レノボ IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型(Intel Core)の実機レビュー

更新日:
CPU Core 5 120U
Core 7 150U
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 512GB / 1TB SSD
液晶サイズ 15.3型 16:10
液晶種類 1920x1200 IPS
質量 約1.793kg
バッテリー 約13.6時間 (57Wh)
価格[税込] 7万円台~
今年の売れ筋になりそうなノートPC

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、仕事やホームノートPCとして使いやすい構成を、安価で購入することができるコストパフォーマンスの高いノートPCです。

画面比16:10で、100%sRGBと色域広めの液晶を搭載しており、オリジナルに近い色鮮やかな表示が可能となっています。この価格帯のノートPCとしては珍しい、質が高めのディスプレイです。

また、最新のインテル Core プロセッサー(シリーズ1)は、一般用途に必要十分な処理性能でした。

バランスが良く、コスパも高いため、今年の売れ筋となりそうなおすすめ度の高いノートPCです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core 5 120U、16GBメモリ、512GB SSD、1920x1200 IPS液晶

 

セール情報

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目次

お忙しい方は、「IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型 の特徴」のみお読みください。

 

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型の特徴

今年の売れ筋になりそうな15.3型ノートPC

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、最新のインテル Core プロセッサー(シリーズ1)、見やすいディスプレイを搭載し、発売直後ですが、「7万円台~」で購入することができます。

7万円台から購入が可能なホームノートPC

 

一般用途に快適に使用することができるスペック構成で、コスパが高いため、ホームユースや仕事用のノートPCとして、売れ筋になりそうな製品です。今なら、短納期モデルもあるので、新生活に合わせて急いでノートPCを入手したい方にもおすすめです。

売れ筋になりそうな15.3型ノートPC

 

100%sRGBの15.3型液晶を搭載

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、画面比16:10、WUXGA(1920x1200)、100%sRGBの15.3型IPS液晶を搭載しています。

一般的なFHD(1920x1080)液晶よりも、縦方向に少し広く、Webブラウザや、Wordなど、縦スクロールするソフトでの作業のしやすさが少し向上しています。視野角が広く、フリッカーも発生していなかったので、長い時間の作業にも使いやすいです。

作業がしやすい液晶を搭載

 

また、100%sRGBと色域が広めなのも大きなポイントです。色域が広いと、表現できる色の幅が広くなり、色鮮やかな表示が可能となります。下図では、価格を抑えた一般ノートPCが搭載するような、sRGBカバー率65%前後の液晶(右側)と、見え方を比較してみました。右側のディスプレイの方が色が少しくすんだように見えるのに対して、本機器のディスプレイ(左側)は色が鮮やかなことが分かります(ご覧のデバイスのディスプレイによっては違いが分からないかもしれません)。

Webページの画像や、ネット動画などをオリジナルに近い、美しい表示で見ることができますし、撮った写真を見たり、軽く編集したりするのにも適しています。

ちなみに、100%sRGBクラスのディスプレイを搭載した機種は、安くても10万円台ぐらいという印象があったので、このディスプレイを搭載して7万円台から購入できるのは安いと思います。

sRGBカバー率65%前後の液晶(右側)との比較

 

最新のインテル Core プロセッサー(シリーズ1)を搭載

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、最新のインテル Core プロセッサー(シリーズ1)を搭載しています。

これは、PBP(プロセッサーベース電力):15Wで、基本的には第13世代Core (U)のリフレッシュ版という位置付けのプロセッサーです。それでも、CPUのベンチマークテストでは、Core i5-1335Uの代表的なスコアをしっかり上回っており、PBP:28WのCore i5-1340Pで計測したものに近いスコアが出ていました。Core Ultra 5 125Hのような上位のプロセッサーよりは劣るものの、一般用途には十分な処理性能を備えていることが分かります。

Officeソフトと、ブラウザなど、複数のアプリを同時に立ち上げて作業をする場合でも、もたつきを感じることはないでしょう。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 7 7735U 10122
Core i5-1340P 9688
Core 5 120U 9317
Ryzen 5 7535U 8757
Core i5-1335U 8249

 

