IdeaPad Slim 360 (17)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 5500U
Ryzen 7 5700U
メモリ 8GB
ストレージ PCIe NVMe SSD
液晶サイズ 17.3インチ
液晶種類 FHD IPS 非光沢
質量 約2.2kg
バッテリー 約8.0時間 (38Wh)
価格[税別] 6万円台~
高コスパの17.3型大画面ノートPC

IdeaPad Slim 360 (17)は、見やすい液晶を搭載した、17.3型のノートPCです。

画面が大きいだけでなく、視野角と色域が広めで、色鮮やかな表示ができる液晶を搭載していることがポイントです。

しかも、Ryzen 5000シリーズを搭載し、処理性能も十分で、価格が7万円台~と非常にコスパも高いです。

ただし、ボディ素材など、抑えられている部分がいくつかあります。そこが気にならなければ、毎日の用途に使いやすく、おすすめの機種です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は、次の構成でレビューしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 5500U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「IdeaPad Slim 360 (17)の特徴」のみお読みください。

 

IdeaPad Slim 360 (17)の特徴

コスパの高い17.3型ノートPC

IdeaPad Slim 360 (17)は、非常にコスパの高い17.3型ノートPCです。

Ryzen 5 5500U、8GBメモリ、256GB SSD、FHD IPS液晶という快適に使えるスペックで、7万円台で購入できます。このようなコスパの高い17.3型ノートPCは、なかなかないと思います。

17.3型とノートPCとしては大きな液晶を搭載しているので、標準的な15.6型ノートPCを使っていて、ウェブ閲覧やOfficeソフトの使用時に文字が見づらいなと感じる方におすすめです。

17.3型の大きな画面で使いやすい

 

色域が広めの見やすい液晶を搭載

IdeaPad Slim 360 (17)は、17.3型と大きいだけでなく、視野角が広くて見やすいIPS液晶を搭載しています。

また、非光沢液晶なので、映り込みも抑えられていますし、フリッカーも発生していなかったので、作業がしやすいです。

しかも、メーカー仕様では「72%NTSC」、当サイト計測ではsRGBカバー率90.8%と、色域がやや広めです。比較的色鮮やかな表示ができるので、ウェブ閲覧、ネットショッピング、ネット動画の視聴などが快適です。

色域広めの液晶を搭載

 

オンボード+スロットのメモリ

IdeaPad Slim 360 (17)のメモリ構成は、オンボード(4GB) + スロットメモリ (4GB)となっています。

IdeaPad Slim 360 (17)は、Ryzen 5000シリーズを搭載し、快適に使える処理性能を備えていますが、複数のアプリを同時に起動して作業したり、ブラウザのタブで複数のページを開く場合など、使い方によってはメモリが不足する可能性があります。せめて、Ryzen 7モデルには、16GBメモリを搭載していればよかったです。

なお、スロットメモリを換装して(自己責任)、メモリ容量を増やすことはできるかもしれません。ただし、その場合でも、デュアルチャネルで動作するのは、オンボード(4GB) + スロットメモリ (4GB)の合計8GB分のみとなり、8GBを超える部分はシングルチャネルでの動作となり、デュアルチャネルに比べるとメモリの速度が遅くなります。

メモリスロットは1つ

 

2.5インチドライブ用のスペースもあるけど・・

IdeaPad Slim 360 (17)には、下の画像のように、2.5インチドライブ用のスペースもありました。

ただし、マウンタはありますが、コネクター類が付属していません。

 

「JUTOSHUR 2.5inch HDD SSD Hard Drive Cable Connector(Amazon販売ページ)」のようなコネクターを別に購入すれば、2.5インチのHDDやSSDを増設できるかもしれません。

今回は、実際に増設できるのかのチェックまではしていないので、ご了承ください。なお、メモリやストレージの増設・換装は、自己責任となります。当サイトでは、動作の保証、サポートなどはしておりません。

 

価格を抑えるために省かれている部分

IdeaPad Slim 360 (17)は、非常にコスパの高い機種ですが、価格を下げるために抑えられている部分がいくつかあります。

以下に4つ紹介していますが、このあたりが気にならないか、チェックしておくことをおすすめします。

 

