯パターンに対応し、ゲーム中の気分を盛り上げてくれます。

「ARMOURY CRATE SE」からRGBライティングの設定が可能
左右のスティック周辺が光る

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイの詳細なチェックです。

画面解像度FHD(1920×1080ドット)、120Hzのハイリフレッシュレートに対応しています。画面比も16:9なのでゲームがしやすいです。

色域もそこそこ広く、ゲームをするなら十分な色域です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき

当サイトの計測で、sRGBカバー率は96.2%と広めの色域です。最大輝度は、当サイトの計測では537cd/m2とかなり高いです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ1:1の直線になっているので、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みはあります。

画面への映り込み

 

残像

「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に120フレームを更新する120Hzの液晶で1フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像なので、一般的なノートPCの液晶よりも残像が少ないことになります。動きの速いゲームでも、残像を気にせずにプレイできるでしょう。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

パフォーマンスのチェックです。

本製品では、動作モードを変更することができます。動作モードを変更するには、「コマンドセンター」または、「ARMOURY CRATE SE」のソフトから変更します。

ここでは、「パフォーマンス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載します。

なお、メモリは標準の、システムメモリ(DRAM)16GB、ビデオメモリ(VRAM )8GBで計測しています。

動作モード

 

CPU

ROG Ally Xでは、前モデルと同様、AMD Ryzen Z1Extremeを搭載しています。「パフォーマンス」モードでもマルチコア、シングルコアともにスコアが高いですが、「Turbo」モードに切り替えることで、パフォーマンスがさらに向上します。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen Z1 Extreme
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i7-14700HX 21893
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i7-13650HX 17562
Ryzen 7 8845HS 16892
Core i5-13450HX 15857
Core i5-13500H 15302
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen Z1 Extreme 14039 [Turbo]
10173 [パフォーマンス]
Ryzen 7 8840HS 13668
Ryzen 7 8840U 12575
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core Ultra 5 125U 9553
Ryzen 5 8540U 9378
Core 5 120U 9317
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i7-14700HX 2113
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1879
Core i7-13650HX 1879
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Ryzen Z1 Extreme 1774 [Turbo]
1690 [パフォーマンス]
Ryzen 7 7840HS 1764
Ryzen 7 8840U 1763
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core i5-13450HX 1717
Core Ultra 5 125H 1712
Ryzen 5 8540U 1701
Ryzen 7 8840HS 1686
Ryzen 7 8845HS 1608
Core Ultra 5 125U 1581
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Ryzen Z1 Extreme
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Core i7-14700HX 1313
Ryzen 9 8945HS 919
Ryzen 7 8845HS 919
Ryzen 7 8845HS 913
Core i5-13450HX 886
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Ryzen 7 8840HS 785
Ryzen Z1 Extreme 784 [Turbo]
565 [パフォーマンス]
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Ryzen 7 8840U 618
Core i5-1340P 599
Ryzen 7 7730U 575
Core Ultra 5 125U 572
Core 5 120U 558
Ryzen 5 8540U 500
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 126
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core 5 120U 110
Core i5-1335U 109
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Ryzen 7 8840U 104
Core Ultra 7 155H 103
Ryzen 7 8845HS 103
Core i5-13450HX 101
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen Z1 Extreme 101 [Turbo]
98 [パフォーマンス]
Ryzen 5 8540U 100
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 99
Core i5-1340P 99
Ryzen 7 8840HS 98
Core Ultra 5 125U 94
Ryzen 5 7530U 84

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリにはLPDDR5X-7500を搭載しています。帯域幅は広いです。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5600
デュアルチャネル
66.34GB/s
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR5X-7500 58.35GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。GeForce GTX 1650よりは低いものの、「Turbo」モードでは、GeForce MX550の外部グラフィックスやCore Ultra 7 155Hの内蔵グラフィックスよりも高いスコアが出ています。

特に、ポータブルゲーミングPCの中ではトップクラスのグラフィックス性能です。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen Z1 Extreme
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
37595 [Turbo]
29348 [パフォーマンス]
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
30123
Ryzen 7 7735U 28714
Core i7-1360P 21897
Core 5 120U 18333
Core i7-1355U 18235
Core i5-1340P 17774
Ryzen 7 7730U 17524
Core i5-1335U 16835
Ryzen 5 7530U 16389
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

