Core Ultra搭載のポータブルゲーミングPC
MSI Claw A1Mの実機レビュー

更新日:
CPU Core Ultra 5 135H
Core Ultra 7 155H
GPU Intel ARK Graphics
メモリ 16GB LPDDR5
ストレージ 512GB / 1TB
液晶サイズ 7インチ 16:9
液晶種類 FHD 120Hz 光沢 タッチ
無線LAN Wi-Fi 7(11be)
質量 675g
バッテリー アイドル時 最大8時間
(53Wh)
価格[税込] 11万円台~
Core Ultra搭載のポータブルゲーミングPC

MSI Claw A1MはCore Ultraを搭載した初のポータブルゲーミングPCです。

ディスプレイは扱いやすい7インチのFHD(1920×1080)で、120Hz駆動、色域も広めです。

CPUには高い性能のCore Ultra 7またはCore Ultra 5を搭載しているので、軽めのゲームなら画質設定を落とすことで、プレイすることができます。

また、小型ゲーミングPCにしては冷却性・静音性に優れており、ゲームに集中しやすい設計です。

ただ、USBポートは給電用のThunderbolt 4 Type-Cがひとつのみと、インターフェースは最小限ですが、給電対応のハブやドックを使用することで、拡張することもできます。

販売サイト(Amazon)はこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成(Claw-A1M-002JP)

Core Ultra 7 155H、16GBメモリ、1TB M.2 NVMe

 

目次

お忙しい方は、「MSI Claw A1Mの特徴」のみお読みください。

 

MSI Claw A1Mの特徴

Core Ultraを搭載した初のポータブルゲーミングPC

Claw A1Mは、「インテル Core Ultra プロセッサー」を初めて搭載したポータブルゲーミングPCです。

インテルの次世代プロセッサー「Core Ultra」を搭載

 

Claw A1Mは下記の表の通り2つのモデルで展開されており、異なるのはCPUとストレージのみ。搭載されているCPUは「Core Ultra 7 155H」または「Core Ultra 5 135H」で、どちらもCore Ultraシリーズの中でも高い性能のHシリーズです。

Core Ultraシリーズは、CPU/GPU/NPUを内蔵した次世代のプロセッサーで、「インテル Arc グラフィックス」は、従来よりもグラフィックス性能が高く、本製品のようなポータブルゲーミングPCにおいては、非常に相性が良いです。

MSI Claw A1Mのスペック
  Claw-A1M-002JP Claw-A1M-003JP
CPU Core Ultra 7 155H
16コア(6P+8E+2LPE)22スレッド
Core Ultra 5 135H
14コア(4P+8E+2LPE)18スレッド
SSD 1TB(M.2 NVMe) 512GB(M.2 NVMe)
ディスプレイ 7インチ、フルHD(1920×1080)
グレアパネル、120Hz、フィンガータッチ対応
GPU インテル Arc グラフィックス
メモリ 16GB LPDDR5 オンボードメモリ
無線LAN Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
バッテリー駆動時間 最大7時間(JEITA 3.0 動画再生時)
最大8時間(JEITA 3.0 アイドル時)
本体サイズ 294×117×21.2mm(W×D×H/MM)
本体質量 675g
価格(税込) 139,800円 119,799円
※今回レビューするのはClaw-A1M-002JP

 

7インチ、フルHD、120Hz、タッチ対応のゲーム特化液晶

液晶サイズは7インチのグレアパネル。従来モデルのNintendo Switchよりやや大きく、有機ELモデルのNintendo Switchと同じ画面サイズなので、親しみやすいサイズです。

画面解像度はフルHD(1920×1080)で、120Hzの高リフレッシュレート、タッチ操作にも対応しており、主にゲームをプレイする上で扱いやすいスペックとなっています。

色域も当サイト調べでsRGBカバー率97.2%と広めで、ゲームをするなら十分な色域です。

従来モデルのNintendo Switchと比較

 

ゲームに特化したシンプルなインターフェース

MSI Claw A1Mはゲームに特化したシンプルな構造なので、インターフェースは最小限。microSDカードリーダーに、USBポートは給電用のThunderbolt 4 Type-Cがひとつのみとちょっと不便ですが、別売りの給電対応のハブやドックを使用することで、拡張することもできます。

