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ASUS TUF Gaming A15(2023)の実機レビュー
CPU | Ryzen 7 7735HS |
---|---|
GPU | GeForce RTX 4060 GeForce RTX 4050 |
メモリ | 16GB DDR5-4800 |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 144Hz 非光沢 |
質量 | 約2.2kg |
バッテリー | 最大11.3時間(90Wh) |
価格[税込] | 20万円台~ |
ASUS TUF Gaming A15は、sRGB 100%クラスのディスプレイを搭載したミドルクラス性能のゲーミングノートです。
ディスプレイの色域が、従来機種より広くなったことで、動画編集などのクリエイティブワークにも使いやすくなりました。
RTX 4050搭載モデル、RTX 4060搭載モデルのどちらも最大グラフィックパワーが高く、「サイバーパンク2077」などの負荷の重いゲームも最高設定で快適に動作する性能です。
また、MIL規格(MILSTD-810H)に準拠したテストをクリアしており、耐久性にも優れています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 7735HS、GeForce RTX 4060 Laptop 8GB、512GB SSD
Ryzen 7 7735HS、GeForce RTX 4050 Laptop 6GB、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「ASUS TUF Gaming A15の特徴」のみお読みください。
ASUS TUF Gaming A15の特徴
最大グラフィックスパワーの高いRTX 4050 / 4060を搭載
ASUS TUF Gaming A15は、RTX 4050搭載モデルとRTX 4060搭載モデルがあり、どちらのモデルも最大グラフィックスパワーは140Wと高く設定されており、負荷の高い「サイバーパンク 2077」などのゲームも、快適に動作します。
さらに、対応したタイトルであれば、DLSSやフレーム生成技術によりフレームレートを伸ばすことができます。FHD環境なら、ほとんどのゲームで高いフレームレートが出るでしょう。6月14日よりサービス開始となったオンラインRPG「ブループロトコル」も、最高設定で快適に動作する性能です。
W(ワット):最大グラフィックスパワー
AMDの最新APU「Ryzen 7 7735HS」搭載
ASUS TUF Gaming A15は、AMDの最新APUである「Ryzen 7 7735HS」を搭載しています。
ただし、Ryzen 7 7735HSのCPUアーキテクチャはZen 3+で、主な仕様はRyzen 7 6800Hとほとんど同じです。
実際のベンチマークテストでも、マルチコア、シングルコアともに、Ryzen 7 6800Hの代表的なスコアとほぼ同じ数値でした。飛びぬけて高いパフォーマンスがということではありません。ただ、ゲーミングノートPCとしては、十分な性能です。
Ryzen 7 7735HS | Ryzen 7 6800H | |
CPUアーキテクチャ | Zen 3+ | Zen 3+ |
コア / スレッド | 8 / 16 | 8 / 16 |
基本クロック | 3.2GHz | 3.2GHz |
最大ブーストクロック | 4.75GHz | 4.7GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB |
TDP | 35-54W | 45W |
グラフィックス・モデル | Radeon 680M | Radeon 680M |
GPUコア数 | 12 | 12 |
グラフィックス周波数 | 2200MHz | 2200MHz |
ディスプレイの色域が「100% sRGB」へ
従来のASUS TUF Gaming A15シリーズは、ディスプレイの色域が狭く、クリエイティブワークの用途にはあまり適していませんでしたが、今回のモデルは、100% sRGBのディスプレイを搭載しており、このような用途にも使いやすくなりました。ゲーミングノートは、クリエイティブワーク用に購入する方も多いので、この変化は嬉しいです。
また、144Hzの高リフレッシュレート、およびゲーム映像のティアリングやスタッターを抑える「NVIDIA G-Sync」にも対応しています。ただ、残像はやや多めでした。
ハードな使用にも耐えるタフボディ
ASUS TUF Gaming A15は、耐久性や堅牢性の高いタフなゲーミングノートPCです。米国の軍用規格であるMIL-STD 810Hの基準をクリアしており、宅内での移動や、熱の入るハードなゲームにも、安心して使用できます。
また、ゲーミングノートPCとしては、大人しめのデザインなので、日常使いや、仕事用など、ゲーム以外の用途にも使いやすいです。
ASUSのあんしん保証への加入をおすすめ
ASUS TUF Gaming A15を購入したら、製品購入後30日以内に「MyASUS」に製品登録を行いましょう。製品登録をするだけで、「ASUSのあんしん保証」に加入することができます。
これは、破損・自損など理由を問わず、どんな故障でも部品代の20% +税のみの金額で修理してくれる(1年の間に1回のみ)、というサービスです。自分でメモリ換装や、ストレージ増設をしようとして壊してしまったというような場合もカバーされます。ただし、パーツの増設・換装後に故障した場合、最初のパーツの状態でないと修理が受けられないので、最初のパーツを取っておくようにして下さい。
また、より手厚い保証が受けられる「ASUSのあんしん保証 Premium 3年パック」も用意されており、こちらは14,800円で加入できます。保証期間3年の間(修理は1年間に1回までで3年間)、破損・自損を問わず負担0円で修理対応してもらうことができるので、必要な方はこちらも検討するといいです。詳細はメーカーサイトをご確認下さい。
各用途の快適度
