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レノボ Yoga 950i 14型の実機レビュー
APU | Core i5-1135G7 Core i7-1185G7 |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | 256GB~1TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14インチ |
液晶種類 | UHD(4K) IPS 光沢 |
質量 | 約1.37kg~ |
バッテリー | 最大 約12.2時間 |
価格[税込] | 13万円台~ |
Yoga 950iは、4K液晶に、高品質のスピーカーを搭載したノートパソコンで、動画や音楽をよく視聴する方におすすめです。
スピーカーは、ヒンジ部分に搭載されており、音が直接耳に届くようになっており、さらにウーファーも搭載されています。
また、タブレットにも変形できる 2 in 1 PCで、アクティブペンも本体に内蔵されています。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-1135G7、8GBメモリ(4GBx2)、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Yoga 950i の特徴」のみお読みください。
Yoga 950iの特徴
4K液晶を搭載し、画像も文字も綺麗
Yoga 950iは、4K液晶を搭載している点が特徴のノートパソコンです。
画面が非常に高精細なので、撮影した子供の写真や、旅先での思い出の写真など綺麗に表示することが可能です。4K画質で撮影した子供の運動会やお遊戯会の動画も、そのままの解像度で表示できます。
色域も100% sRGBクラスと広めで、写真などが鮮やかに表示できます。クリエイター向けのソフトを使用して、ウェブ素材用の写真編集や、動画の編集を行うのにも適しています。
また、表示スケールの設定を150%に拡大しても、2画面を余裕で並べられます。テキスト文字も粒状感がなく綺麗です。
スピーカー音が非常に良い
Yoga 950iはスピーカー音がいいのも大きな特徴です。
ヒンジ部分に2Wx2のツイーターを搭載し、音声がダイレクトに耳に届くようになっており、さらに底面には2Wx2のウーファーを搭載し、ノートとしては迫力ある重低音を実現しています。
数多くのノートPCのスピーカーを確認してきましたが、間違いなくトップクラスの音質です。ノートPC基準で、10点満点で採点すると7~8点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
ちなみに、あくまで個人的な意見ですが、最もスピーカー音が優れていると思うノートPCは、MacBook Pro 16インチです。現行製品の中では、Yoga 950iはそれに次ぐ、音の良さだと個人的には思います(追記:XPS 15も、Yoga 950i以上、MacBook Pro 16インチ以下のスピーカー音の良さだと思います)。
ペン内蔵の2 in 1 PC
Yoga 950iは、アクティブペンをPC本体に内蔵し、このペンで手書き文字入力や、簡単なスケッチをすることが出来ます。
ただ、ペンが取り出しにくいのが残念です。爪をひっかけると何とか取れますが、爪が痛いです。
付属のペンはワコムのAESプロトコル対応で、傾き検知には対応していません。別売りのLenovo Precision Penなら傾きも検知しました。
ただ、この個体のみ故障しているのかもしれませんが、下の動画のようにディスプレイの左上に線を描くと、反応しなかったり、線が飛んだり、曲線が直線的になったりします。⇒追記:こちらの不具合は、修理に出して、パネルを交換してもらいトラブルは無くなりました。
Yogaシリーズ最上位モデルにふさわしい豪華デザイン
レノボのYogaシリーズは、Yoga 3、Yoga 6、Yoga 7とありますが、本製品はその最上位となるYoga 9シリーズとなります。ボディはアルミニウムを採用し、さらに非常に薄型です。マイカと呼ばれるゴールドに近いカラーも豪華さを引き立てます。
それほど軽くはないが持ち運びもできる
Yoga 950iの質量は約1.37kgとなっており、最近のノートパソコンとしては、そこまで軽いわけではありません。頻繁に持ち歩くのであれば、1kgを切るようなノートパソコンがたくさん発売されているので、そちらのほうがいいでしょう。ただし、十分に持ち運べる範囲の質量だとは思います。
メモリはオンボードで換装は不可
Yoga 950iのメモリはオンボードですので、メモリの交換はできません。その代わり、LPDDR4x-4266の高速メモリを搭載しています。
ポート類は少なめ
ポート類は、下図の通り、Thunderbolt 4が2つ、フルサイズUSBが1つ、ヘッドホン/マイクが1つのみの構成です。なお、右側面にはポートがありません。Thunderbolt 4で、映像出力や充電も出来るので、そこまで困らないかもしれませんが、このポート構成で問題ないかは確認しておきましょう。個人的にはSDカードスロットがないのが残念です。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 解像度が高いので、スケール表示を高くすることで、文字を滑らかに表示できます。スペックも十分で、快適にWeb閲覧、Officeの操作などができます。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | カメラ、マイク、スピーカーを備えており、オンライン会議も問題なくできます。 |
動画鑑賞 | ◎ | スピーカー音がよく、臨場感ある音声で動画を視聴できます。4K液晶を搭載しているので、4K動画もそのままの解像度で表示できます。色域も広く色鮮やかです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 広めの色域の液晶を搭載しており、RAW現像や画像編集もできます。欲を言えば、GeForceシリーズの外部グラフィックスも搭載していれば良かったです。なお、この用途で使用するなら、メモリは16GBのモデルがおすすめです。 |
