レノボ ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 PRO 6650H
Ryzen 7 PRO 6850H
Ryzen 9 PRO 6950H
GPU CPU内蔵
Radeon RX 6500M 4GB
メモリ 16GB / 32GB
ストレージ 最大1TB PCIe SSD
画面サイズ 16型 16:10
画面種類 1920x1200 IPS
3840 x 2400 OLED
質量 約 1.81kg~
バッテリー 72Wh(最大 約25.9時間)
WWAN LTE対応予定
価格[税込] 26万円台~
アルミボディが美しいThinkPad

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)は、今までのThinkPadとは異なり、アルミニウムの質感が良く、洗練されたデザインのノートPCです。

HシリーズのRyzen PRO 6000シリーズのプロセッサーを搭載し性能も高く、Radeonの外部グラフィックスも選択することができます。

さらに、アスペクト比16:10の16インチディスプレイを搭載し、画面も見やすいです。

今は選択できませんが、LTEにも対応予定です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 9 PRO 6950H、Radeon RX 6500M、32GBメモリ

 

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目次

お忙しい方は、「ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)の特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)の特徴

Z世代を意識したデザイン

ThinkPadシリーズは、長年デザインがあまり変わらず、それが人気の理由でもありましたが、新しい世代、いわゆるZ世代にとっては、やや古臭く感じる方もいるでしょう。ThinkPad Z16は、ThinkPadの基本デザインは踏襲しつつも、若い世代を意識したデザインになっています。アルミニウムの質感が良く、剛性の高いボディは、モダンで高級感のある外観です。

実際に、ThinkPad Z16の「Z」の意味は、"今までのThinkPadとは違う"という意味の他に、Z世代にも使っていただきたいという意味が込められているそうです。

アルミニウムの質感が良い

 

画面比16:10のディスプレイ

ThinkPad Z16は、画面比が流行りの16:10となっており、従来の一般的な画面比16:9と比べると縦方向の比率が高くなっており、縦に長いウェブページやWordファイルなどが見やすくなっています。

選択できるディスプレイは次の3つですが、2022年8月1日時点では、下表の(1)のディスプレイのみ選択できます。ただ、タッチパネル対応のノートPCは背景を白にすると電極線が目立つので、個人的には(1)が無難だと思います。

ThinkPad Z16で選択できる液晶

(1) WUXGA (1920x1200), IPS, 400nit, 100% sRGB

(2) WUXGA (1920x1200), IPS, タッチ, 400nit, 100% sRGB

(3) WQUXGA (3840x2400), 有機EL, タッチ, 400nit, 100% DCI-P3

 

ディスプレイの周りのベゼル幅が狭いのも特徴で、画面占有率は約92.3%と高くなっています。画面占有率を高くするために、カメラ部分は出っ張っていますが、その代わり、ディスプレイが開きやすくなっています。

16:10の画面比 / 画面占有率は約92.3%

 

最大でRyzen 9の高性能プロセッサーを搭載

ThinkPad Z16は、現在のところインテルモデルが無く、AMDモデルのみとなっています。

プロセッサーは、性能の高いHシリーズのRyzen 6000シリーズで、最大でRyzen 9 PRO 6950Hを搭載することができます。

最大でRyzen 9 PRO 6950Hを搭載

 

Ryzen 9 PRO 6950HのCINEBENCH R23のスコアを見ると、思ったほど高いスコアは出ていませんでしたが、それでも、UシリーズのRyzenプロセッサーよりは高いスコアで、多くのアプリが快適に動くでしょう。

CINEBENCH R23 (マルチコアスコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 9 PRO 6950H 12250
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429

 

Radeon RX 6500Mの外部グラフィックス

ThinkPad Z16は、Radeon RX 6500Mの外部グラフィックスを選択することも出来ます。今回、初めてこのグラフィックスを使ってみましたが、性能としては、GeForce GTX 1650 TiとRTX 3050の間くらいの性能です。そこまで高い性能ではありませんが、グラフィックス性能が必要となるソフトは、処理が速くなることでしょう。

3DMark Time Spy グラフィックススコア
RTX 3050Ti 5292
RTX 3050 4560
Radeon RX 6500M 4110
GTX 1650Ti 3700
GTX 1650 3494

 

ただし、Premiere Proの書き出しは、なぜかRadeon RX 6500Mを無効化して、内蔵グラフィックスのみで動かした方が、速い結果となりました。ソフトの相性もあると思いますが、Ryzen 9 PRO 6950Hの内蔵グラフィックスは結構速いので、Premiere Proを使うなら、Radeon RX 6500Mは無理に搭載しなくてもいいと思います。他にもそういったソフトがあるかもしれません。

