ナナオ EIZO FlexScan T2351W-Lのレビュー

マルチタッチ対応フルHD液晶
iPadが2010年5月に発売されて以来、電子書籍の自炊がブームです。
電子化した書籍を持ち歩くにはiPadやスマートフォンのほうが良いですが、自宅でみるには画面がやや小さく見づらいです。ここで、自宅で電子書籍を”長時間”見る方におすすめなのがEIZO FlexScan T2351W-Lです。23型フルHDのタッチパネル液晶で、大画面で電子書籍を見ることができます。
電子書籍の自炊が流行っている
2010年5月にiPadが発売されて以来、電子書籍を自炊する人が増えています。自炊とは自分で本を裁断しスキャナで読み込ませ電子化することです。
部屋に本が溢れかえっている人は、電子化して捨ててしまえば、部屋の中は綺麗さっぱりです。
一部のページだけ必要だけな場合も、必要な部分だけ電子化し、本は捨てることができます。
企業なんかは、書籍を電子化してみんなで読むこともできます。
電子書籍の自炊をプチ試す
記事を書いているうちに、私も電子化の自炊をしてみたくなったのでプチチャレンジしてみました。ただ、裁断機もADF対応のスキャナも無いので、カッターで雑誌を切って、1枚ずつ複合機のスキャナで読み込ませPDF化しました。
雑誌をカッターで切り、スキャナで読み込ませPDF化しました。
おすすめスキャナと裁断機
やってはみたものの、はやり1枚ずつスキャンするのは大変です。もし電子書籍の自炊をやってみたい方は、完全「自炊」マニュアル(外部リンク)をご覧ください。かなり細かくやり方を掲載しています。
尚、電子書籍を自炊する道具としては、下記製品が定番です。

電子書籍の自炊に定番の「FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500」
今すぐ購入:Amazon
A4カラー両面原稿で1分間に20枚・40面のスキャンが可能です。150ページの雑誌なら4分程度でスキャン完了します。
自動両面読み取りで、最高50枚までの用紙をセット可能です。
T2351W-Lで自炊した電子書籍を見る
話はそれましたが、雑誌をスキャンしPDFへ変換後、T2351W-Lで電子書籍を見てみました。画面が大きいので非常に見やすいです。
ただ、こうやってみると左右に余白が大きくできます。些細なことですが、フルHD(1920x1080)ではなくUXGA(1600x1200)でも良かったかなと想います。
電子書籍化したPDFファイルをT2351W-Lで確認。画面が大きくみやすい。
老眼でも拡大できる
マルチタッチで拡大表示が可能。
マルチタッチ対応のタッチパネルなので、2本の指を広げたり縮めたりすると、画面の拡大縮小が可能です。電子書籍を読んでいて文字が小さいなと思ったら画面をズームすることもできます(T2351W-Lは画面が大きいので通常は無いとおもいますが)。
老眼の症状がでてきた方は、本を直接読むよりも、電子化してT2351W-Lで文字を拡大して読んだほうが読みやすいかもしれません。
iPadでは見づらい雑誌もOK
iPadで見づらい雑誌もT2351W-Lなら見やすい。
書籍の電子化を流行らせたiPadは、確かに書籍を持ち歩くには非常に便利だと思います。
しかし、iPadはIPS液晶であるものの、輝度やコントラストがやや高いので、”長時間”電子書籍を読むとさすがに疲れます。また雑誌など図が多い書籍は、画面が小さくて見にくかったりします。
T2351W-Lなら、雑誌を見開きページで見ても、十分な大きさで文字や図を見ることができます。自宅で長時間読むならこちらのほうが良いでしょう。
電子書籍が読みやすい
目線を下にできるので読みやすい。
画面が大きいだけでなく、T2351W-Lは他にも電子書籍が読みやすい工夫がいくつかあります。
まず、通常本を読むときの角度まで、ディスプレイを傾けることができる点です(右図)。目線を下に下げることができるので本を読みやすいです。パソコン作業をするには傾きすぎですが、本を読むにはちょうど良かったりします。
