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Core Ultra 200V搭載のポータブルゲーミングPC、 MSI Claw 8 AI+ A2VMの実機レビュー

更新日:
MSI Claw 8 AI+ A2VMの写真
CPU Core Ultra 7 258V
GPU Intel Arc 140V GPU
メモリ 32GB LPDDR5X
ストレージ 1TB SSD(M.2 NVMe)
画面サイズ 8インチ 16:10
画面種類 1920×1200 120Hz 光沢
タッチ対応
無線LAN Wi-Fi 7(11be)
質量 約795g
バッテリー アイドル時 最大15時間
(80Wh)
価格 15万円台
Core Ultra 200V搭載のポータブルゲーミングPC

MSI Claw 8 AI+ A2VMはCore Ultraシリーズ2の「Core Ultra 7 258V」を搭載し、前モデルから大幅に進化したポータブルゲーミングPCです。

内蔵グラフィックスの性能が高く、軽めのゲームだけでなく負荷が重めのゲームも、画質設定や解像度を落とすことでプレイ可能です。

大容量の80Whバッテリーを搭載しているので、外出先でも長時間ゲームをプレイすることが可能です。ただその分、重さは795gと前モデルより重くなっています。

小型ゲーミングPCにしては冷却性・静音性にも優れています。

販売サイト(MSIストア)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core Ultra 7 258V、32GBメモリ、1TB SSD(M.2 NVMe)

 

目次

お忙しい方は、「MSI Claw 8 AI+ A2VMの特徴」のみお読みください。

 

MSI Claw 8 AI+ A2VMの特徴

前モデルから大幅に進化したClaw 8 AI+ A2VM

MSI Claw 8 AI+ A2VMは、前モデルのClaw A1Mから改良され、大幅に進化したポータブルゲーミングPCです。

前モデルのClaw A1Mとスペックを比較してみると、CPUはCore Ultra シリーズ2の「Core Ultra 7 258V」を搭載。CPU性能だけでなく、内蔵グラフィックスも「インテル Arc 140V GPU」へと強化されています。また、NPU性能も強化され、AI機能を活用したCopilot+ PCにも対応しているのもポイントです。

メモリは16GB LPDDR5から32GB LPDDR5Xへと増強され、高速かつビデオメモリ量も多く確保できるようになっています。

ディスプレイは7インチの1920×1080解像度から8インチの1920×1200へと少し大きくなりました。120Hzの高リフレッシュレート、タッチ対応なのは変わりません。

インターフェースでは、前モデルだとThunderbolt 4 Type-Cが1ポートのみだったのが、Claw 8 AI+ A2VMでは2ポートへと増えているのも嬉しいポイント。

バッテリー容量は、前モデルの53Whから80Whの大容量バッテリーになり、バッテリー駆動時間も大幅に伸びています。

画面サイズやバッテリー容量の増強から、本体サイズも前モデルからやや大型化しており、その分重量も795gと、前モデルから100g重くなっています。

なお、本製品とは別に、7インチ、フルHDモデル「Claw 7 AI+ A2VM」も販売されています。

Core ウルトラシリーズ2「Core Ultra 7 258V」を搭載
前モデルとの比較
  Claw A1M(2024) Claw 8 AI+ A2VM(2025)
CPU Core Ultra 7 155H
Core Ultra 5 135H
Core Ultra 7 258V
GPU インテル Arc グラフィックス インテル Arc 140V GPU
メモリ 16GB LPDDR5 32GB LPDDR5X
ストレージ 1TB(M.2 NVMe)
512GB(M.2 NVMe)
1TB(M.2 NVMe)
画面 7インチ、1920×1080
グレア、120Hz、タッチ対応
8インチ、1920×1200
グレア、120Hz、タッチ対応
インターフェース Thunderbolt 4 Type-C ×1
オーディオコンボジャック ×1
microSDカードリーダー
Thunderbolt 4 Type-C ×2
オーディオコンボジャック ×1
microSDカードリーダー
無線LAN Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
バッテリー容量 53Wh 80Wh
バッテリー駆動時間 最大7時間(JEITA 3.0 動画再生時)
最大8時間(JEITA 3.0 アイドル時)
最大10時間(JEITA 3.0 動画再生時)
最大15時間(JEITA 3.0 アイドル時)
本体サイズ 294×117×21.2mm 299×126×24mm
本体質量 675g 795g
価格(税込) 139,800円
119,799円
159,800円