ASUS TUF Gaming A15の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックでサクサク動くでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 比較的色鮮やかなディスプレイを搭載し、スピーカー音も悪くはなく、快適に動画が鑑賞できるでしょう。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 100% sRGBのディスプレイを搭載しており、ウェブコンテンツ用の画像編集に適しています。ただし、Adobe RGBをカバーするような色域はないため、DTP用には色域不足です。 |
動画編集 | ◎ | スペックが高く、動画編集も快適です。 |
ゲーム | ◎ | 高い性能のGeForce RTX 4050 / 4060 Laptopに、144Hzの高リフレッシュレートを搭載し、多くのゲームが快適です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイの詳細なチェックです。
15.6型、FHD解像度、100% sRGB、144Hzの高リフレッシュレートの液晶を搭載しています。
最大輝度は、当サイトの計測では262cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの測定結果は、以下のとおりです。色域は比較的広めです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 98.2% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 77.7% |
Adobe RGBカバー率 | 77.8% |
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約43msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に144フレームを更新する液晶で3~4フレーム前くらいまでの残像がありました。
普通のノートPCの液晶は1秒間に60フレームしか更新しませんが、2~3フレーム前くらいまで残像があります。本製品の液晶は、普通のノートPCの液晶に比べて、1秒間に2倍以上のフレームを表示しますが、残像は2倍以下であることから、一般的なノートPCの液晶よりは残像が少ないことが分かります。
ただ、ゲーミングノートPCは残像の少ない機種が多く、それらと比べると、やや残像は多めかなと思います。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.7mmです。十分なキーストロークで、底付きの衝撃も少なく、比較的打ちやすいかなと思います。
また、ゲームでよく使う「WASD」キーが目立つようになっており、ゲーム中に指を離してしまっても、元に戻しやすいです。
各キーは、2,000万回を超える打鍵に耐えられる強さを持っており、耐久性も高いです。
タッチパッドは広く、表面はツルツルしているので、操作がしやすいです。
各キー毎に色を変えることはできませんが、RGBカラーバックライトを搭載しており、自由に色を変えることができます。
パフォーマンスのチェック
動作モード
パフォーマンスのチェックです。
本製品では、動作モードを変更することができます。動作モードを変更するには、Fn+F5を押すか、「ARMOURY CRATE」のソフトから変更します。
ここでは、デフォルトの「パフォーマンス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「Turbo」モードで計測したベンチマークの結果を掲載します。
また、スタンダード(MSHybridモード)と、Ultimate(ディスクリートモード)を切り替えることができますが、ここでは、デフォルトの「MSHybrid」モードで計測しています。
CPU
ASUS TUF Gaming A15は、AMDの最新APU「Ryzen 7 7735HS」を搭載しています。ただし、採用しているアーキテクチャはRyzen 6000シリーズと同じZen 3+で、主な仕様はRyzen 7 6800Hとほぼ同じです。
ベンチマークの結果は以下の通りです。
マルチコア、シングルコアともに、Ryzen 7 6800Hと同じようなスコアでした。ゲーミングノートPCとしても十分な性能だと思います。
ただし、シングルコアの性能は、そこまで高いわけではありません。シングルコア性能が動作を左右するアプリを使う場合は、他の機種の方が良さそうです。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリには、標準で16GBのDDR5-4800を搭載しています。実測の帯域幅は普通でした。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスは、「GeForce RTX 4050 Laptop」または「GeForce RTX 4060 Laptop」を搭載しています。メーカーの設定する最大グラフィックスパワーは、どちらも140Wと高い設定値でした。
3DMark のベンチマークの結果は以下の通りです。どちらも最大グラフィックスパワーが高く設定されているだけあって、高めのスコアが出ています。RTX 4060は前世代のRTX 3070と同等のスコア、RTX 4050では前世代のRTX 3060と同等のスコアでした。
なお、「ターボ」モードだと、「スタンダード」モードよりもわずかに高いスコアが出ていますが、大きな差はありませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 4050とRTX 4060の情報は次の通りです。「Turbo」モードでは、GPU Clockが50MHzアップしていることが分かります。
ストレージ
ストレージには、512GBのPCIe Gen4 SSDを搭載しています。シーケンシャルライトがやや遅い点が気になりますが、ゲーム時は特に影響はないでしょう。動画の書き出し時などは、やや時間が長く感じるかもしれません。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ゲームベンチマーク&フレームレート
いくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。
他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。なお、ここでは、動作モードは「Turbo」モードにしています。また、基本的にはスタンダード(MSHybridモード)で計測していますが、一部の最高設定のみUltimate(ディスクリートモード)でも計測しています。
GeForce RTX 4060 Laptop
ミドルクラスの「GeForce RTX 4060 Laptop」では、最大グラフィックスパワーが140Wと標準より高いのもあり、負荷が非常に重い「ホグワーツ・レガシー」でも最高設定で64 fpsと、パフォーマンスは高めです。
「ブループロトコル」や「FF14」などの中程度の重さのゲームでは120 fps、「Apex Legends」などの軽めのゲームでは190 fps以上の平均フレームレートを出すことができ、高リフレッシュレート液晶を活かしてプレイすることができるでしょう。
DLSSやフレーム生成技術に対応したタイトルであれば、さらにフレームレートを伸ばすことができるので、ほとんどのゲームが高い設定で快適に動作すると思います。
GeForce RTX 4050 Laptop
「GeForce RTX 4050 Laptop」も、最大グラフィックスパワーが140Wと標準より高いのもあり、パフォーマンスは高めです。
負荷が非常に重い「ホグワーツ・レガシー」などでは設定を下げる必要はありますが、「サイバーパンク 2077」程度の重さであれば、最高設定でも60 fps以上出ます。
「ブループロトコル」や「FF14」などの中程度の重さのゲームでも、高いグラフィック設定で100 fps以上を出すことができ、「Apex Legends」などの軽めのゲームでは、144 fps以上で優位にプレイすることができます。
DLSSやフレーム生成技術に対応しているので、対応しているゲームなら、さらにフレームレートを伸ばすことができるでしょう。
重い部類のゲーム
ホグワーツ・レガシー(DX12)
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|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 92 fps | 94 fps |
高 | 64 fps | 75 fps | |
最高 | 53 fps(53 fps) | 64 fps(64 fps) | |
最高 DLSS:オフ フレーム生成:オン |
83 fps | 99 fps |
重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 102 fps | 144 fps |
高 |
54 fps | 80 fps | |
最高 |
33 fps(33 fps) | 52 fps(52 fps) |
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 110 fps | 113 fps |
高 | 96 fps | 107 fps | |
ウルトラ | 80 fps(80 fps) | 93 fps(97 fps) | |
ウルトラ フレーム生成:オン |
105 fps | 129 fps |
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 219 fps | 248 fps |
最高 | 158 fps | 181 fps | |
エクストリーム | 54 fps(55 fps) | 103 fps(105 fps) |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 軽量品質 | 148 fps | 170 fps |
標準品質 | 120 fps | 145 fps | |
高品質 | 84 fps(84 fps) | 103 fps(104 fps) |
重い部類のゲーム
ストリートファイター6 ベンチマーク(DX12)
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|||
---|---|---|---|
解像度 | HIGHEST設定 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | FIGHTING GROUND | 60 fps(最大) | 60 fps(最大) |
BATTLE HUB | 92 fps | 95 fps | |
WORLD TOUR | 85 fps | 97 fps |
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 180 fps | 182 fps |
高 | 128 fps | 140 fps | |
最高 | 101 fps(108 fps) | 117 fps(126 fps) |
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 159 fps | 163 fps |
高 | 108 fps | 123 fps | |
ウルトラ | 91 fps(97 fps) | 102 fps(110 fps) |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 最低 | 118 fps | 141 fps |
中 | 129 fps | 133 fps | |
最高 | 116 fps(119 fps) | 129 fps(132 fps) |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
|
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 120 fps | 154 fps |
高 | 138 fps | 147 fps | |
最高 | 120 fps(120 fps) | 135 fps(135 fps) |
