ナナオ EIZO FlexScan EV2334W-Tの評価レビュー
目や肩、首が疲れにくい液晶ディスプレイ

筆者は毎日10時間以上パソコンで作業しているので、目の疲れや、肩・首こりに悩まされています。
パソコン作業による目・肩・首の疲れは、姿勢と液晶ディスプレイで改善されます。以前から、猫背にならないようにし、L字型の机を使って肘を机に置き肩と首に負担がかからないようにしていました。 ただ、液晶ディスプレイだけは普通の製品を使っていたので、目・肩・首が疲れにくい製品に買い換えました。色々検討した結果、EIZO FlexScan EV2334W-Tを購入し、2ヶ月間使ってみたのでレビューします。
目・肩・首が疲れにくい液晶ディスプレイの検討
まずは2ヶ月前にどんな製品を検討したかを記載します。
私の要件は次の通りです。
この要件に合う製品を探した結果、以下の製品が候補に挙がりました。もっと価格が高ければ、より目が疲れにくい製品があるのですが、5万円以下だとこうなりました。
会社名 | 三菱電機 | ナナオ(EIZO) | ナナオ(EIZO) | IIYAMA | |
ブランド名 | Diamond crysta WIDE | FlexScan | FlexScan | ProLite | |
製品型番 | RDT231WM-X | EV2334W-T | EV2333W-H | B2409HDS | |
製品画像 | ![]() |
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発売日 | 2009年11月 | 2009年12月 | 2009年7月 | 2009年1月 | |
基本機能 | |||||
サイズ | 23インチ | 23インチ | 23インチ | 23.6インチ | |
解像度 | 1920x1080 (フルHD) | 1920x1080 (フルHD) | 1920x1080 (フルHD) | 1920x1080 (フルHD) | |
表面処理 | 非光沢 | 非光沢 | 非光沢 | 非光沢 | |
パネル方式 ※1 | IPS | VA | VA | TN | |
見やすさ・作業しやすさ | |||||
コントラスト比 | 1000:1 | 3000:1 | 3000:1 | 1000:1 | |
視野角 | 178°(IPS) | 178°(VA) | 178°(VA) | 170°(TN) | |
輝度(cd/m2) | 300 | 300 | 300 | 300 | |
高さ調整 | 3段階のブロックネック | 60mmの範囲で調整 | 171mmの範囲で調整 | 110mmの範囲で調整 | |
縦長画面に回転 | × | × | ○ | ○ | |
動画(地デジやDVDなど)の綺麗さ | |||||
応答速度(GTG) | 3.8ms | 7ms | 7ms | 2ms | |
オーバードライブ ※2 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
解像度強調技術 | ギガクリアエンジン | Power Resolution | × | × | |
ダイナミックコントラスト ※3 | ○ 5000:1 | × | × | ○ 20000:1 | |
その他 | |||||
入力端子 | DVI-D、HDMI x2、D-SUB15 | DVI-D、HDMI、D-SUB15 | DVI-D、D-SUB15 | DVI-D、HDMI、D-SUB15 | |
HDCP | ○ | ○ | ○ | ○ | |
スピーカー内蔵 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
消費電力 | 57W | 25W | 25W | 43W | |
メーカー保証期間 | 3年 | 5年 | 5年 | 3年 | |
価格 | |||||
実売価格 | 42,000円 | 40,000円 | 47,000円 | 20,000円 | |
おすすめ販売店 | Amazon |
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備考 | |||||
※1 パネル方式 ・・・ ざっくり言うとIPSVATNの順で綺麗で目が疲れにくい。ただし高価。 ※2 オーバードライブ ・・・ 中間階調域の応答速度を高速化する。 ※3 ダイナミックコントラスト ・・・ 映像の明るさに応じてバックライト輝度をリアルタイムに変更する技術。映像が暗い時は輝度を下げ、明るい時は輝度を上げることによって、コントラスト比を上げている。動画再生時に有効だが、静止画でのコントラスト比は上がらないので注意。 |

まず第一候補に挙がったのが、三菱のRDT231WM-Xです。IPSパネルを採用してこの低価格はすごい。視野角が広いほど目が疲れにくいので、IPSパネルは最有力候補です。IPSなのに応答速度も3.8msあり動画も綺麗。唯一気になるのは、高さ調節機能です。ブロックネックで3段階までしか調節できません。

次の候補は、ナナオのEV2334W-Tです。VAパネルで視野角はまあまあ。高さ調節は三菱よりも柔軟にできます。また、コントラスト比が他社よりも高いため、デジカメで撮影した静止画をよく確認する私にはちょうど良いです。ナナオは目が疲れにくいディスプレイ作りに力を入れているのも評価できます。またメーカー保証期間が5年もありサポートの評判もよいです。Power Resolutionの解像度強調技術は評判が悪いので最初から期待はしないようにします。

次は、ナナオのEV2333W-Hです。上の製品の中で、目や肩・首に最も優しいのはこのEV2333W-Hでしょう。高さ調節が自在で、机につくくらい液晶を下げられます。ディスプレイを縦長にして見ることもできます。ただし、この製品はHDMI入力端子がないという欠点があります。HDMI端子があればこの製品を買ったと思います。しかしHDMI端子がないとPS3等のゲームができないので、まずこの製品は選択肢からはずしました。

最後が、IIYAMAのB2409HDSです。広範囲で高さ調節が可能で価格も20,000円と激安です。ただTNパネルを使っており視野角が悪いため、これも選択肢からはずしました。
EV2334W-Tに決定!