 

8インチ、1920×1200の大きくなったディスプレイ

16:10比率に対応したゲームが増えてきたのもあり、Claw 8 AI+ A2VMディスプレイは、8インチ、1920×1200へと大型化。120Hzの高リフレッシュレート、タッチ対応はそのまま継承されています。

色域も当サイト調べでsRGBカバー率100%とやや広めで、綺麗な映像でゲームをプレイできます。

ただし、画面表面は光沢のあるグレアパネルなので、ゲーム中の暗転時に自分の顔ががっつり映り込んでしまうのでご注意ください。

8インチ、1920×1200の「MSI Claw 8 AI+ A2VM」
7インチ、1920×1080の前モデル「MSI Claw A1M

 

Thunderbolt 4 Type-Cが1ポート増えた!

前モデルのClaw A1Mでは、USBポートはThunderbolt 4 Type-Cが1ポートのみと、かなり不便だったのが、Claw 8 AI+ A2VMでは2ポートへと増えているのが嬉しいポイント。これにより給電しながらでも、周辺機器を接続しやすくなりました。

また、細かい配慮ですが、USBポートとmicroSDカードリーダー手前には小さい突起が設けられており、暗い部屋でも手探りでアクセスしやすい設計になっているのも良い改良点です。

Thunderbolt 4 Type-Cが2ポートになった「MSI Claw 8 AI+ A2VM」
Thunderbolt 4 Type-Cが1ポートしかなかった「MSI Claw A1M

 

ゲーム中いつでも呼び出せる「MSI Quick Settings」

進化したClaw 8 AI+ A2VMでは、クイックセッテイングのUIも改良されています。画面右横にあるクイックセッティングボタンを押すことで開く「MSI Quick Settings」は、いつでも呼び出すことができ、ゲーム中によく使う輝度調整やパフォーマンス設定の切り替え、キーボードの呼び出しやスクリーンショット、録画、タスクの終了やシャットダウンに至るまで、すぐにアクセスできます。また、ポータブルゲーミングPC向けに最適化されているので、コントローラーまたはタッチ操作で完結できるようになっています。前モデルと比べるとUIサイズは小さくなっていますが、メニュー画面が透過されているので、ゲーム画面を見ながらでも設定を変更できるようになったのは良い改良点でしょう。

画面左横にあるボタンを押すことで開く「MSI Center M」からは、パフォーマンス設定や操作設定、その他RGBライティングなどの設定が可能です。

右側にある「クイックセッティングボタン」でゲーム中でもクイックメニューが呼び出せる
「MSI Quick Settings」メニュー
左側にある「MSI Center M」ボタンからは様々な設定が可能

 

洗練されたコントローラー

コントローラーのスティック部分は、ドリフト問題を抑える「ドリフトフリー・ホールエフェクトスティック」を採用しており、高品質で操作性、耐久性、ホールド感も優れています。普段からXBOXコントローラーに触れている人ならそのまま違和感なく使えます。ただ、eスポーツタイトルといった競技性の高いシューターや格闘ゲームでは、別のコントローラーを接続した方が快適にプレイできると思います。

重量は795gと前モデルから100g以上も重くなっていますが、仰向けでプレイしない限りはそれほど疲れることはないと思います。

また、MSI Center Mからコントローラーの各種設定が可能で、ボタンの割り当てからスティックとトリガーの感度調整、背面のマクロボタンやショートカットの設定も行うことができます。

