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レノボ Legion Y740Sの特徴レビュー

CPU | 最大 第10世代Core i9 |
---|---|
GPU | eGPUサポート |
メモリ | 最大32GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD IPS/ 4K IPS VESA HDR 400 |
質量 | 約1.7kg~ |
バッテリー | 最大 約8時間 (60Whr) |
価格[税込] | 21万円台~ ※2020年5月発売予定 |
Legion Y740Sは、通常とは趣向が少し異なる15.6型ゲーミングノートPCです。
15.6型のゲーミングノートPCとしては、約1.7kgからと軽量で、薄型のボディなので、持ち運びもしやすいです。その代わりに、外部GPUを搭載していません。Lenovo Legion BoostStationに接続することで、高いグラフィックス性能を使用することができるようになります。
広色域の液晶を活用して、昼間は高性能CPU搭載のノートPCとして、夜は自宅でLenovo Legion BoostStationに接続して、ゲームでリフレッシュする、といった使い方できます。
使う人を選ぶゲーミングノートPCではありますが、とても面白い機種だと思います。
Legion Y740Sの特徴
マルチに使える、軽量・薄型のゲーミングPC
Legion Y740Sは、これまでのゲーミングノートPCとは一線を画す、特徴的なゲーミングノートPCです。
一般的なゲーミングノートPCであり、兄弟機種でもあるLegion Y740(15)と比較してると、違いが分かります。
最大の特徴は、15.6型のゲーミングPCなのに、質量が約1.7kgからと非常に軽量で、サイズもコンパクトな点です。特に、厚みがかなり薄くなっています。しかも、バッテリー駆動時間が約8.0時間と結構長めです。しかし、外部グラフィックスを搭載しておらず、eGPUサポートなっているため、単体ではゲーミングノートPCとして非力すぎます。後述しますが、Lenovo Legion BoostStationと併用することで、ゲーミングPCとして動作します。
日中は、機動性の高い大画面ノートPCとして仕事などにも使用でき、夜は自宅でゲーミングノートPCとして使用する、といったようなマルチに使用できる新しいゲーミングノートPCと言えるでしょう。
純粋に移動可能なゲーミングノートPCが欲しいのであれば、Legion Y740(15)のような機種の方が適しています。
[本製品] Legion Y740S |
レノボ Legion Y740 (15) |
|
画像 | ![]() |
![]() |
CPU | 最大 第10世代Core i9 Core i9-9880H Core i7-9750H Core i5-9300H |
Core i7-9750H |
GPU | eGPUサポート | RTX 2060 RTX 2070 Max-Q RTX 2080 Max-Q |
液晶種類 | FHD IPS NTSC 72% 4K IPS 100% Adobe RGB |
FHD IPS 非光沢 144Hz G-Sync |
質量 | 約1.7kg~ | 約2.2kg |
サイズ | [幅] 356 [奥行] 251.8 [高さ] 14.9 |
[幅] 361 [奥行] 265 [高さ] 19.95 |
バッテリー | 約8.0時間 (60Whr) | 約3.0時間 |
最大 第10世代Core i9搭載可能
Legion Y740Sは、最大で第10世代Core i9を搭載可能となっています。これは、まだ発売前のCPUのため、どの程度の性能なのかは分かりませんが、ノートPCの搭載するCPUとしてはかなり高い処理性能となることは間違いないと思います。
それ以外には、第9世代 HシリーズのCPUを搭載します。それぞれのCPUの目安は、以下のグラフに緑のバーで示す通りです。
バッテリー駆動時間と、処理性能のどちらをどの程度優先するかによって、搭載するCPUを決めるとよさそうです。
※スコアは、他のPCで計測した代表値です
eGPUをサポート
Legion Y740Sは、外部グラフィックスを搭載しておらず、eGPUサポートとなっています。
このeGPUとは、外付けグラフィックスのことです。Lenovo Legion BoostStationという、下の写真にあるグラフィックスカードを内蔵したドックをThunderbolt 3ケーブルでPCに接続することで、高いGPU性能を手にすることができるようになります。
このLenovo Legion BoostStationは、ケースだけの販売以外に、オプションでGeForce RTX 2060、もしくはRadeon RX 5700 XTとセットになったものもあるようです。それ以外だと、現時点では、GeForce RTX 2080 Superまで対応可能なので、非常に高いグラフィックス性能を選択することも可能です。
ノート用ではなく、デスクトップ用のグラフィックスカードが使用できます。ただし、eGPUで使用する場合、デスクトップPCに搭載した場合よりも、少し処理性能が落ちる傾向があるようです。
また、このLenovo Legion BoostStationは、質量が約8.5kgと重いです。自宅に帰ったら、Legion Y740Sを接続し、ゲームを楽しむという使い方に適した、据え置きドックという位置づけになるでしょう。


