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インテル Core Ultra搭載のAcer Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)の実機レビュー
CPU | Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | 32GB |
ストレージ | 512GB SSD |
液晶サイズ | 14型 16:10 |
液晶種類 | 2240x1400 IPS 非光沢 |
質量 | 約1.32kg |
バッテリー | 約9時間(65Wh) |
価格[税込] | 21万円台 |
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)は、インテルの最新プロセッサー「Core Ultra 7 155H」をいち早く搭載した最新ノートPCです。
新CPUにより、処理性能がアップ、省電力性能もアップしています。
また、ディスプレイ解像度が2.2Kとやや高めで、バッテリー容量も多く、比較的軽く、どこでも多用途に使いやすい製品です。
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)は、家電量販店で販売されています。
公式サイトはこちら
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 155H、32GBメモリ、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)の特徴」のみお読みください。
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)の特徴
最新インテルプロセッサー「Core Ultra」搭載
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)は、最新のインテル Core Ultra プロセッサーをいち早く搭載したノートPCです。
Core Ultraを搭載することで、最も多くのユーザーに恩恵がありそうなのが、グラフィック性能が向上した点です。重いゲームや、高いフレームレートを出したいFPS/TPSゲームなどはまだ難しいですが、軽めのRPGなどなら十分できるでしょう。また、動画編集ソフトなど、GPU支援を利用できるソフトも使いやすくなりました。
Core Ultraでは、AI専用プロセッサー「NPU」を搭載したことで、AI関連の処理が速くなっています。今は対応しているソフトがまだ少ないですが、今後、画像・動画・音声などの編集ソフトが対応してくれば、速く、低消費電力で、処理が実行できるでしょう。このときCPUに負荷があまりかからない点もメリットです。
また、低消費電力版E-core(LP E-core)を搭載しているところも改良点で、低負荷時の消費電力が抑えられます。これにより使い方によってはバッテリー駆動時間が伸びます。
CPU性能はそこまで上がっていないと言われていましたが、今回テストした限りでは、CPU電力が高めで推移していたこともあり、CPU性能も割と高かったです。
このPCで計測した各種ベンチマーク結果や、ゲームのフレームレート、クリエイティブソフトの処理時間などは、別記事にまとめています。詳細は以下のバナーをクリックし、リンク先をご覧ください。
2.2Kディスプレイ搭載
本製品は、一般的な1920×1200よりもやや解像度が高い、2240×1400のディスプレイを搭載しています。ちょうど筆者も2240×1400のディスプレイのノートPCを、モバイル用として常用していますが、スケーリングを100%にしても文字の小ささはそれほど感じず、表示領域も広くて使いやすいです。4Kだとバッテリー駆動時間がかなり短くなりますが、このくらいの解像度であれば、それほど変わりません。
sRGB 100%クラスの色域で、画像や映像も綺麗に表示できます。性能が上がったCore Ultraを使うことで、RAW現像なども快適です。
ロングバッテリー
通常のノートPCのバッテリー容量は50Wh前後ですが、Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)は、65Whものバッテリーを搭載しています。Core Ultraでは、Eコアよりも省電力なLP E-coreが搭載されたことで、低負荷時の消費電力が下がっているため、使い方によっては、大分長くバッテリー駆動することができるでしょう。
なお、メーカーサイトには、バッテリー駆動時間が最大約9時間と書かれていましたが、当サイトの計測では、動画再生時のバッテリー駆動時間は約14時間40分あり、他のモバイルノートPCと比べても長い駆動時間でした。他のメーカーはJETITA 2.0計測法でのバッテリー駆動時間が掲載されていることが多いですが、本製品は別の計測法だと思うので、他社のPCと公表値を比較するときは注意しましょう。
約1.32kgと比較的軽い
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)は、約1.32kgと比較的軽く、持ち出しやすいです。
最近は14型液晶を搭載しつつ1kgを切るモバイルノートPCも増えたので、劇的に軽いわけではありませんが、一般的なノートPCと比べたら十分軽いです。
やや残念な部分
キーボードが英語配列となっています。英語配列でも気にならない方はデメリットにはなりませんが、日本語配列とはキー配置が変わったり、Enterキーの形が違ったりしており、日本語配列のキーボードしか使ったことがない方は、慣れるまで時間がかかると思います。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 高いスペックで、ディスプレイも見やすく、Web閲覧やOffice作業はしやすいです。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | 高解像度のウェブカメラに、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議ができます。スピーカーの最大音量はやや低めです。 |
