※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ ThinkPad Z13 / Z16の展示機レビュー
レノボから、ThinkPadの新シリーズとなるThinkPad Z13 / Z16が発表されました。
この新しい「Zシリーズ」は、今までのThinkPadとは違ったモダンなデザインに、性能の高いRyzen PROプロセッサーを搭載。さらには環境も考慮したThinkPadとなっています。
Zの意味は、今までと違うという意味の他に、Z世代にも使っていただきたいという意味が込められているそうです。
今回、いち早くThinkPad Zシリーズ、2機種の実機を見てきたので、簡単にレポートします。
公式サイトはこちら
製品の特徴
今までのThinkPadとは違うデザイン
ThinkPadと言えば、一部例外があるにせよ、基本的にはブラックのカラーに赤いトラックポイントを搭載したデザインで統一されており、その変わらぬ伝統的なデザインが好評です。ただ、若い世代などには、デザインに新鮮味がないと感じる方もいるのではないかと思われます。
一方、今回発表されたThinkPad Z13は、「ヴィーガンレザー天板のブロンズ」と、「アークティックグレー」の2色展開で、今までのThinkPadには無いカラーとなっており、特に前者は、ThinkPadとしては攻めたデザインです。ThinkPad Z16については、「アークティックグレー」のカラーの1色のみです。
ヴィーガンレザーの製品を実際に手に取ってみると、しっとりとした質感で、触り心地が良く、いつも携帯したくなるような製品です。滑りにくいので持ちやすく実用性も高いと思います。側面やカメラの部分はブロンズ、ボディはブラックのツートンカラーになっており、オシャレです。
「アークティックグレー」も、アルミニウムの質感が良く、剛性の高いボディで高級感があります。
ヴィーガンレザーには再生プラスチックを使用した株式会社クラレ製の人工皮革「クラリーノ」を使用し、それ以外のボディ部分は再生アルミニウムを採用しており、環境にも優しくなっています。
クリエイティブ用途に使える液晶
ThinkPad Z13 / Z16は、クリエイティブな作業にも使えるディスプレイを搭載しています。画面比は、流行りの16:10です。
左右のベゼル幅は約4mmと非常に狭いのも特徴で、画面占有率が、ThinkPad Z13は約91.6%、ThinkPad Z16は約92.3%と高くなっています。画面占有率を高くするために、カメラ部分は出っ張っていますが、その代わり、ディスプレイが開きやすくなっています。
ThinkPad Z13が搭載できるのは、以下の3種類のディスプレイです。
ThinkPad Z13で選択できる液晶
WUXGA (1920x1200), IPS, 400nit, 100% sRGB
WUXGA (1920x1200), IPS, タッチ, 400nit, 100% sRGB
WQXGA (2880x1800), 有機EL, タッチ, 400nit, 100% DCI-P3
ThinkPad Z16で搭載できるのは、以下の3種類のディスプレイです。
ThinkPad Z16で選択できる液晶
WUXGA (1920x1200), IPS, 400nit, 100% sRGB
WUXGA (1920x1200), IPS, タッチ, 400nit, 100% sRGB
WQUXGA (3840x2400), 有機EL, タッチ, 400nit, 100% DCI-P3
どちらも高解像度・広色域の有機ELディスプレイを選択することができます。バッテリー駆動時間を重視するなら、WUXGAのディスプレイがいいでしょう。こちらでもsRGB 100%クラスのディスプレイなので、多くの用途で使用できます。
今回、タッチモデルを確認しましたが、ややハーフグレアよりの画面で、映り込みはそれほど酷くありませんでした。使いやすいディスプレイだと思います。
Edge to Edgeのキーボード
ThinkPad Z13 / Z16は、下の画像のようなキーボードを搭載しています。
ThinkPad X1 Carbonなどは14インチでもEnterキーの左側のキーが小さくなっていますが、ThinkPad Z13については、Edge to Edgeのキーボードを採用し、13.3インチの小さめのボディサイズでも、そのような小さいキーがありません。
ThinkPad Z16については、Z13とほぼ同じキーボードを採用していますが、ファンクションキーがやや大きくなっています。また、キーボードの両サイドにはフロントフェイシングのスピーカーが配置されています。
キーストロークは約1.35mmと、ThinkPadとしてはやや浅めですが、キートップも湾曲しており、ThinkPadシリーズの打ちやすいキーボードをちゃんと踏襲しています。
また、これまでのThinkPadのキーボードは、Fnキーが左端にあり、その隣に左Ctrlキーが配置されていましたが、ThinkPad Z13 / Z16では、左Ctrlキーが左端になり、標準的な配置となっています(これまでと同じように、設定でFnキーと左Ctrlキーを入れ替えることはできます)。
タッチパッドも従来のThinkPadシリーズとはやや異なっています。まず、約120mmのガラス製タッチパッドで、ガラス製のパームレストとシームレスな構造になっています。このタッチパッドは、ハプティックフォースパッドとなっており、クリック操作時などに触覚フィードバックがあります。タッチパッドの上部の3ボタンも独立しておらず、機構が異なります。
