※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
VAIO Z(2016年モデル)の実機レビュー

高性能CPU搭載のモバイルPC
VAIO Zは、モバイルノートPCの中では、ワンランク上の性能を持つ13.3型ノートパソコンです。
通常のモバイルノートPCは、TDP15WのCore i プロセッサーを搭載していますが、本製品はTDP28Wのプロセッサーを搭載しています。消費電力や発熱はやや高くなってしまいますが、CPUおよびGPU性能が数十パーセント向上しています。
従来のVAIO Zは、フリップモデルと呼ばれている2 in 1 パソコンでしたが、2016年春に発売されたモデルから、クラムシェルモデルが追加されました。タブレットに変形しない代わりに重量が軽いモデルです。
今回は、クラムシェルモデルでレビューします。
販売サイト:ソニー・ストア(VAIO Z)
※レビュー機は当サイトの購入品です
目次
1 VAIO Z の基本スペック | 2 特徴1 - TDP 28Wの高性能CPU搭載 |
3 特徴2 - 高速なSSDを搭載 | 4 特徴3 - やや長いバッテリー駆動時間 |
5 特徴4 - クラムシェルモデルなら軽量な本体 | 6 特徴5 - フリップモデルならタブレットへ変形 |
7 液晶ディスプレイのチェック | 8 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
9 パフォーマンスのチェック | 10 ゲームベンチマーク |
11 カードリーダー/ライターのチェック | 12 静音性のチェック |
13 パーツの温度のチェック | 14 表面温度のチェック |
15 消費電力のチェック | 16 外観のチェック |
17 まとめ |
VAIO Zの基本スペック
VAIO Z(2016年春モデル)のスペックです。特徴的な部分は赤字にしています。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
フリップモデル | クラムシェルモデル | |
---|---|---|
液晶サイズ | 13.3型ワイド | |
解像度 | 2560x1440 | 2560x1440 1920x1080 |
タッチパネル | ○対応 | ×非対応 |
ペン対応 | ○対応 | ×非対応 |
CPU | Core i7-6567U(TDP 28W) Core i5-6267U(TDP 28W) |
|
グラフィックス | インテル Iris グラフィックス 550 | |
メモリ | 8 ~ 16GB | 4 ~ 16GB |
ストレージ | 512GB/256GB/128GB(PCIe x4 - NVMe対応) | |
重量 | 約1.35kg | 約1.17kg |
バッテリー駆動時間 | 約19.4~19.7時間 | 約20.9~27.0時間 |
高さ(最厚部) | 16.8 mm | 16.8 mm |
今回のレビュー機は、クラムシェルモデルで、スペックは次の通りです。
- 13.3型ワイド(1920x1080)、Core i7-6567U、8GBメモリ、128GB SSD
特徴1 - TDP 28Wの高性能CPU搭載
VAIO Zは、TDP(熱設計電力)の大きなCPUを搭載しています。TDPが大きいと発熱や消費電力は大きくなりますが、その分、CPUの処理性能は高くなります。
さらにCPU内蔵のグラフィックスは、インテル HD グラフィックスではなく、性能がワンランク上の「インテル Iris グラフィックス 550」となっています。
下の表は、一般的なモバイルノートPCに搭載されているTDP15WのCPUと、性能を比較したものです。VAIO Zで選択可能なTDP28WのCPUは、CPU性能、GPU性能共に、高いスコアであることが分かると思います。
VAIO Zで選択可能な TDP28WのCPU |
一般的なモバイルPCに搭載される TDP15WのCPU |
||||
---|---|---|---|---|---|
Core i7-6567U | Core i5-6267U | Core i7-6500U | Core i5-6200U | ||
CPU性能を 測るテスト |
Passmark CPU Mark | 5482 | ? | 4528 | 4249 |
エンコード時間 ※2 | 32分52秒 | ? | 45分45秒 | 50分37秒 | |
GPU性能を 測るテスト |
3DMark SKY DRIVE 1.0 | 6305 | ? | 3750 | 3399 |
3DMark CLOUD GATE 1.1 | 8733 | ? | 5998 | 5462 |
※2 XAVC Sの動画(約5分、4K)を、x265にてMP4(FHD)へ変換
特徴2 - 高速なSSDを搭載
VAIO Zは、PCIe x4 (Gen3) - NVMe 接続のSSDを搭載しています。
今回は128GBの容量のSSDを選択しており、デバイスマネージャーで型番を確認すると、「SAMSUNG MZVPV128」と記載されていました。