また、Pagerモードといって、輝度やコントラストを低めにし目の疲れを軽減するモードも用意されています(下図)。
PaPerモードにすれば紙に近い色とコントラストになり、目への負担が軽減。
欲を言えば電子書籍ビューアーを付属して欲しかった
iPad用の電子書籍ビューアー「i文庫HD」。
指でなぞるだけでページをめくれます。
欲を言えば電子書籍のビューアーソフトを付属してもらいたかったです。iPadだと「i文庫HD」などの電子書籍ビューアーソフトを購入すれば、指でなぞったりタップしたりするとページを簡単にめくれます。しかし、パソコンではそういったPDFをタッチ操作できるビューアーが非常に少ないです(というか、探しても見つからなかったです。もし知っている人がいたら、こちらから教えていただけると幸いです)。
設置場所を工夫しないと電気が映り込む
傾けすぎると設定場所によっては部屋の電気が映り込みます。
T2351W-Lは、タッチパネル液晶であるため、画面は光沢で映り込みがあります。しかも、液晶を傾けられるメリットが災いして、傾け過ぎると部屋の電気が映り込みやすくなります。部屋の電気が映り込まないように設置場所を工夫する必要があります。
Auto EcoViewはオフにしたほうがいい
タッチ操作をするならAuto EcoViewはOFF。
EIZOの多くの製品には、Auto EcoViewという周囲の明るさに合わせて輝度を自動で調節してくれる機能があります。
普段は便利な機能ですが、T2351W-Lに関しては、個人的にはOFFにしたほうがよいと思います。
なぜなら、タッチ操作をするために手で画面に触れようとすると、Auto EcoViewが反応して画面が暗くなるからです。
普通のパソコン用ディスプレイとしても高い性能
普通のパソコン用ディスプレイとしても性能は高いです。
いくら電子書籍が読みやすいからといって、電子書籍のためだけに7万円近くするT2351W-Lを購入する人はいないでしょう。
T2351W-Lは、パソコン用のディスプレイとしても高い性能を持っているので安心してください。
タッチパネルという点以外は、FlexScan EV2334W-Tと中身は一緒のようなので、視野角、色の発色などは良いと思います。
タッチパネル液晶一体型PCとの比較
T2351W-Lは直販店だと7万円近くします。液晶ディスプレイとしては「高い」と思う人もいるかもしれませんが意外とそうでもありません。タッチパネル・フルHD対応の液晶一体型パソコンを買うよりも、T2351W-Lとデスクトップパソコンを買うほうが安かったりします。
参考までに価格が安いHP社の液晶一体型パソコンと価格を比較してみました(下図)。パソコンの性能はほぼ同スペックにしています。ご覧の通り、T2351W-L とデスクトップパソコンを購入したほうがやや安くなります。
T2351W-L と HP p6640jp/CT | HP TouchSmart600 PC |
---|---|
![]() ![]() |
![]() |
T2351W-L:約70,000円 HP p6640jp/CT:約70,000円 |
約150,000円 |
合計 約140,000円 | 合計 約150,000円 |
外観のチェック
最後にT2351W-Lの外観です。
次は、背面です。液晶の傾きを変えるときは、赤いレバーを上に引き上げます。
液晶の傾きは、15°~65°まで6段階で調整可能です。
入出力端子は次のようになっています。
まとめ
以上がEIZO FlexScan T2351W-Lのレビューでした。タッチパネルでフルHD液晶はなかなか他社にはありません。
個人ユーザーなら、電子書籍の閲覧用途に最適です。また、子供はタッチパネルの液晶を喜ぶので、これで一緒に勉強したり遊んだりするのも良いと思います。
企業ユーザーなら、専門分野での用途はたくさんあると思います。
まとめると、EIZO FlexScan T2351W-Lは、次のようなメリットがります。
こんなあなたにおすすめです。
購入はEIZOダイレクトから可能です。
![]() |
![]() |