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Surface Laptop Studio 2の実機レビュー

更新日:
CPU Core i7-13700H
GPU CPU内蔵 /
RTX 4050 / 4060 /
NVIDIA RTX 2000 Ada
メモリ 16GB / 32GB / 64GB
ストレージ 512GB / 1TB SSD
液晶サイズ 14.4型 3:2
液晶種類 2400x1600 タッチ
質量 約1.89kg~
バッテリー 最大約19時間 (58Wh)
価格[税込] 33万円台~ ※

※2023年10月27日時点の価格

持ち上げなくてもタブレットへ変形可能

Surface Laptop Studio 2は、テーブルに置いたまま、PC本体を持ち上げなくてもタブレットへ変形できる2 in 1 PCです。

外部GPUに、NVIDIA RTX 2000 Adaを搭載することができるのも珍しい特徴です。

画面比3:2、2400x1600の液晶を搭載しており、作業がしやすいです。

ただし、高負荷時は手に熱を感じやすくなります。また、外部GPU搭載モデルだと、39万円台~と非常に高額になります。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、日本マイクロソフトからの貸出機で、マイクロソフトアフィリエイトプログラムを利用し収入を得ています。今回は、以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-13700H、GeForce RTX 4050、32GBメモリ、1TB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Surface Laptop Studio 2の特徴」のみお読みください。

 

Surface Laptop Studio 2の特徴

ディスプレイモードの切り替えが可能

Surface Laptop Studio 2の際立つ特徴の一つは、ダイナミックウーブンヒンジを備えており、ディスプレイモードを切り替えて使用することができることです。

ディスプレイの下部を手前に引き出し、下図のようなスタイルにすると、タッチ操作がしやすいですし、画面が近づくので、動画コンテンツなどへの没入感が高まります。

ディスプレイモードの切り替えが可能

 

液晶面をさらに手前に引き出し、タブレット形状にすることもできます。

タブレット形状

 

Surface スリム ペン 2での手書き入力に対応

Surface Laptop Studio 2は、ペンでの手書き入力にも対応しています。

タブレット形状にすると、手書きでのイラスト制作などがしやすいです。今回は試していませんが、旧モデルで試用してみた感じでは、WindowsノートPCの中では書きやすい方でした(ここで紹介している画像は、旧モデルのものです)。

手書きでのドローイングがしやすい

 

ペンはMicrosoft Pen Protocol(MPP)に対応したものであれば使えると思いますが、おすすめなのはSurface スリム ペン 2です。本体手前側の下部に、Surface スリム ペン 2を収納することができ、収納時には自動的に充電してくれます。

Surface スリム ペン 2の収納部

 

画面比3:2の2400x1600液晶で作業がしやすい

Surface Laptop Studio 2は、画面比3:2、解像度2400x1600の14.4型液晶を搭載しています。

画面比3:2、2400x1600の14.4型液晶

 

一般的な画面比16:9の液晶よりも縦長であることに加えて、解像度も高いので、100%スケールで表示すると、画面を広く使うことができます。例えば、Webページであれば、かなり下の方まで一度に表示することができます(文字は小さくなります)。また、作業用の複数のパネルがあるクリエイター向けソフトでの作業がしやすいですし、下図のように複数のアプリを併用して効率よく作業を行うこともできます。

クリエイター向けソフトで作業がしやすい

 

液晶は、sRGBの色空間での設定となっており、ウェブコンテンツ用の画像・動画編集といったクリエイティブな作業に適しています。

sRGBの色設定で広めの色域

 

旧モデルよりGPUの選択肢が増えた

従来のSurface Laptop Studioでは、GPUの選択肢はCPU内蔵 / GeForce RTX 3050 Tiでした。

一方、Surface Laptop Studio 2では、CPU内蔵 / GeForce RTX 4050 / GeForce RTX 4060(公式ストア限定)/ NVIDIA RTX 2000 Adaと、GPUの選択肢が増えました。

NVIDIA RTX 2000 Ada搭載モデルであれば、モバイルワークステーションとしても使うことができると思います。

 

改善されたインターフェース

Surface Laptop Studio 2では、USB3.1 Type-A、USB4/Thunderbolt 4ポート x2、microSDカードリーダー、ヘッドホンジャック、Surface Connectポート(電源ポート)というインターフェイスを備えています。