動画鑑賞 | ○ | スピーカーの音質は普通ですが、ディスプレイが綺麗です。動画鑑賞も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | sRGB 100%クラスのディスプレイに、高めの性能のCPUを搭載し、RAW現像なども快適です。AI専用プロセッサーのNPUが搭載されたことで、今後ソフト側が対応すれば、AIを使った画像処理も速くなることでしょう。 |
動画編集 | △~○ | 外部グラフィックスの性能が上がったことで、動画編集もしやすくなりました。 |
ゲーム | △~○ | 重いゲームや、高いフレームレートを出したいFPS/TPSゲームは難しいですが、軽めのRPGゲームなどであれば、画質を下げることでプレイできます。 |
ディスプレイのチェック
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)のディスプレイのチェックです。
2240×1400の高めの解像度で、色域も広めで、使いやすいディスプレイです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)のキーボードのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18.5mmです。キーストロークは約1.5mmです。キートップはほぼフラットで、押しやすさは普通です。
英語キーボードのみとなっているので、日本語キーボードとは「@」などの特殊キーの配列や、Enterキーが横長になっている点などが異なります。英字入力と日本語入力を切り替えるときは「半角/全角」キーではなく、「alt」キーを押しながら「`」を押す必要があります。英語キーボードの良さもありますが、日本語キーに慣れている人はかなり慣れが必要です。
タッチパッドの使い心地は、普通です。
キーボードバックライトは白く光ります。
パフォーマンスのチェック
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)のパフォーマンスのチェックです。
本製品は、システム使用モードと呼ばれるものを変更することが可能で、下図のようなモードがあります。ここでは、基本的にはデフォルトの「通常モード」で計測していますが、一部のベンチマークは最もパフォーマンスが出る「パフォーマンスモード」で計測した結果も掲載します。
CPU
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)は、前述した通り、Core Ultra 7 155Hを搭載しています。
今回、CPU電力が高めに推移していたこともあり、従来のCore i7-1360Pと比較すると、40%以上スコアが向上しています。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
LPDDR5-6400を搭載しており高速です。容量も32GBもあります。ただ、SiSoftware Sandra 2020のソフトが動作しなかったため、帯域の実測値は計測していません。
~メモリ性能の評価 ~
今回は、実行できませんでした。
グラフィックス
3DMark Night Raidのスコアは、以下の通りです。
従来のCore i7-1360Pの内蔵グラフィックスと比較すると、60%以上も高いスコアで、GeForce MX550とほぼ同等でした。ただし、GeForce GTX 1650よりは低いスコアでした。
なお、「Core Ultra 7 155Hのベンチマーク」の別記事に掲載していますが、実際のゲームではGeForce MX550よりもフレームレートが下回ることが多かったです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており、十分な速さです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
その他のベンチマーク
このPCで計測したその他のベンチマークスコア、原神、FF14、フォートナイト、Apexなどのゲームのフレームレート、Adobeソフトの処理時間などについては、下のバナーをクリックし、リンク先をご覧ください。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
本製品はUSB4のポートを2つ搭載していますが、周辺機器の動作テストの結果は次の通りです。
Thunderboltのドックも使えますし、映像出力、PD充電も問題なくできました。ただし、PD充電に関しては、今回試した限りでは100W以上じゃないと警告が表示されました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ ※3 | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ ※3 | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
100W Anker PowerPort III | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ ※3 | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ ※3 | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの表示
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで出力できていました。
質量のチェック
質量は、メーカーサイトには「約1.32kg」と記載されています。当サイトの計測値は下表の通りで、仕様値よりはやや重いですが、誤差程度です。ACアダプターは、100Wと容量が大きいので、やや重いです。
質量 | |
PC本体 | 1.343kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 360g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