インターフェースはとてもシンプル
給電対応のハブやドックを使用することで拡張も可能

 

キーボード&マウス不要のUI

MSI Claw A1Mは、Bluetoothのマウスとキーボードを接続してデスクトップモードとして使用することも可能ですが、基本的にはコントローラーまたはタッチ操作のみで完結できるようになっています。

液晶右横に配置されたクイックセッティングボタンを押すことで、いつでもクイックメニューを呼び出すことができ、画面の明るさや音量、パフォーマンスの設定、録画やスクリーンショットなどもキーボード&マウスを介さずに行うことができます。このクイックメニューは好きにカスタマイズすることもできるので、非常に便利です。

また、液晶左横に配置されたMSI Center Mボタンを押すことで、MSI Center Mを呼び出すことができ、ここからゲームを起動したり、Steamなどのゲームプラットフォームを起動することができるほか、各種細かい設定を行うことができます。

「クイックセッティングボタン」でいつでもクイックメニューが呼び出せる
クイックセッティング機能はカスタマイズできる
MSI Center Mからは様々な設定が可能

 

洗練されたコントローラー

MSI Claw A1Mの人間工学に基づいて設計されたコントローラーは高品質で、操作感も非常に良く、持った時のホールド感も非常に良いです。また、握った時に背面の排気口に触れることがないので、熱も感じません。質量も675gとそれほど重くないので、長時間のゲームも苦にならないと思います。

十字キーはグリグリと回せる連結方式で、格闘ゲームではコマンドが入力しやすく、様々なジャンルのゲームにも対応できるでしょう。

また、MSI Center Mからコントローラーの各種操作設定が可能で、ボタンの割り当てからスティックとトリガーの感度調整、マクロやショートカットの設定も行うことができます。

操作性を追求したコントローラー
ボタン割り当て設定
スティックとトリガーボタンの感度調整
マクロ・ショートカット機能の設定

 

RGBライティング機能も搭載

MSIと言えばRGBライティング。MSI Claw A1Mも左右のスティック周りとABXYボタンがライティングに対応しています。ライティングの設定もMSI Center Mから行うことができ、単色、ブレスやウェーブなどの点灯パターンに対応しており、ゲーム中の気分を盛り上げてくれます。

MSI Center Mからライティングの設定が可能
スティック周りとABXYボタンが光る

 

Core Ultra 7 155H搭載機のゲーム性能は?

Core Ultra 7 155Hを搭載したMSI Claw A1Mのゲーム性能をざっくり説明すると、サイバーパンク2077などの負荷の重いゲームでは、画質設定と解像度を落としても平均60 fpsには届きませんが、中程度までの重さのゲームなら、画質設定を落とせば平均60 fps以上でプレイできるタイトルが多いです。

MHW:アイスボーンでは、低設定なら平均70 fps、ストリートファイター6も快適な対戦が可能です。ブループロトコルやFF14などのオンラインゲームでは、平均70 fps以上と高いフレームレートです。

Apex Legends、VALORANTなどのシューティングでは、画質設定や解像度を落とすことで、高フレームレートによる120Hz液晶を活かした優位なプレイも可能です。そのほか、2Dゲームやインディーズタイトルも快適にプレイすることができます。各ゲームのフレームレートの詳細は、「ゲームベンチマーク&フレームレート」をご覧ください。

メインのゲーミングデスクトップPCを持っているなら、Steamのリモートプレイ機としても活躍してくれるでしょう。

ただし、バッテリー駆動時はややフレームレートが落ちます。

パルワールドをプレイ

 

ディスプレイのチェック

ディスプレイの詳細なチェックです。

画面解像度FHD(1920×1080ドット)、120Hzのハイリフレッシュレートに対応しています。無駄に高い解像度でなく、画面比も16:9なのでゲームがしやすいです。