動画編集 | △~○ | 外部グラフィックスを搭載していないので、動画編集向きの製品ではありませんが、FHDの短めの動画なら編集できるでしょう。 |
ゲーム | △~○ | CPU内蔵のグラフィックスが強化されたので、軽めのゲームで、グラフィック品質を下げれば、プレイできなくもありません。ただ、基本的にはゲームをするなら、外部グラフィックスを搭載したPCがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
Yoga 950iのディスプレイのチェックです。
搭載されていたパネルは「CSOT T3 MNE001EA.2」でした。なお、別のパネルが搭載される可能性もあります。
前述したように、高い解像度で、色域も広めです。タッチパネルにも対応してます。ただし、画面は光沢で、好まない方もいるかと思います。最大輝度は、当サイトの計測では444cd/m2と高めです。DisplayHDR 400にも対応しています。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は下表の通り広いです。sRGBカバー率はほぼ100%、DCI-P3カバー率も90%以上あります。
sRGBカバー率 | 99.8% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 97.1% |
Adobe RGBカバー率 | 85.7% |
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga 950iのキーボードのチェックです。
実測値で、キーピッチは縦:約19mm、横:約18mm、キーストロークは約1.2mmです。実際にタイピングしてみると、キーピッチが十分あるので、押し間違いはあまりありませんが、キーストロークの浅さがやや気になります。ただ、慣れれば特に気にはならないでしょう。指を滑らすようにタイピングする方にはいいと思います。
タッチパッドは普通の使いやすさです。クリックボタンも軽めの力で押せます。
キーボードバックライトも搭載しており、暗い所でもタイピングしやすいです。
パフォーマンスのチェック
Yoga 950iのパフォーマンスのチェックです。
Yoga 950iでは、Lenovo Vantageのソフトから、動作モードを変更することができます。ここでは、初期値の「インテリジェント・クーリング」と、最も高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で、ベンチマークを計測します。
なお、今回、Core i5-1135G7を搭載していますが、インテリジェント・クーリング時のPL1は19.25Wと普通の数値、エクストリーム・パフォーマンス時のPL1は28Wと高めの数値です。
CPU
CPU性能を評価するCINEBENCH R23のスコアは以下の通りです。今回搭載しているCore i5-1135G7ですが、一般的なユーザーであれば十分な性能です。
なお、Yoga 950iは、Core i7-1185G7も選択することができます。こちらのCPUは、28Wクラスのモバイル向けプロセッサーとしては性能が高くなっています。クリエイティブな作業をするのであれば、こちらのグラフィックスのほうがいいでしょう。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR4X-4266を搭載しており高速です。ただし、オンボードであるため後からメモリを交換・増設することは出来ません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
今回は、メモリの速度が速いので、CPU内蔵グラフィックスとしては高いスコアが出ています。ライトにゲームや動画編集などもやりたいと思っている方にはいいと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージは、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、速度が速いです。容量は256GB~1TBまであります。2ndストレージを搭載することは出来ません。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは2つあり、Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPort出力に対応しています。Power Deliveryによる充電については、30Wと18Wの充電器では、低速ケーブルであるとの警告が表示されるので、できれば45W以上の充電器がいいと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速ケーブルであるとの警告が表示されるものの充電は可能
HDMIの動作チェック
HDMIポートはありません。HDMIポートを搭載したテレビや液晶ディスプレイへ出力したい場合は、USB-C - HDMIケーブルもしくは、USB-C - HDMI変換アダプターを購入するといいでしょう。
質量のチェック
Yoga 950iの質量のチェックします。
メーカーサイトには、本体質量は約1.37kgと書かれています。当サイトによる計測値は、それよりもやや重く1.392kgでした。最近は14型液晶でも1kgを切るモバイルノートが増えているので、この製品は決して軽い部類には入らず、むしろ重い部類かと思いますが、外への持ち運びが億劫にならない程度の質量です。
質量 | |
PC本体 | 1.392kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 352g |
バッテリー駆動時間のチェック