まず、バッテリー容量は65Whでした。
バッテリー駆動時間は下の通りです。メーカー公表値は9時間と短いですが、当サイトで計測した動画再生時のバッテリー駆動時間は、約14時間40分と長かったです。タスクマネージャーを見ると、動画再生のためにGPUも使っていましたが、その他のOSなどの処理も含めLP E-coreも使われていました。その効果もあったかと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) メーカー公表値 | 最大約9時間 |
(2) 動画再生時 | 約14時間40分 |
(3) CPU4%、iGPU10%の負荷 | 6時間29分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
急速充電に対応しており、当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。ACアダプターの容量が大きいので、充電も割と速いです。
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
約360万画素(QHD)の高解像度Webカメラを搭載し、非常に高精細です。若干暗めですが、色味は鮮やかで綺麗です。
スピーカー
スピーカーは、底面側に配置されています。最大音量はやや小さめです。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
通常モードのときの安定動作時、CPU電力は35Wで推移しています。プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が28WのCPUなので、通常モードでも高めのCPU電力です。このときのCPU温度は約85℃です。やや高めの温度ですが、問題ない範囲です。
パフォーマンスモードにすると、CPU電力は47W前後まで上がります。そのため、CPU温度は95℃以上にまで上昇します。通常モードでも十分高いパフォーマンスが出るので、普段は通常モードで十分でしょう。
- 通常モード時
- パフォーマンスモード時
静音性のチェック
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。低負荷時も、作業するのに気にならない騒音値です。高い負荷がかかるとそれなりの騒音値になり、ややうるさく感じます。ただ、ちょっとした作業でも、すぐにファンが回り出す傾向があり、無音のまま作業するのは難しいです。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
アイドル時や低負荷時はそれほど気にすることなく使えます。ただし、高負荷時はパームレスト部分の温度が上がり、やや気になります。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
アイドル時や低負荷時は低めの消費電力ですが、高負荷時は、外部GPU無しのノートPCとしてはやや高めです。
外観のチェック
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)の外観のチェックです。
シルバーのカラーでメタリックな質感です。ただ、キーとベゼルがブラックなのが統一感がなく、やや安っぽさを感じます。
天板にはacerのロゴがありますが、小さいのであまり目立ちません。
閉じた時の画像です。高さは14.9mmと薄いです。
側面のポート類はご覧の通りです。USB4のポートが2つあるのは嬉しいです。
液晶が開く最大の角度です。
底面のネジ穴の1つにはシールが貼られています。このシールを破ると保証対象外になります。要は底面カバーを開けると保証対象外になるのでご注意下さい。
底面カバーを外した画像が次です(保証外になるのを覚悟でシールを破いてます)。
メモリはオンボードです。
M.2 SSDはType 2280です。
ACアダプターは100Wです。外部グラフィックスを搭載していないノートPCとしては大容量です。ただし、その分サイズがやや大きく、電源ケーブルも太いです。
まとめ
以上が、Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)のレビューです。
最新のインテルCore Ultraプロセッサーを搭載したノートPCです。Intel Arc GPU、AI専用プロセッサー「NPU」、LP E-coreを搭載したことで、グラフィックス性能、画像編集ソフトなどのAI処理性能、低負荷時の省電力性能が向上しています。
今回は、CPU電力も高めで推移しており、CPU性能も高かったです。
ディスプレイには、2.2K、sRGB 100%の液晶を搭載し、作業がしやすく、クリエイティブワークにも使えます。
また、65Whの大容量バッテリーを搭載し、省電力性の高いCore Ultraプロセッサーということもあり、バッテリー駆動時間が長いです。特にLP E-coreが動作するような低負荷時もしくはアイドル時が多い場合には、長くバッテリー駆動できる可能性があります。
質量は1kgを切るような超軽量というわけではありませんが、約1.32kgと十分持ち出せる軽さです。メモリが32GBと多いですし、外出先で、画像編集などをするような方にもいいでしょう。
ただし、キーボードがUS配列です。日本語キーボードとは配列やキー形状が異なるのでご注意下さい。英語キーボードを使ったことがない方は、よく検討したほうがいいです。
新プロセッサー「Core Ultra」搭載ノートPC
Swift Go(SFG14-72-F73Y/FE)
特徴
- 最新のインテル Core Ultra搭載
- 大容量バッテリーで、長めのバッテリー駆動時間
- 2.2K、sRGB 100%クラスのディスプレイ
- 比較的軽い
こんなあなたに
- 最新CPUを使ってみたい方
- 外出先でクリエイティブワークをするような方
- 価格21万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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