なお、CPU内蔵グラフィックは、Intel Graphicsです。これは従来のIntel Xe Graphicsの名前を変えただけで同程度の性能です。ちょっとした画像編集や、FHD動画のカット編集などであれば、ある程度対応できると思います。ただし、少し高めのグラフィックス性能がよければ、「Core UltraHシリーズ」を搭載する別機種の方がいいかもしれません。

3DMark Night Raid(Graphics score)
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core 5 120U
メモリLPDDR5X-5200
18333
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774

 

メモリの増設・交換はできない

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型のメモリは、下図のようなオンボードメモリです。購入後に、メモリの増設や交換をすることはできません。

最小構成の8GBメモリだと、複数のアプリを同時に立ち上げて作業する場合や、タブブラウザで多数のページを開きながらネット検索する場合などに、メモリが不足する可能性があるので、16GBメモリを搭載したモデルがおすすめです。

オンボードメモリ

 

なお、現時点では、7万円台で購入することができるカスタマイズモデルの場合、初期構成では8GBメモリになっているので、購入時のカスタマイズで16GBメモリを選ぶといいです。

メモリのカスタマイズ画面

 

カメラ、指紋センサー、キーボードを要チェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型を購入する場合は、Webカメラのタイプ、指紋センサーの有無、キーボードの種類をチェックすることをおすすめします。特に、カスタマイズモデルを購入する場合は、以下の点を確認してください。

まず、内蔵カメラです。Windows Helloの顔認証を使って、Windowsへのログイン等を行いたい場合は、「IR&1080p FHDカメラ、マイク」を選びましょう。宅内で使うことが多い機種なので、IRカメラ付きの方が便利だと思います。

内蔵カメラのカスタマイズ画面

 

Windows Helloの指紋認証を使用したい場合は、「指紋センサー」を選ぶといいです。個人的には、内蔵カメラに「IR&1080p FHDカメラ、マイク」を選んでいれば、顔認証を使用することができるので、指紋認証はなくてもいいかと思います。

指紋センサーの有無

 

キーボードには、「バックライトなし」と、「バックライト付き」の2種類があります。「バックライト付き」の方が、薄暗い場所でもタイピングがしやすいですし、明るい場所でもキーボードの視認性が上がるので、おすすめです。

キーボードのカスタマイズ画面

 

やや気になる部分

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、HDMIポートを備えていますが、仕様では「HDMI1.4、最大4K@30Hzサポート」となっており、4K@60Hzで表示することができません。また、筆者が所持している4Kモニターに繋いだところ、「FHD@60Hz」での表示は可能でしたが、「4K@30Hz」での表示もできませんでした。

ただし、USB-CポートもDisplayPortに対応しており、USB-Cポートからの出力であれば、4K@60Hzの表示が可能でした。4Kモニターに接続するときは、USB-Cポート経由で出力するといいでしょう。

HDMIポート

 

概要動画

概要を説明した動画も作成しています。こちらもご覧ください。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックと、画面比16:10の見やすいディスプレイで、快適に作業を行うことができます。
オンライン会議 Webカメラ、マイク、スピーカーを搭載しており、オンライン会議に普通に参加することができます。
動画鑑賞 色鮮やかな表示のディスプレイを搭載しており、動画鑑賞を快適に行うことができます。
RAW現像
画像編集
100%sRGBクラスの液晶を搭載しており、この用途にも使用することができます。ただし、15WクラスのCPUなので、そこまで処理速度は速くありません。また、この用途に使う場合は、メモリは16GBがおすすめです。
動画編集 △~○ FHD動画のカット編集など、ライトな編集作業にはある程度使うことができます。ただし、4K動画の編集やアニメーションを多用した動画など、より本格的に動画編集を行いたい場合は、外部グラフィックスを搭載した機種の方がおすすめです。
ゲーム 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイすることができるものもあると思います。ただし、本格的にゲームをしたいのであれば、ゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型のディスプレイのチェックです。

WUXGA(1920x1200)解像度の15.3型液晶を搭載しています。

最近よく見る画面比16:10のディスプレイで、Web閲覧や、Officeソフトでの作業などがしやすいです。非光沢で、フリッカーも発生していなかったので、長時間の作業にも適しています。また、色域が広めで、色鮮やかな表示で画像や映像を見ることができる全体的に質のいいディスプレイでした。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトの計測で、sRGBカバー率は99.8%でした。広めの色域です。最大輝度は、当サイトの計測では304cd/m2と普通です。