デバイスマネージャー
CrystalDiskMarkのスコアは下図のようになっています。
SATA接続のSSDより非常に高速ですが、NVMe接続のSSDの割にはそこまで速くもないです。SSDは容量が大きいほど高速であるため、256GB以上のSSDにすれば、もっと高速になると思います。

128GB PCIe x4 (Gen3) - NVMe SSD
特徴3 - やや長いバッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間のチェックです。
VAIO Zは消費電力の高いCPUを搭載していますが、容量の大きいバッテリーを搭載しているため、バッテリー駆動時間は比較的長めです。当サイトで計測したバッテリー駆動時間は次の通りです。
なお、今回はフルHD(1920x1080)の液晶を搭載していますが、WQHD(2560x1440)の液晶を搭載した場合、バッテリー駆動時間はもっと短くなります。逆に今回搭載しているCore i7-6567Uではなく、Core i5-6267UのCPUを搭載した場合は、駆動時間はもっと長くなるでしょう。
フルHD液晶 Core i7-6567U |
|
---|---|
PCMark 8 Home テスト ※1 | 5時間08分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 7時間14分 |
動画再生時 ※3 | 11時間16分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
特徴4 - クラムシェルモデルなら軽量な本体
クラムシェルモデルであれば、重量も比較的軽いです。
最近は1kgを切るようなモバイルPCもあり、そこまで軽くはありませんが、当サイトの計測値で1.156kgと比較的軽量です。
なお、タッチパネルを搭載した「フリップモデル」の場合は約1.35kg(メーカー仕様値)となります。こちらはモバイルノートパソコンとしては普通の重さです。

重量の実測値
特徴5 - フリップモデルならタブレットへ変形
フリップモデルなら、タブレットへ変更することも可能です。
フリップモデルについては、外観がほとんど変わっていない旧モデルのレビュー記事「VAIO Z(2015年モデル)の実機レビュー」をご覧下さい。

タブレット形状へ変形可能(旧モデルの画像)
また、フリップモデルならデジタイザーペンにも対応しています。パソコンに手書きでメモやイラストを描くことが可能です。

One Note でメモを取っているときの様子
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
VAIO Zは、いくつか液晶が用意されていますが、今回はタッチパネルなしのフルHD(1920x1080)液晶についての特性をレビューします。なお、以前、VAIO S13をレビューしましたが、このときと同じパネルが搭載されていました。
まず、最大輝度が実測で570cd/m2と非常に高いです。
視野角も広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ1:1の直線で、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください
色域も広いです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状は下図の通りです。特に問題なさそうに見えますが、目視するとややギラつきを感じます。気にならない方がほとんどだとは思いますが、ギラつきを感じやすい人は気になるかもしれません。


液晶表面には低反射コートが施されているため、映り込みは低減されています。

画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
当サイトでの計測値では、キーピッチが横19mm、縦18.5mmで十分な広さです。キーストロークは約1.2mとやや浅めです。キートップはやや湾曲していますが、フラットに近いです。
また、キーを押したときのクリック音がやや小さく、キートップはテカリにくいようになっています。

キーボード全体図

キーの拡大図1

キーの拡大図2
キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト
タッチパッドは大きく操作しやすいです。一体となっているクリックボタンは普通の押しやすさです。