色域もそこそこ広く、ゲームをするなら十分な色域です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき

当サイトの計測で、sRGBカバー率は97.2%と広めの色域です。最大輝度は、当サイトの計測では394cd/m2と高めです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、 やや青と緑色が強く発色していることがわかりますが、ほとんど気にならない程度だと思います。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みはあります。

画面への映り込み

 

残像

「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に120フレームを更新する120Hzの液晶で1フレーム前くらいまで残像がありました。普通のノートPCは、60Hzで2フレーム前くらいまでの残像なのので、一般的なノートPCの液晶よりも残像が少ないことになります。動きの速いゲームでも、残像を気にせずにプレイできるでしょう。

「UFO Test」のサイトのGhosting Testを実行( 画面のリフレッシュレートに合わせてUFOが左から右へ移動)し、速いシャッタースピード(1/2000)で撮影したときの画像。

 

パフォーマンスのチェック

動作モード

パフォーマンスのチェックです。

本製品は、「MSI Center M」または「クイックセッティング」から、動作モードを変更することができます。

ここでは、「AI エンジン」モードと、「性能重視(究極のパフォーマンス)」モードで計測したベンチマークの結果を掲載します。

動作モード

 

CPU

MSI Claw A1Mでは「Core Ultra 7 155H」または「Core Ultra 5 135H」を搭載したモデルがあり、今回レビューしたのは上位の「Core Ultra 7 155H」を搭載したモデルです。

結果は下記の通り、マルチコア、シングルコアともに非常に高いスコアが出ています。

ポータブルデバイスだからといってスコアが低いということもなく、Core Ultra 7 155Hを搭載したノートパソコンのベンチマークスコアと比べても、ほぼ変わらないスコアが出ていました。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core Ultra 7 155H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i5-13500H 15302
Core Ultra 7 155H 14073
13949 [AIエンジン]
13846 [性能重視]
Ryzen 7 7735HS 14068
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core 5 120U 9317
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
Ryzen 3 7330U 5141
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1887
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
1798 [AIエンジン]
1794 [性能重視]
Core i5-13500H 1785
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core Ultra 5 125H 1712
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

グラフィックス

3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。GeForce GTX 1650よりは低いものの、GeForce MX550の外部グラフィックスとほぼ同等のスコアが出ていました。こちらもノートPCで計測した時のスコアとほぼ同等でした。

また、従来のポータブルゲーミングPCによく搭載されていたRyzen Z1 Extremeよりも、約16%高いスコアでした。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core Ultra 7 155H
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
35098 [AIエンジン]
34695 [性能重視]
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
30123
Ryzen 7 7735U 28714
Core i7-1360P 21897
Core 5 120U 18333
Core i7-1355U 18235
Core i5-1340P 17774
Ryzen 7 7730U 17524
Core i5-1335U 16835
Ryzen 5 7530U 16389
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

続いて、3DMark Time Spyの結果です。Time Spyの場合、GeForce GTX 1650に迫るスコアが出ています。ただ、GeForce RTX 3050などのRTXシリーズの外部グラフィックスと比べると低いスコアです。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core Ultra 7 155H
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4080 175W 18822
RTX 4070 140W 12254
RTX 4060 140W 10665
RTX 4050 105W 8469
RTX 3060 130W 8302
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050 75W 5102
GTX 1650   3673
Core Ultra 7 155H   3530 [性能重視]
  3519 [AIエンジン]
Ryzen Z1 Extreme
AMD Radeon Graphics
  2648
MX550   2644
Core i7-1360P   1660
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

ストレージ

ストレージには、PCIe SSDを搭載しており、十分な速度です。複数のゲームをインストールするなら、1TBモデルがおすすめです。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
PCIe Gen3 SSD 3500
3497
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

本体上部にmicroSDカードリーダーを搭載しています。アクセス速度は速いです。排気口からも離れているので、熱の心配はありません。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

いくつかのゲームで計測した平均フレームレートを掲載します。動作モードは「AI エンジン」モードで計測したフレームレートを計測しています。

Core Ultra 7 155Hの「インテル Arc グラフィックス」は、外部グラフィックス(dGPU)と比較するとゲームパフォーマンスは劣りますが、内蔵グラフィックス(iGPU)にしては、パフォーマンスは非常に高いです。