ドリフトフリー・ホールエフェクトスティック採用
背面に配置されたマクロボタンは様々な用途に使えそう
ボタン割り当て設定
スティックの感度調整
トリガーの感度調整
背面のマクロボタンのショートカット設定

 

RGBライティング機能も搭載

MSIと言えばRGBライティング。Claw 8 AI+ A2VMも左右のスティック周りとABXYボタンがRGBライティングに対応しています。ライティングの設定も「MSI Center M」から行うことができ、単色、ブレス、カラーサイクル、ウェーブなどの点灯パターンに対応しており、ゲーム中の気分を盛り上げてくれます。

スティック周りとABXYボタンが光る
MSI Center Mからライティングの設定が可能

 

Core Ultra 7 258Vと大容量メモリで高いゲーミング性能

Core Ultra 7 258Vを搭載したMSI Claw 8 AI+ A2VMのゲーム性能をざっくり説明すると、モンスターハンターワイルズなどの超重量級タイトルになるとさすがに厳しいですが、サイバーパンク2077などのゲームであれば、画質設定を下げることで1920x1200解像度でもプレイできる性能です。そこまで重くないゲームなら、画質設定を落とせば平均60 fps以上で快適にプレイできるタイトルが多いです。人気のRPG「Clair Obscur: Expedition 33」も画質設定を下げることで、プレイできないことはありません。

軽めのゲームであれば、中設定くらいの画質設定でも、高いフレームレートで快適にプレイできるでしょう。そのほか、2Dゲームやインディーズタイトルなどの軽いゲームであれば、かなり快適に動作します。各ゲームのフレームレートの詳細は、「ゲームベンチマーク&フレームレート」をご覧ください。

また、メインのゲーミングPCを持っているなら、Steamのリモートプレイ機としても活躍してくれます。

「Clair Obscur: Expedition 33」をプレイ

 

ディスプレイのチェック

Claw 8 AI+ A2VMのディスプレイのチェックです。

前述の通り、8インチのWUXGA(1920×1200)、120Hzの高リフレッシュレートに対応しています。

その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき

当サイトの計測で、sRGBカバー率は100%と広い色域です。最大輝度は、当サイトの計測では500cd/m2と高いです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 77.7%
Adobe RGBカバー率 78.1%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、 やや青色が強く発色していることがわかりますが、ほとんど気にならない程度だと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みはあります。

画面への映り込み

 

残像

「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に120フレームを更新する120Hzの液晶で2~3フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCの液晶は60Hzで、2~3フレーム前くらいまで残像があります。このことから、一般的なノートPCの液晶よりも、残像感が少ないことが分かります。ただ、残像は高価なゲーミングノートPCよりはあります。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

パフォーマンスのチェックです。

本製品は、「MSI Center M」または「クイックセッティング」から、動作モードを変更することができます。デフォルトでは「AI エンジン」モードになっていますが、ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「手動」のTDP設定を30Wにして計測したベンチマークの結果を掲載します。

デフォルトでは「AI エンジン」モード
最も高いパフォーマンスが出る「手動」のTDP設定を30Wにして計測

 

CPU

Claw 8 AI+ A2VMは、Core Ultra 7 258V搭載モデルのみとなっています。マルチコア性能は控えめですが、シングルコア性能は高く、ゲームにも向いていると思います。

