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ASUS Zenbook 14X OLED Space Editionの実機レビュー
CPU | Core i9-12900H |
---|---|
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB PCIe SSD |
画面サイズ | 14インチ |
画面種類 | 2.8K(2880x1800) OLED |
質量 | 約1.47kg |
バッテリー | 約7.4時間(63Wh) |
価格[税込] | 26万円台 |
Zenbook 14X OLED Space Editionは、宇宙での活躍から25周年を記念した特別仕様モデルのノートPCです。
宇宙を連想させるデザインがちりばめられており、特別感のある製品です。
ディプレイには2.8Kの有機ELを、プロセッサーにはHシリーズのCore i9を搭載しており、スペックも特別感があります。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i9-12900H、32GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「Zenbook 14X OLED Space Editionの特徴」のみお読みください。
製品の特徴
宇宙での活躍から25周年を記念した特別仕様モデル
1998年、ASUSのノートPC「P6300」がミール宇宙ステーションで利用されました。宇宙という過酷な環境下で、他社製のノートパソコンがオーバーヒートで故障する一方、「P6300」は600日間も故障することなく、ミッションを完遂しました。
そして、2022年、宇宙での活躍から25周年を記念して、特別仕様モデル「Zenbook 14X OLED Space Edition」が発売されました。アメリカ宇宙コマンドによるSMC-S-016Aテストに準拠しており、高い耐振動性と、高温(61℃)~低温(-24℃)での動作が可能で、宇宙での過酷な使用にも耐えられる仕様となっています。
宇宙を連想させるデザイン
Zenbook 14X OLED Space Editionは、スペースシャトルや宇宙ステーションを連想させるデザインがちりばめられています。例えば、天板や、パームレスト部などには、モールス符号で文字が記されていたり、スペースキーに土星のマークが入っていたりします。
パソコン本体だけではなく、パッケージにまでこだわりを感じます。
天板には、宇宙船の操縦席から覗いているようなデザインの3.5インチ有機ELモノクロディスプレイを搭載しています。ここには、時刻、アニメーション、任意のテキスト、QRコード入りのパーソナル情報などを表示させることができます。
また、PCを起動したときに表示されるASUSのロゴも、宇宙を意識したアニメーションとなっています。
2.8K有機ELディスプレイを搭載
Zenbook 14X OLED Space Editionは、画面比16:10の2.8K(2880x1800)有機ELディスプレイを搭載しており、色鮮やかで、黒の表現力も高く、画像や映像を表示することができます。
例えば、自分で撮影した子供の写真や動画を、綺麗な画面で視聴することができます。また、画面比が16:10なので、縦に長いコンテンツも、16:9のディスプレイより見やすいです。
タッチパネル & ペン対応
Zenbook 14X OLED Space Editionは、タッチパッドおよびペンにも対応しています。ペンは、4096段階の筆圧検知に対応しています。
タブレット形状にはならないので、ペンでイラストを描いたり、メモをとったりする用途ににはあまり適しませんが、レタッチするような用途になら使えると思います。
ただし、タッチパネルに対応しているせいで、背景を白くすると電極線がやや目立ちます。個人的にはタッチおよびペンには対応していなくても良かったです。
第12世代Core i9を搭載
Zenbook 14X OLED Space Editionは、PBP(プロセッサー・ベース・パワー)が45WのCore i9-12900Hを搭載しています。
CINEBENCH R23のスコアを確認すると、他のPCで計測したときよりも、大分低い数値でした。ただ、CPU電力は45Wで推移していたので、このPCのスコアが低いというよりも、他のPCのCPU電力が高めに推移していたと言うべきでしょう。
Core i7-1280Pくらいのスコアは出ていたので、多くのアプリは遅いと感じることはないでしょう。
ディスプレイのチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionのディスプレイのチェックです。
パネルは、「ATNA40YK04」でした。2.8K(2880 x 1620)、90Hzの有機ELディスプレイを搭載しています。最大輝度はメーカー仕様値では550nitsとなっていますが、SDRモードでの最大輝度は、374nitsとやや高めです。おそらくHDRモードで、かつ限定的な表示のときに550nits出るのだと思います。
その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
Adobe RGBカバー率が約100%ある非常に色域の広いディスプレイです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 99.2% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionのキーボードは、十分なキーピッチが確保され、キートップも湾曲しており、比較的打ちやすいと思います。EnterやBackspaceが端にありませんが、これらのキーは十分な横幅があるので、タイプミスすることは少ないでしょう。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionのパフォーマンスをチェックします。
MyASUSアプリでファンモードを変更することができます。基本的にはデフォルトの「スタンダードモード」で各種ベンチマークを計測していますが、一部のベンチマークについては最も高いパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」でも計測しています。
CPU
Zenbook 14X OLED Space EditionはCore i9-12900Hを搭載しており、CINEBENCH R23のスコアは次のようになっています。
同じCPUを搭載した他のノートPCで計測したときよりも、低いベンチマークスコアでした。ただし、パフォーマンスモードにすれば45WのCPU電力は出ていたので、本製品のスコアが低いというよりは、他のPCのスコアが高めだったと言えます。