試した感触としては、いつものThinkPadのタッチパッドおよびクリックボタンとは、感触が異なり違和感を感じますが、慣れればなんとかなるかなと思います。真ん中のボタンを押しながら、トラックポイントを動かしてスクロールさせることも出来ていましたし、この操作もそこまでやりにくくはありませんでした。
オンライン会議も快適
ThinkPad Z13 / Z16は、f2.0のFHD 1080pカメラを搭載しています。解像度が高く高精細なので、自然な映像を映し出すことができます。また、写真では分かりにくいですが、出っ張っているコミュニケーションバーには、2つの360度集音マイクも搭載されています。
また、F9を押すと、物理的にカメラとの接続が遮断される「eシャッター」という機能も付いており、意図せずネット上に映像が流れたりすることがありません。
さらに、トラックポイントにも新機能が追加されました。トラックポイントをダブルタップすると、コミュニケーション クイックメニューが起動します。オンラインミーティングに使用するカメラ、マイク、スピーカーの設定変更を簡単に行うことができます。
ThinkPad Z13 / Z16の仕様
ThinkPad Z13 / Z16の仕様を下に掲載します。
プロセッサーには、最新のAMD Ryzen PRO 6000シリーズが搭載されています。CPU性能、内蔵グラフィックス性能が、Ryzen 5000シリーズよりも向上しているだけでなく、内蔵されるGPUコアはリアルタイムレイトレーシングにも対応しています。速度が速いLPDDR5メモリを搭載しているのも、高めのグラフィックス性能につながっています。
ThinkPad Z13 | ThinkPad Z16 | |
カラー | ブロンズ アークティックグレー |
アークティックグレー |
CPU | Ryzen PRO 6000 Uシリーズ Ryzen 7 PRO 6860Z |
Ryzen PRO 6000 Hシリーズ |
GPU | 内蔵グラフィックス | 内臓グラフィックス / Radeon RX6500M |
メモリ | 最大32GB LPDDR5 | |
ストレージ | 最大1TB PCIe 4 SSD | |
液晶サイズ | 13.3型 | 16.0型 |
液晶種類 | WUXGA IPS 非タッチ / タッチ WQXGA 有機EL タッチ |
WUXGA IPS 非タッチ / タッチ WQUXGA 有機EL タッチ |
質量 | 約1.19kg~ | 約1.81kg~ |
バッテリー | 最大 約22.8時間 (51.5Wh) | 最大 約25.9時間 (72Wh) |
WWAN | 4G LTE(オプション) | |
価格 | 311,300円 | 368,500円 |
ThinkPad Z13は、レノボのみに供給されるRyzen 7 PRO 6860Zを搭載したモデルもあります。このプロセッサーは、TeamsやZoomなどのオンラインミーティング用アプリにおいて、長いバッテリー駆動時間を実現できるようにも最適化されているようです。
ThinkPad Z16は、Radeon RX6500Mの外部グラフィックスを搭載したモデルもあります。プロセッサーもHシリーズとなっており、Z13より高性能ですので、クリエイティブな作業にも使いやすい機種となっています。
また、Ryzen PRO 6000シリーズは、Microsoft Plutonを実装したプロセッサーで、ハードウェアベースからセキュリティを強化することができます。Microsoft Plutonについては、こちらを参照してください。なお、デフォルトではTPMが有効になっており、Microsoft Plutonを使うにはBIOSから設定を変更する必要があるそうです。
外観
最後に、ThinkPad Z13 / Z16の外観の写真を掲載します。
ThinkPad Z13の外観
ThinkPad Z13のブロンズカラーの外観はご覧のようになっています。
ThinkPad Z13のヴィーガンレザーの天板です。
最近は手前側にくるほどボディが細くなる「くさび型」のデザインが多いですが、この製品の側面を見ると、手前も背面も同じ高さで、それが逆に新しさを感じます。
右側面には、ヘッドホン/マイク、SIMカードスロット、電源ボタン、USB-Cが配置されています。
左側面は、USB-Cのみです。USB-Cがキーボードの位置からずれていることから分かるように、キーボードをEdge-to-Edgeにしている影響で、側面にはあまりポート類を搭載することが出来なかったようです。
ディスプレイは下の角度まで開きます。ThinkPadシリーズは180度開く機種が多いので、やや物足りない気はしますが、実用上は十分でしょう。
底面はご覧のようになっています。
ThinkPad Z16の外観
続いて、ThinkPad Z16の外観を掲載します。画面が大きいので、ベゼルの狭さが際立ちます。
天板は、指紋や皮脂などが目立ちにくく実用的です。
右側面には、電源ボタン、マイク/ヘッドホン、USB-Cがあります。
左側面には、USB-Cが2つと、Z13には無かったSDカードスロットがあります。
底面はご覧のようになっています。薄いボディで、背面側のみから排気しているので、外部グラフィックスを搭載したときに、冷却に問題が出ないか、やや心配です。
購入先
ThinkPad Z13 / Z16は、下の公式ストアより購入することができます。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