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レノボ ThinkPad Edge E430の実機レビュー
ご注意・お詫び
2012年6月29日追記:
HDDパフォーマンス・ブースター(16GB mSATA キャッシュ・ドライブ)を選択した際、
工場出荷時に、ディスクを高速化するソフトがインストールされていない可能性があります。
本機も工場出荷時にインストールされておらず、この状態でレビューを掲載していました。
申し訳ございません。
詳細およびインストール方法については、こちらをご参照ください。
格安でも品質に満足
ThinkPad Edge E430は、非常に安価なパソコンですが、品質は悪くなく、安心して使える14型ノートパソコンです。
キーボードは打ちやすく、静音性やCPU温度なども特に問題ありません。
第3世代インテルプロセッサー Ivy Bridgeを搭載した構成でも5万円台で購入することが可能で、コストパフォーマンスは最高です。
ボディも14型とコンパクトで、重量も2.15kgとそれほど重くもなく、バッテリ駆動時間も意外と長いです。室内をPCを持ってよく移動する方にもおすすめです。
旧モデルのThinkPad Edge E420はかなりのベストセラーでしたが、E430も人気が出ると思います。
メーカーサイト:レノボ 公式サイト
目次
ThinkPad Edge E430 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2012年6月11日現在の情報です。
CPU Core i3~i7のCPUを選択可能です。本機はCore i7-3612QMです。 |
グラフィックカード 本機はCPU内蔵(インテルHDグラフィックス 4000)です。他にもGeForce 610M、GeForce GT 630Mを選択可能です。 |
液晶ディスプレイ 14.0型ワイド(1366x768)の液晶です。光沢 or 非光沢を選択できます。本機は光沢です。 |
メモリ 容量は選択できます。本機は8GB(デュアルチャネル)のメモリを搭載しています。 |
ハードディスク 500GB(5400rpm)のハードディスクを搭載しています。 |
SSD 単体SSDは選択できませんが、HDDの速度を向上させるキャッシュ用SSD(HDDパフォーマンス・ブースター)は選択可能です。 |
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブです。 |
バッテリ駆動時間 |
特徴1 - 高いコストパフォーマンス
ThinkPad Edge E430は、コストパフォーマンスの非常に高いPCです。
第2世代インテル Core i5であれば、クーポン適用で4万円台で購入できます(下記の構成例1)。
第3世代インテル Core i5に、メモリ8GBを搭載しても5万円台で購入可能です(下記の構成例2)。個人的にはこの構成がおすすめです。
おすすめ | ||||
仕様 | 構成例1 | 構成例2 | 構成例3 | 構成例4 |
---|---|---|---|---|
CPU | Core i5-2450M (第2世代CPU) |
Core i5-3210M (第3世代CPU) |
Core i7-3612QM (第3世代CPU) |
Core i7-3612QM (第3世代CPU) |
メモリ | 4GB | 8GB | 8GB | 8GB |
ハードディスク | 500GB | 500GB | 500GB +16GB mSATA (Express Chache) |
500GB +16GB mSATA (Express Chache) |
グラフィックス | CPU内蔵 | CPU内蔵 | CPU内蔵 | GeForce GT 630M |
価格 | 52,920円 | 66,570円 | 83,160円 | 96,810円 |
レノボ 公式サイト利用時の価格 | 47,628円 | 59,913円 | 74,844円 | 87,129円 |
※クーポンの割引率は時期によって異なります
特徴2 - HDDを高速化するキャッシュ用SSDを選択可能
2012年6月29日:この項目は全面的に書き換えています。
ThinkPad Edge E430は、HDDパフォーマンス・ブースター(16GB mSATA キャッシュ・ドライブ)というオプションを選択できます。
これは、mSATAのSSDをHDDのキャッシュとして使うことで、HDDへのアクセスを高速化する機能です。高速化するソフトとしては、メジャーなIntel SRTではなく、Diskeeper社の ExpressCacheというソフトを使用しています。
ただ、別件で、ExpressCacheを使っている他のPCを使う機会があり、このPCと見比べた場合、ディスクの状態やインストールファイルなどあまりに違いがあったため、サポートにExpressCacheが正常に動作しているか確認しました。