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター4 シーズン2]
|
---|
フォートナイトについては、レンダリングモードを「DirectX 12」にしたときと、「パフォーマンス - 低グラフィック忠実度」にしたときの平均フレームレートを掲載しました。
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低設定 | 174 fps | 178 fps |
高設定 | 67 fps | 75 fps | |
最高設定 | 57 fps | 60 fps |
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
解像度 | その他設定 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 3D解像度:100% メッシュ:高 描画距離:最高 |
202 fps | 229 fps |
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 低 | 260 fps | 285 fps |
高 | 165 fps | 192 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | RTX 4050 | RTX 4060 |
1920x1080 | 高設定 | 298 fps | 330 fps |
レイトレーシングとDLSS3のベンチマーク
「Ada Lovelace」アーキテクチャを採用したGeForce RTX 40シリーズでは、第4世代「Tensorコア」とフレーム生成技術が追加された「DLSS3」機能を利用することができます。
対応したタイトルであれば、DLSS3の「DLSS SR」や「フレーム生成」を有効にすることで、飛躍的にフレームレートを向上させることが可能です。
下記の表は負荷の重いレイトレーシング環境において、DLSSオフ、DLSS2、DLSS3にしたときの平均フレームレート比較です。
下記の通り、グラフィックス性能が高い本製品なら、DLSS3の機能を有効にすることで、「レイトレーシング:ウルトラ」設定でも、高いフレームレートで快適にプレイすることができます。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)(1920×1080)
|
||||
---|---|---|---|---|
GPU | 品質 | DLSS:オフ | DLSS2 | DLSS3 |
RTX 4060 | レイトレ:ウルトラ | 34 fps | 67 fps | 102 fps |
レイトレ:中 | 44 fps | 72 fps | 111 fps | |
RTX 4050 | レイトレ:ウルトラ | 23 fps | 47 fps | 69 fps |
レイトレ:中 | 34 fps | 61 fps | 83 fps |
※DLSS3は「DLSS Frame Generation」を有効
クリエイターソフトの処理時間
以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでも、動作モードは「Turbo」モード、GPUモードはスタンダード(MSHybridモード)で計測しています。
CPUでの書き出しは、シングルコアの性能がそこまで高くないため、長めの書き出し時間です。GPUでの書き出しであれば、どちらも比較的高速です。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
高い性能のGPUを搭載しているので、4K動画の書き出しは高速です。編集作業もとても快適に行えます。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
DaVinci Resolve Studio 18による書き出し時間です。こちらも高速でした。
DaVinci Resolve Studio 18による、「AV1 NVIDIA」での書き出し時間はこちらです。
CPUのみで実行するx265エンコードです。エンコード速度はそこそこ速いです。
NMKD Stable Diffusion GUIによるAIイラスト生成時間は下表の通りです。
※プロンプト(呪文)は内容や長さによって生成時間にそれほど影響がないため「Cat」のみ
※ステップ数は100、10枚のイラストを生成し、3回計測して最も速かった時間で比較
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「2.2kg」と記載されており、当サイトで計測した質量は次の通りで、公表値とほぼ同じでした。外に持ち出すには重いですが、屋内の移動であれば、持ち運びしやすいと思います。
質量 | |
PC本体 | 2.122kg |
ACアダプター | 718g |
バッテリー駆動時間のチェック
ASUS TUF Gaming A15のバッテリー駆動時間のチェックです。
90Whの大容量バッテリーを搭載しています。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCですが、大容量バッテリーを搭載していることもあり、動画再生のような負荷の軽い作業であれば、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用できます。Web閲覧や、Officeソフトでの作業を短時間行うのであれば、ACアダプターをつながなくてもいいと思います。
一方、ゲーム時のバッテリー駆動時間は短いです。ゲームをプレイするときは、ACアダプターに接続することをおすすめします。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 最大11.3時間 |
(2) 動画再生時 | 11時間23分 |
(3) FF14ベンチ | 1時間14分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、92万画素の標準的な性能で、画質も普通です。
スピーカー
