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レノボ ThinkPad T520 のレビュー(3)

更新日:2011年4月29日
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  目次  

静音性のチェック

ThinkPad T520 の静音性をチェックしました。

テストは下記の3つの状態のときに、騒音計で騒音値を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、非常に優れた静音性でした。特に高負荷時の騒音値が非常に低かったです。今までいくつかのパソコンの騒音値を計測してきました。トップレベルの低い結果です。会社や、お客様先、図書館などで使用しても他人に迷惑をかけることなく使用することができます。

計測した騒音値は下の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dB(※1)あり、この値を基準にするとアイドル時で+0.1dB、バイオハザード実行時で+1.9dB、エンコード時で+1.9dBでした(※2)。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。

※1 今まで、部屋を極力無音にしたときは41.1dBでしたが、環境を変えたことで、40.4dBとなりました。


アイドル時と高負荷の騒音値。負荷をかけても非常に静かです。

パーツの温度のチェック

CPUの温度を計測し、きちんとパーツが冷却できているかをチェックしました。あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

テストは下記の3つの状態のときに、HWMonitorのソフトで温度を測定しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、ノートパソコンにしてはいずれも低めの値でした。ノートパソコンは90℃以上になる製品が多くあるのに対し、ThinkPad T520は負荷をかけても60~80℃台で推移していました。静音性と冷却性を両立しているPCと言えます。


CPUの温度をHWMonitorで測定。ノートパソコンにしては負荷をかけても低い内部温度でした。

表面温度のチェック

表面の温度を計測し、作業中に手のひらが熱くならないかを確認しました。

テストは、また下記の3つの状態のときに、計測には赤外線温度計を用いました。室内温度は24℃にしています。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストB)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、非常に低い表面温度でした。負荷をかけても全ての測定箇所で33℃以下となっており、熱いと感じることはありませんでした(ただ、いくら何でも夏場は熱く感じるかも)。

ただし、実はキーボードの左横のスピーカー部分の上側が37℃くらまで熱くなっています。しかし、この部分に手を触れることはほとんど無いため使用中に手が熱くなることはありません。良い設計になっていると感じました。


本体キーボード側の表面温度。全体的に低い温度です。

消費電力のチェック

Core i7-2620M、NVS 4200を搭載したThinkPad T520の消費電力です。

アイドル時と、高負荷時(バイオハザード5実行時)と、さらに省電力モード時の消費電力をワットチェッカーで計測しました(下図)。

テストの結果は、わずかに高めの値でした。バイオハザード5実行時の消費電力がやや高いのはNVS 4200を搭載している影響でしょう。全体的にわずかに高めなのはフルHD液晶の影響かもしれません。


消費電力の計測結果。全体的にわずかに高め。

外観のチェック

ThinkPad T520の外観のチェックです。昔と変わらぬボディです。他社のようにデザインをころころ変えて壊れやすくなったり、操作性が変わったり、悪くなっりするよりも、昔からほとんど変わらない筐体のほうが安心です。全体的に指紋が付きにくく液晶の開閉具合もスムーズです。

 

天板も指紋が付きにくいです。フラットな天板なので、書類と一緒に持ち運びやすいです。

 

ThinkPad T520の側面です(下図)。USB3.0とHDMIポートを搭載していないのは残念です。その代わりDisplay Portを搭載しています。

 

天板は、下図の角度まで開きます。床に置いてしゃがんで操作したり、職場などで自分の向かい側に座っている人に画面を見せたりすることが可能です。

パーツの選び方

ここでは、パーツの選び方を考察します。尚、BTOという性質上、時期によって選択できるパーツは異なりますのでご注意ください。

液晶ディスプレイ

液晶ディスプレイについては、「ここがすごい - 高色域・高解像度の液晶を選択可能」でたくさん書いたので、詳細はそちらをご覧ください。ここでは、内容をまとめたものだけ下記の表に掲載します。

追記:1600x900を搭載したL520を検証中なのですが、色域は狭いもののギラツキは思ったよりも少なく、ノートPCにしては見やすい部類にはいると思います。"たぶん"T520で1600x900を選択しても同じ液晶だと思われるので、無難に選ぶなら1600x900がいいかもしれません。

2011/4/23時点で選択可能な液晶ディスプレイ
解像度 1920x1080(フルHD) 1600x900(HD+) 1366x768(HD)
色域 (たぶんNTSC)95%カバー 狭い 狭い
写真の綺麗さ
文字の大きさ 小さい 中くらい 大きい
Webページの見やすさ 色域が広すぎて見づらいと思う人もいる 普通 普通
ギラツキ ほとんど無い やや有る
→気にならない程度
やや有る