CINEBENCH 2024
Core Ultra 7 258V
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core Ultra 9 275HX 2202
Core i9-14900HX 1748
Ryzen AI Max+ 395 1565
Core i7-14700HX 1313
Ryzen AI 9 HX 370 1226
Snapdragon X Elite X1E-78-100 1104
Core Ultra 9 285H 1038
Ryzen 7 8845HS 922
Core i5-13450HX 886
Core Ultra 7 255H 834
Core Ultra 7 155H 825
Ryzen AI 7 350 820
Ryzen 7 8840HS 785
Ryzen 5 8645HS 729
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Ryzen 7 8840U 618
Snapdragon X Plus X1P-42-100 605
Core Ultra 7 258V 601
Core Ultra 5 125U 572
Core 5 120U 558
Ryzen 5 8540U 500
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core Ultra 9 275HX 137
Core Ultra 9 285H 129
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 126
Core Ultra 7 255H 126
Core Ultra 7 258V 122
Ryzen AI Max+ 395 116
Ryzen AI 9 HX 370 115
Ryzen AI 7 350 115
Core 5 120U 110
Core i5-1335U 109
Snapdragon X Plus X1P-42-100 108
Snapdragon X Elite X1E-78-100 107
Ryzen 7 8845HS 104
Ryzen 5 8645HS 104
Ryzen 7 8840U 104
Core Ultra 7 155H 103
Core i5-13450HX 101
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen 5 8540U 100
Core i7-1360P 99
Ryzen 7 8840HS 98
Core Ultra 5 125U 94
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

グラフィックス

次に、内蔵グラフィックスのIntel Arc 140V GPUのベンチマークスコアを掲載します。

3DMark Night Raidでのスコアは高く、GeForce RTX 3050に迫るスコアでした。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Intel Arc 140V GPU(Core Ultra 7 258V)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
Ryzen AI Max+ 395
Radeon 8060S
95317
GeForce RTX 3050 52196
Core Ultra 7 258V
Intel Arc 140V
46329
Core Ultra 9 285H
Intel Arc 140T
46146
Core Ultra 7 255H
Intel Arc 140T
40194
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
36189
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
35888
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M
35847
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M
35397
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
35241
Ryzen AI 7 350
Radeon 860M
32726
Ryzen 5 8645HS
Radeon 760M
30145
Snapdragon X Elite X1E-78-100 28779
Ryzen 7 7735HS
Radeon 680M
28475
Core i7-1360P
Intel Xe
21897
Core Ultra 5 125U
Intel Graphics
21525
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M
20053
Core 5 120U
Intel Graphics
18333
Ryzen 5 7533HS
Radeon 660M
17693
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphcis
16389
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ただ、Night Raidより負荷が重い3DMark Steel Nomad Lightのスコアでは、GeForce RTX 3050とは差があります。それでも、CPU内蔵グラフィックスとしては高いスコアです。

3DMark Steel Nomad Light
~ グラフィックス性能の評価 ~
Intel Arc 140V GPU(Core Ultra 7 258V)
他のグラフィックスとの比較
RTX 4050 (140W) 65.03 FPS
RTX 3050 (95W) 42.51 FPS
Core Ultra 9 285H
Intel Arc 140T
26.86 FPS
Core Ultra 7 255H
Intel Arc 140T
26.86 FPS
Ryzen AI 9 365
Radeon 880M
25.00 FPS
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
24.45 FPS
Core Ultra 7 258V
Intel Arc 140V
24.36 FPS
Ryzen AI 9 HX 370
Radeon 890M
22.42 FPS
Ryzen 5 8645HS
Radeon 760M
19.56 FPS
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
18.64 FPS
Ryzen AI 7 350
Radeon 860M
17.60 FPS
Ryzen 5 8645HS
Radeon 760M
16.05 FPS
Snapdragon X Elite X1E-78-100 14.34 FPS
Ryzen 5 8640U
Radeon 760M
14.10 FPS
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

続いて、3DMark Time Spyの結果です。Time Spyの場合、GeForce GTX 1650とGeForce RTX 3050の間くらいのスコアとなりました。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
Intel Arc 140V GPU(Core Ultra 7 258V)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 5090 Laptop 175W 24493
RTX 4090 Laptop 175W 21897
RTX 5080 Laptop 175W 20825
RTX 4080 Laptop 175W 18822
RTX 5070 Ti Laptop 120W 15341
RTX 4070 Laptop 140W 12545
RTX 4060 Laptop 65W 8829
RTX 4050 Laptop 105W 8469
RTX 3050 Ti Laptop 95W 6063
RTX 3050 Laptop 75W 5102
Core Ultra 7 258V
Intel Arc 140V
30W 4139
GTX 1650   3673
Core Ultra 7 155H   3530
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
  2648
MX550   2644
Core i7-1360P   1660
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