樹脂製のボディ

IdeaPad 5シリーズなど、天板にはアルミ素材を採用している機種もありますが、IdeaPad Slim 360 (17)は、天板、本体部分のどちらも樹脂製となっています。

サラっとした表面で、指紋や汚れは付きにくそうですが、高級感はありません。ボディの感触や、デザイン性を求める方には、あまりおすすめしません。

オール樹脂製のボディ

 

USB-Cの機能はデータ転送のみ

IdeaPad Slim 360 (17)は、USB-Cポートを搭載していますが、機能はデータ転送のみとなっており、Thunderbolt、Power Delivery、DisplayPortには対応していません。

これらの機能に対応していれば、ドックを使用して拡張しやすかったり、他の部屋のUSB-Cアダプターでも給電ができたりと便利だったと思いますが、ここは諦める必要があります。

USB-Cポート

 

無線規格はWi-Fi 5

最近のノートPCでは、無線規格がWi-Fi 6対応となっていることが多いですが、IdeaPad Slim 360 (17)の無線規格は、Wi-Fi 5対応です。

不都合があるほど通信が遅いわけではありませんが、自宅などでWi-Fi 6対応ルーターを導入している場合、そのメリットを活かせません。

 

その他

IdeaPad Slim 360 (17)は、IRカメラや、指紋センサーを搭載していません。そのため、顔認証や、指紋認証を使った、Windowsへのログインはできません。

また、キーボードには、バックライトも付いていません。

 

ライバル機種の紹介

IdeaPad Slim 360 (17)と同じサイズの17.3型ノートPCで、比較的リーズナブルな価格の機種として、HP 17s-cuがあります。

HP 17s-cuは、HPのエントリーモデルですが、メモリ16GB、512GB以上のストレージを備えています。また、Wi-Fi 6対応、指紋センサーを搭載し、キーボードにバックライトが付いている部分は、IdeaPad Slim 360 (17)に対してのアドバンテージとなります。ただし、液晶の色域は広くなく、一般的なノートPCと同程度でした。

一方、IdeaPad Slim 360 (17)は、色域広めの液晶と、価格が7万円台~という安さが、HP 17s-cuよりも魅力的な部分です。

用途や、重視する部分によって、比較検討するといいと思います。

HP 17s-cu

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面が見やすく、スペックも十分です。
オンライン会議 ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議に参加できます。
動画鑑賞 当サイト計測でsRGBカバー率90.8%と比較的広めの色域でした。スピーカー音も悪くないので、快適に動画鑑賞できます。
RAW現像
画像編集
ディスプレイの色域は広めですが、クリエイティブな作業にはやや不足しています。また、Ryzen搭載で、メモリも8GBしかないので、処理には少し時間がかかると思います。趣味レベルであれば、RAW現像などにも使用できるかもしれません。
動画編集 メモリが8GBしかなく、外部GPUも搭載していないので、動画編集向きでありません。ただ、FHD/30pの1つの動画のカット編集くらいなら出来なくもありません。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありませんが、VALORANTなどの軽めのタイトルなら、グラフィック品質設定を落とせば、60fps以上が出るケースもあります。

 

ディスプレイのチェック

IdeaPad Slim 360 (17)のディスプレイパネルは、「BOE NV173FHM-N4K」でした。

クリエイター向けほどではありませんが、色域が広めの液晶を搭載していました。映り込みも抑えられており、フリッカーも発生していないので、見やすいです。最大輝度は、当サイトの計測では289cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は90.8%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、青と緑がやや強く発色しているのが分かります。実際の画面をみると、若干緑が強いかなと感じますが、そこまで気にはなりません。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

どの輝度でも、PWM調光によるフリッカー(ちらつき)は確認できませんでした。ちらつきはありません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

IdeaPad Slim 360 (17)のキーボードのチェックです。

実測で、キーピッチは横:18.5mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmです。標準的なキー配置で、主要なキーでサイズが極端に小さなキーもありません。普通の打ちやすさのキーボードです。