Q-Controlでシフトチェンジ
Legion Y740Sは、上述のように処理性能がとても高いCPUを搭載可能です。しかし、いつでもフルパワーが必要なわけではありません。そのために、ユーザーはQ-Controlでパフォーマンスを変更することができます。具体的には、Fnキー + Qキーを押すことで、以下のようなモードに変更できます。
パフォーマンスモード:最も高い処理性能により、高いフレームレートでのゲームプレイなどに最適。
バランスモード:日常遣いに適したモード。
静音モード:動画の視聴など低負荷作業に適しており、バッテリー駆動時間も長くなる。
機動性を活かして、バッテリー駆動により外で使用するときなどは、Q-Controlで処理能力を抑えることで、長めのバッテリー駆動が可能となるようです。
べーパーチャンバーでしっかり冷却
Legion Y740Sで、やや不安に感じるのは、高い処理性能のCPUを搭載しながら、そんなに薄いボディでちゃんと冷却できるのか、CPUの性能をしっかり引き出すことができるのか、という部分です。
Legion Y740Sは、べーパーチャンバーテクノロジーを採用した、Legionシリーズ初のゲーミングノートPCです。これは、液体を封入したべーパーチャンバーにより、ヒートシンクの熱拡散を促進し、わずかなスペースでより効率よく放熱することを可能とします。
また、よく調整された、57枚の液晶ポリマーブレードを備えたクアッドファンシステムを備えており、冷却性能とともに、静音性にも気が配られています。底面の画像を見ても、吸気と排熱をしっかり意識した作りとなっている感じがします。
これらの冷却システムにより、高性能CPUの力をどこまで引き出すことができるのか、実際に試してみたいものです。

広色域の4K液晶モデルも
Legion Y740Sには、フルHD液晶モデルと4K液晶モデルの2種類があります。詳細は以下の通りです。
フルHD液晶:IPS、60Hz駆動、72% NTSC、Dolby Vision サポート、300nits
4K液晶:IPS、60Hz駆動、100% Adobe RGB、VESA HDR 400、Dolby Vision サポート、600nits
2種類とも、クリエイティブな作業に使用にも適した、広色域の液晶です。フルHD液晶は、Webコンテンツの作成などに対応できそうです。一方、4K液晶は印刷用の写真の編集にも対応できる色域で、輝度も高めです。RAW現像など、CPUに対する依存度が高い作業であれば、外部グラフィックスを搭載していなくても、使えるのではないかと思います。ただし、4K液晶はフルHD液晶よりも消費電力が高くなるので、外出先で使用する場合は、電源を確保した方がいいかと思います。
一方、ゲーミングPCとしては、どちらの液晶も120Hzや144Hz駆動といったハイリフレッシュレート液晶ではありません。高性能のグラフィックスボードを活用して、FPSなどのゲームをフルに楽しみたい場合は、ハイリフレッシュレートの外部ディスプレイを準備するとよいでしょう。
液晶の構成を見ると、軽量・コンパクトな高性能CPU搭載ノートPCとして、外での使用にやや軸足を置いているのかなとも感じます。
100%アンチゴースト キーボード
Legion Y740Sは、100%アンチゴーストのキーボードを備えています。つまり、複数のキーを押したときも、誤認識されないので、ゲームに適しています。ロールオーバーについては不明です。
耐油性・耐摩耗性コーティングが施されており、耐久性も高いです。
テンキーや、バックライトも付いています。通常のゲーミングノートPCのように派手なイルミネートではなく、白色のバックライトなので、外出先などで使用する場合も、ゲーミングノートPCというイメージを感じることはほぼないと思います。
ちなみに、センターの電源ボタンには指紋センサーが組み込まれており、指紋での簡単なログインも可能です。

SDカードリーダーも搭載
Legion Y740Sは、軽量・コンパクトなゲーミングノートPCですが、SDカードリーダーも備えています。クリエイティブな用途に適した液晶を搭載しているので、最近省かれることが増えてきたSDカードリーダー搭載は、地味にうれしいです。
その他、USB 3.1 x2、Thunderbolt 3 x2をインターフェイスとして、サイドと背面に備えています。
耐久性に優れたアルミボディ
Legion Y740Sは、耐久性に優れたアルミボディ製です。
アイアングレーのボディーからは、精悍なイメージなので、ゲーミングノートPCとしても、クリエイティブな作業用のノートPCとしても活用できます。
また、下の写真のように、ディスプレイはフラットになります。好みの角度でのゲームプレイが可能なだけでなく、対面する相手に画面を見せるときにも便利です。


まとめ
Legion Y740Sは、高性能CPUを搭載しながら、軽さと薄さが特徴的な15.6型のゲーミングノートPCです。ただし、外部グラフィックスはeGPUサポートとなっており、本格的なグラフィックス性能が必要な場合は、Lenovo Legion BoostStationと接続する必要があります。
そのため、昼間は外で仕事に使用し、夜は自宅でゲームで気晴らしをする、といった感じで使い分ける方に適した機種です。友人宅でゲームをしたいとか、グラフィックス性能が高く、移動可能なノートPCを探している場合は、この機種は該当しません。
場合によっては、Lenovo Legion BoostStationを利用せずに、純粋にハイパフォーマンスで、質の高い液晶を搭載したクリエイティブ作業用のPCとして、単体で使用するのもアリだと思います。
万人受けはしなさそうですが、気になる機種の一つになりそうです。
外では仕事、家ではゲーム
Legion Y740S

特徴
- 軽くて薄い15.6型ゲーミングノートPC
- 最大 第10世代Core i9搭載可能
- クリエイティブワークにも適したFHDと4Kの液晶
こんなあなたに
- 家ではゲーム、外では仕事に大きめノートを使いたい
- 高性能CPUを搭載した薄型ノートPCが欲しい
- 価格21万円台(税込)~
- 一言ゲーミングPCの変化球

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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