タッチパッド
今回は日本語配列キーボードですが、かな文字なしのキーボードや、英字配列キーボードも選択可能です。また、数量限定で、キートップに刻印のない無刻印キーボードも用意されています。

無刻印キーボード
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
前述したとおり、CPU、ストレージ共に高速です。メモリも最大16GBと十分です。モバイルノートパソコンの中では処理性能の高い製品です。
Core i7-6567U、8GBメモリ、128GB NVMe SSDの構成でのベンチマーク結果は次の通りです。
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
※ FIRE STRIKE:高性能GPU向け、SKY DIVER:ミドルレンジGPU向け、
CLOUD GATE:一般ノート向け、ICE STORM:タブレットやスマホ等のモバイル向け
PCMark 8 - Home accelerated
動画のエンコード時間
Core i7-6567U | |
---|---|
x265でエンコード (※1) | 32分52秒 |
x264でエンコード (※2) | 16分05秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
QSVでエンコード (※4) | 7分58秒 |
※1 4Kや8Kにも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが、出力ファイル容量は従来の約半分
※2 H.264エンコーダーの中で、現在人気の高いエンコーダー。ほどほどの速度で高画質
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載される最新ハードウェアエンコーダー。従来のCUDAより速度、画質とも向上
※4 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー。エンコードが高速
ストレージのベンチマーク
128GB PCIe x4 - NVMe SSD
ゲームベンチマーク
本製品は、インテル HD グラフィックスよりも性能が良いインテル Iris グラフィックス 550を搭載しています。
各ゲームのベンチマークスコアは次の通りで、解像度とグラフィック設定を低めにすれば、プレイできるゲームもあります。
製品名 | VAIO Z | |||
基本スペック | Core i7-6567U インテル Iris グラフィックス 550 |
|||
![]() |
ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルド (DirectX 11) | ![]() |
標準品質 ★ | 6192 (とても快適) |
高品質 ★ | 4067 (快適) | |||
最高品質 | 2929 (やや快適) | |||
![]() |
標準品質 ★ | 3461 (やや快適) | ||
高品質 ★ | 2290 (普通) | |||
最高品質 | 未実施 | |||
![]() |
ドラゴンズドグマオンライン |
![]() |
低品質 | 5850 (快適) |
標準品質 | 5565 (快適) | |||
最高品質 | 4449 (快適) | |||
![]() |
低品質 | 3441 (普通) | ||
標準品質 | 3284 (普通) | |||
最高品質 | 2828 (普通) | |||
![]() |
ファンタシースターオンライン2 EPISODE4 | ![]() |
描画:3 | 15966 (快適) |
描画:6 | 3083 (普通) | |||
![]() |
描画:3 | 7321 (快適) | ||
描画:6 | 1246 (重い) | |||
![]() |
ファンタシースターオンライン2 ver.2 | ![]() |
描画:3 | 13191 (快適) |
描画:5 | 6158 (快適) | |||
![]() |
描画:3 | 5475 (快適) | ||
描画:5 | 2690 (標準) | |||
![]() |
モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐) | ![]() |
― | 6838 |
![]() |
― | 3873 | ||
![]() |
ドラゴンクエストX | ![]() |
標準品質 | 9710 (とても快適) |
最高品質 | 8916 (とても快適) | |||
![]() |
標準品質 | 8450 (とても快適) | ||
最高品質 | 7126 (とても快適) | |||
★「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。 ※ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルドは、約7700スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ファンタシースターオンライン2 EPISODE4は、約4200スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ファンタシースターオンライン2 ver.2は、約2700スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※通常の液晶ディスプレイは60Hz駆動であるため、ゲームを快適にプレイするには最低でも平均60fpsは欲しいです。 |
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
SDカード挿入後の出っ張りは、ほとんどありません。

SDカードスロット挿入後の画像
アクセス速度は普通です。

UHS-Ⅰ対応カード
![]() ![]() |
![]() |
|
![]() |