NPU

AI処理専用プロセッサーのNPU性能は、最大47 TOPSと高いです。

AI TOPS
~ NPU性能の評価 ~
GeForce RTX 4050 Laptop 194 TOPS
Ryzen AI 9 HX 375 55 TOPS
Ryzen AI 9 HX 370 50 TOPS
Ryzen AI 9 365 50 TOPS
Core Ultra 7 258V 47 TOPS
Snapdragon X Elite X1E-78-100 45 TOPS
Snapdragon X Plus X1P-42-100 45 TOPS
Apple M3 18 TOPS
Ryzen 7 8845HS 16 TOPS
Ryzen 5 8645HS 16 TOPS
Core Ultra 9 285H 13 TOPS
Core Ultra 7 255H 13 TOPS
Core Ultra 7 155H 11 TOPS
 :レビュー機のTOPS

 

ストレージ

ストレージには、1TBのPCIe SSDを搭載しており、十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
PCIe Gen3 SSD 3500
3446
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

本体上部にmicroSDカードリーダーを搭載しています。アクセス速度は速いです。排気口からも離れているので、熱の心配はありません。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

いくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。動作モードは「手動」のTDP設定を30Wにして計測したフレームレートを計測しています。

Core Ultra 7 258Vの「インテル Arc 140V GPU」は、外部グラフィックス(dGPU)と比較するとゲームパフォーマンスは劣りますが、内蔵グラフィックス(iGPU)にしては、非常に高いです。

最近話題のRPG「Clair Obscur: Expedition 33」のような負荷が重いタイトルでは、低設定、Intel XeSSを活用することで、1920x1200解像度でも平均フレームレートは51 fpsと、プレイできないレベルではなく、意外と健闘してくれます。さらに解像度を1280x800に落とすことで、平均フレームレートは60 fpsを超え、快適にプレイできるようになります。

負荷が重めの「サイバーパンク2077」のベンチマークでは1920x1200解像度でも、低設定、Intel XeSSを活用することで平均フレームレートは60 fps前後出ており、普通にプレイできます。さらに解像度を1280x800に落とすことで、快適にプレイが可能です。

中程度の重さの「FF14ベンチマーク」では、画質設定を下げることで1920x1200解像度でも平均フレームレートは60 fpsを超えており、こちらも快適にプレイできるでしょう。

「ペルソナ3 リロード」のような負荷が軽めのタイトルでは、画質設定を下げることで1920x1200解像度でも高いフレームレートが出ており、快適にプレイすることができます。少しなら画質設定を上げることもできます。

「ストリートファイター6」のような格闘ゲームでは、画質設定を下げることで1920x1200解像度でも60 fpsに張り付いており、対戦も問題なく行えます。ただ、普段プレイしている環境よりは遅延を感じたので、ガチプレイには向きません。トレモでフレームを確認したり、リプレイを確認したりするにはいいと思います。

ただ、さすがに「モンスターハンターワイルズ」のような激重タイトルになると、最低設定、AMD FSRやフレーム生成を駆使しても、平均フレームレートは60 fpsを下回ります。解像度を1280x800にまで下げればフレームレートは改善しますが、画質はジャギジャギで、カクつきも多いので、まともなプレイは厳しいと思います。

この通り、中程度以上の重さのゲームとなると、グラフィック設定を下げる必要はありますが、1920x1200解像度でも平均60 fps前後で快適にプレイできるタイトルが多いです。

軽めのゲームであれば、中設定くらいの画質設定でも、高いフレームレートで快適にプレイできるでしょう。そのほか、2Dゲームやインディーズタイトルなどの軽いゲームであれば、かなり快適に動作します。