従来のSurface Laptop Studioにはなかった、USB3.1 Type-A、microSDカードリーダーを搭載するようになり、少し使いやすくなりました。ただ、欲を言えば、microSDカードリーダーではなく、フルサイズのSDカードリーダーが良かったです。

インターフェース

 

タイピングやマウス操作を行う手が熱くなる

Surface Laptop Studio 2は、冷却機構がやや変則的です。

CPUおよびGPUが、手前側にあり、左右の側面から排気を行っています。

排気口

 

そのため、高めの負荷をかけると、下図のようにパームレスト部の温度が上がり、手のひらが熱く感じます。また、排気口からの熱風が外付けマウスを操作している手に当たり、不快感があります。動画編集などの高負荷作業を行う場合は、この辺りがやや気になります。

負荷がかかるとタイピングやマウス操作を行う手が熱くなる

 

Office Home & Business 2021が付属

Surface Laptop Studio 2には、Office Home and Business 2021の永続ライセンスが付いています。
マイクロソフトストアでSurfaceを購入する場合、下図のように「Microsoft 365」の購入画面ができます。「Microsoft 365」は、1年ごとのサブスクリプション契約です。常に最新機能のOfficeアプリを使うことができますが、普通にOfficeソフトを使いたいだけであれば、付属しているOffice Home and Business 2021の永続版で十分です。誤って購入しないようにお気をつけください。

Microsoft 365の選択画面

 

マイクロソフトストアでの購入がおすすめ

Surface Laptop Studio 2は、「33万円台~」と高額の製品です。期待通りのパフォーマンスを発揮することができるのか、モードを切り替えることができるディスプレイは実際に使いやすいのかなど、使ってみないと分からない部分もあることでしょう。購入後、自分の作業内容にフィットしなかったら、高額商品なだけあってダメージが大きいです。

でも、マイクロソフトストアで購入しておくと安心です。Surface Laptop Studio 2を使ってみて、しっくりこないような場合、購入日から60日間は国内返送無料で返品することができます。これは、マイクロソフトストアでの購入限定のメリットとなっており、量販店や、他のネットショップで購入した場合は、返品できませんのでご注意ください。

また、マイクロソフトストアでは、Surface Laptop Studio 2を学割価格で購入することもできます。学生だけでなく、学生の保護者も対象となっているので、利用資格がある場合は学割を利用すると少し安く購入することができ、おすすめです。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比3:2の2400x1600液晶を搭載しており、効率よく、快適に作業することができます。
動画鑑賞 色鮮やかな表示で、サウンドもよく、動画鑑賞も快適です。ただし、多くの動画は16:9ですが、本製品は3:2の液晶なので、上下に黒い帯が表示されます。
RAW現像
画像編集
色域が広めの液晶を搭載しており、画像編集用途などにも快適に使用することができます。ただし、印刷用の画像編集を行うのには、液晶の色域の広さが足りません。
動画編集 外部GPUを搭載したモデルであれば、4K動画編集などもある程度快適にこなすことができます。
ゲーム 外部GPUを搭載したモデルであれば、ある程度ゲームもすることができます。

 

ディスプレイのチェック

Surface Laptop Studio 2のディスプレイのチェックです。

画面比3:2、2400x1600ドット、リフレッシュレート120Hzの液晶です。また、タッチ対応で、MPP対応のペンも使用することができます。sRGB色空間でのクリエイティブな作業に適した液晶です。ただし、光沢表面で映り込みがあるのは好みが分かれると思います。

最大輝度は、当サイトの計測では447cd/m2と高いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの測定結果は、以下のとおりで、広めの色域です。ただし、sRGBクラスの色域です。

  カバー率
sRGBカバー率 99.9%
DCI-P3カバー率 84.5%
Adobe RGBカバー率 79.5%
ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、明部ではわずかに緑と赤が強めではありますが、概ね自然な発色です。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢液晶なので、画面への映り込みがあります。特に黒っぽい背景だと、映り込みが目立ちます。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。常時フリッカーが発生していました。ただし、約2.4kHzと高めの周波数でした。一般的に、高周波数であれば、人体への影響は少なくなるようです。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Surface Laptop Studio 2のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm弱、縦:18.5mm、キーストロークは約1.4mmでした。