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Ryzen 9 PRO 6950H
(内蔵GPU)
2分41秒
Ryzen 9 PRO 6950H
Radeon RX 6500M
4分15秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間

 

感圧式のタッチパッド

MacBookをはじめ、搭載されることが多くなってきた感圧式のタッチパッドを、ThinkPad Z16は搭載しています。タッチパッドの下部だけでなく、上部の3ボタンも反応するので、従来機種と同様にトラックポイントを使いながら、クリックボタンを使うこともできます。

物理的なクリックボタンと比べると、この機種の感圧式タッチパッドはやや違和感を感じますが、慣れれば気にならなくなるのではないかと思います。

感圧式のタッチパッド

 

トラックポイントにも新機能

ちょっとした便利な新機能として、トラックポイントをダブルタップすると、「コミュニケーション クイックメニュー」が表示されるようになりました。このアプリから、カメラ、マイク、スピーカーの設定を変更することができます。オンラインミーティング時など他の人と通話しているときに、これらの設定を、慌てず簡単に変更することができます。

ThinkPad Z13のトラックポイントをダブルクリックすると...
コミュニケーション クイックメニューが起動

 

LTE 4Gも対応予定

現在はまだ選択することができませんが、ThinkPad Z16はLTE 4Gのオプションがあります。モバイルノートでLTEを搭載することができる機種は多いですが、クリエイティブワークもできるような機種で、LTEモジュールを選択できる機種は少ないので貴重です。

後日、LTE 4Gにも対応予定

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10で作業がしやすいです。
オンライン会議 f2.0のFHD 1080pカメラに、2つの360度集音マイクを搭載し、スピーカー音もまずまずなので、オンライン会議にも最適です。
動画鑑賞 色域広めの液晶で、スピーカー音も比較的良く、動画鑑賞も快適です。
RAW現像
画像編集
sRGB 100%クラスのディスプレイで、CPU性能も高いので、画像編集も快適です。ただし、Adobe RGB 100%の色域はないので、印刷用の画像編集には適しません。有機ELも選択できるようになる予定ですが、現在はまだ選択できません。
動画編集 CPU性能と内蔵グラフィックス性能が高いので、FHD動画の編集であれば割と快適にできると思います。Radeon RX 6500Mも搭載できますが、Premiere Proとの相性はあまりよくありませんでした。
ゲーム △~○ 軽めのゲームならできますが、高いフレームレートは出ないでしょう。このPCの値段でGeForce RTX 3060クラスのゲーミングノートPCが買えます。ゲーム目的なら別の機種がいいです。

 

ディスプレイのチェック

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)のディスプレイのチェックです。

今回は、16型WUXGA(1920 x 1200) IPS液晶で、パネルは「LEN41B5」でした。汎用的に使える見やすい液晶だと思います。最大輝度は、当サイトの計測では456cd/m2と高いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99.4%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も比較的揃っており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきもそれほど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)のキーボードをチェックします。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmです。キーストロークはメーカー公表値で約1.35mmです。キーストロークはやや浅いものの、どのキーもほぼ同じ大きさで特に小さいキーがなく、キートップも湾曲しており、比較的打ちやすいキーボードです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

前述の通りタッチパッドは感圧式です。(個人的には)触覚フィードの反応がわずかに遅く感じ、最初は若干違和感があるかもしれません。ただ、慣れれば割と使えると思います。

タッチパッド

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)のパフォーマンスをチェックします。

 

CPU

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)では、Zen 3+アーキテクチャーのRyzen PRO 6000 Hシリーズを搭載しています。

今回は、Ryzen 9 PRO 6950Hを搭載しており、CINEBENCH R23のスコアは次のようになりました。ベンチマーク実行時は、デフォルトTDPと同じ約45WのCPU電力で推移しており、低いわけではありませんが、高くもない数値で、Ryzen 7 6800Hよりも低いマルチコアのスコアでした。

ただ、このくらいのスコアがあれば、ほとんどのアプリが快適に動くと思います。シングルコアのスコアもまずまずでした。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 9 PRO 6950H
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 7 5800H 12604
Ryzen 9 PRO 6950H 12250
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Core i7-1260P 9032
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 PRO 6650U 8204
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HX 1916
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-1235U 1675
Ryzen 9 PRO 6950H 1538
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 7 6800U 1504
Ryzen 5 PRO 6650U 1486
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Core i5-1135G7 1294
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリはLPDDR5-6400を搭載していますが、この規格のメモリにしては思ったほど帯域は広くありませんでした。なお、オンボードなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
32GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
LPDDR5-6400 38GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