そして、しばらくしてから受けた回答は「工場出荷時にインストールされていなければならないExpressCacheが、インストールされずに出荷されている場合があることが分かった。お客様のパソコンも工場出荷時にインストールされていない」とのことでした。
そのため、以前、掲載していたPC起動時間などはExpressCacheインストール前の情報でした。申し訳ございません。
以下、インストールされているかどうかの確認方法や、インストール方法について、サポートからの情報を掲載します。
ExpressCacheがインストールされているかどうかの確認方法
「コントロールパネル」>「プログラムのアンインストール」から、ExpressCacheのプログラムが存在するかを確認します。存在しなければ、インストールされていません。
ExpressCacheのインストール方法
「C:\SWTOOLS\app\ExpressCache」フォルダの「setup」ファイルを実行します。
なお、appsフォルダは、作成したリカバリー"メディア"からリカバリすると無くなってしまうので、できるだけバックアップしておきましょう。
「Next」または「Install」を押していけば、インストールできます。詳細は割愛します。
再起動すればインストール完了です。
なお、OSがクラッシュ等してリカバリを実施した場合も、このExpressCacheのインストール作業は必要になります。
ExpressCacheの状態確認
ExpressCacheの状態を確認したい場合、管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、下記フォルダへ移動します。
cd C:\Program Files\Diskeeper Corporation\ExpressCache
そして「eccmd」コマンドにオプションを付けて実行します。使えるオプションは次の通りです。
例えば、「ECCmd -INFO」を実行すると、キャッシュリード率などを確認できます。
ExpressCacheのアンインストール方法
「コントロールパネル」>「プログラムのアンインストール」からExpressCacheを選択してアンインストールします。
ExpressCacheインストール後のPC起動時間
下記に、ExpressCacheインストール前と後のPC起動時間等を掲載します。なお、搭載されていたmSATAのSSDは、SanDisk SSD U100 16GBです。
ExpressCacheインストール前と後では、起動・停止時間がやや速くなっています。
テスト内容 | ExpressCache無効時 インストール前 |
ExpressCache有効時 インストール後 |
|
---|---|---|---|
通常停止/起動 | PC停止時間 | 約16秒 | 約11秒 |
PC起動時間 | 約33秒 | 約28秒 | |
スリープ移行/復帰 | スリープへの移行時間 | 約12秒 | 約5秒 |
スリープからの復帰時間 | 約1.5秒 | 約1.5秒 |
特徴3 - コンパクトサイズ
ThinkPad Edge E430は、15.6型ノートパソコンと比べると、小さくて軽いです。
下の図は、ThinkPad Edge E430と15.6型のノートパソコンを比較した画像です。一回りコンパクトであることが分かると思います。重量は2.15kgです。外へ持ち運ぶにはやや重いですが、室内であれば手軽に移動できます。
液晶ディスプレイのチェック
ThinkPad Edge E430の液晶ディスプレイのチェックです。
感想としては、一般的なノートPCの液晶にありがちな、やや青白い液晶です。今回は、光沢液晶を選択しましたが、ギラツキは感じません。
なお、搭載されていたパネルは、AUO製のB140XW01 V8でした(複数メーカーの液晶を使っているため、異なるパネルが搭載される可能性があります)。
正面からの画像
視野角は、一般的なノートPCと同様です。それほど良くないです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
いつもなら、ここで、ガンマ補正曲線と色域をお見せするのですが、PC上で測定器をなぜか認識しなかったため、今回は割愛させていただきます。なお、私の目視では、寒色系の画面で、色域はそれほど広くないように見えます。
画素については次のような形状をしています。シンプルな形状で色むらも感じません。
キーボードとタッチパッドのチェック
ThinkPad Edge E430のキーボードおよびタッチパッドのチェックです。
キーピッチは実測で約19×19mmと十分な広さです。キーストロークは実測で約2mmで、こちらも十分な深さです。薄くてカタカタしたキーではなく、しっかりとした押し心地のキーボードで、打ちやすいと思います。