続いて、3DMark Time Spyの結果です。Time Spyの場合、Core Ultra 7 155Hの内蔵グラフィックスよりやや低いスコアとなりました。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen Z1 Extreme
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4080 175W 18822
RTX 4070 140W 12254
RTX 4060 140W 10665
RTX 4050 105W 8469
RTX 3060 130W 8302
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050 75W 5102
GTX 1650   3673
Core Ultra 7 155H   3530
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
  3162 [Turbo]
2525 [パフォーマンス]
MX550   2644
Core i7-1360P   1660
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、下記の通り高速でした。容量も1TBあるので、複数のゲームをインストールすることができます。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
5014
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

本体上部にmicroSDカードリーダーを搭載しています。アクセス速度は速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

いくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。動作モードは「Turbo」モード、VRAM容量の割り当ては標準の8GBで計測したフレームレートを計測しています。

Ryzen Z1 Extremeプロセッサーの「AMD Radeon Graphics」は、GeForce RTXシリーズなどの外部グラフィックス(dGPU)と比較するとゲームパフォーマンスは劣りますが、内蔵グラフィックス(iGPU)にしては、パフォーマンスは非常に高いです。

サイバーパンク2077などの重量級のタイトルでも、低設定なら1080pでも平均56 fpsとプレイできないことはありません。720pなら平均81 fpsとさらに高いフレームレートが出ます。

MHW:アイスボーンくらいの中程度の重さのゲームなら、低設定+1080pでも平均60 fps以上出ます。

ストリートファイター6では、低設定+1080pでも平均60 fpsでプレイ可能です。給電可能なUSBハブを利用すれば、格ゲー用のコントローラーを接続することもできます。

ブループロトコルやFF14などのオンラインゲームでは、画質設定を落とすことで、1080pでも平均60 fps以上で快適にプレイできます。

フォートナイトやApex Legends、VALORANTなどのシューティングでは、画質設定や解像度を720pまで落とすことで、高いフレームレートが出ます。ただ、シューティングゲームをするなら、もう少し高い性能が欲しいところではあります。

その他、2Dゲームやインディーズタイトルなどの軽いゲームはかなり快適に動作します。

また、外部GPUを搭載したゲーミングPCを持っているなら、Steamのリモートプレイを活用することで、重量級のゲームもストレスなくプレイできるでしょう。

また、今回は未テストですが、アップスケール機能「Radeon Super Resolution(RSR)」やフレーム生成機能「AMD Fluid Motion Frames(AFMF)」を「コマンドセンター」から有効にすることもできます。

重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 56 fps
1280x720 81 fps
重い部類のゲーム
パルワールド(DX11)
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 最低 53 fps
1280x720 75 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 軽量品質 52 fps
1280x720 80 fps
中程度の重さのゲーム
MHW:アイスボーン
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 80 fps
1280x720 95 fps
※導きの地を探索して計測
中程度の重さのゲーム
ディアブロ4
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低設定 55 fps
1280x800 90 fps
※奈落で計測
中程度の重さのゲーム
エルデンリング SHADOW OF THE ERDTREE
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 44 fps
1280x720 53 fps
※火に焼かれた廃墟で計測
中程度の重さのゲーム
ストリートファイター6
解像度 品質 FIGHTING GROUND WORLD TOUR
1920x1080 LOW 60 fps(最大)
63 fps
1280x720 60 fps(最大) 76 fps
※ベンチマークで計測
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低画質 94 fps
1280x720 136 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 最低 69 fps
1280x720 91 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 標準品質(ノート) 44 fps
1280x720 71 fps
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター5 シーズン2]
パフォーマンス - 低グラフィック忠実度
解像度 その他設定 平均 fps
1920x1080 3D解像度:100%
テクスチャ、メッシュ:低
描画距離:遠い
137 fps
1280x720 146 fps
※バトルロワイヤル ソロで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 100 fps
1280x720 160 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
VALORANT
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 226 fps
高設定 125 fps
※プラクティスモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低品質 16344(すごく快適)
最高品質 12631(すごく快適)

 

バッテリー駆動でのフレームレート比較

続いて、バッテリー駆動時でのフレームレート比較です。ACアダプター接続時よりややフレームレートは下がってしまいますが、それでも解像度や画質を調整することで、プレイできるゲームも多いです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 軽量品質 52 fps 41 fps
1280x720 80 fps 66 fps
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 低画質 94 fps 72 fps
1280x720 136 fps 108 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 最低 69 fps 55 fps
1280x720 91 fps 77 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 標準品質(ノート) 44 fps 42 fps
1280x720 71 fps 60 fps