ガモット図
※ i1 Display PlusでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ1:1に近い直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶であるため、画面への映り込みが低減されています。ギラつきはほとんど感じません。

画面への映り込み

フリッカー(ちらつき)は発生していませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型のキーボードのチェックです。

実測値で、キーピッチは横:約18.5mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.3mmでした。キーストロークがやや浅めで、最初はやや違和感を感じる方もいそうですが、そのうち慣れると思います。

気になるのは、「Enter」キーと、テンキーの間隔が狭い点で、ブラインドタッチ時は正確に指を運ばないと、間違って数字キーを押してしまうことがあります。

ただし、主要なキーのサイズは揃っており、総合的に見てタイピングのしやすさは普通です。

タッチパッドの使いやすさも、普通ですが、クリック音がやや大きいかなと思います。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

今回は、キーボードバックライトを搭載しています。ただし、バックライトなしのキーボードもあるので、ご注意ください。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型のパフォーマンスをチェックします。

本機器では、「Lenovo Vantage」というアプリの「スマート・パワー」の設定項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測した各種ベンチマークの結果を掲載します。

「スマート・パワー」

 

CPU

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、インテルの最新CPUである「Core Uシリーズ1」を搭載しています。選択することができるのは、Core 5 120U、またはCore 7 150Uです。どちらも、PBP(プロセッサーベース電力):15W、Pコア数:2、Eコア数:8、スレッド総数:12となっており、第13世代Core i5-1335U / Core i7-1355Uのリフレッシュ版となる製品です。

今回は、Core 5 120U搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。

マルチコアでは、第13世代Core i5-1335Uの代表的なスコアよりも高く、PBP:28WクラスのCore i5-1340Pの代表的なスコアに近い数値が出ており、一般的な用途には十分な処理性能を備えていることが分かります。

シングルコアでは、第13世代Core (P)を超える高めのスコアでした。WordやExcelを含むOfficeソフトなどでの処理も速いと思います。

なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすることで、処理性能がアップしています。負荷の高い作業を行う場合などは、「エクストリーム・パフォーマンス」モードで使用するといいでしょう。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core 5 120U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i5-13500H 15302
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core 5 120U 9317 [エクストリーム・パフォーマンス]
7953 [インテリジェント・クーリング]
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
Core i7-1250U 7435
Ryzen 3 7330U 5141
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1887 [インテリジェント・クーリング]
1879 [エクストリーム・パフォーマンス]
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Core i7-1255U 1776
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core Ultra 5 125H 1712
Core i3-1215U 1592
Ryzen 7 7735HS 1538
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Core 5 120U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Ryzen 9 8945HS 919
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Core i7-1370P 621
Core i5-1340P 599
Ryzen 7 7730U 575
Core 5 120U 558 [エクストリーム・パフォーマンス]
479 [インテリジェント・クーリング]
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core 5 120U 112 [インテリジェント・クーリング]
110 [エクストリーム・パフォーマンス]
Core i5-1335U 109
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Core Ultra 7 155H 103
Core Ultra 5 125H 101
Core i7-1370P 101
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 99
Core i5-1340P 99
Ryzen 5 7530U 84

 

メモリ

メモリはLPDDR5X-5200で、メモリの帯域幅は十分な広さでした。なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5600
デュアルチャネル
66.34GB/s
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
LPDDR5X-5200
デュアルチャネル
48.31GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックス性能のチェックです。

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型のグラフィックスは、Core Uプロセッサー内蔵の「Intel Graphics」です。3DMark Night Raidのベンチマークスコアは以下の通りです。

Core Ultraシリーズの内蔵グラフィックスほどのスコアではありませんが、Core i7-1355Uや、Core i5-1340Pの内蔵グラフィックスと同程度のスコアが出ており、一般的な用途には十分な性能です。

なお、動作モードを変更しても、グラフィックス性能には大きな変化はないようです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core 5 120U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core 5 120U
メモリLPDDR5X-5200
18415 [インテリジェント・クーリング]
18333 [エクストリーム・パフォーマンス]
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Core i5-1335U
メモリDDR4-3200
16835
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7158
5041
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを備えています。アクセス速度は普通です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型で計測した各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「エクストリーム・パフォーマンス」モードで計測しました。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