また、一般的な4列テンキーもついているので、数字の入力もしやすいです。

バックライトは非搭載です。

タッチパッドの使いやすさは、普通です。

キーボード全体図
※クリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

IdeaPad Slim 360 (17)のパフォーマンスのチェックです。

Lenovo Vantageの電源スマート設定で、動作モードが変更できます。

電源スマート設定

 

ここでは、「インテリジェント・クーリング」時と、「エクストリーム・パフォーマンス」時の各種ベンチマークを掲載します。

 

CPU

今回は、Ryzen 5 5500Uを搭載しており、ベンチマークスコアはご覧の通りです。

シングルコアは普通のスコアでしたが、マルチコアでは高めのスコアが出ていました。一般用途には、Ryzen 5 5500Uでも十分快適に使用できると思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 5500U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13382
Core i9-11900H 13266
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
12359
Core i7-11800H 11893
Ryzen 7 5700U 8445
Ryzen 7 5800U 8086
Ryzen 5 5500U 7325 [エクストリーム・パフォーマンス]
6943 [インテリジェント・クーリング]
6250
Core i7-11370H 7123
Core i7-1195G7 6594
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 3 5300U 5492
Core i5-1155G7 4845
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i5-1035G4 4150
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1195G7 1634
Core i9-11900H 1570
Apple M1 Max/Pro
10コアCPU
1531
Core i7-11370H 1519
Core i7-1185G7 1517
Core i7-11800H 1511
Ryzen 9 5900HX 1463
Core i5-1155G7 1449
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800U 1382
Core i5-1135G7 1294
Ryzen 7 5700U 1264
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 5 5500U 1185
1182 [エクストリーム・パフォーマンス]
1180 [インテリジェント・クーリング]
Ryzen 3 5300U 1130
Core i5-1035G4 1121
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリは、DDR4-3200です。メモリの速度は、普通です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
8GB(4GBx2)メモリ
他のストレージとの比較(帯域)
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
最大 約68.2GB/s (34.1GB/s x2)
DDR4-3200
デュアルチャネル
最大 約51.2GB/s (25.6GB/s x2)
27.13GB/s
DDR4-2666
デュアルチャネル
最大 約42.6GB/s (21.3GB/s x2)
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

グラフィックスの性能はご覧の通りです。一般用途には十分のグラフィックス性能を備えています。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 5 5500U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1195G7
メモリLPDDR4X-4266
22853
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
GeForce MX330 16714
Ryzen 9 4900HS 16322
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
13937 [インテリジェント・クーリング]
13929 [エクストリーム・パフォーマンス]
13316
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
9485
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、十分な速度です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
2463
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットを搭載しています。速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックでは、下表のような結果となりました。

USB-Cポートを1ポート備えていますが、Thunderbolt、Power Delivery、DisplayPortのいずれにも対応しておらず、データ転送のみ対応となっています。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック × ×
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器 ×
45W Lenovoウルトラポータブル ×
30W RAVPower GaN充電器 ×
18W cheero充電器 ×
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740 × ×
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、YCbCr444で出力できています。

4Kテレビ(ビエラ TH-55CX800)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

IdeaPad Slim 360 (17)の質量は、メーカーの仕様値では「約2.2kg」となっています。当サイトによる計測値では、もう少し軽い質量でした。17.3型ノートPCとしては、比較的扱いやすい質量だと思います。

ACアダプターも軽めでした。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 2.052kg
ACアダプター+電源ケーブル 204g

 

バッテリー駆動時間のチェック

IdeaPad Slim 360 (17)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は、38Whでした。17.3型ノートPCとしては、やや小さめの容量です。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りです。バッテリー容量が小さいので、バッテリー駆動時間も長くはありません。それでも、別の部屋で使用するときなどは、ACアダプターを外して、バッテリー駆動でも十分使えると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約8.0時間
(2) PCMark 10 Modern Office 7時間17分
(3) PCMark 8 Work 6時間9分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