また、このくらいのボディサイズのノートPCは、28Wや15WクラスのCPUが搭載されることがほとんどなので、それらのCPUと比べたら、非常に高いパフォーマンスが出ています。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはLPDDR5-4800を搭載しており高速です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
3DMarkのベンチマークスコアは、以下の通りです。
CPU内蔵グラフィックスとしては、高いスコアです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージはPCIe Gen4のSSDを搭載しており、非常に高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。速度は普通です。
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を下に掲載します。
Lightroomの書き出しは、思ったほどではありませんが、実用的には十分な速度が出ています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能が出ていたので、FHD動画の書き出し時間は比較的速かったです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.47kg」とあり、当サイトの計測値もほぼ同じでした。14型のノートPCとしては普通の重さだと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.473kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 386g |
バッテリー駆動時間のチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は63Whと比較的大きめです。ただし、CPUが高性能であるため、バッテリー駆動時間はそこまで長くありません。外出先で、バッテリー駆動状態で使用する場合は気を付けましょう。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約7.4時間 |
(2) 動画再生時 | 4時間49分 |
(3) FF14ベンチ | ― |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は比較的速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは720p HDカメラで普通の性能です。また、F10キーを押すことで、カメラを物理的に隠すことができます。
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に配置されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度などの推移を確認します。
「スタンダードモード」では、動作安定時は約35Wとやや低めのCPU電力で推移するのでパフォーマンスはあまり出ません。ただ、CPU温度は80℃前後とそこまで高くはありません。
一方、「パフォーマンスモード」では、CPU電力は45W前後と高くなりパフォーマンスも上がりますが、CPU温度は84℃前後へ上がります。やや高めのCPU温度ですが問題ない範囲でしょう。
- スタンダードモード時
- パフォーマンスモード時
静音性のチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionの動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、デフォルトのスタンダードモードで計測しています。
アイドル時でもやや動作音が聞こえますがそこまで気にはなりません。高めの負荷をかけてもそこまでうるさくはありません。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
高い負荷をかけると、手のひらがやや暖かく感じてきますが、それほど気にはなりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
Hシリーズの高性能プロセッサーを搭載しているため、一般的なノートPCよりは高めの消費電力です。
外観のチェック
Zenbook 14X OLED Space Editionの外観のチェックです。
ボディは、アルミニウムユニボディ Zero-Gチタニウムを採用し、宇宙ステーションを連想させるデザインが施されています。
天板にはZenVisionと呼ばれる3.5インチ有機ELディスプレイが搭載されており、ここに、アニメーションや任意の文字列を表示することができます。
ボディの高さは約15.9~17.6mmと薄いです。
インターフェースはご覧の通りです。分かりにくいと思いますが、右側面にはmicroSDカードスロットもあります。
ディスプレイは下図の角度まで開きます。
底面はフラットです。なお、CPUは、専用に開発されたデュアルヒートパイプと、87のファンブレードのデュアルファンで冷却を行っています。
ACアダプターは100Wです。ACアダプター自体はそこまで大きくありませんが、電源ケーブルは太めです。
まとめ
以上が、ASUS Zenbook 14X OLED Space Editionのレビューです。
宇宙での活躍から25周年を記念した特別仕様モデルで、宇宙ステーションを連想させるデザインが特徴的なノートPCです。
2.8K有機ELディスプレイを搭載しており、画像や映像を綺麗に表示することが出来ます。色域も広いので画像編集などの用途にも使えるでしょう。
プロセッサーのベースパワーが45WのCore i9を搭載していることで、28Wや15WクラスのCPUよりも高いパフォーマンスが出ています。
タッチパネルやペンにも対応していますが、タブレット形状にはなりませんし、背景を白にするとタッチパネルの電極線が目立つので、これらの機能は個人的には不要かなと思いました。
宇宙での活躍から25周年の特別モデル
ASUS Zenbook 14X OLED Space Edition
特徴
- 宇宙を連想させるデザイン
- 2.8Kの有機ELディスプレイ搭載
- Core i9プロセッサー搭載
こんなあなたに
- 特別感のあるノートPCが欲しい方
- 綺麗な画像・映像を表示したい方
- 画像編集もしたい方
- 価格26万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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