レノボ ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 PRO 6650U
Ryzen 7 PRO 6850U
メモリ 8GB / 16GB / 32GB
ストレージ 最大2TB PCIe SSD
画面サイズ 13.3型 16:10
画面種類 1920x1200 IPS
2560x1600 IPS など
質量 約1.19kg~
バッテリー 41Wh / 54.7Wh
WWAN 5G / LTE対応
価格[税込] 16万円台~
Ryzen PRO 6000U搭載モバイルノート

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、扱いやすさ、性能、機能、価格のバランスがよく、ThinkPadシリーズの中でも人気のある機種です。

最新のRyzen PRO 6000Uシリーズを搭載し、省電力性能やグラフィックス性能がアップしており、一層使いやすくなっていました。

また、色域広めの16:10液晶や、LTE/5G対応に加えて、その他にもカスタマイズの幅が広く、好みの構成を選択しやすいのも嬉しいです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 PRO 6650U、16GBメモリ、256GB SSD、WUXGA液晶

 

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目次

お忙しい方は、「ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)の特徴」のみお読みください。

 

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)の特徴

使いやすい13.3型モバイルノートPC

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、13.3型とコンパクトなサイズで、質量は約1.19kg~です。超軽量機種ではありませんが、ThinkPadシリーズの中では扱いやすく、外にも持ち出しやすい機種です。

約1.19kg~と持ち運びやすい

 

ThinkPadシリーズのフラグシップ機であるThinkPad X1 Carbon Gen 10と比較すると、ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、画面も小さく質量もやや重いものの、価格は大分安くなっています。

「ThinkPad X1 Carbonが第一候補だけど、価格がネックになっている」という方は、ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)も積極的に検討してみるといいと思います。

価格はThinkPad X1 Carbonより安い 

 

Ryzen PRO 6000Uシリーズ搭載

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、AMDの最新プロセッサーである、Ryzen PRO 6000Uシリーズを搭載しています。

Ryzen PRO 6000Uシリーズ搭載

 

Zen 3+アーキテクチャーを採用したこのRyzen PRO 6000Uシリーズは、処理性能では、Zen 3のRyzen 5000Uシリーズから大きな変化はありませんが、以下のような特徴があります。

 

省電力性能がアップ

Ryzen PRO 6000Uシリーズの一つの特徴は、省電力性能の向上です。

どの程度省電力性能がアップしているのかを推し量るために、Ryzen PRO 5000Uシリーズを搭載する旧モデルのThinkPad X13 Gen 2 (AMD)と、仕様表のバッテリー駆動時間を比較してみました。

CPU以外は同じような構成ですが、ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)では、バッテリー駆動時間が2.6時間も伸びています。この差は、プロセッサーの省電力性能の向上によるところが大きいのではないかと思います。

新旧モデルのバッテリー駆動時間の比較
  [本機器]
ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)
[旧モデル]
ThinkPad X13 Gen 2 (AMD)
CPU Ryzen 5 PRO 6650U Ryzen PRO 5 5650U
液晶 13.3型
WUXGA IPS
バッテリー容量 41Wh
バッテリー駆動時間
[仕様値]
約16.2時間 約13.6時間

 

内蔵グラフィックスの性能がアップ

Ryzen PRO 6000Uシリーズのもう一つの特徴は、内蔵グラフィックスの性能がアップしていることです。ベンチマークでは、Zen 3のRyzen 5 PRO 5650Uや、Ryzen 7 5800Uよりも高いスコアが出ていました。

3DMark Night Raid グラフィックスのスコア
Ryzen 5 PRO 6650U
メモリLPDDR5-6400
22354
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-5200
17450
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Ryzen 5 PRO 5650U
メモリDDR4-3200
14869 [ThinkPad T14 Gen 2で計測]

 

内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えていることで、Adobe Premiere Pro CCによるFHD動画の書き出し時間も、Ryzen 7 5825Uより大幅に短くなりました。外出先でのライトな動画編集などにも使いやすくなっています。

Adobe Premiere Pro CCによるFHD動画の書き出し時間
Ryzen 5 PRO 6650U
Radeon 660M
3分29秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分52秒

 

USB4ポート搭載で、Thunderboltドックも使える

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)ではUSB4ポートを搭載しています。これも、USB4対応のRyzen PRO 6000Uシリーズを搭載していることによります。