また、外部GPUを搭載したゲーミングPCを持っているなら、Steamのリモートプレイを活用することで、重量級のゲームもストレスなくプレイできるでしょう。

非常に重い部類のゲーム
モンスターハンターワイルズ ベンチマーク
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 最低
47 fps
1280x800 54 fps
AMD FSR : ウルトラパフォーマンス、フレーム生成 : 有効
重い部類のゲーム
Clair Obscur: Expedition 33
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 51 fps
1280x800 62 fps
Intel XeSS : ウルトラパフォーマンス
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー7 リバース
解像度 品質 平均 fps
1920x1080
動的解像度:33%
50 fps
1280x720 60 fps
※グリン牧場で計測
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 60 fps
1280x800 81 fps
Intel XeSS 1.3:自動
中程度の重さのゲーム
ストリートファイター6 ベンチマーク
解像度 品質 FIGHTING GROUND WORLD TOUR
1920x1080 Low 60 fps(最大) 71 fps
1280x720 60 fps(最大) 90 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 軽量品質 66 fps
1280x720 97 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 標準品質(ノート) 66 fps
1280x800 105 fps
軽い部類のゲーム
ペルソナ3 リロード
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 Low 82 fps
1280x800 120 fps
※タルタロスで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 平均 fps
1920x1200 低設定 94 fps
1280x800 152 fps
※トレーニングモードで計測

 

バッテリー駆動でのフレームレート比較

続いて、バッテリー駆動時でのフレームレート比較です。バッテリー駆動時でも動作モードを「手動」、TDPを30Wに設定することで、それほどパフォーマンスが下がることなく、快適にゲームができるでしょう。

重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1200 60 fps 54 fps
1280x800 81 fps 77 fps
Intel XeSS 1.3:自動
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 軽量品質 66 fps 63 fps
1280x720 97 fps 95 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1200 標準品質(ノート) 66 fps 66 fps
1280x800 105 fps 103 fps

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトでは約795gと記載されており、当サイトで計測した質量もほぼ同じでした。大容量バッテリーを搭載した8インチのポータブルゲーミングPCとしては軽い方だと思います。

ACアダプターの質量は182gと軽く、本体と合わせても1kgを切ります。

別売りの専用ポーチの質量は538gと意外と重く、本体、ACアダプター、ポーチを合わせるとモバイルノート1台分くらいの重さになります。

本製品の質量
  質量
本体 792g
ACアダプター 182g
ポーチ 538g
本体
ACアダプター
別売りの専用ポーチ

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、メーカー公表値で80Whとなっており、ポータブルゲーミングPCとしてはかなり多い容量のバッテリーを搭載しています。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。動作モードを「AIエンジン」モードでFF14のベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間は3時間07分と割と長く持ちます。負荷の低いゲームであれば、もう少し長く持つかもしれません。

動作モードを「手動」、TDPを30Wに設定すると、バッテリー駆動時間は1時間50分と短くなります。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA3.0(アイドル時) 約15時間
(2) JEITA3.0(動画再生時) 約10時間
(3)  FF14ベンチマーク(ループ再生) AIエンジン 3時間07分
(3)  FF14ベンチマーク(ループ再生) TDP 30W 1時間50分
※画面輝度は約120cd/m2
(1)、(2) メーカー公表値
(3) FF14ベンチ(1920×1200、標準ノート)をループ実行、動作モードは「AI エンジン」
(3) FF14ベンチ(1920×1200、標準ノート)をループ実行、動作モードは「手動」、TDP 30W

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、動作モードは「手動」、TDPを30Wに設定して計測しています。

 

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。

CPU電力は、最初は40W付近で動作するものの、すぐに下がり、30W前後で動作しています。CPU温度も最初は90℃付近まで上がるものの、すぐに下がり、81℃付近で推移しており、問題ない温度です。

CPU電力
CPU温度

 

ゲーム時のCPU温度、GPU温度

ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中の大まかなCPU温度と、GPU温度の推移は下図の通りです。

CPU電力は、最初35W前後で動作するものの、最終的には30W前後で動作しています。

CPU温度は、最初は80℃台後半で動作するものの、最終的に78℃辺りで推移しており、問題ない温度です。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。動作モードは「手動」、TDPを30Wに設定して計測しています。