キートップはかなり湾曲しており、すべりにくい素材をしているため、指のフィット感は抜群です。通常、PrtScキーは上のほうにある場合が多いですが、本機は右下にあります。Altと並んで配置されているため、右手だけでAlt+PrtScを押すことができます。画面のキャプチャをよく撮る方は便利だと思います。
旧モデルのThinkPad Edge E420と比較すると、Deleteキーが右端に配置されました。また、EscとDeleteキーがやや広くなっています。また、矢印キーが、他のキーよりもやや下へ配置され、押しやすくなっています。
また、E420では、一番奥(液晶側)にキーボードが配置されていましたが、E430では、以前より下に配置されています。タッチパッドを他の機種と共通化するためなのか、理由は分かりません。
キーボード全体図
キーの拡大図
タッチパッドとクリックボタンは、一体型となりました。一体型にしてはクリック感が軽くて押しやすいですが、E420の独立型のほうが押しやすかったです。
タッチパッドは、E420はツルツルでしたが、E430は凹凸があります。指を動かしやすいです。
タッチパッド
ファンクションキーは、E420と変わらずマルチメディア仕様です。通常のファンクションキーの割り当てにしたい場合は、BIOSを起動し、「Config」>「Keyboard/Mouse」を選択し、「Change to "F1-F12"」を「Legacy」へ変更して下さい。
総合ベンチマーク
Core i7-3612QM、メモリ8GB、HDDパフォーマンス・ブースター(16GB)搭載のHDDといった構成のThinkPad Edge E430のベンチマーク結果です。
CPU、メモリ関連のスコアは非常に良いです。
ExpressCaCheをインストールしても、Windows エクスペリエンス インデックスのプライマリ ハードディスクのスコアは何度計測しても変わりません。PassMark Performance Test 7.0のDisk Markは、2度目以降は高速SSDよりも高いスコアが出ます。ただ、そんな訳はないので、メモリにもキャッシュする仕様なのかもしれません(不明)。
Windows エクスペリエンス インデックス
PassMark Performance Test 7.0
3DMark06(1.2.0 1901)
1280x720で実行
PCMARK7 v1.0.4
3DMark11(1.0.3)- Performance
動画のエンコード時間のチェック
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
TMPGEnc Video Mastering Works 5 による動画のエンコード時間のチェックです。
x264でエンコードしたときは16分13秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときは8分51秒でした。
クアッドコアのCore i7-3612QMでエンコードしているだけあって、x264のエンコード時間は高速です。
CPU内蔵グラフィックス(インテル HD グラフィックス 4000)を使ったクイック・シンク・ビデオによるエンコードも、非常に高速です。
エンコード方法 | エンコード時間 |
---|---|
x264でエンコード | 16分13秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 8分51秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
カードリーダー/ライターのチェック
SDカード挿入後の外観
内蔵カードリーダー/ライターの対応カードと速度のチェックです。
スロットは本体の手前側にあります。抜き挿しはスムーズです。挿入後の写真は右の図をご覧ください。抜くときはPUSHすると出てきます。
対応しているカードは「4 in 1メディアカードリーダー」という情報しか見つけられませんでしたが、恐らく下記の通りだと思います。
対応カード | SD(SDHC、SDXC)、MMC |
カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkの結果は下の図の通りです。カードリーダー/ライターは高速だと思います。
バッテリ駆動時間のチェック
バッテリ駆動時間の実測値は5時間15分
ThinkPad Edge E430のバッテリ駆動時間のチェックです。
ハードディスクに保存したDVD画質相当の動画(720x480)を再生させて、バッテリ状態にし、休止状態へ移行するまでの時間を計測しました。
テストの結果、バッテリ駆動時間の実測値は、5時間15分でした。モバイル用途ではないパソコンとしては、非常に長いと思います。
※搭載バッテリは、6セル Li-Ion バッテリー (62Wh)です。