キートップはフラットな感じですが、主要なキーのサイズが揃っていますし、「Enter」キーなどのサイズも大きめです。普通の打ちやすさのキーボードです。

タッチパッドの使いやすさは普通です。ハプティックタッチパッドなので、物理的に押し下げるクリックボタンではなく、クリック操作をすると、感圧し、触覚フィードバックします。そのため、クリック感度、右クリック領域、順応タッチモードを調整することができます。押しにくさを感じることなく、違和感なく使うことができました。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードにはバックライトが搭載されています。

バックライトキーボード

 

パフォーマンスのチェック

Surface Laptop Studio 2のパフォーマンスをチェックします。

Surface Laptop Studio 2では、「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」で、電源モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「おすすめ」と、最も高いパフォーマンスが出る「最適なパフォーマンス」で計測した、ベンチマークの結果を掲載します。

電源モード

 

CPU

Surface Laptop Studio 2は、第13世代Core i7-13700Hを搭載しています。

Core i7-13700Hは、PBP(プロセッサーベースパワー):45Wで、ゲーミングノートPCなどにも搭載される、高性能CPUです。

ベンチマークの結果は以下の通りです。

マルチコアでは、Core i7-13700Hを搭載したゲーミングノートPCなどで計測した値よりも低いスコアでした。ゲーミングノートPCなどでは、冷却性能を高め、60Wを超えるような高いCPU電力をキープしながら動作させるのに対して、Surface Laptop Studio 2は冷却性能が高くないので、CPU電力を35W~50W前後で変動させながら動作させているためです。

なお、「おすすめ」モードにすると、CPU電力が30W前後とさらに低くなるので、マルチコア、シングルコアともにスコアがかなり下がります。クリエイティブな作業を行うのであれば、「最適なパフォーマンス」モードにした方がいいでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-13700H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
13917 [最適なパフォーマンス]
10622 [おすすめ]
Core i7-12800HX 17492
Core i5-13500H 15302
Core i7-12700H 14546
Core i7-12650H 14189
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
1861 [最適なパフォーマンス]
1135 [おすすめ]
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core i7-12650H 1787
Core i5-13500H 1785
Core i7-1255U 1776
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i7-12800HX 1760
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core i5-1235U 1675
Core i3-1215U 1592
Ryzen 7 7735HS 1538
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR5X-5200です。オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~

今回、Sandra 2020での計測ができませんでした。参考までに他のメモリの帯域を掲載しておきますが、DDR5-5200の帯域ぐらいが目安になると思います。

他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5600
デュアルチャネル
66.34GB/s
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

Surface Laptop Studio 2では、外部グラフィックスを搭載したモデルも選択することができます。

今回は、GeForce RTX 4050が搭載されており、最大グラフィックスパワーは、80Wでした。

この他に、GeForce RTX 4060、NVIDIA RTX 2000 Adaを搭載したモデルもありますが、いずれも最大グラフィックスパワーは80Wのようです。

GeForce RTX 4050の最大グラフィックスパワー

 

ベンチマークの結果は以下のとおりです。最大グラフィックスパワーが80WのRTX 4050としては順当なスコアが出ていると思います。4K動画編集などの作業にも快適に使用できそうです。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
GeForce RTX 4050 Laptop
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
RTX 4090 175W 21897
RTX 4080 175W 18822
RTX 3080 Ti 175W 12614
RTX 4070 140W 12254
RTX 3080 140W 11552
RTX 3070 Ti 150W 11262
RTX 3070 140W 11015
RTX 4060 140W 10665
RTX 3070Ti 105W 9901
RTX 3070 95W 9220
RTX 4060 65W 8829
RTX 4050 105W 8469
RTX 3060 130W 8302
RTX 4050 80W 7888 [最適なパフォーマンス]
7312 [おすすめ]
RTX 3060 95W 7519
RTX 3060 75W 7047
RTX 3050 Ti 95W 6063
RTX 3050Ti 60W 5292
RTX 3050 75W 5102
RTX 3050Ti 40W 4560
RTX 3050 65W 4560
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

GPU-Zで確認したGeForce RTX 4050 Laptopの情報は次の通りです。

GeForce RTX 4050 Laptopのスペック

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、非常に速いです。起動やデータ読み込みの速度だけでなく、データの書き出しや保存のスピードも高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6959
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを搭載しており、速度は速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「最適なパフォーマンス」モードで計測しています。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