USB4ポートの動作をチェックしてみましたが、Thunderboltドックの充電、映像出力、有線LANの全ての機能を使用できました。これまで、Ryzen搭載ノートPCでは通常Thunderbolt機器を使用できませんでしたが、この変化により使い勝手がよくなりました。

USB4ポートを搭載 [左側]

 

作業がしやすい液晶を搭載

従来モデルからの特徴ですが、一般的な画面比16:9の液晶よりも少し縦の表示面積が広い、画面比16:10の液晶を搭載しており、作業がしやすいです。

特に、ブラウザや、Wordなど、縦スクロールするアプリでの作業性が少しアップしており、外でも効率よく作業ができます。

画面比16:10の液晶を搭載

 

現時点では、下図のような3種類の液晶を選択できますが、どれも色域が広めです。

さらに、解像度が高いWQXGA液晶も選択できます。精細な表示ができるので、写真編集などを行う場合はこちらの液晶もおすすめです。

なお、購入するタイミングによって、選択できる液晶は変化する可能性もあります。色域広めの液晶がよければ、「72%NTSC」、または「100%sRGB」と表示されている液晶を選ぶといいです。

選択できる液晶(2022年7月30日現在)
色鮮やかな表示ができる液晶

 

LTE / 5G対応を選択可能

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、LTE / 5G用のモジュールを搭載することができます。

現時点では、5Gモジュールは選択できませんでしたが、少し納期に時間がかかるものの、LTEモジュールは選択できました。LTEモジュールを搭載すれば、格安SIMなどを挿すことで、場所を問わずネットに接続することができます。

しかも、カスタマイズにかかる費用にも特別割引が適用されるので、実質11,000円ぐらいでLTE対応を選択することができます。外で使用することが多い方には、おすすめです。

WWANのカスタマイズ画面

 

メモリはオンボード

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)のメモリは、オンボードメモリです。購入後にメモリの増設・換装はできません。そのため、購入時にゆとりあるメモリ容量を選んでおくことをおすすめします。

例えば、Ryzen 5 PRO 6650U選択時は、下図のように、8GB / 16GB / 32GBの3つから選ぶことができますが、16GB以上ある方がいいと思います。

メモリのカスタマイズ画面

 

その他にもカスタマイズできる部分が多い

上で挙げた、液晶や、メモリ容量だけでなく、ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)では、その他にもカスタマイズできる部分が多くあるので、幾つかをご紹介します。

なお、特定の構成でしか選択できないものもあります。そのため、全体のカスタマイズを行った後に、希望通りになっているか最後にチェックすることをおすすめします。

 

キーボード

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、比較的打ちやすいキーボードを搭載していますが、英語キーボードなど、以下のような4種類のキーボードから選ぶことができます。

おすすめは、バックライト付のキーボードです。薄暗い場所でもタイピングがしやすいです。

キーボードのカスタマイズ画面

 

内蔵カメラ

下図の3種類から、搭載するウェブカメラを選択できます。

おすすめは、IR&1080p FHDカメラです。IRカメラもあるので、Windows Helloの顔認証が使用でき、便利です。

内蔵カメラのカスタマイズ画面

 

指紋センサー

指紋センサーの有無を選択できます。指紋センサーを選択すると、指紋センサーが電源ボタンに統合されます。マスクをしていても、簡単にWindowsにログインできるので、指紋センサー付きがおすすめです。

指紋センサーのカスタマイズ画面

 

バッテリー容量

41Whと、54.7Whの2つから、バッテリー容量を選択することができます。

外でバッテリー駆動で使用することが多い方は、54.7Whバッテリーがおすすめです。なお、54.7Whバッテリー搭載だと、41Whバッテリー搭載時よりも、仕様値で50~70gほど質量が重くなります。

バッテリー容量のカスタマイズ画面

 