アイドル時はファンが動作していない時はほぼ無音です。ファンが動作していても静かです。ゲーム中はそれなりにファンの動作音がしますが、小型PC特有の甲高いキーンとした音がなく、ゲーム音でかき消える程度の音量なので、ほとんど気になりません。

静音性にも優れており、ゲームに集中しやすい設計だと思います。

騒音値
アイドル時 FF15ベンチ時
(30W)
約24dB 約37~42dB
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
【PCの状態】
アイドル時:アイドル時
FF15ベンチ時:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。ここでも動作モードは「AI エンジン」モードで計測しています。

Claw 8 AI+ A2VMは、2基のファンと複数のヒートパイプで効率的に冷却する「ハイパーフロー強冷クーラー」を採用しています。

エアフローは背面から吸気し、上部から排気します。背面がほんのり暖かくなりますが、グリップを握った状態では触れることはないので、不快感はありません。

Claw 8 AI+ A2VMのエアフロー
PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

外観のチェック

MSI Claw 8 AI+ A2VMの外観のチェックです。

コントローラー部分はグレーで背面はブラックになっています。

 

インターフェースは上部に集中しています。microSDカードリーダーに給電対応のThunderbolt 4 Type-Cが2ポート、オーディオコンボジャックがあります。底面には何もありません。

 

画面サイドに2Wのスピーカーが内蔵されています。最大音量は高めですが、音質はそれほど良くありません。音を大きくすると、音割れを感じることも。ただ、ポータブルゲーミングPCとしては十分だと思います。

 

ACアダプターは小型なので持ち運びがしやすいです。ACアダプターの容量は65Wでした。

 

Claw 8 AI+ A2VMは、別売りオプションとして専用アクセサリーも同時に販売されています。特に専用ポーチは持ち運びの時に便利です。ただ、ACアダプターは入りません。

 

専用ポーチにはmicroSDカードなどが入るポケットが付いています。

 

Claw 8 AI+ A2VMはキックスタンドが内蔵されていないので、本体を立てて使用する時は別途、スタンドが必要になります。専用ポーチはスタンドとしても使うことができます。

 

まとめ

パワーアップしたMSIのポータブルゲーミングPC

以上が、MSI Claw 8 AI+ A2VMのレビューです。

Core Ultraシリーズ2の「Core Ultra 7 258V」に32GB LPDDR5Xを搭載し、8インチ、1920×1200の大画面ディスプレイを採用、2ポートに増えたThunderbolt 4 Type-C、80Whの大容量バッテリーと、性能面だけでなく、本体自体も大幅に進化したポータブルゲーミングPCです。

「Core Ultra 7 258V」の内蔵グラフィックスの性能は非常に高く、負荷が重めのゲームも、画質設定や解像度を落とすことでプレイできるので、多くのPCゲームタイトルがプレイできるでしょう。

TDPを30Wに設定することで、バッテリー駆動時でもパフォーマンスはそれほど下がらず、外出先でも高い性能で長時間ゲームをプレイすることができるので、PCゲームを持ち運びたいという方には魅力的な製品ではないでしょうか。

価格も「Core Ultra 7 258V」を搭載して15万円台と、比較的安く感じます。本製品とは別に、専用アクセサリーも販売されており、特に専用ポーチは持ち運びだけでなくスタンドとしても機能するのでおすすめです。

また、同じく「Core Ultra 7 258V」を搭載した7インチ、フルHDモデルも販売されており、こちらは13万円台と安いです。


Core Ultra シリーズ2搭載のポータブルゲーミングPC

MSI Claw 8 AI+ A2VM

特徴

  • 「Core Ultra 7 258V」を搭載で高い性能
  • 8インチ、1920×1200の大画面ディスプレイ
  • 80Whの大容量バッテリー

こんなあなたに

  • 外でもPCゲームをしたい方
  • ごろ寝しながらPCゲームをしたい方
  • 価格15万円台~
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