サイバーパンク2077などの重量級のタイトルでは、低設定かつ解像度を720pまで落として、Intel XeSSを併用しても平均 60fpsには届きませんが、パルワールドなら低設定かつ720pまで解像度を落とすことで、平均60 fpsでプレイが可能です。

MHW:アイスボーンくらいの中程度の重さのゲームなら、低設定+1080pでも平均60 fps以上出ます。

ストリートファイター6では、低設定+1080pでも平均60 fpsでプレイ可能です。給電可能なUSBハブを利用すれば、格ゲー用のコントローラーを接続することもできます。

ブループロトコルやFF14などのオンラインゲームでは、画質設定を落とすことで、1080pでも平均60 fps以上で快適にプレイできます。

フォートナイトやApex Legends、VALORANTなどのシューティングでは、画質設定や解像度を720pまで落とすことで、高いフレームレートが出ます。ただ、シューティングゲームをするなら、もう少し高い性能が欲しいところではあります。

そのほか、2Dゲームやインディーズタイトルなどの軽いゲームはかなり快適に動作します。

外部GPUを搭載したゲーミングPCを持っているなら、Steamのリモートプレイを活用することで、重量級のゲームもストレスなくプレイできるでしょう。

重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 35 fps
1280x720 47 fps
Intel XeSS 1.3:自動
重い部類のゲーム
パルワールド(DX11)
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 最低 40 fps
1280x720 60 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 軽量品質 50 fps
1280x720 70 fps
中程度の重さのゲーム
MHW:アイスボーン
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 72 fps
1280x720 103 fps
※導きの地を探索して計測
中程度の重さのゲーム
ストリートファイター6
解像度 品質 ステージ 平均 fps
1920x1080 低設定 リュウステージ 60 fps(最大)
トレモステージ 60 fps(最大)
※CPUと対戦をして計測
中程度の重さのゲーム
エルデンリング
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 40 fps
1280x720 55 fps
※エレの教会で計測
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低画質 88 fps
1280x720 133 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 最低 53 fps
1280x720 67 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 標準品質(ノート) 79 fps
1280x720 114 fps
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター5 シーズン2]
パフォーマンス - 低グラフィック忠実度
解像度 その他設定 平均 fps
1920x1080 3D解像度:100%
テクスチャ、メッシュ:低
描画距離:遠い
112 fps
1280x720 137 fps
※バトルロワイヤル ソロで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 63 fps
1280x720 116 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
VALORANT
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低設定 270 fps
高設定 147 fps
※プラクティスモードで計測
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均 fps
1920x1080 低品質 19739(すごく快適)
最高品質 17485(とても快適)

 

バッテリー駆動でのフレームレート比較

続いて、バッテリー駆動時でのフレームレート比較です。ACアダプター接続時よりややフレームレートは下がってしまいますが、それでもパフォーマンスは高いです。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 軽量品質 50 fps 43 fps
1280x720 70 fps 61 fps
中程度の重さのゲーム
ブループロトコル
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 低画質 88 fps 81 fps
1280x720 133 fps 115 fps
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 最低 53 fps 50 fps
1280x720 67 fps 62 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
解像度 品質 ACアダプター接続 バッテリー駆動時
1920x1080 標準品質(ノート) 79 fps 75 fps
1280x720 114 fps 103 fps

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトでは675gと記載されており、当サイトで計測した質量もほぼ同じでした。ポータブルゲーミングPCとしては普通の重さなので、長時間ゲームをしてもそれほど苦にならない重さだと思います。

本体
ACアダプター
本製品の質量
  質量
本体 671g
ACアダプター 316g

 

バッテリー駆動時間のチェック

MSI Claw A1Mのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、メーカー公表値で53Whとなっており、ポータブルゲーミングPCとしては多めの容量のバッテリーを搭載しています。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。FF14のベンチマークをループ再生させたときのバッテリー駆動時間は1時間25分でした。もう少し負荷の低いゲームであれば、もう少し長く駆動できるかもしれません。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
 (1) FF14ベンチマーク(ループ再生) 1時間25分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) FF14ベンチ(1920×1200、標準ノート)をループ実行