実用的な速度でRAW現像の書き出しができていました。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX
RTX 4080 (175W)
47秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4070 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 9 7940HS
RTX 4060 (60W)
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core i7-13700H 73秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12650H
RTX 4050 (45W)
76秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800H 82秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 7 5825U 151秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

RTX 4050を搭載しており、4K動画の書き出しも実用的な速度でした。4K動画の編集作業も快適です。

4K動画の書き出し
Core i9-13980HX
RTX 4090 (175W)
2分47秒
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
3分01秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
3分08秒
Ryzen 9 7940HS
RTX 4090 (150W)
3分10秒
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
3分20秒
Apple M1 Max
10CPU/32GPU
3分26秒 (MacBook Pro 16)
Core i9-13900H
RTX 4060 (65W)
3分29秒
Core i9-13900HX
RTX 4070 (140W)
3分40秒
Core i7-12900H
RTX 3070Ti (120W)
3分49秒
Core i7-13700HX
RTX 4060 (140W)
3分53秒
Core i7-12650H
RTX 4050 (45W)
4分03秒
Core i7-13620H
RTX 4050 (105W)
4分11秒
Core i7-13700H
RTX 4050 (80W)
4分24秒
Core i7-11800H
RTX 3050Ti (60W)
5分08秒
Core i5-11400H
RTX 3050 (65W)
5分59秒
Core i7-12700H
GTX 1650
6分21秒
Apple M2
8CPU/10GPU
6分41秒 (MacBook Pro 13)
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
14分10秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
14分12秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間
ソフトウェアエンコード

CPUのみで実行するx265エンコードです。同じCore i7-13700Hを搭載した他機種で計測した結果には及びませんが、一般的なノートPCよりもかなり高速です。

Core i9-13980HX 4分34秒
Core i9-13950HX 4分35秒
Core i9-13900HX 5分09秒
Core i9-13900H 6分13秒
Core i7-12800HX 6分18秒
Core i7-13700H 6分39秒
Core i7-12700H 7分50秒
Core i7-13620H 7分56秒
Core i7-13700H 8分21秒
Ryzen 9 6900HX 8分23秒
Core i5-12500H 8分36秒
Ryzen 7 6800U 10分47秒
Ryzen 7 5825U 11分15秒
Core i7-1360P 12分03秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Core i5-1135G7 26分03秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Blender Benchmarkによるレンダリング時間
GeForce RTX 4050 Laptop
Blender Benchmark Score
RTX 4090 150W 8067
RTX 4090 175W 7917
RTX 4080 175W 6441
RTX 4070 140W 3990
RTX 4060 115W 3775
RTX 4060 65W 3034
RTX 4050 105W 2929
RTX 4050 80W 2929
SPECviewperf 2020

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

この製品は、ゲーミングPCではありませんが、参考までにゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。

RTX 4050搭載モデルでは、画質を調整すれば、FHD環境で多くのゲームを60 fps以上のフレームレートでプレイすることができそうです。リフレッシュレート:120Hzの液晶なので、そこまで重くないゲームであれば、高画質でも少し高めのフレームレートでプレイすることができるゲームもあります。ただし、高い負荷がかかるとパームレスト部の温度が上がり、手のひらが熱く感じますし、排気がマウスを操作している右手にも当たるので、ゲームはやりにくいです。

以下のゲームのフレームレートについて
グラフは、ノート用グラフィックスのみ掲載しています。
重い部類のゲーム
FORSPOKEN(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 98 fps
45 fps
最高 26 fps
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 91 fps
80 fps
ウルトラ 66 fps
レイトレ:ウルトラ 39 fps
重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 209 fps
最高 93 fps
エクストリーム 59 fps
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 軽量品質 134 fps
標準品質 104 fps
高品質 76 fps
重い部類のゲーム
BLUE PROTOCOL
解像度 品質 平均fps
1920x1080 低画質 187 fps
高画質 116 fps
最高画質 88 fps
中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
解像度 品質 平均fps
1920x1080 最低 168 fps
134 fps
ウルトラ 87 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 標準品質 154 fps
高品質 135 fps
最高品質 117 fps
中程度の重さのゲーム
フォートナイト [チャプター4 シーズン2]
DirectX 12
解像度 品質 平均fps
1920x1080 低設定 121 fps
中設定 101 fps
最高設定 56 fps
※アンチエイリアス&スーパー解像度:TSR低
※テンポラルスーパー解像度:ネイティブ
※バトルロワイヤル ソロで計測
パフォーマンス - 低グラフィック忠実度
解像度 その他設定 平均fps
1920x1080 3D解像度:100%
メッシュ:高
描画距離:最高
186 fps
※バトルロワイヤル ソロで計測
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
解像度 品質 平均fps
1920x1080 低設定 200 fps
高設定 129 fps
※トレーニングモードで計測
軽い部類のゲーム
VALORANT
解像度 品質 平均fps
1920x1080 高設定 290 fps
※プラクティスモードで計測
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
解像度 品質 平均fps
1920x1080 非常に低い 197 fps
中型 176 fps
ウルトラ 127 fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
解像度 品質 平均スコア
1920x1080 最高品質 22200(すごく快適)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