天板素材

限られた構成ですが、天板素材にカーボンファイバーを選択することができます。

なお、「WUXGA マルチタッチ非対応」液晶、1080p FHDカメラを選択したときに、カーボンファイバー天板も選択できるようになりました。

トップカバーのカスタマイズ画面

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
作業がしやすい画面比16:10の液晶と、十分な処理性能のRyzen PRO 6000Uシリーズプロセッサーにより、Web閲覧や文書ファイル作成を快適に行えます。
オンライン会議 ウェブカメラ、マイク、スピーカーを搭載しており、普通にオンライン会議に参加できます。
動画鑑賞 色域広めの液晶であれば、色鮮やかな映像を表示できます。スピーカーの音は普通ですが、快適に動画鑑賞できます。
RAW現像
画像編集
Ryzenですが、Lightroom Classic CCによるRAW現像の速度も少し速くなっていました。72%NTSC、または100%sRGBと表示された液晶であれば、RAW現像や画像編集も行えます。ただし、Adobe RGBクラスの色域ではないので、印刷目的の編集向きではありません。
動画編集 △~○ CPU内蔵グラフィックスとしては性能が高く、FHD動画の書き出しにかかる時間も短めでした。FHD動画の簡単な編集作業であれば、比較的快適です。動画編集を行う場合は、16GB以上のメモリがおすすめです。なお、動画編集が主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したPCのほうがおすすめです。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただ、軽いゲームなら、できないこともありません。

 

ディスプレイのチェック

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)のディスプレイのチェックです。

今回は、WUXGA IPS 72%NTSC 非タッチ液晶で、パネルは「LEN41A0」でした。

画面比16:10、解像度は1920x1200です。色域が広めで、視野角も広く、フリッカーは発生していませんでした。見やすく、ちょっとした写真や動画の編集にも使用できる液晶です。最大輝度は、当サイトの計測では278cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は99.8%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、赤色がやや強めですが、ほぼ1:1の直線になっており、比較的自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきもそれほど感じません。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)もありませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)のキーボードをチェックします。

実測で、キーピッチは横:18.5mm、縦:18mm、キーストロークは約1.4mmです。ThinkPad特有のキートップが大きくカーブしたキーボードですが、従来のキーボードに比べると、キーストロークがやや浅くなり、やや底付きの衝撃を感じます。慣れの問題かもしれませんが、個人的には従来の深めのキーストロークがよかったです。

キーピッチが約19mmのキーボードに比べると、やや狭く感じます。特に、「Enter」キーの左側の7つのキーはサイズが小さいです。それでも、「半角/全角」キー、「Backspace」キー、「Delete」キー、「Enter」キーなど多用するキーは押しやすいサイズで、全体的には比較的打ちやすいキーボードだと思います。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーストロークが浅くなったので、トラックポイントの高さも少し下がりましたが、違和感なく使用できました。タッチパッドの使いやすさも普通です。

トラックポイント

 

今回は、バックライト付きキーボードを選択しました。薄暗い場所でもタイピングがしやすいだけでなく、キーの質感もいいので、バックライト付きキーボードがおすすめです。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)のパフォーマンスをチェックします。

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)では、画面右下にあるバッテリー・アイコンをクリックして電源モードを変更することで、パフォーマンスが変わります。 ここでは、デフォルトの「バランス」モードと、最も高いパフォーマンスが出る「最適なパフォーマンス」モードで計測したベンチマークスコアを紹介します。

電源モード

 

CPU

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)では、Zen 3+アーキテクチャーのRyzen PRO 6000Uシリーズを搭載しています。

今回は、Ryzen 5 PRO 6650Uを搭載しており、ベンチマークの結果は以下のとおりでした。

マルチコアでは、Zen 3のRyzen 5 5625Uを少し超える程度のスコアで、処理性能には大きな変化はないです。一方、シングルコアでは、Ryzen 5 5625Uよりも高く、Core i5-1240Pと同程度のスコアが出ていました。

一般的な用途に快適に使える処理性能を備え、シングルコアの性能が動作を左右するようなアプリの使い勝手も向上していると思います。

なお、動作モードを「最適なパフォーマンス」にすることで、スコアが少しアップしています。通常は「バランス」モードで使用し、作業内容によっては「最適なパフォーマンス」モードに切り替えてもいいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 PRO 6650U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Ryzen 7 5800H 12604
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 5825U 10040
Ryzen 7 5800U 9429
Ryzen 7 5700U 9288
Ryzen 5 5600H 9255
Core i7-1260P 9032
Core i5-11400H 8514
Ryzen 5 5600U 8491
Core i5-1240P 8409
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 PRO 6650U 8204 [最適なパフォーマンス]
7589 [バランス]
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1195G7 6594
Ryzen 5 5500U 6250
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HK 1916
Core i7-12700H 1823
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-1280P 1751
Core i5-1235U 1675
Core i7-1195G7 1634
Ryzen 7 6800H 1522
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 5 PRO 6650U 1486 [バランス]
1485 [最適なパフォーマンス]
Core i5-1240P 1483
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Core i5-11400H 1442
Ryzen 7 5800H 1435
Ryzen 7 5800U 1429
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 5600U 1369
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1268
Ryzen 5 5500U 1185
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリはLPDDR5-6400を搭載していますが、この規格のメモリにしては思ったほど帯域は広くありませんでした。なお、オンボードなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
LPDDR5-6400 39.33GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスは、Ryzen 5 PRO 6650Uの内蔵グラフィックスです。