今回、Radeon RX 6500Mを搭載しており、3DMarkのスコアは以下の通りです。また、Radeon RX 6500Mを無効化し、プロセッサー内蔵のグラフィックス「Radeon 680M」で計測したスコアも掲載しています。

Radeon RX 6500Mは、GeForce GTX 1650よりも高いスコアが出ています。

Radeon 680Mは、Radeon RX 6500Mには劣るものの、CPU内蔵グラフィックスとしては非常に高いスコアです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Radeon RX 6500M
Radeon 680M(内蔵GPU)
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
Radeon RX 6500M 50040
GeForce GTX 1650 45149
Radeon 680M(内蔵GPU) 34107
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
メモリLPDDR5-6400
30319
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

3DMark Time Spyで、性能の高い外部グラフィックスと比較したのが下図の通りです。Radeon RX 6500Mは、GeForce RTX 3050よりもやや劣る性能で、外部グラフィックスとしては、エントリークラスの性能です。

3DMark Time Spy
~ グラフィックス性能の評価 ~
Radeon RX 6500M
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
デスクトップ用
RTX 3080
  17064
デスクトップ用
RTX 3070
  13393
RTX 3080 Ti 16GB 175W 12614
RTX 3080 16GB 140W 11552
RTX 3080 16GB 130W 11361
RTX 3070 130W 10327
RTX 3070Ti 105W 9901
RTX 3070 95W 9220
RTX 3060 130W 8302
RTX 3060 75W 7047
RTX 3050Ti 60W 5292
RTX 3050Ti 40W 4560
RTX 3050 65W 4560
Radeon RX 6500M   4110
GTX 1650Ti   3700
GTX 1650   3494
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており非常に高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
6835
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度も速いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

CPUのみの書き出しでも比較的速く、外部GPUを使った書き出しはさらに速いです。書き出しだけでなく、各種スライダーを変更する現像作業自体も快適です。

Core i7-12700H
RTX 3060
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Ryzen 9 PRO 6950H
Radeon RX 6500M
65秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-1280P 64秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 9 PRO 6950H 87秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Ryzen 5 PRO 6650U 106秒
Ryzen 7 5825U 151秒
Core i7-1255U 169秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

Premiere Proで、約10分のFHD動画を書き出し時間を計測したところ、4分15秒でした。外部グラフィックスを搭載していない機種よりも遅かったです。

次に、Radeon RX 6500Mを無効化し、Ryzen 9 PRO 6950Hに内蔵されたグラフィックス(Radeon 680M)のみで計測したところ、2分41秒と速くなりました。

Radeon RX 6500Mは、Premiere Proに最適化されていないのか、搭載しないほうが処理が速くなるという結果になってしまいました。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Ryzen 9 PRO 6950H
Radeon 680M(内蔵GPU)
2分41秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Ryzen 5 PRO 6650U
Radeon 660M
3分29秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Ryzen 9 PRO 6950H
Radeon RX 6500M
4分15秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

処理に時間のかかるAIを使ったニューラルフィルター処理を行ってみましたが、まずまずの速さです。なお、こういった特殊なフィルターでなければ、すぐに反映され、快適に作業ができます。

  処理時間
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約1分25秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約2分46秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間

CPUのみで実行するx265エンコードも比較的速いです。

Core i9-12900HK 7分15秒
Core i7-12700H 7分50秒
Core i9-11900H 8分20秒
Ryzen 9 5900HX 8分26秒
Ryzen 7 6800H 8分42秒
Ryzen 9 PRO 6950H 9分10秒
Core i7-1280P 10分59秒
Ryzen 7 5825U 11分15秒
Core i7-1260P 12分43秒
Core i5-1240P 14分19秒
Ryzen 7 5800U 14分35秒
Ryzen 7 5700U 15分05秒
Core i7-1195G7 16分14秒
Core i7-1185G7 16分37秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Core i5-1135G7 26分03秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

ThinkPad Z16は、USB4を2つ搭載しており、ご覧のような機器が動作しました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
90W RAVPower GaN充電器
65W Lenovo ACアダプター
61W RAVPower GaN充電器 △ ※3
45W Lenovoウルトラポータブル △ ※3
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
18W cheero充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートはありません。

 

質量のチェック

質量は、16型液晶搭載のノートPCとしては比較的軽いです。

メーカーの仕様表では、「約1.81kg~」となっています。今回のレビュー機は外部グラフィックスを搭載しているので、少し重くなりますが、それでも、1.855kgとなっておりそこまで重くありません。