Yoga 950iの搭載バッテリーは、60Whとなっており、大きめの容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りです。大容量バッテリーを搭載していますが、消費電力の大きい4Kディスプレイを搭載しているため、他のモバイルノートほど長い駆動時間ではありません。ただし、軽めの作業であれば、10時間くらいはもつので、十分なバッテリー駆動時間ではないかと思います。なお、バッテリー駆動時間は作業内容によって大きく変わるのでご了承下さい。
Core i5-1135G7 | Core i7-1185G7 | |
(1) JEITA2.0 | 約12.2時間 | 約9.8時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 10時間24分 | ― |
(3) PCMark 8 Work | 3時間50分 | ― |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通だと思います。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「インテリジェント・クーリング」モードであれば、CPU電力は15W前後と低めですが、CPU温度も低めに推移しているので、安心して使えるでしょう。
「エクストリーム・パフォーマンス」モードのときは、最初はCPU電力が25W前後と高めで、CPU温度も80℃台と高めですが、どちらも徐々に下がり、最終的にはCPU電力が18W前後、CPU温度は70℃台まで下がっています。高いCPU電力を持続することは出来ないようです。
- インテリジェント・クーリング時
- エクストリーム・パフォーマンス時
静音性のチェック
Yoga 950iの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高めの負荷をかけても騒音値は低めです。割と静かな環境で作業できるでしょう。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
Yoga 950iのキーボード面と底面の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
高い負荷をかけても温度変化が少ないです。肝心のパームレスト部分はやや暖かさを感じるものの、それほど気にはなりません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
cTDP-up:28WのノートPC向けプロセッサーなので、低めの消費電力です。
外観のチェック
最後に、Yoga 950i の外観を掲載します。
トップとボトムはアルミニウム製で、ボディは薄く、高級感のあるデザインです。カラーは、「マイカ」という薄めのゴールドのような色で、ゴージャス感があります。
天板には「YOGA」の文字が入っています。
ヒンジは360度回転し、タブレットの形状などでも使用することが出来ます。テントもしくはL字のような形状にして、Thunderbolt 4ポート経由で、ドックを兼ねた液晶ディスプレイにつないで、キーボードを液晶ディスプレイにつないで使用するのもいいと思います。
Webカメラは、100万画素の普通の性能のカメラです。プライバシーシャッターが搭載されているので、使用しないとき、もしくは使用しない方は、物理的にカメラを隠すことができます。
高さは、最薄部が14.6mmとなっており、非常に薄いです。
タブレット形状にしたときはご覧のようになっています。どうしても隙間は出来てしまいますが、それでも薄いです。
側面には、Thunderbolt 4が2つに、USB3.1が1つ、マイク/ヘッドホン端子があります。電源ボタンも側面にあります。
底面はシンプルなデザインです。
底面カバーを開けると、ご覧のようになっています。冷却ファンは2つあるので、薄型ボディでも、冷却面で安心です。
ストレージは、Type 2280のM.2 SSDが搭載されています。
メモリはオンボードなので、換装することは出来ません。
ペンを内蔵したとき、内部から見ると、ご覧のようになっています。
標準で付属しているACアダプターは65Wで、やや大きめのサイズで、電源コードも太いです。外出先へ持って行くなら、Power Delivery対応の充電器を用意したほうがいいと思います。
まとめ
以上が、Yoga 950iのレビューです。
4Kディスプレイを搭載している点が特徴で、画像を高精細に表示でき、4K動画もそのままの解像度で再生できます。文字も粒状感がなく見やすいです。最近は、スケール表示を拡大しても表示がそれほど崩れないアプリがほとんどなので、4Kの高解像度でも特に問題はないでしょう。
また、ヒンジ部分にスピーカーを搭載しているので、サウンドがダイレクトに耳に届きます。ツイーターx2、ウーファーx2を搭載し、音も非常にいいです。ただし、いくらノートパソコンとしては、音がいいといっても、1万円くらいの外部スピーカーほどではありません。過度に期待しないようにしてください。
デザインもいいですし、2 in 1 PCですし、ペンも使えるので、幅広い用途で使えることでしょう。
ただし、ポート類は少なめです。HDMIやSDカードスロットはありません。
また、この個体だけかもしれませんが、ペンで線を描くと、ディスプレイの一部の領域で、線が飛んだり、反応しなかったりしました。こちらは後でサポートに連絡して、修理に出してみたいと思います。直ったら記事に追記します。⇒追記:こちらの不具合は修理に出して、改善されました。
4K液晶で、スピーカー音もいい
Yoga 950i
特徴
- 4Kディスプレイを搭載
- スピーカー音がいい
- 高級感あるデザイン
こんなあなたに
- 動画や音楽をよく視聴する方
- 撮影した画像を綺麗に表示したい方
- 粒状感のない文字で作業したい方
- 価格13万円台(税込)~
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製品の概要をまとめた動画も作成しました。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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