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。なお、動作モードは「AI エンジン」モードで計測しています。

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUクロック、CPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

CPU電力は35W前後で推移し、CPU温度は85℃付近を保っており、問題ない温度です。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。動作モードは「AI エンジン」モードで計測しています。

アイドル時はファンが動作していない時は無音に近いです。ファンが動作していても静かです。ゲーム中はそれなりにファンの動作音がしますが、小型PC特有の甲高いキーンとした音がなく、ゲームの音でかき消されるくらいの駆動音なので、全く気になりません。

静音性にも優れており、ゲームに集中しやすい設計だと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時
左から2番目:FF15 ベンチマーク実行(軽量品質、1920x1080、フルスクリーン)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。ここでも動作モードは「AI エンジン」モードで計測しています。

MSI Claw A1Mは、2基のファンと複数のヒートパイプで効率的に冷却する「ハイパーフロー強冷クーラー」を搭載しています。

エアフローは背面から吸気し、本体上部から排気するため、グリップを握った状態では干渉せず、熱も感じないので、問題ありません。

MSI Claw A1Mのエアフロー
PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

外観のチェック

MSI Claw A1Mの外観のチェックです。

本体カラーはブラックで、コントローラー部分は皮脂の気にならないマットな質感です。

 

インターフェースは上部に集中しており、最小限です。microSDカードリーダーに給電用のThunderbolt 4 Type-Cがひとつ、オーディオコンボジャックがあります。

 

液晶サイドにステレオ2スピーカーが内蔵されています。音質は悪くなく、最大音量も高め。音圧はありませんが、ポータブルゲーミングPCとしては十分だと思います。

 

キックスタンドが内蔵されていないので、本体を立てて使用する時は別途、スタンドが必要になります。

 

ACアダプターは小型なので持ち運びがしやすいです。ACアダプターの容量は65Wでした。

 

MSI Claw A1Mは、専用ポーチやアクセサリーキットも同時に販売されています。特に専用ポーチは持ち運びの時に便利です。

 

まとめ

ゲーミング特化のシンプルなポータブルゲーミングPC

以上が、MSI Claw A1Mのレビューです。

「インテル Core Ultra プロセッサー」を初めて搭載したポータブルゲーミングPCです。高い性能の内蔵グラフィックスを搭載したCore Ultraは、ポータブルゲーミングPCと相性が良いです。

他社のポータブルゲーミングPCでは、高解像度かつ大画面で着脱可能なコントローラー、タブレットとしても使えたりと様々な用途に対応できる半面、画面比がゲーム向きではなかったり、手で持ってゲームをするには解像度が高すぎたり、大きすぎたりしました。

一方、MSI Claw A1Mはゲーミング特化のシンプルな構造です。タブレットなどとして使うには不向きですが、ゲームをする目的ならベストな製品です。ちょっとした空き時間やソファでのんびりPCゲームすることができます。

ただ、インターフェースは最小限でちょっと不便ですが、コントローラーとタッチ操作のみで完結するUIデザインなど、かなり洗練されています。

ゲーム性能もポータブルゲーミングPCとしては高く、MHW:アイスボーンが1080pで快適にプレイでき、解像度を落とすことで高いフレームレートでプレイすることも可能です。

液晶サイズは大き過ぎず小さ過ぎない7インチなので、720pまで解像度を落としても、画質の粗さがあまり目立ちません。

冷却性、静音性にも優れており、完成度は非常に高いと思います。

価格はCore Ultra 7 155H搭載モデルで139,800 円、Core Ultra 5 135H搭載モデルで119,799 円と、Core Ultraを搭載したゲーミングPCとしては安いと思います。

 

Core Ultra搭載のポータブルゲーミングPC

MSI Claw A1M

特徴

  • インテル Core Ultra 搭載で高い性能
  • 手で持って使いやすいサイズ感
  • FHD、120Hzのゲームに最適なディスプレイ

こんなあなたに

  • 外でもPCゲームをしたい方
  • ソファなどでごろ寝しながらゲームをしたい方
  • 価格11万円台~
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