CPU

選択できるCPUは、下記のCPUです。Core i3からCore i7まで幅広く選択することができます。

コストパフォーマンスが高いのは、Core i5-2540MまたはCore i5-2520Mでしょうか。CPUは、メモリやハードディスクと違って交換できないので、できるだけ良いものを選んだほうがいいと思います。

2011/4/23時点で選択可能なCPU
仕様 Core i7-
2620M
Core i5-
2540M
Core i5-
2520M
Core i5-
2410M
Core i3-
2310M
コア数 2 2 2 2
スレッド数 4 4 4 4
動作周波数 2.70GHz 2.60GHz 2.50GHz 2.30GHz 2.10GHz
Turbo Boost時周波数 3.40GHz 3.20GHz 3.20GHz 2.90GHz
キャッシュ L1:128KB
L2:512KB
L3:4MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:3MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:3MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:3MB
L1:128KB
L2:512KB
L3:3MB
消費電力 35W 35W 35W 35W 35W
3DMark 06 ベンチ 3556 3649 3380 3210 2508
PassMark CPU ベンチ 3945 3745 3731 3531 2814
※3DMark 06 ベンチのスコアは、NOTEBOOKCHECK様のサイトから引用しています。尚、スコアは日々更新されています
※ PassMark CPU ベンチのスコアはPassMark様のサイトから一部引用しています。尚、スコアは日々更新されています

グラフィックス

選択可能なNVS 4200Mは、ビジネス向けのグラフィックスであるため、用途を選びます。一般向けの用途ではあまり性能が出ず、CPU内蔵のクイック・シンク・ビデオのほうが速い場合も多いでしょう。

OpenGL対応のビジネス用ソフトを使用するならNVS 4200Mを搭載すると良いと思いますが、その他の用途の場合はNVS 4200を搭載しない、または別のPCのほうがいいと思います。

ストレージ

128GB、または160GBのSSDを搭載可能です。

128GBの型式は、レノボの周辺機器のページから128GBのSSDを別途購入してみたところSAMSUNG製のMZ7PA128HMCD-010L1(SATA 3.0Gb/s)だったので、たぶんこれと同じではないかと思います(推測です。しかもロットによって変更される場合もあります)。

160GBの型式は、同理由でたぶんインテル X25-Mです。

ThinkPad T520のハードディスクを取り出してみたところ、9.5mmだったので、この厚さのSSDへ換装することも可能だと思います(未実施)。

ちなみに、SSDのマニュアルを読むと、X220、X220t、T420sは7mm厚のストレージで、T420、T520、W520は9.5mm厚のストレージを装着可能なようです。レノボショップで販売されている7mm厚のSSDを購入したときについてくる9.5mmへの変換マウンタ等があれば、7mmのストレージもT420、T520、W520へ装着可能です。

ワイヤレスLAN

現在、バッファローやロジテックで最大450Mbpsの無線LANルーター(親機)が発売されています。しかし、パソコンに内蔵されたワイヤレスLANアダプター(子機)のほとんどは最大300Mbpsまでにしか対応していません。

しかし。ThinkPad T520は現在(2011.4.24)発売されているPCの中では珍しく、450Mbpsに対応したワイヤレスLANアダプターを選択可能です。対応しているのは「インテル Centrino Ultimate-N 6300」という名前になります。

まとめ

以上が、レノボ ThinkPad T520のレビューでした。

最大の特徴は、1920x1080(フルHD)の非光沢15.6型液晶を搭載可能な点です。色域も広いので写真など鮮やかです。ギラツキもほとんど感じられず非光沢であるため目に優しいです。ただし、15.6型という小ささで1920x1080という解像度は人を選びます。1ページ目に書いた「高色域・高解像度の液晶を選択可能」をよく読んで、1920x1080の解像度でも大丈夫かよく検討してみてください。

1600x900や1366x768の解像度でもいいと感じたら、レノボ 公式サイトも検討してみてください。こちらのほうが価格が少し安いです。

液晶を抜きにしても、抜群のキーボード、静音性、放熱性など筐体の出来は素晴らしいと思います。ノートパソコンで快適に作業をしたい人は、ThinkPad T520はおすすめです。

尚、グラフィクスはビジネス用途向けなので、ゲームや動画編集を行おうと思っている人は、一般向けのGeForceやRadeonのGPUを搭載したPCが良いと思います。

購入時は、レノボ 公式サイトをお使いください。大幅割引があります。

詳細はこちら
レノボ 公式サイト
※購入時はレノボ 公式サイトを忘れずにお使いください