高速充電に対応しています。当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りで、充電速度は普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
69%(約26Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラは、プライバシーシャッター付きです。IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラ

 

Webカメラは、約100万画素の標準的なHD 720pカメラです。比較的自然な色味の画像でした。拡大して見ると細部の粗が見えますが、ノートPCのWebカメラとしては普通の性能だと思います。

本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

1万円以上する外付けのLogicool StreamCam C980のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ

 

スピーカー

スピーカーは、底面の左右にステレオスピーカーを搭載しています。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

インテリジェント・クーリングモードでは、CPU電力は約18Wで推移し、CPU温度はほぼ50℃台と低めに抑えられています。

エクストリーム・パフォーマンスモードでは、CPU電力が約25Wにアップするため、CPU温度も上がりますが、それでもほぼ60℃台なので、こちらも心配のない温度です。

どちらのモードでも、CPU温度を心配せずに使用できそうです。

  • インテリジェント・クーリング時
  • エクストリーム・パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。なお、モードは「インテリジェント・クーリング」で計測しています。

アイドル時はほぼ無音です。高めの負荷がかかると、それなりの騒音値になります。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。

本体の表面温度は全体的にやや低めです。パームレスト部の温度もほとんど変化しておらず、タイピング時でも、手に不快感はありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けプロセッサーなので、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

IdeaPad Slim 360 (17)の外観のチェックです。

樹脂製のボディなので、高級感はありませんが、サラっとした手触りなので、指紋や汚れが付きにくいと思います。

ボディカラーは、アークティックグレーです。

 

天板には、小さく「Lenovo」のロゴが入っているだけで、シンプルです。

 

閉じた状態です。高さは約19.9mmです。

 

インターフェイスには、USB3.0、USB2.0、USB-C、HDMI、SDカードリーダーを備えています。USB-Cポートの機能がデータ転送のみで、Power Deliveryに対応していないのが、やや残念でした。

 

ディスプレイの開く角度です。

 

底面です。

 

底面カバーを開くと、ご覧のような内部になっています。1つのファンと、1本のヒートパイプで冷却しています。

 

メモリは、オンボード(4GB)+スロットメモリ(4GB)です。スロットメモリは換装できると思います。

 

ストレージには、Type 2242 SSDが搭載されています。スペーサーを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできそうです。

 

バッテリーの横には、2.5インチドライブを搭載できそうなスペースがあります。ただし、ケーブルとコネクターが付属していません。

 

ACアダプターは65Wです。コンパクトなサイズで、一体型なので、ケーブルも邪魔になりにくいです。

 

まとめ

以上が、IdeaPad Slim 360 (17)のレビューです。

目立った特徴は、搭載する液晶と、コスパの高さです。

17.3型のIPS液晶は、視野角が広く、大きな画面なので、ウェブページなどの文字も見やすいです。さらに、当サイト計測で、sRGBカバー率90.8%と色域も広めでした。色鮮やかな表示ができるので、ネット動画の視聴なども快適です。

この液晶を搭載し、Ryzen 5モデルであれば、7万円台で購入できるので、非常にコスパが高いです。17.3型ノートPCを探している方には、要チェックの機種です。

ただし、この価格を実現するために、抑えられている部分もあります。例えば、樹脂製のボディ、無線規格はWi-Fi 5、指紋・顔認証に非対応、バックライトなしのキーボードなどです。

また、メモリが8GBしか選べないのも、やや残念な部分でした。

この辺りが気にならなければ、ネット、動画視聴をメインとする日常的な用途には十分快適に使えて、価格も安い機種として、おすすめ度は高いです。特に、これまで15.6型ノートPCを使ってきて、文字が見えづらくなってきたと感じる方のホームノートPCとして、とてもいいと思います。

見やすい液晶を搭載した、コスパの高い17.3型ノートPC

IdeaPad Slim 360 (17)

特徴

  • 見やすくて色域も広めの液晶を搭載
  • 7万円台~とコスパが高い
  • 価格のため抑える部分は抑えた構成

こんなあなたに

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