iPad Pro用Magic Keyboardの実機レビュー

更新日:2020年4月23日

iPad Pro 2020発表時に、本体よりも話題になったiPad Pro用のMagic Keyboardについてレビューします。Magic Keyboardは、初のトラックパッド付きキーボードカバーで、iPad Proに装着すると、ノートパソコンに近い操作感で使用することが可能です。なお、Magic Keyboardは2018年モデルのiPad Proでも使用可能です。

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iPad Pro + Magic Keyboardの位置づけ

元々、iPad Proはタブレットとしては非常に完成度の高い製品でしたが、タッチやペンでの操作が主になっており、パソコンで行えるような細かい作業は苦手でした。しかし、2020年3月にiPadOSがバージョン13.4になり、マウス操作部分の機能が大きく改善され、トラックパッドにも対応しました。そして、今回、満を持して登場したのが、トラックパッド搭載の「Magic Keyboard」です。

このMagic Keyboardを装着したiPad Proは、下のような位置づけになると思います。

 

iPad Proは、アプリがタブレット向けに作られているものがほとんどなので、パソコン版アプリに比べると細かい設定作業ができないですし、OS側も外部モニターに画面を拡張できなかったりなど、ノートパソコンの代わりにはまだならない部分もあります。質量もノートパソコンを買ったほうが軽いです。ただし、iPad Pro+Magic Keyboardはかなりノートパソコンに近い感じで操作できますし、文書作成などは快適です。アプリやOSが今後バージョンアップすれば、もっともノートパソコンに近いことが出来るようになると思いますし、そうなれば、ノートパソコンより出来ることは多いです。

ノートパソコンとして使おうと思って購入すると不満が出るかもしれませんが、普段iPad Proを使いこなしていて、「ノートPC形状でも使いたいな」、「タイピングも快適にしたいな」と思っている方は、満足できる製品なのではないかと思います。

 

良かった点

では、Magic Keyboardを使ってみて良かった点を紹介します。

デザインが秀逸

機能がどうのこうの以前に、デザインが秀逸です。画面が宙に浮いている感じが、今までのノートPCにはない、とても近未来的なシルエットです。カフェなどで積極的に使いたくなる1台です。

 

トラックパッドが使いやすい

トラックパッドがあることで、資料作成中、文章の途中にカーソルを移動するときや文字列を選択するときに、正確にできるので便利です。画面へのタッチ操作だとこのような作業が面倒でしたが、トラックパッドがあることで、大きく作業効率が上がります。

 

また、ジェスチャー操作もしやすいです。ジェスチャー操作については、以前公開したMagic Trackpad 2と操作方法が同じなので、ご覧ください。

Magic Trackpad 2でジャスチャー操作などしている動画

 

キーボードも打ちやすい

下図は12.9インチ用のMagic Keyboardですが、ノートパソコンと変わらない打鍵感です。従来からあるSmart Keyboard Folioよりも、タイピングのしやすさは上だと個人的には思います。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

USB-C充電ポートあり

Magic Keyboardのヒンジの左側のみ、充電用のUSB-Cポートがあります。ここにUSB-Cケーブルを接続することで、iPad Proの充電を行うことができます。タブレットに直接USB-Cケーブルを接続すると、高い位置にケーブルを接続することになるので、Magic KeyboardにUSB-Cケーブルを接続したほうが、見た目はスマートです。

なお、このポートは充電以外はできません。他のUSBデバイスを接続しても認識しないためご注意下さい。

 

膝の上が熱くならない

ノートパソコンを膝の上に置いて作業をすると、PCの底面が熱くなるため、低温火傷しそうになりますが、Magic Keyboardは熱くならないのでその心配がありません。足をやや伸ばして膝を斜めにすると、iPad Proが落ちそうになりますが、普通の体勢なら落ちることはあまりないでしょう。手の平をパームレストに置いていれば、まず落ちないと思います。

 

充電が不要

iPad Proでキーボードやトラックパッドを使うには、Bluetooth接続の外付けデバイスを使用するという手もありますが、充電が必要になるのでやや面倒です。Magic Keyboardは充電する必要がないので、そのわずらわしさから解放されます。

 

残念な点

次に、使っていてやや残念な点を紹介します。

質量が重い

冒頭でも触れましたが、iPad Pro+Magic Keyboardは、質量が重いです。下図はiPad Pro 12.9インチ+Magic Keyboardの質量ですが、1.339kgもありました。Cellularモデルの場合はもっと重くなります。

なお、11インチの場合は、1.06kgくらいになるそうです。ただし、11インチiPad ProのMagic Keyboardは、一部のキーが狭くなるので、タイピングのしやすさがやや劣ります。

 

Bluetooth非対応

iPad Proを使ってイラストを描く方も多いと思いますが、本製品はBluetooth接続できないため、片手でショートカットキーを使いながら、片手でペン操作をするといった使い方が出来ません。Bluetooth接続もできたら良かったかなと思います。

 

その他

ペンは使いにくいが、簡単に外せるのでOK

iPad ProをMagic Keyboardに装着したまま、ペンでイラストなどを描くのはやや難しいです。ただし、iPad Proはマグネットでくっついているだけで簡単に取り外せるので、ペンを使うときは外せばいいだけかと思います。Surface Proにペンでイラストを描くときは、タイプカバーを取り外すのと一緒です。

 

ヒンジはあまり傾かないが見づらくはない

カバーを閉じた状態から、ヒンジを開くと、下の角度まで開きます。

 

次に、ヒンジより上のほうにある部分が曲がり、最大で下図の角度まで画面を傾けることができます。なお、角度は自由に変えられます。そんなに傾きませんが、座高の高い筆者でも見にくくはなかったです。

 

その他画像

最後に、その他撮影した画像を掲載します。

 

外観の動画などについては下をご覧ください。

 

こんな方におすすめ

既にiPad Proを持っている方の場合、文書を作成するなどタイピングすることが多い方はおすすめです。Smart Keyboard Folioよりタイピングしやすいですし、トラックパッドが使いやすいので作業効率は上がると思います。やや重いのがデメリットですが、我慢できる範囲だと思います。

もしタイピングすることが少ないなら、重いだけなのでやめた方がいいと思います。Smart Keyboard FolioもしくはSmart Folioで十分でしょう。

 

iPad Proを持っていない方の場合で、主にノートパソコンのように使おうと思っている方も止めておいたほうがいいです。ノートパソコンを購入したほうが軽いし安いです。

主にタブレットとして使おうと思っていて、タイピングすることもある方ならいいと思います。

iPad Proの公式ページはこちら Magic Keyboardの公式ページはこちら

 

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