CPU内蔵グラフィックスとしては比較的高めのスコアが出ていました。外部GPUを搭載しないモバイルノートPCとしては、十分高いグラフィックス性能だと思います。

なお、動作モードを変更することで、グラフィックス性能も少しアップしていました。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 5 PRO 6650U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
メモリLPDDR5-6400
30319
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Ryzen 5 PRO 6650U
メモリLPDDR5-6400
22354 [最適なパフォーマンス]
20848 [バランス]
Core i7-1280P
メモリDDR4-3200
21606
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-5200
17450
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
15826
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。十分な読み・書き速度ですが、PCIe Gen4 SSDとしては思ったほどではありませんでした。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
3244
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Lightroom Classic CCによるRAW現像の速度は、Zen 3のRyzen 7 5825Uよりも速くなっていました。インテルの第12世代Core (P)と比べると少し時間がかかりますが、RAW現像にも使いやすくなったと思います。

Core i7-12700H
RTX 3060
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 81秒 [書き出しにGPUを使用をON]
89秒
Ryzen 5 PRO 6650U 106秒
Ryzen 7 5825U 151秒
Core i7-1255U 169秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

CPU内蔵グラフィックスの性能が高めなので、Premiere ProによるFHD動画の書き出し時間も速かったです。本格的な動画編集には、外部グラフィックスを搭載したノートPCの方がおすすめですが、たまにFHD動画の簡単な編集を行う程度であれば問題なく出来ると思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Ryzen 5 PRO 6650U
Radeon 660M
3分29秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i7-1255U
Intel Iris Xe
3分56秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分1秒
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1145G7
Intel Iris Xe
4分40秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 5 4500U
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
6分14秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i7-10510U
Intel UHD
16分54秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェック結果は、下表の通りです。

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)は、USB-Cポートを2つ備えています。奥側はUSB4ポートで、Power Delivery、DisplayPortに対応しており、Thunderboltドックも使用できました。手前側のUSB-CポートはUSB3.2で、Thunderboltドックのモニター出力と、有線LAN以外は使用できました。

なお、USB-Cアダプターでの給電では、出力が低いものだと「低速ケーブル」の警告が表示されます。電源OFF時に充電するのであれば、低出力のものでもいいかもしれませんが、パソコンを使用しながら充電したい場合は45W以上の出力があるUSB-Cアダプターを使うといいです。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック ○ ※4 ○ ※4
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
18W cheero充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
※4 奥側のUSB4ポートのみ動作する。手前側のUSB3.2 Gen2ポートは動作しない

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、YCbCr444での出力が出来ていました。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーの仕様表では、ボディの素材や、バッテリー容量によって質量が異なり、41Whバッテリーだと「約1.19g~」、54.7Whバッテリーだと「約1.26kg~」となっています。

今回は54.7Whバッテリーを搭載しており、当サイトによる計測値も仕様値とほぼ同じでした。超軽量機種ではありませんが、十分持ち運びがしやすい質量だと思います。ACアダプターの質量は普通です。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.277kg
ACアダプター+電源ケーブル 253g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

今回は、54.7Whのバッテリーを搭載しています。13インチクラスのノートPCとしてはやや大きめの容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。容量が大きめのバッテリーを搭載していることもあり、連続動画再生時のバッテリー駆動時間は長かったです。外でも、バッテリー残量を気にせず作業ができそうです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 「測定中」とのこと
(2) 動画再生時 18時間20分
(3) FF14ベンチ
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) FF14ベンチをループ実行

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通です。なお、使用するACアダプターの出力によって、充電速度は変化します。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
62%(約34Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いています。今回はIRカメラ非搭載ですが、IRカメラ付きも選択できます。IRカメラが付いていれば、Windows Helloの顔認証が使用でき、便利です。