2つあるUSB Type-Cポートは、USB4 / Thunderbolt 4に対応しています。

動作チェックの結果は、下表の通りです。DisplayPort、Power Deliveryにも対応しており、ドック類も使用することができました。なお、PD充電器による充電では、140Wの出力のものでも低速の警告が出ました。使用しながら給電する場合は、付属のACアダプターを使用した方がいいと思います(特に、外部GPUを搭載したモデルの場合)。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック ○ ※3
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック ○ ※3
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器 ○ ※3
100W Anker PowerPort III ○ ※3
65W Lenovo GaN充電器 ○ ※3
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
○ ※3
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速の充電ケーブルであるとの警告が表示される

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートはありません。

 

質量のチェック

Surface Laptop Studio 2の質量のチェックです。

メーカーサイトには、「Intel Iris Xeモデル:1.89kg」、「NVIDIAグラフィックスモデル:1.98kg」と書かれています。今回は、NVIDIAグラフィックスモデルとなりますが、当サイトの計測値もほぼ同じでした。14インチクラスのクリエイター向けノートPCとして、特別軽いわけではありません。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.990kg
ACアダプター+電源ケーブル 462g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Surface Laptop Studio 2は、58Whのバッテリーを搭載しています。高性能パーツを搭載した、クリエイター向けの機種としては、そこまで大きな容量ではありません。

バッテリー駆動時間は下表の通りです。高めのスペック構成ですが、動画再生のような負荷の軽い処理であれば、(2)のように比較的長めのバッテリー駆動が可能です。少し負荷のかかる状態で連続して作業を行うと、(3)ぐらいの駆動時間になります。なお、動画編集など高い負荷がかかる作業を行うと、バッテリー駆動時間はもっと短くなるので、ACアダプターをつないで使うことをおすすめします。

バッテリー駆動時間
  NVIDIAグラフィックス Intel Iris Xe
(1) メーカー仕様値 最大18時間 最大19時間
(2) 動画再生時 14時間08分
(3) CPU6%、iGPU8%、dGPU5%の負荷 3時間05分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) テスト環境は、メーカーサイトの技術仕様に記載
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

付属のアダプターでの充電速度は比較的速かったです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
72%(約41Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、盗み見防止のための物理的なシャッターは付いていません。なお、Windows Hello 2.0に対応しており、顔認証を使用することができます。

Webカメラは、1080pのFHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしては高めの解像度です。やや暖色系で、ところどころ粒状感のある画像でしたが、オンラインミーティングなどに普通に使うことができます。広角なので、背景の映り込みが気になる場合は、バーチャル背景などを使用するといいでしょう。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、下図のマルの部分あたりに搭載されています。音質は比較的良く、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「おすすめ」モードでは、CPU電力が30W前後で動作しています。PBP(プロセッサーベースパワー):45WのCore i7-13700Hとしては、少し低いCPU電力となります。そのため、CPU温度も70℃台前半ぐらいに収まっています。

「最適なパフォーマンス」モードでは、CPU電力が35W~50W前後で変動しながら推移しています。CPU温度は概ね80℃台以下に抑えられており、問題のない温度だと思います。

どちらのモードでもCPU温度を心配することなく作業を行うことができるでしょう。「おすすめ」モードだとパフォーマンスが控えめなので、クリエイティブな作業を行うときなどは、「最適なパフォーマンス」モードで使用した方がいいと思います。