RDT231WM-XとEV2334W-Tのどちらにするか迷いましたが、最終的に購入した製品は、EV2334W-Tです。
決め手になったのは、ナナオさんの眼精疲労・肩こり対策に取り組む姿勢です。メーカーホームページで疲れ目対策の特集をしていたり、疲れ目対策のオンラインセミナーも開催していたり、我々が作業するときにいかに疲れないかを、ちゃんと考えてくれています。もちろん静止画の見やすさ、高さ調節ができる点など製品も素晴らしいと思いました。
本当は、もっと高さ調節が柔軟にできるナナオのEV2333W-Hのほうが良かったのですが、HDMI端子がないためEV2334W-Tにしました。
RDT231WM-Xも良かったのですが、安価なせいかIPSのわりには視野角がそれほど良くなかったのと、動画やゲームはするけど、それほど重視はしないのでやめました。動画やゲーム優先の方ならRDT231WM-Xのほうが良いと思います。
ここがすごい - コントラスト比が高く画面が綺麗
EV2334W-Tは他社よりもコントラスト比が3000:1と高く、静止画が非常に綺麗です。ちなみに、ダイナミックコントラスト比が20000:1とかよく見かけますが、あれは輝度も変化させたときのコントラスト比で、動画はやや見やすくなりますが、静止画は綺麗になりません。
デジカメで撮影し、さらにサイズを圧縮しているため、あまり参考にはなりませんがEV2334W-Tで映したときの画像を掲載します。

ここがすごい - 視野角はほどほど広い
EV2334W-TはVAパネルを使用しているため、視野角はわりと広いです。 IPSパネルのRDT231WM-Xよりは狭いですが、TNパネルの他社の液晶ディスプレイよりは広いです。

ここがすごい - 柔軟な高さ調節が可能
EV2334W-Tは、高さ調節及び角度調節が可能です。高さは60cmの範囲で自由に調節できます。
ここがすごい - 用途によってモードを選べる
EV2334W-Tは、6つのモードが用意されています。「sRGB」、「Text」、「Picture」、「Game」、「Cinema」、「Custom」です。 それぞれ色温度やガンマ設定などが最適に調整されています。何を表示させるかによって切り換えて使います。
私は普段は「sRGBモード」
ホームページに掲載するためのデジカメ画像の色を正確に確認するため、通常、私はsRGBモードで使用しています。 静止画は非常に綺麗ですし文字も見やすいです。
目が疲れてきたら「Textモード」
目が疲れてきたなと思ったら、「Textモード」にします。
ただ、テキストモードは色温度が低めの5000kに設定されており、白色がやや黄色っぽく見えてしまいます。 個人的にはもうちょっと青っぽいのが好きなので、5500kに設定を変更して使っています。こうすることで目が疲れにくく、なお且つ私にとって見やすくなりました。このように微調整ができる点も気に入っています。
ゲームをするときは「Gameモード」、「Cinemaモード」
ゲームをするときは「Gameモード」にしています。
ただしGameモードは初期設定だと、かなりギラついた画像になっています。 参考までに、GameモードとsRGBモードの画像を下に掲載します(ただしデジカメで撮っている上に、別の液晶ディスプレイを通してみると、実際の画像とはやや異なるのでご了承ください)。


この「Gameモード」のギラつきは、Power Resolutionという解像度強調設定がONになっているためです。この設定は3段階で調節可能ですが、初期設定は「2」になっています。この値を「1」にすると、ギラつき感がおさえられ、適度に解像度が強調されて見やすくなります。
また、最近のゲームは映像が綺麗なので「Cinemaモード」でもいいと思います。
ここがすごい - 周囲の明るさによって輝度を自動調整
モニターの輝度を下げたほうが、目は疲れにくいと言われます。
ただ、昼間の明るい場所で作業をする場合、輝度が下がりすぎると見づらくなってしまいます。
要は輝度は低めにしたほうがいいけど、周囲が明るいときはやや高めに、周囲が暗い時はやや低めにしたほうが良いのです。しかし、輝度を周囲の明るさに合わせていちいち調整するのは面倒ですよね?
EV2334W-Tなら、周囲の明るさに合わせて輝度を自動調節してくれます。この様子は右の動画で確認してください(カメラの明るさも一緒に変わるので分かりづらいですが・・・・)。
この輝度の自動調節機能はすごく気に入っていて、目が疲れにくくなりました。
さらに自分好みに輝度を調節したとしても、輝度と周囲の明るさを記憶し、次回の輝度調節に反映してくれます。
ここがすごい - 簡単に画面を分割できる
EV2334W-Tは、Shiftキーを押しながら、ウィンドウをドラッグすると、簡単に画面を分割することができます。
右に動画を用意しましたのでご覧ください。尚、Shiftキーを押しながら操作しています。
Windows 7 も画面の左右の端にドラッグすると、2分割することができますが、EV2334W-Tは下記のように分割可能です。

ここは微妙 - EcoView Sense

EV2334W-Tには、席を離れたときに自動でディスプレイの電源を切るEcoView Senseという機能があります。これは、ディスプレイの下の人感センサーで、人がいるかどうかを判断しています。
省エネで便利ではあるのですが、周囲の明るさや服の色などによって誤動作が多いです。私はOFFにしています。
まとめ
まとめると、EIZO FlexScan EV2334W-Tは、次のようなメリットがります。
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