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトでは678gと記載されており、当サイトで計測した質量もほぼ同じでした。ポータブルゲーミングPCとしては普通の重さなので、長時間ゲームをしてもそれほど苦にならないと思います。

本体
ACアダプター
本製品の質量
  質量
本体 680g
ACアダプター 213g

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUクロック、CPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「パフォーマンス」モードでは、CPU電力は最初は24Wまで上がりますが、最終的には17Wで推移しています。CPU温度は55℃台に収まっており、心配のない温度です。

「Turbo」モードでは、CPU電力は最初は42Wまで上がりますが、最終的に30Wで推移しています。CPU温度も最初は95℃台まで上がりますが、最終的には75℃台に収まっており、こちらも問題ないでしょう。

  • パフォーマンス
  • Turbo
CPU電力
CPU温度
CPU電力
CPU温度

 

ゲーム時の内蔵GPU温度

ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の内蔵GPUの温度は下図の通りです。

「パフォーマンス」モードでは、CPU温度および内蔵GPUの温度は低めなので、問題ないでしょう。

「Turbo」モードでは、CPU温度および内蔵GPUの温度は80℃台まで上がるものの、こちらも問題ない範囲の温度です。

  • パフォーマンス
  • Turbo
CPU温度
GPU温度
CPU温度
GPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はかなり静かです。「パフォーマンス」モードでゲームをしても、32dBとそれほど気にならない騒音値です。「Turbo」モードになると、騒音値は高くなりますが、一般的なゲーミングPCよりは低い騒音値です。小型PC特有の甲高いキーンとした音はありません。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時
左から2、3番目:FF15 ベンチマーク実行(軽量品質、1920x1080、フルスクリーン)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

ROG Ally Xは、2基のファンと、どの角度でも冷却効率を下げないよう特別に設計された「アンチグラビティヒートパイプ」を採用しています。

エアフローは背面から吸気し、本体上部3箇所から排気するため、グリップを握った状態では指に干渉せず、それほど熱も感じないので、ゲーム中の不快感はありません。

ROG Ally Xのエアフロー
PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

外観のチェック

ROG Ally Xの外観のチェックです。

本体カラーはブラックのみとなっています。グリップ感、コントローラーの操作性はかなり良いです。

 

本体の厚みは前モデルから少し増えているようですが、握った感じではまず気になりません。

 

インターフェースは上部に集中しています。左から、USB4 Type-C (Power Delivery対応)×1、USB3.2 Type-C (Power Delivery対応)×1、音量ボタン、microSDカードリーダー、オーディオコンボジャック、電源ボタンがあります。電源ボタンは指紋認証に対応しています。

 

液晶サイドにステレオ2スピーカーが内蔵されています。1W×2なので音質はそこまでいいわけではありませんが、ポータブルゲーミングPCとしては十分だと思います。最大音量はかなり高く、ファンの稼働音をかき消すほどです。

 

ROG Ally X本体を立てることができる簡易的なスタンドも付属しています。紙のような質感で耐久性はありませんが、重ねて持ち運びしやすいです。ただ、スタンドは別途用意した方がいいと思います。

 

スタンドに立てるとこんな感じです。

 

ACアダプターはキューブ型で持ち運びがしやすいです。容量は65Wでした。

 

外箱です。

 

まとめ

以上が、ASUS ROG Ally Xのレビューです。

ユーザーのフィードバックをもとにアップグレードされたROG Ally Xは、24GBの大容量メモリ、1TB SSDの大容量ストレージ、80Whの大容量バッテリーを搭載し、コントローラーの操作性やエアフロー、インターフェースなども見直されています。

CPUは前モデルと同様、Ryzen Z1 Extremeを採用していますが、24GBのメインメモリのうち8GBがVRAMに割り当てられているため、負荷の重いゲームにおいてパフォーマンスも向上しています。

7インチ、フルHD、120Hz、タッチ対応とゲームがしやすいディスプレイを採用しており、最大輝度も高いので、晴天の下で使ってもゲームがしやすいと思われます。

何より、コントローラーの操作性が非常に良く、素早く正確な操作が求められる格闘ゲームでも快適にプレイができたので、様々なジャンルのゲームに対応できるでしょう。

USB-Cポートも2つあるので、給電しながら周辺機器を接続し、デスクトップモードでゲームをプレイしたりもできます。


進化したポータブルゲーミングPC

ASUS ROG Ally X

特徴

  • 24GBに増強されたメインメモリ
  • VRAM 8GBでゲームパフォーマンスも向上
  • 優れた操作性のコントローラー
  • 80Whの大容量バッテリー

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