ACアダプターはやや重いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.855kg
ACアダプター+電源ケーブル 509g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

今回は、72Whのバッテリーを搭載しています。メーカーが計測したJEITA2.0計測法では、最大 約25.9時間もバッテリー駆動します。

今回、最上位のCPUと外部グラフィックスを搭載していることもあり、消費電力は高めであるため、メーカー公表値ほどバッテリー駆動時間は長くありませんでしたが、動画再生程度の低めの負荷であれば、ある程度の時間、バッテリー駆動が出来ました。

動画編集画面でプレビュー再生をリピートさせたときのバッテリー駆動時間は2時間50分でした。動画編集時作業をしたときのバッテリー駆動時間は、おおよそ3時間くらいになると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 最大 約25.9時間
(2) 動画再生時 7時間19分
(3) 動画編集中のプレビュー再生 2時間50分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで編集中の動画をプレビュー再生(リピート)

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は比較的速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
69%(約49Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

f2.0のFHD 1080pカメラを搭載しています。解像度が高く高精細なので、自然な映像を映し出すことができます。また、F9を押すと、物理的にカメラとの接続が遮断される「eシャッター」という機能も付いています。

Webカメラ
F9を押すことでカメラをOFFにできる

 

スピーカー

スピーカーは、キーボードの両サイドに配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

動作が安定した時のCPU電力は約45Wで普通の数値です。高い数値ではありません。このときのCPU温度は90℃を超えており高めです。

CPU温度 & CPU電力

 

ゲーム時のCPU、GPU温度の詳細

下図は、ファイナルファンタジー15のゲームベンチマークを実行したときのCPU/GPU温度です。

CPU温度もGPU温度も、どちらも70度前後なので、問題ないと思います。ゲーム時でこの温度なら、動画編集のような作業をしても、問題ないと思います。

ゲーム時のCPU温度&GPU温度

 

静音性のチェック

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。

どの状態も普通の騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

低負荷時は特に熱くはありません。高い負荷がかかるとキーボード中央が熱くなってきますが、パームレスト部分はそこまで温度は上がらないので、不快感は少なく使えると思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

高めのスペックなので、一般的なノートPCよりは高めの消費電力です。ただし、ゲーミングノートなどよりは低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD) の外観のチェックです。

 

前述の通り、ThinkPadらしさを残しつつ、アルミニウムの質感の良さが出ているPCだと思います。

剛性が高く、使っていても安心ですし、高級感があります。

 

高さは15.8 mmと、薄型ボディです。

 

側面には、 USB4 x2、USB3.2 Gen 2 Type-C、ヘッドホン、SDカードスロットがあります。ポート類は少ないですが、USB4とSDカードスロットがあるのは嬉しいです。

 

電源ボタンは側面にあるので、やや押しにくいです。なお、指紋認証装置が統合されています。

 

ThinkPadシリーズの機種のほとんどは、ヒンジが180度開きますが、ThinkPad Z16はご覧の角度までしか開きません。

 

底面はフラットで、とてもシンプルなデザインです。

 

ACアダプターは135Wです。大きめなので、持ち歩くときはややかさばります。

 

まとめ

以上が、ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)のレビューです。

今までのThinkPadとは違う、モダンなデザインが特徴のノートPCで、アルミニウムの質感がよく出た高級感のあるノートPCです。

CPUには、高い性能のRyzen PRO 6000 Hシリーズを搭載し、ディスプレイには画面比16:10のsRGB 100%クラスの液晶を搭載。画像編集なども快適にできるスペックです。

Radeon RX 6500Mの外部グラフィックスも搭載できますが、Premire Proの書き出しテストにおいては、外部グラフィックスを無効化したほうが、速い結果となりました。他にもそういったソフトがあるかもしれません。CPU内蔵グラフィックスの性能が高いですし、そこまで冷却性能が高い製品には見えないので、外部グラフィックスは搭載しなくてもいいかなと思います。

現在はまだ選択できませんが、有機ELディスプレイやLTE 4Gのオプションも用意されています。

感圧式のタッチパッドの感触が、従来のThinkPadのタッチパッドとは異なり、やや違和感がありますが、使っていくうちに慣れていくでしょう。

価格は26万円台からと高めなので、もう少し安ければ良かったです。

 

今までにないデザインのThinkPad

ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)

特徴

  • 質感の良いアルミニウムボディ
  • 画面比16:10、色域広めの液晶を搭載
  • 感圧式のタッチパッド

こんなあなたに

  • デザインにこだわりたい方
  • 特別感のあるPCが欲しい方
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