今回のWebカメラは、1080p FHDカメラです。一般的なHDカメラよりも解像度が高いので、細部まである程度精細に映っています。やや彩度が足りないような感じがしますが、普通にオンラインミーティングなどにも参加できます。広角気味の画像なので、背景の映り込みが気になる場合は、壁を背中にしたり、バーチャル背景を使用したり、工夫するといいです。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面の上部に2スピーカーを搭載しています。音質は普通で、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「バランス」モードでは、CPU電力は約19Wで推移し、CPU温度は約70℃をキープしています。

「最適なパフォーマンス」モードでは、CPU電力が約23Wにアップしています。そのため、CPU温度も少し上がりますが、それでも75℃前後と心配のない温度に保たれています。

どちらのモードでもCPU温度を心配することなく使用できると思います。高負荷作業を行う場合は、「最適なパフォーマンス」モードで使用するといいでしょう。

CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかると騒音値があがりますが、他機種と比べても低めの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

エンコードのような高い負荷がかかる作業をすると、キーボード面の温度が上がります。ただ、パームレスト部の温度はそこまで熱くならないので、タイピング時でもそれほど不快には感じません。

底面はどうしても温かくなるので、低温火傷には注意しましょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサーなので、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD) の外観のチェックです。

筐体は従来機種から変化しておらず、ThinkPadシリーズらしいデザインのボディです。

 

ボディ素材には、マグネシウム合金が使用されています。

 

ThinkPadらしい、見慣れた天板です。選択する構成によっては、PPS(樹脂素材)か、カーボンファイバーかを選択することもできます。

 

厚みは18.10mm~です。

 

側面には、 USB3.2 x2、USB-C x2(左側:USB4、右側:USB3.2、どちらもVideo-outと本機器への給電に対応)、HDMIを備えています。SDカードスロットはありません。

 

カスタマイズで指紋センサー搭載を選択すると、電源ボタンに指紋センサーが統合されます。マスクをしている場合でも、指紋認証で簡単にWindowsにログインできるので、便利です。

 

ヒンジはほぼ180度開き、フラットになります。対面する相手に画面を見せることもできます。

 

底面には、ファンの部分だけ小さめの吸気口が開けられています。

 

底面カバーを外したときの画像です。大きめのファン1つと、ヒートパイプ1本で冷却しています。

メモリはオンボードなので、増設・換装はできません。

 

ストレージには、Type2280のM.2 SSDを搭載していました。ストレージの下にあるのは、WWANモジュール用の空きM.2スロットです。

 

ACアダプターは45Wがデフォルトになっていました。65Wアダプターも選択できます。ケーブル類も含めるとややかさばるので、外に持ち出すときはコンパクトなUSB-Cアダプターの方が使いやすいと思います。

 

まとめ

以上が、ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)のレビューです。

13.3型で、約1.19kg~と持ち運びがしやすいモバイルノートPCです。ThinkPad X1 Carbonなどよりも価格が安く、ThinkPadシリーズのモバイル機の中では入手しやすい製品です。

大きな特徴は、最新のRyzen PRO 6000Uシリーズプロセッサーを搭載していることです。省電力性能の向上により、バッテリー駆動での使用時間が伸びています。グラフィックス性能もアップしており、FHD動画のライトな編集もより快適に行えるようになりました。また、USB4ポートを搭載し、Thunderboltドックも使用できました。最新CPUにより、使いやすさがアップしています。

もう一つの特徴は、画面比が16:10となっており仕事がしやすい点です。さらに、どれも色域が広めで、少し解像度の高いWQXGA液晶も選択できます。

また、メモリおよびストレージの容量や、LTE / 5Gモジュールを選択することができますし、その他にもカスタマイズできる部分が多く、好みの構成が選択しやすいです。

性能、機能、価格のバランスがよく、使いやすいモバイルノートPCを探している方におすすめの機種です。

 

Ryzen PRO 6000U搭載のモバイルノートPC

ThinkPad X13 Gen 3 (AMD)

特徴

  • 「Zen 3+」のRyzen PRO 6000Uを搭載
  • 画面比16:10、色域広めの液晶を搭載可能
  • WWANやバッテリーなど広いカスタマイズ性

こんなあなたに

  • 簡単な写真/動画編集もできるモバイルPCが欲しい方
  • X1 Carbonを買うには予算が足りない方
公式サイトはこちら

 

 

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