  • おすすめ時
  • 最適なパフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

FF15ベンチ実行時の温度

FF15ベンチマーク実行時のCPU温度、GPU温度の推移を掲載します。

Surface Laptop Studio 2は、ゲーミングノートPCではありませんが、CPU・GPUの両方に高い負荷がかかった時の参考になります。

「おすすめ」モードでは、CPU温度はほぼ70℃台に収まっています。GPU温度は85℃前後まで上がりますが、徐々に下がり70℃台で落ち着いています。

「最適なパフォーマンス」モードでも、CPU温度は概ね70℃台を保っており、問題ありません。GPU温度は、一旦85℃前後まで上がると徐々に下がり、その後、また上昇していますが、80℃台を超えてはいないので問題ないと思います。

  • おすすめ
  • 最適なパフォーマンス

 

静音性のチェック

Surface Laptop Studio 2の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。Premiere Proでの動画の書き出しのような高い負荷がかかっても、低めの騒音値です。動作音をあまり気にすることなく、作業に集中できます。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Adobe Premiere Proで4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時
左から3番目:Adobe Premiere Proによる4K動画の書き出し時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

少し負荷がかかると、パームレスト部の温度が上がります。動画編集など、少し高めの負荷がかかると手のひらが熱くなります。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

Core i7-13700H + GeForece RTX 4050を搭載したノートPCとしては、消費電力は低いです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Surface Laptop Studio 2の外観はご覧のようになっています。

Surfaceシリーズらしい、シンプルなデザインです。ボディ素材には、アルマイト処理されたアルミニウムが使用されており、剛性が高く、質感がいいです。

ボディカラーは、「プラチナ」です。

 

天板にはWindowsのロゴマークが入っています。

 

外部GPUの搭載が可能で、使用モードを切り替えることができる機構も備えていますが、厚みは約22mmとそれほど厚くはありません。

 

ディスプレイ下部を持ち上げて、変形することができます。下図のような形状をステージモードといい、タッチ操作や、動画視聴などを行うのに適しています。

 

さらに、ディスプレイ下部を手前に引き出し、タブレットモードにすることができます。ペンでの手書き入力などがしやすいです。

 

ポート類はご覧の通りです。USB3.1 Type-A、USB4/Thunderbolt 4対応USB-C(DisplayPort、Power Delivery対応) x2、microSDカードリーダーを備えています。そろそろ、Surface Connect ポート(電源ポート)は無くして、その代わりにHDMI出力ポートなどがあった方が実用的かなと思います。

 

液晶は、下の図の角度まで開きます。

 

底面には、吸気口もなく、ネジも見えないようになっています。見た目がよく、この辺りにはマイクロソフトのこだわりを感じます。

 

ACアダプターは127Wです。なお、外部GPUを搭載しないモデルの場合、仕様では102Wとなっていました。

 

まとめ

以上が、Surface Laptop Studio 2のレビューです。

PC本体をテーブルに置いたままタブレット形状へ変形することができるクリエイター向けのノートPCです。タブレット形状にすると、ペンでの手書きドローイングなどがしやすくなります。

外部GPUを搭載したモデルがあり、GeForce RTX 4050などだけでなく、NVIDIA RTX 2000 Adaを搭載したモデルがあるのも珍しい特徴です。小型のワークステーションとして使うこともできるでしょう。

液晶には、画面比3:2、2400x1600の14.4型液晶を搭載しています。画面を広く使って作業することができますし、sRGBの色設定で広めの色域だったので、デジタルデバイスで表示するタイプの画像・動画コンテンツを作成するのに適しています。

CPUには、第13世代Core i7-13700Hを搭載しています。ただし、パフォーマンスがやや抑えられているので、高い処理性能で、重い処理をどんどんこなしたいというような用途にはちょっときついかもしれません。CPU・GPUに高めの負荷がかかると、パームレストに置いた手のひらや、マウスを操作する手に熱を感じるのも、やや気になる部分でした。また、外部GPUを搭載したモデルだと、39万円台~と価格が高いのも購入へのハードルとなっています。

 

持ち上げなくてもタブレットへ変形可能

Surface Laptop Studio 2

特徴

  • ディスプレイモードの切り替えが可能
  • 画面比3:2、2400x1600の液晶を搭載
  • NVIDIA RTX 2000 Adaなどを選択できる

こんなあなたに

  • ペンを使ったクリエイティブな作業用に
  • 潤沢な予算がある方
  • 価格33万円台[税込]~
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