2W×2のステレオスピーカーを搭載しています。ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、動作モードは「パフォーマンス」と「Turbo」で計測しています。GPUモードはすべてスタンダード(MSHybridモード)で計測しています。また、ここでは、GeForce RTX 4060搭載モデルのみ計測しています。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
まず、CPU電力ですが、「パフォーマンス」モードの場合は70W前後、「Turbo」モードの場合は75W前後で推移しています。
CPU温度については、「パフォーマンス」モードの場合は80度台後半と高めですが、「Turbo」モードにすると、ファンが高速で回転するため、CPU温度は80℃台前半まで下がります。「Turbo」モードのほうが、温度面では安心ですが、その代わり動作音は高くなります。
ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。
「パフォーマンス」モードも「Turbo」モードも同じくらいの温度で推移しています。CPU温度は80℃前後、GPU温度は75℃前後で推移しており、問題ない範囲の温度だと思います。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
ここでは、GeForce RTX 4060搭載モデルのみ計測しています。次の表面温度、消費電力のチェックについても、同様です。
アイドル時はファンが動作していないとほぼ無音です。FF15ベンチマークを実行したときは、「パフォーマンス」モードではファンが控えめに動作する分、割と静かな方です。「Turbo」モードになるとファンが最大で動作するため、高めの騒音値となり、うるさく感じます。音が気になる場合は、ヘッドフォンなどを使用するといいです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
高負荷時はキーボード中央周辺の温度が上がりますが、パームレスト周辺はそれほど温度が高くないので、ゲーム中はそれほど気にならないと思います。
「Turbo」モードになるとファンが最大で動作するため、キーボード中央付近の温度が少し下がりますが、体感ではそれほど変わりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご覧下さい。
高性能パーツを搭載したゲーミングノートPCなので、一般ノートPCよりも高い消費電力です。
外観のチェック
ASUS TUF Gaming A15の外観のチェックです。
筐体カラーは「メカグレー」となっていますが。天板はグレーに近いですが、パームレスト面やベゼルはブラックに近いです。3辺のベゼルが狭く、15.6型液晶を搭載している割には、ボディが小さく感じます。
天板にはエンボス加工された「TUF」のロゴがあります。
閉じた時の厚みは22.45~24.95mmと、高い性能のCPUとGPUを搭載しているにしては、それほど分厚くありません。
インターフェイスは、以下のとおりです。主要なポートは左側面に集中しており、ケーブルを接続しても、ゲーム中、マウスの操作の邪魔になりません。
右側面にはUSB3.2 Type-Aのみ。左側面には電源コネクタ、1GbpsのLANポート、HDMI、USB4 Type-C、USB3.2 Type-C、USB3.2 Type-A、マイク・ヘッドホン端子が搭載されています。
液晶が開く最大の角度はご覧の通りです。
底面です。オレンジラバーがアクセントになっています。
内部はこのようになっています。内部は2基の冷却ファン5本のヒートパイプでCPUとGPUを冷却しています。
メモリスロットが2つあり、メモリの換装が可能です(メモリの換装は自己責任となります)。
右側に空きのM.2スロットがあります。自己責任となりますが、増設することができそうです。
ヒンジは、ボディの後ろ側に回り込むような構造ですが、天板の後ろ側に切り込みがはいっているおかげで、排気口を塞ぎません。また、両サイドにも排気口があり、背面と側面の計4方向から排気しています。
ACアダプターは薄型です。
ACアダプターの容量は、RTX 4050搭載モデルとRTX 4060搭載モデルのどちらも240Wです。
まとめ
以上が、ASUS TUF Gaming A15のレビューです。
AMDの最新APU「Ryzen 7 7735HS」に、「GeForce RTX 4050 Laptop」または「GeForce RTX 4060 Laptop」を搭載した、ミドルクラス性能のゲーミングノートです。
どちらのモデルも、最大グラフィックスパワーが高く設定されており、搭載しているグラボの標準的な性能よりも、高めのパフォーマンスが出ます。RTX 4060なら最新の重いゲームも高いグラフィック設定で快適にプレイすることができます。RTX 4050でも、グラフィック設定を下げれば、重いゲームでもプレイ可能です。
液晶の色域が広くなったのも嬉しいポイントです。従来の同シリーズの液晶の色域は狭く、クリエイティブワークには使いにくい面がありましたが、この製品は100% sRGBの液晶を搭載し、そのような用途にも使いやすくなりました。また、ゲーム映像も色鮮やかで綺麗に見えるようになりました。ゲーミングノートPCとしては、残像がやや多めですが、普通の液晶よりは少ないです。
ASUSのゲーミングノートPCは、頻繁に開催されるセール時に、かなり価格が下がるので、そのときを狙って購入するといいと思います。
sRGB 約100%になった人気ゲーミングノート
ASUS TUF Gaming A15
特徴
- 最大グラフィックスパワーの高いRTX 4050/4060
- 144Hz / 広めの色域のディスプレイ
- 堅牢性に優れた頑丈なボディ
こんなあなたに
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三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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