PBP:15WクラスのCPUなのでそこまで速くはありませんが、趣味で一度に数十枚程度のRAW現像をするのであれば使うことができると思います。

Core i9-13900H
RTX 4090 (150W)
38秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900HX
RTX 4080 (175W)
39秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-13900H
57秒
Core i7-13700H
RTX 4070 (140W)
60秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H
RTX 4060 (140W)
63秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Ryzen 9 7940HS
RTX 4060 (60W)
66秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-13700H 68秒
Core Ultra 7 155H 72秒
Core Ultra 5 125H 77秒
Core i5-13500H 80秒
Ryzen 7 6800H 82秒
Core i7-1360P 88秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Ryzen 7 PRO 7840U 90秒
Core i5-1340P 93秒
Core 5 120U 106秒
Core i7-1365U 114秒
Ryzen 5 7530U 115秒
Core i5-1335U 128秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

重めのフィルターを使用してみましたが、Core i7-1360Pと同程度の処理時間でした。趣味レベルであれば問題なく使用することができます。

  本製品 参考
Core i7-1360P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約2秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約4分10秒 約4分16秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分47秒 約2分41秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画の書き出し速度も比較的速いです。重いエフェクトを使ったりする作業には厳しいですが、FHD動画の簡単な編集作業であればある程度快適に行えます。

FHD動画の書き出し
Core i7-12650H
GeForce MX550
2分01秒
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core Ultra 7 155H
Intel Arc
2分29秒
Ryzen 7 PRO 7840U
Radeon 780M
2分32秒
Core Ultra 5 125H
Intel Arc
2分36秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分49秒
Core 5 120U
Intel Graphics
3分02秒
Core i5-1340P
Intel Iris Xe
3分03秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Ryzen 7 7735U
Radeon 680M
3分51秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分31秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型は、USB3.2 Gen1 Type-Cポート(Power Delivery、DisplayPort対応)を2つ備えています。動作チェックの結果は下表のとおりです。

PD充電器での充電に関しては、出力が45Wのものだと、充電はできていましたが、警告が表示されます。PD充電器を使用する場合は、付属のACアダプターと同じ65Wか、それ以上の出力があるものを選ぶといいと思います。

USB3.2 Gen1 Type-Cポートの動作チェック
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック △ ※3 × ×
PD充電器
※1
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細は下図の通りです。HDMI1.4で、最大4K@30Hzのサポートとなっています。4K@60Hzの表示はできません。当サイトで試した4Kモニターの場合は、FHD@60Hzとなり、4K@30Hzへ変更することもできませんでした。なお、USB-Cポート経由であれば、4K@60Hzで表示することができました。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型の質量は、仕様値で「約1.793kg」となっており、実測値もほぼ同じでした。15インチクラスのホームノートPCとしては、普通の質量だと思います。扱いやすく、宅内での移動もしやすいです。ACアダプターは軽いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.728kg
ACアダプター+電源ケーブル 175g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は57Whでした。最近のノートPCとしては普通の容量だと思います。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。

動画再生のような負荷の軽い作業であれば、(3)くらいのバッテリー駆動が可能です。実際の使用に近い、少し負荷がかかる一般的な作業を連続して行うと、( 4)ぐらいの駆動時間になります。ホームノートPCとしては十分なバッテリー駆動時間だと思います。宅内で移動して使う場合でも、バッテリー駆動で問題なく作業することができるでしょう。

バッテリー駆動時間
  Core 5 120Uモデル
(1)JEITA2.0 約13.6時間
(2) JEITA3.0(アイドル時) 約17.2時間
(3) JEITA3.0(動画再生時) 約9.8時間
(4) CPU20%、GPU7%の負荷 5時間45分
※画面輝度は約120cd/m2
(1)~(3) メーカー公表値
(4) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いています。IRカメラについては、「IRカメラあり」と、「IRカメラなし」の2種類があります。Windows Helloの顔認証を使用したい場合は、「IR&1080p FHDカメラ」を選ぶといいです。

Webカメラは、1080pのFHDカメラです。比較的明るめで、自然な色味の画像でした。オンラインミーティングなどにも普通に使用することができます。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面の上部に2W x2のステレオスピーカーが配置されています。音質は普通です。ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「インテリジェント・クーリング」モードの場合、CPU電力は20W前後で変動しながら動作しています。CPU温度は65℃前後に収まっており、低めの温度です。

「エクストリーム・パフォーマンス」モードにすると、CPU電力がアップし、28W前後で推移しています。CPU電力が上がるので、CPU温度も少しアップしますが、70℃前後を保っているので、心配する必要はなさそうです。

どちらのモードでも、CPU温度を気にすることなく作業を行うことができます。負荷が高めの作業を行う場合は、「エクストリーム・パフォーマンス」モードに切り替えて使用するといいです。

  • インテリジェント・クーリング時
  • エクストリーム・パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型の動作音(静音性)のチェック結果です。こちらは、「インテリジェント・クーリング」モードでの計測となります。

アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかるとファンが回転し始めるため騒音値は上がりますが、エンコードのような高負荷時でも、他のノートPCより低めの動作音です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

高い負荷がかかっても、キーボード面の温度は低めに保たれており、不快感なくタイピングすることができます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型の外観をチェックします。

スタンダードなデザインのホームノートPCです。ボディカラーはクラウドグレーで、シンプルな見た目なので、仕事用としても使いやすいです。ボディには、アルミ素材を採用しており、安っぽくありませんし、米国国防総省の定めたMIL-STD-810Hに準拠しており、堅牢性も高いです。

 

天板です。「Lenovo」の小さなロゴが端に入っているだけで、シンプルです。

 

本体の高さは、約17.4mm(最薄部)と比較的スリムです。

 

側面のインターフェースはご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB3.2 Gen1 Type-C(Power Delivery、DisplayPort対応)x2、HDMI、microSDカードスロットを備えています。一般的な用途には不足のないポート構成だと思います。

 

液晶面はフラットにはならないものの、大きく開くので、角度の調整がしやすいです。

 

底面です。

 

内部はこのようになっています。大きめの冷却ファンが1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。

 

メモリはオンボードです。後から増設・換装ができないので、16GBメモリのモデルがおすすめです。

 

ストレージには、Type 2242のM.2 SSDが搭載されていました。Type 2280 M.2 SSDに交換することもできると思います。

 

標準のACアダプターは65Wです。小型で、ケーブルもかさばらないので、持ち運びもしやすいです。

なお、カスタマイズモデルでは、「100WスリムACアダプター」を選択することもできます。

 

まとめ

以上が、IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型のレビューです。

一般用途に快適に使うことができるスペック構成で、価格の安いコストパフォーマンスの高いノートPCです。

大きな特徴は、sRGB 100%のディスプレイには、画面比16:10、WUXGA(1920x1200)の15.3型液晶を搭載しています。Web閲覧や、Officeソフトでの作業がしやすい、流行りの仕様であるだけでなく、100%sRGBと色域も広めなので、画像や動画をオリジナルに近い色鮮やかな表示で見ることができます。

CPUには、最新のインテル Core プロセッサー(シリーズ1)を搭載しています。15Wクラスのプロセッサーですが、Core 5 120Uを搭載した下位モデルでも、一般用途に必要十分な処理性能を備えていました。

このように、作業がしやすく、色域が広めの液晶と、一般用途にちょうどいいインテルCPUを搭載しながら、7万円台から購入することができる機種はなかなかありません。バランスの良さと、コストパフォーマンスの高さゆえに、今後売れ筋の機種になっていくのではないかと思います。

なお、オンボードメモリなので、購入後にメモリの増設・交換を行うことはできません。快適に使用したい場合は、16GBメモリのモデルがおすすめです。また、購入時は、Webカメラ、指紋センサーの有無、キーボードのバックライトの有無をチェックし、後悔することがないようにしてください。

仕事用や、ホームノートPCとして、多くの方におすすめの機種です。


2024年の売れ筋になりそうなノートPC

IdeaPad Slim 5i Gen 9 15.3型

特徴

  • 100%sRGBクラスの液晶を搭載
  • 最新のインテル Core プロセッサー(シリーズ1)搭載
  • 高いコストパフォーマンス

こんなあなたに

  • コスパの高いホームノートPCが欲しい方
  • 一般的な仕事にも快適に使える機種が欲しい方
公式サイトはこちら

 

 

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